前回のあらすじ
 薄幸の赤塚賞マンガ家宇土まんぶと発酵の打ち切りマンガ家キユの邪霊にとり憑かれたウズメとシコメ。そして社務所を覆う打ち切り瘴気に当てられてしまったサグメ。遠のく意識とはだけるハカマ。社務所の中は今日も大騒ぎ!






  巫女さん座談会 第四廻 「便器の底は無限大!!の巻」
 
●●●登場人物●●●

ウズメさん
巫女さん(21) 
年長者で国粋主義者 
主な口寄せキャラはトキワ荘の人々


サグメちゃん
巫女さん(18) 
ケミカルなナゴムギャル 
主な口寄せキャラはモンゴルの英雄チョイバルサン

シコメちゃん
巫女さん(14) 
PTSDの幽霊族
主な口寄せキャラは低級動物霊

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「パロパロー、パロパロー」


「コノホンワー、ロックダー」


「くっ、打ち切りマンガ家の亡霊どもめ……ダメだわ、意識が遠のいてゆく……」


「エヌエイチケー、アーカイブスー」


「スプーンタップー、スプーンタップー」


「……こなくそ、ええーいままよ! “ドチリナ・オラショデ・ウントコ・ショ” 打ち切り調伏の羅刹神よわが身に降臨されよかし!」


「……オ、オオ……キ、キサマハ……」


「ジャンプ史上デ唯ダ一人、打チ切リ地獄カラ復活シタ伝説ノ作家神……鈴木央!」


「んだ、俺が鈴木央だげっちょ。くらえっ、ライジング・インパクトー!」


「ギギギ……マンブー!」


「ギギギ……ヤ、ヤサシイマンガガスキ。バイバイ!」




「……おい、おい。二人とも、気がついたけ?」


「ん……うーん…… はて、あたしは一体今まで……」


「おめぇは怒りで霊力が暴走したところをつけいられ、悪霊宇土まんぶに魅入られてしまっていたんだべ。ぬはは」



「その笑い声……もしやあなた様は、打ち切り除けのマンガ神鈴木央さま!」


「ぬっはっは、もうその呼び名はやめてけれ。なんたって俺は先週、またもや打ち切りをくらっちまったんだがらな」


「ええっ、あの不死鳥マンガ『ライジング・インパクト』がまたも打ち切りにっ? せっかく復活の快挙を成し遂げたのにっ? また打ち切りっ!? ぷっ」 


「あっ、おめえ、今笑ったべ? 同じマンガで二度も打ち切りをくらった俺のこと笑ったべ!? ピエロみたいだと思ったべ!?」



「い、いえ、その……笑ってません。こっけいな道化みたいだなんて、思ってもいませんわ」



「じゃあさっきの、プッ、ていうのは一体なんなんだ? いっどぐげど、回答しだいでは手にしだパタークラブでおめぇに何すっがわがんねえがんね」



「ええと、そ、それはその……」



「ああ?」



「それはその……お……お、おなら? みたいな」


「お、おなら!? おならをしたのが!? 巫女が? 白昼堂々?」


「そ、そう、おならです! なによ、白昼堂々おならをしたっていいじゃないですか。出物腫れ物、ところかまわずじゃありませんか!」


「それはそうだげっちょも」


「も、もうこの話はこれでいいですよね。あたし先生のこと笑ったりなんかしてませんから」



「ああ、俺が悪がっだ。すまねえ」



「いやあ、おならってことはないでしょ。そんなバカな。うん、ないない。ありえないよそれは」



「シコメちゃん?……はぁ。今度は誰に憑かれたっていうのよまったくもう」



「あ、申し遅れました。僕は『死せる魂の会』というサイトの管理人をしております、ヒモロギと申す者の生霊です。巫女さんが好きで好きでたまらない人種の代表として、ちょうど正気を失っていたこの巫女さんに憑霊をこころみたところ、どうやらうまくいったようです。ははは。なせばなる」



「……」



「……」



「それでね、さっきの話ですけど、やっぱりおかしいんじゃないかなあ、と思うんです。僕が長年にわたる研究から導き出した結論を先にいってしまうとですね、生物学的見地からいって巫女さんはおならをしない生き物のはずなんですけど」



「……(ノーリアクション)」



「……(ノーリアクション)」



「……(リアクション待ち)」



「……ああ! どうしましょう。これはとても大変なことだわ。『自分の考えたオリジナルキャラと自分とを対談させているアホサイト』が傍目から観てどんなに痛々しいものなのか、まるで認識できていないんだわ、この人は」



「俺、見ながったことにすっがら。さすがにこれはナシだべ。カンベンしてけろ。カンベンしてけろ。お願えだ! 後生だがら母ちゃん、どうが俺を間引いだりしねえでけろ!(東北の寒村育ちという生活環境がはぐくんだトラウマが、思わず表層意識上に噴出)」



「いや、僕はね、たとえどんな禁忌を犯してでも、みなさんに正しい巫女知識を教え、啓蒙したかった、ただその一念のためにこんな姿になってまで……こんな姿? あっ、僕いま巫女装束着てる! そうだ、僕いま巫女さんじゃん! あれっ、ということはつまりですよ、僕が、ちょっと暑いな今日は、こんな日はスイカバーでも食いたいよーんとか言いながらなんとはなしに服をはだけてみようとしたりすると、僕の霊思念によって支配統制されているところのこの巫女さんの着衣、つまりいわゆる巫女装束もはだけたりするわけですか?」



「はだけます」



「フハッ」



「はだけますが、やめてください」



「あっ、はい」



「素直ですね」



「僕は巫女さんに対しては非暴力絶対服従の理念を貫いているのです。巫女フェチ界の裏ガンジーとでも呼んでください」



「呼びません」



「あっ、はい」


「……」


「……」








「……じゃあ、とりあえずその」

「はい」



「御朱印いたただけますか」



「はい。どうぞ」



「御代はその、いかほど」



「500円になります」



「はい」



「ありがとうございました」



「じゃあその、失礼します」



「さようなら」



「さようなら」