アブラハム・ルイ・ブレゲ工房物語Part2
| そして、仕事場 |
いつものようにジャンヌちゃん似の綺麗な絵を
エナメルで描いていた時のことである。
ブレゲ
「おーい。フトメスキー。どうだい?エナメルの出来は?」
フトメスキー
「ええ、順調ですね。ばっちりっすよ。」
ブレゲ
「そうか。どれどれ・・・フム。なかなか良い出来だなぁ。
機械は何使っているんだっけ?」
フトメスキー
「エナメル絵画がメインだからって、
特注ではなく一般の機械のものです。」
| 一般の機械はバージ脱進器という チェーンで等速のぜんまいをほどけさせる機械です。 ブレゲは当時最高のルピンキャリバー&ルビーシリンダーや、 トゥールビヨン、対ショック機構など斬新な機構を発明していきました。 その前は、普通の時計を売っていたのは当たり前でした。 そうそう、現代でもブレゲの機構は使われつづけています。 |
ブレゲ
「そうか。。。なぁ、それならさぁ、
俺にもエナメル画描かせてくれない?」
フトメスキー
「はぁ?だめですよぉ・・・師匠・・・」
(やれやれ、またかよぉーーっ。
下手なくせにやりたがるんだから)
ブレゲ
「なぁ、フトメちゃん、おれさぁ、今度さぁ、
王宮に呼ばれているんだ。
ジャンヌちゃんに革命を考え直すように伝えに行く係りだそうだ。
そのときのお土産がそのフトメちゃんがやっているやつ。
もし、おれにもやらせてくれたら、
お前を連れていってもいいんだけどなぁ。。。」
フトメスキー
「え!!ジャンヌちゃんに会えるんですかぁ?
ムムム・・・ホントっすかぁ?」
ブレゲ
「当たり前よう!!俺がうそ言ったことがあるか?」
フトメスキー
「それがそもそもうそだっちゅうーのっっ!」(ボソっと)
ブレゲ
「あーーーっっ!!師匠に向かってこいつはーーーっっ」
フトメスキー
「き、聞こえたんですか…」
恐ろしい男だ、師匠…。
| ナレーション おほん。ちょっと見苦しいところを実況してしまいました。 どうやら、フトメスキーはブレゲの言葉にのせられて、 エナメルを少しだけやらせてもいいと考えたようです。 きっかけはやはり、女性ですねぇ。 そして、今までやっていたケースをブレゲに渡しました。 ただ、綺麗なジャンヌちゃんの部分は完成させていたので、 一番簡単?な、外回りをやってもらうことにしました。 この時代はルイ15世です。 その後、フランス革命が成功して、ルイ16世は世に出ませんでした。 噂では仮面をつけられて幽閉されていたそうですが、 それの題材になった映画がありませんでしたっけ? 「仮面の男」だったかな? |
フトメスキー
「師匠。外側を綺麗に円でくくって、
中の絵は崩さないでくださいね。
きれいな円にするんですよ!!」
ブレゲ
「解ってるって。お前もくどいなぁ。
ジャンヌちゃんに嫌われるぞぉ。
しつこい男は嫌ってさぁ。」
フトメスキー
「・・・・・・・・・・・・」
(まったく、ジャンヌちゃんを出せば、
俺は黙ると思っているから、たまらんぜよ。
賞味の話が・・・)
ブレゲ
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
(おっと、綺麗にできるぜ。
俺ってば、時計機構だけじゃなくっても、
エナメルだって才能あるじゃんか。)
| エナメルの作成には結構時間がかかります。 フトメスキーは、いくらなんでも外回りだけなら失敗しないだろうと ちょっと散歩に行くことにしました。 フランス革命はこのやり取りの数年後に起きるのですが、 まだまだ平和なパリでした。 そういえば、10年前、 私(作者)は医療関係の仕事の出張でパリに行っていまして、 昼間の2時にシャンゼリーゼ通りを上司と歩いていたときに かっぱらいに遭いました。 その時のかっぱらいは、バイクのエンジンを切って押して その勢いで走ってきてセカンドバックをカッターで紐を切り、 掻っ攫っていきました。 かっぱらった後で、エンジンをかけてそのまま走り去るのですが、 いやぁ、鮮やか過ぎてびっくりでした。 でも、セカンドバックはカモクラージュで、 パスポートなどの重要なものは内ポケットに入れていました。 それにしても、カッターで切られた紐が手首のところでブランブランと… ぶらさがっていたのを見たとき、 手首が切れたらどーーーすんのよぉ!!!って恐怖を覚えました。 日本はまだまだ平和だと実感しましたね。 あー、かっこいい、20代のころ・・・。 |
作者の年齢は記事を書いた当時。
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