ダンスの種類と踊りの特性
ダンスの種類
ボールルームダンスは必ず男女が1名ずつでカップルを作って行われ、男子が
女子をリードし、女子は男子にフォローしながら踊るという原則が他のダンスと異
なる点で、これがこれが社交ダンスの特徴といえます。
ボールルームダンスは、まずスタンダード部門とラテン・アメリカン部門の2
種類に大きく分けられます。
「スタンダード」
カップルが常時コンタクト・ホールドをして移
動する踊りで、以前は「モダン」という呼び方をされていましたが、現在は「スタン
ダード」という名称に統一されています。
男子はテールコートにホワイトタイ、女子はロングドレスの正装で踊ります。音楽も
踊りもヨーロッパで生まれヨーロッパで発展していったもの、ヨーロッパ以外で生まれ
ヨーロッパで発展したものがあります。そして、ボールルームダンスの基本となる部門
でもあります。
「ラテン・アメリカン」
カップルが組んだり離れたり、お互いの片手だ
けでホールドしたりして、男女のポジションを色々変える踊りで、回転が多く動
きも速いので競技会では男女とも軽快な衣装で踊ります。特に女子はフイギュア
スケートなどに使われるコスチュームを更に華やかにした個性のある衣装で踊り
ます。音楽も踊りもラテンアメリカが発祥地ですが、ヨーロッパへ渡ってから競
技用に更に洗練され今の形になったものです。
| スタンダード部門 | パーティなど で踊られる |
技術検定の 受験科目 |
競技ダンス の標準種目 |
| スロー・リズム・ダンス (ブルース) ワルツ タンゴ クイック・ステップ スロー・フォックス・トロット ウインナ・ワルツ (ヴェニーズ・ワルツ) |
〇 〇 〇 |
〇 〇 〇 〇 〇 〇 |
〇 〇 〇 〇 〇 |
| ラテン・アメリカン 部門 | パーティなど で踊られる |
技術検定の 受験科目 |
競技ダンス の標準種目 |
| ジルバ スクェア・ルンバ マンボ ルンバ チャ・チャ・チャ サンバ パソドブレ ジャイブ |
〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 |
〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 |
〇 〇 〇 〇 〇 |
ダンス・パーティなどでは必ず踊られるムードのある踊りです。その歴史
は古く、レストランやナイトクラブなどの小さなフロアで踊られていたダン
スで、どのように混んだフロアでも踊れるのが特徴です。ダンス音楽の中で
もスローなテンポで合わせやすく、ステップも簡単なので初心者がまず習う
のには最適です。他のダンスを踊るのに必要な要素もたくさん含まれていま
すので、この種目でホールド、フットワークなど基本的なことをある程度マ
スターしてからワルツ、タンゴなどのスタンダード種目に入っていくのが
自然で無理がないと思います。ダンスを習い始めるのには省くことはできない
重要な種目といえます。
キューバ生まれの音楽ルンバがアメリカやヨーロッパに渡り、その曲で踊
られていたのがスクェア・ルンバですが、もともとキューバ・で踊られてい
た黒人特有の野性味あふれる踊りがキューバン・ルンバです。英国のダンス
教師がハバナのトップ・ダンサーから習って英国に持ち帰り紹介したのがそ
の始まりです。しかし、キューバン・モーションと呼ばれるセクシーなヒッ
プ・ムーブメントが、そのころの誇り高きヨーロッパの紳士、淑女に受け入
れにくく、またスクェア・ルンバとは異なるリズムのとり方に馴染めず、最
初はかなりの拒絶感があって、すぐには普及しませんでした。それが英国の
ダンス教師たちによって競技ダンス風に研究され、標準化されてからはこの
ダンスがヨーロッパの人々をすっかり魅了したようです。ソフトで哀愁に満
ちた音楽に、やわらかいヒップ・ムーブメント、そしてクラシック・バレエ
を思わせるような、しなやかな手の動きとポーズなど女性らしさを表現する
ムーブメントはスクェア・ルンバにはない華やかなもので、アッという間に
世界中に広がりました。
