まちもりコラム●地震と建築

8月16日の午後、頭がふらふらすると思ったら地震だった。
震源は宮城県南だったが、体育館プールの天井が落ちてきて、
大勢が怪我をしたいうニュースが目を引いた。
天井板を吊っている金具に振れ止めを付けるのを、
工事現場がサボったので、振れすぎた天井板が外れたのだそうだ。
つまり世の言うところの手抜き工事である。

このニュースで目にとまったのはこの施設がPFIによるということである。
PFI(Private Finance Initiative)は公共の施設を民間資本で建て、
民間団体が管理運営するシステムであり、
このところ全国各地で、貧乏で金も人も不足の自治体で流行っている。
国会議員宿舎や文部省庁舎もこれで建て直しているから国も流行に乗っている。
要するに普通なら公共施設は税金を使って作り運営するのを、
民間の金と人でやるのだが、だからといって税金が要らなくなるわけではない。
民間資本で立て替えてもらって建てて何十年かのローンで金利を付けて返し、
民間人に税金を払って運営してもらうのであり、
税金を払っている市民には、どこが得になるのかさっぱり分からない。
財政難だからとりあえず民間の金で建ててもらってローンで返すが、
運営は今までどおりにやろう、という安易な建設費借金策のものもある。
公共団体が公共施設をPFIでやるときは、民間事業者PFIチームを公募する。
PFIチームは金融、運営、施工、設計監理等の専門事業者で構成し、
わがチームはこんなに安価で上手に作り運営しますと提案する。
その提案を公共団体が審査して選び、企画から設計、工事、運営まで任せる。

で、地震の話に戻ると、このPFIによる施設が手抜き工事で事故を起こした。
直感的に思ったのは、工事施工業者工事監理業者の関係が、
PFIだからこそおきるルーズさに原因があるだろう、ということである。
一般に工事には、施工する側と設計どおりに施工しているか監理する側とが居て、
互いに緊張感を持っていないと手抜き工事が起きるおそれがある。
ところがPFIではこれらが同じ提案チームになっているのだから、
なあなあの関係になることを否めないと思うのである。
どうも施工そのものと施工監理の関係が世の一般には知られていない。
設計どおりにきちんと建てているか第3者が監視する制度が法的にあるのに、
一般には知られていないし、制度の趣旨も生かされていないようだ。

共同住宅(いわゆるマンション)の販売広告にこまごまと書いている中に、
その建物はだれが施工監理したか書いているものは皆無のようだ。
施工者と監理者が同一の会社であることも多いが、ほんとうに大丈夫なのか。
(050824)

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