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●櫻の花見 2008年4月22日
 信州の高遠に花見に行ってきた。高遠城址公園の花見はあまりに有名だが、これまで花の季節をはずして訪れていたので、花見は初めてだった。→写真1
 ちょうど真っ盛り、大賑わいである。花の賑わいは上野の山でよく知っているから驚かない。驚いたのは、その花のあまりの量である。
 公園のどこもかしこも桜の木で、その天を覆いつくす花また花は、どれもこれも小彼岸桜である。関東に多い染井吉野よりも赤みが濃くて花も小さいから、それだけ密度も高くみっしりと咲いている。
 それがまるでポップコーンみたいにいっぺんにパーンと開きつくし咲き誇る様は、花自慢の高遠には申し訳ないが、どうもアラレモナイ、ハシタナイ、ハジライモナイ、ミモフタモナイ、なんて悪態をつきたくなるほどの迫力である。
 あのねえ、もうちょっとは花模様に綾というか色合いをつけてはどうかね。花はずかしいって言葉もあるよなあ。
 花は美しいからとて量を増やせば美しさも比例して増すものではないようだ。胸がもたれる。
 もしかしてこれは、自然生態としては異常な単純植生群落に対して、わが身に潜む生物的な忌避感覚かもしれない。
 そこで早々に公園を逃げ出して、里山の裾の民家の畑や山懐の寺院の境内に、ひっそりと咲く桜を求めに行く。暮らしの場に咲く花は、瀟洒で美しい。→写真2
 それにしても、花の季節は見慣れた風景に一斉に狂気が練りこまれる。怖いのである。古人の言うように、花の下には死体が埋まるとか、花の下にて春死なむとか、むべなるかな。
 高遠公園の桜を遠くから眺めると、花の雲のようで、これはまた美しい。→写真3
 
 

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