| 著者 | 出版社 | 発行年月日 | 本体価格 | ロバート・クリース | 日経BP社 | 2006年9月19日 | 2000円 |
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この仕事では、「勝手知ったる森の小道をるんるんと散歩しているつもりだったのに、ふと気がつくとあたりは地雷原だった……」という恐怖を味わった(^^ゞ。そのことに気づいてからは、なんとか無事に地雷原を抜け出そうと必死に頑張ったが、「うーん、きっと気づかないところでいっぱい地雷踏んでるなぁ……」という強い確信をもった(^^ゞ。
ここでいう「地雷」とは、「哲学系のバックグラウンド」のことだ。著者クリースの専門は、哲学・科学史なのである。 わたしとてこの二十年間というのも、「自分は人文系のバックグラウンドが弱い」という強い自覚の下、自分なりに努力・勉強を重ねてきたつもりだ。だが、やっぱりまだまだ全然足りない。バックグラウンドの違いって、怖い。 時限も迫ってきて、一時は、「地雷踏みっぱなしで活字にするのもやむなしか。だいたい、いったい誰が(単一の翻訳者として)、物理と哲学の両方で地雷踏まずにここを乗り切れるというのか」と開き直りかけた(^^ゞ。 しかし、家族に哲学をやっている人間がいるというのに、わたしがここで踏ん張らずにどうする? というわけで、家族(人間1)にかなりの時間を割いてもらい(DELPHICA専用入門ゼミ?(^^ゞ)、「地雷踏んで死屍累々」の状況は避けられたかな、と思う。見逃した問題点はまだあるかもしれないが、ともかく、現時点でできるだけのことはやったし、自分としてたいへん勉強にもなった。 とまあ、このように書くと、すごく難しい本のように聞こえるかもしれないが、そうではない。読みやすい文章でわかりやすい内容だからこそ、翻訳者としては(一読者としてではなく)怖かったのだ。これが最初から「哲学入門」ぽいトーンだったら、もっと楽だったんじゃないかとさえ思う(地雷の上に旗が立ってるようなもん?)。 本書を読んでくれたある知人は、 こういうものを中高生に読ませたいなあ、と思いますが、どうでしょう? 難しすぎるでしょうか? たとえ背景が理解できなくても、確実に学問の楽しさが伝わる本だと思いますがと言ってくれた。背景はたしかに深い。けれど、本書は深くも面白い! 中学生や高校生が読んでくれたら、わたしはほんとに嬉しい。 ☆☆ 話は変わるが、原文中にさまざまな文献からの引用があるとき、わたしは基本的に、その文献の原文を(引用されている部分だけでなくその周辺も)調べ、すでに邦訳あればそれを参照しつつ訳している。すでにある邦訳をそのまま使わせてもらうことはまずない。 しかし今回は、「フーコーの振り子」の章(第7章)で、『フーコーの振り子』(アミール・D・アクゼル著、水谷淳訳、早川書房)の中から、「地球の自転を見に来られたし」という一文をお借りした。この一文からは当時のパリにおけるこの「事件」の気分がばりばりに伝わってきて、わたしにはこれより良い訳はできないと思った。それに、早川書房の『フーコーの振り子』ではこの文句がそのまま帯に使われていることもあり、「フーコーの振り子」を象徴するセリフとして、このままの形で定着するといいな〜と思ったからだ。 「地球の自転を見に来られたし」を使わせていただくにあたり、あらかじめ水谷さんにその旨お願いした。ご快諾くださった水谷さんに対し、ここに改めて御礼を申し上げる。 |
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| 書評 |
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いただいた書評から、チラッとご紹介。 科学と哲学を結びつける得難い一書である。池内 了氏
軽く読ませて、深い広がりがある本ですね。難しかったですσ(--;)
以下、敬称略で失礼します。
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