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[まちもりコラム] テレビCMと町並み 伊達美徳

 お正月前後の休みに、久しぶりにちょっとだけテレビを見た。特別大作とか特別公開とかいって、特に念入りに作った番組らしい。
 オチャラケ番組は敬遠して、特別ドラマやスポーツ中継など見ていたが、どうも落ち着いて見ていられない。それは突然にコマーシャルが割り込んでくるからだ。
 すかさず、コマーシャルをやっていないNHKに切り替えて、しばらく見たくもない番組を見る。もう元に戻ってるかとチャンネルもどすと、まだコマーシャル、またNHKにもどす、そんなことを繰り返す。
 そのうちにNHKの方につい気をとられて、もと見ていた番組を忘れてしまう。はっと気がついて元に戻すと、見ていた番組やら試合は終っている。
 ドラマの流れやスポーツの勝負どころを中断して、大切な観客たるものの邪魔をするのを、なぜTVでは許しているのだろうか。歌舞伎やオペラやコンサートにだってスポンサーがついている時代だが、演劇演奏の最中に宣伝するはずもない。
 そんなことしたら、その企業が顰蹙を買うだけだ。なのに、テレビの世界はどうかしている。
 せっかく気持ちよく見ているところに、無神経なコマーシャルを平気で割り込み繰り返すのは、どうも何かに似ていると思い考えていたら、そうだ、これは町並み破壊と同じである。
 地域の文化を表現する伝統的な町並みが、ある一定秩序の中にストーリー性を持って続いているところに、洋服の赤山とかマクドナラナイハンバーガーとかエイトイレブンとか靴のナントカとか安物のユニシロとかが、独自のファサードや看板で突然に割り込んでくるのと同じである。
 そういえば、サラ金のTVコマーシャルに、その会社の黄色のビルだか広告だかが、街中のあちこちに建つのがあると、知り合いの建築家が憤慨していたのを思いだした。
 毎日テレビで、無神経なコマーシャル混じり番組を見ていると、街の風景だってそうなってもあたりまえと思うようになるだろう。
 コマーシャルだか本番だか分からないようなオチャラケ番組ばかり見ていると、全国各地の郊外沿道商業の建ち並ぶオチャラケ風景も、平気になるだろう。
 悪貨は良貨を駆逐するのは、町並みでも真理かと思っていたが、そのインベーダー教育は実はテレビで日常的にやっていたのを発見した正月だった。(020103)

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