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「ウズメです、みなさんこんばんは!」 |

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「サグメでえす。こんばんみー」 |

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「Hey タモリ〜。そういうことはオレのマッスルを見てから言ってくれよ〜」
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「シコメちゃんたら、今日もさっそくじぶんの意志とは無関係に憑霊されちゃってるのね。若いわねー」
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「んで、今日は誰の霊が憑いてんの? さっぱりわかんないんだけど」
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「Mr.マッスル」
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「あ、そう。へえ」 |

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「へえ、そうなの。へえ。 それでね、今日の議題なんだけど、17日の日記風で募集した『オススメマンガを教えてください』アンケートの中から、今度社務所のマンガ文庫に入れるおもしろマンガを選考しようと思うの」
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「あ、いいねえ。なんたって社務所の本棚には『どす恋ジゴロ』と『わ〜お! ケンちゃん』しか置いてないんだもん。こんなんばっか毎日読んでたら気が狂うっつーの」
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「ちょっと待ってよ、こないだあたしが『あしたのジョー』(愛蔵版)を寄贈したじゃない、なんで読まないのよ。『どす恋ジゴロ』なんか読んでる場合じゃないでしょ」
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「え〜。っていうかさ〜、『あしたのジョー』とかって、超大昔のマンガっていうかさ〜、なんかダサくない?」
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「あれ、ちょっと待ってよ。あれ、なになに? サグメちゃん、あたしの『あしたのジョー』をバカにするわけ? そうなの? バカにしてんの? 『あしたのジョー』は『どす恋ジゴロ』よりダサいって、そう言いたいわけ? どうなの? そこんとこどうなの?」 |

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「っていうかさ〜、“真っ白に燃え尽きる“っていうオチ、あれって今やあまりにネタバレすぎて面白くなくない? どうせ死ぬじゃんコイツ、みたいな」
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「“オチ”ってなんなの、“オチ”って!? あのさ、そうやって“オチ”とか言うのってさ、真っ白に燃え尽きるためにあえてリングにあがったあたしのジョーに失礼じゃない? どうなの? 失礼じゃないの? あたしの言ってること間違ってる? どうなの? ねえ、答えなさいよ!」
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「ちょ、ちょっと。なにも泣かなくても……わ、わかったからさ、とりあえずハローキティお守りを次々と外に放り投げるのはやめたほうがいいよ。いちおう売り物だしさ、ね、ね?」
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「お〜いおいご両人。ケンカはよくないゼ〜。Mr.マッスルからのお願いだゼ〜」
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「うるさいわね! うるさいし似てないのよ、このPTSD! ちょっと黙ってなさいよ!」
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「ギャッ、ギギッ、ガボッガボッ」
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「あっ、ひ、ひどい! 無害な低級霊が憑いているだけなのに、そんな激ツヨなお札貼らなくたっていいじゃん!? シコメのやつ泡吹いてるよっ!?」
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「うるさいっ、ウルフ金串が受けたトリプルクロスの衝撃に比べれば、なによこんなもの。ウルフはね、ウルフなんかねえ、ジョーのトリプルクロスでアゴを砕かれて再起不能になったのよ! ヤクザの用心棒にまで身を落としたのよ! それでも最後は矢吹vsホセ戦の応援に駆けつけたの! いいえウルフだけじゃない、ウルフだけじゃないわ。死んだ力石はもちろん、廃人になったカーロス、引退した金竜飛。そういうね、ジョーが倒したボクサーたちに対する責任というかけじめというか鎮魂歌というか、とにかくリングの上で燃え尽きなければならないんだっていうあたしのジョーの一途な想いこそがあたしのジョーを最後の試合に駆り立てたの! いわばあのラストシーンは起こりうるべくして起きたことなの! それをあなたはなんなの! なんなのオチ呼ばわりって!? ばかじゃないの!? このばかっ、うどん野郎っ!」
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「わわわ、ウズメ姉さんの鼻からうどん状のエクトプラズムがっ! そ、そうかっ、『あしたのジョー』をけなされたことで怒りが沸点に達した姉さんが遂にトランス状態にはいったんだわっ!」
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「ウウウ、ウウウウ……」
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「もしもし……もしもし、一体どなたがウズメ姉さんの体にお入りになったのですかっ?」
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「ウウウ、ウウウウッ、ウドマンブー!」
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「ぎゃー! どうして宇土まんぶ先生が降霊すんのよ! 脈絡ないじゃん! 『あしたのジョー』の話をしてたんだから、とりあえず梶原一騎とか降ろしとけよ!」
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「宇土まんぶ先生のその後の消息って、けっこう気になりますよね荒木先生?」
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「ああっ、シコメにはいつのまにかキユ先生が降りてきてるし! もうこの社務所は終わりだわ! まつろわぬ悪鬼の垂迹、ジャンプ10週打ち切りクラス作家霊が二人も降りてくるなんて!」
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「マンブー、マンブー」
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「ロケットデー、ツキヌケロー」
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「ううっ、社務所ぜんたいが瘴気におかされてゆく……ああ、意識が遠のいて……」
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「パロパロー、パロパロー」
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「コノホンワー、ロックダー」(つづく)
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