VOL16:パテック・フィリップ社の時計が高額な秘密
「ねえねえ、素朴な疑問なんだけど、どうしてパテックってあんなに高いの?」
「それはね、機械が素晴らしいんだよ。」
よく聞くセリフです。で、更にあげれば、
@「ホウの木で丁寧に研磨されているから」
A「精度が素晴らしいから」
B「歴史があって、人気が有るから」
などの答えが出てきます。もう少し並べれば、
C「ガンギシャ受けの金属プレートが油を揮発させるのを防ぐ」
D「ダイヤルのロゴが何回も塗りなおされ手間が掛かっている」
などがあります。
さて、ちょっと今回は激しく語ってしまいましょう。役に立ってしまいますぞ。
高くなる理由は必ずあります。しかも、誰でもが判る所で、です。
雑誌の値段が高いからというものも確かに有ります。
しかし、本来の高い理由を知ってこそ「あー、なるほど」と思うのではないでしょうか?
実際、上の説明では、他のブランドでも語られている物がありますよね。
じゃぁ、そのブランドがパテックにかなわないのはどうしてなんでしょうか?
このあたり、ズバリ!!と説明してみましょう。
このわたし。腕時計、懐中時計を大方揃えてしまった事があります。
元もとの「祖先」から残っている物に加え、自分でオークションやショップで購入していました。
最初はアメリカ・レイルロード。ヨーロッパ製へ進み、脱進器別でも揃えました結果、
次はノーマルなのに高いという物を物色しはじめました。
最終的に選び始めたのは単純「天文台精度コンクール入賞」のものです。
1965年以前の機械の時代は如何に精度を出すかで会社の名誉をかけて参加していたのです。
わが国のセイコーが上位入賞を果たしたのが「世界のセイコー」の始まりでもあります。
腕時計のクロノメーター認定試験ではありませんが、よく似たものですが、もっと厳しいもの。
しかしながら出品した物はその会社の金庫に大切にしまわれ市販される事はありませんでした。
そう、実際には市販されませんが市販品に技術を応用されていました。F1など車と一緒ですね。
ところが、時々何故かケースが付けられ市販された物があります。間違えたわけではなく。
そういう「天文台」物は当然高価になります。判りやすいでしょ。
実はパテック社は、たとえコンクールに入賞したとしても金庫に保管せずに、
特別な顧客の特注品に使っていました。
高価なノーマル・パテック・モデルの五倍から十倍の恐るべき値段が付きます。
まだ安かった時代に私は車の買い換えの為の貯金を全て継ぎこんで買ってしまったのが、
この「天文台精度コンクール」のものです。
(後になってから、かなり後悔しましたが、現在1999年のアンティコルムに出しても、
ある程度のまとまったお金になりますから、貯金と考え直しています)。
ただ父から時計や刀などを譲り受けるお返しに、これを父に預けました。
結局金庫に仕舞われていましたが。
今回は実家の金庫からパクッテ来たこれを御紹介しましょう。
エクストラ・・・・・この言葉、顧客の特注品や超有名時計師の逸品を指して使っています。
本来の「エクストラ」は気軽に使え無いです。
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14K無垢のオープンフェイス。 いつものパテックとの違いは殆ど判りません。 外側から見ると何処でも有るパテック。 52mmぐらいの大型です。 1900〜1905年ごろの製品です。 クロノメトロゴンドーロシリーズと同じ大きさデザイン。 ちなみにこれはスプリットセコンズ仕様の 18K懐中パテックと同じ値段でした。 (持ち歩けば、メルセデスがポケットにはいっチョルってやつ) |
↓テンプの軸受にはラフカットのダイヤモンドが使われています。
他の場所の受け石はルビーです。年代から天然です・・・。
ダイヤモンドといっても、更に古い時代の時計(150年前以上)は、
高級モデルには”普通に”ダイヤモンドが使われています。装飾ではなく機械に。
アーノルドアダムス・JWベンソン・鍵巻きハーフハンターも受け石にダイヤが使われています。
この事実をネットで公開したとき、それはそれは凄まじい威力でコレクターへ衝撃を与えました。
その頃は、ブラックダイヤルが高いとか、このブランドが高いとか、それが時計雑誌の主流、
懐中時計の本なんて微々たるもので、しかも”骨董”とひとくくりで腕時計などとは違う扱いでした。
エナメル絵画がメインでして、機構に言及する執筆者も皆無のころでしたね。

↑通常はバイメタル切りテンプというのが使われています。
が!これはギョームバランス。この単語もネットではウチが一番に紹介しました。
まだ英語の書類を繰る人も少なく、私のアンティコルムの会員番号は目茶早い状況、
この後、当然の知識となって広まるなどとは思いもよりませんでした。
矢印型平衡錘がアンクルに付いています。
ただ、通常使われるムスターシュの年代が1920年頃でしたから、
まだ無かった頃のやつです。
このあたりの単語はサイト内で既出ですから、知らない方はサイト内検索などで調べてください。
↓色々機械に書かれていますが、ごちゃごちゃあるのは気分的にかなり嬉しいです。

話を戻しましてパテックが高い理由ですが、名誉を受けた天文台精度コンクールで、
それをケースをつけて売ってしまう事。
ソレを基本として市販品も手を抜くと言うことで無く、しっかりとコストをかけて作っているということ。
▲市販品は量産品なので、普通は同じメーカーか?と思えるぐらい違う物です(マジ
↓パテックのムーブ達。程度などは一見して区別が出来ません。
(差としましては、ギョームバランスでないこと、ダイヤ受け石でないことが有るだけです)

ただ、時代が1900年を超え、誰もが知ってる世界大戦になりますと(つまり1914〜1940年ごろ)
ダイヤではないルビー仕様のものも散見できるようになります。値段はその分下がります。
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←このパテック・ティファニーは特注品かなぁ・・と感じているやつです。 ムスターシュ脱進器ではなく、矢印型平衡錘型アンクル脱進器ですし。 で、パテック社への資料請求、結構楽しみになっています。 ティファニーとのダブルネーム |
えー、当サイトで売り出した時の価格ではパテック懐中・無料0円がありました。
ロレックス・デイトナのじいさんが65万円とか市販が350万円の時代でしたねぇ。
ネットも様変わりし、サービス満点の個人サイトは山ほど消えていきました。
利害関係のあるジャンルでは非常に運営が厳しいです。
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