いまでは、社交ダンスの華といってもよいほど女性に人気があり、ダンス
・パーティやサークルでは省くことなど、とんでもないことで、キューバン
・ルンバだけを習いたいとダンス教室を訪ねる女性も少なくありません。
呼称もスクェア・ルンバと区別するため長い間「キューバン・ルンバ」と呼ば
れていましたが、現在では「ルンバ」という呼び方が一般的になっています。
ルンバ、マンボに続いてキューバから生まれた音楽で、ルンバやマンボが4
拍子で3歩のステップに対し、4拍子で5歩の軽快な踊りで、キューバン・ルン
バのステップやポーズが原形になっています。キューバン・ルンバが「2・3・4
〜1」のリズムを「Q・Q・S」と3歩でステップするのに対して、チャ・チャ・
チャでは「2・3・4・&・1」のリズムを「Q・Q・Cha・cha・cha」と5歩でステップす
るのが大きな違いで、その他の基本的なことはキューバン・ルンバと同じです
。リズミカルな音楽に合わせて、歯切れよく軽快に踊るこのダンスはルンバと
はちがった楽しさがあります。ルンバよりも歩数が多い分テンポも速く、運動
量も多いので若い人向きといえるでしょう。
スロー・フォックストロットのあとからクイック・フォックストロットとし
て生まれたのです。その名のとおりテンポの速い踊りですが、フイガーやテク
ニックはワルツとスロー・フォックストロットから採りいれているものが多く
見られます。アメリカで生まれた音楽「スイング・ジャズ」で踊るようになっ
てから早いテンポになったのですが、英国に渡ってからさらに改良され、ステ
ップなどが規定されて現在のように完成されたものです。
楽しく軽快に踊るこのダンスは運動量が多いだけに、限りなくスポーツに近
いダンスと言えます。これも競技会や技術検定では必ず踊られる種目ですが、
上級になって取り組む種目であり、動きも大きいので多人数のパーティなどに
は向いていません。
サンバと言えば、すぐに思い浮かぶのがリオのカーニバル。あの音楽の強烈
なリズムと現地の人々の熱狂的な踊りは、徳島で真夏の夜に繰り広げられる阿
波踊りに似た雰囲気があり、見るだけでも楽しいものがあります。そのルーツ
はアフリカからやってきた黒人労働者が打楽器を打ち鳴らしながら輪になって
踊ったのが始まりとされています。これが、やがて今日のカーニバルで踊られ
ているようなエネルギッシュで華やかなサンバに発展したのです。この本場の
サンバがヨーロッパに渡って競技風にスマートにアレンジされたのが現在のボ
ールルーム・ダンスのサンバです。
競技ダンスの種目ですが、楽しいリズムなのでパーティでもたまに音楽がか
かることがあります。しかし、フィガーの種類も多く、リズムの合わせ方も色
々あり、どちらかと言えば、上級になってから入る種目なので、踊る人は限ら
れてしまいます。
メキシコをふくめた中南米諸国を現在「ラテン・アメリカ」呼んでいますが、
そのルーツは南フランス、スペイン、ポルトガルなどの南欧諸国で、もともと
この地方を「ラテン」と呼んでいました。そのラテン諸国に統治された国々を
ラテン・アメリカと呼んでいるのはご存知と思います。そして、源流ラテンの
国スペインに昔からある独自の文化に「闘牛」と「フラメンコ」があります。
その闘牛士の勇壮な姿をモチーフにしたのがパソ・ドブレという踊りです。男
子が闘牛士、女子は闘牛士の持つケープ、または牛を表現しています。そして
闘牛士の入場行進曲として会場の興奮を高めるために使われた音楽がパソ・ド
ブレです。また踊りのポーズの中には、フラメンコのテクニックもとりいれて
いるところが見られます。
このダンスのいちじるしい特徴は、ほかのラテン・ダンスは女子が主役で女
子が目立つように踊られるのに対し、パソ・ドブレはあくまでも男性が主役に
なります。そして、ほかのダンスは楽しそうな笑顔が相手にも周囲にも好感を
もたれるのですが、この踊りは男子、女子ともに闘争的な表情をしないと、雰
囲気が合わないようです。
競技ダンスの標準種目のうちであり、技術検定の種目にもなっていますが、
踊れる人が限られているので、パーティなどには向いていません。