03年9月22日

痴漢の復権?

「(…)せめて躰(からだ)だけでも相手と確かなつながりを持ったことを確認しようとしても、相手にそそぎこむエネルギーは、抵抗なく吸い入れられ、底のない穴に水を注ぎこむようだ。その焦りと苛立ちが、変態的な形を誘い出す。」(吉行淳之介「なぜ性を書くか」)

ひとは焦燥から変態性愛者になる?

育ちのよかった彼は、性に対して臆病でPTA的だったように思われます。

「正式の夫婦の正常位における性交以外は、すべて性的退廃と見做され兼ねなかった時代が遠くに過ぎ去ったように、将来において痴漢の復権が行われる予感を私は抱いている」(「砂の上の植物群」)

このまま「性的退廃」が続くとそのうち痴漢の何が悪いという時代がやってくる、と恐怖しているわけです。

しかし「痴漢の復権」とは、かつては痴漢が認められていた、ということ?

どうもこのひと、「ダンディー」イメージとは似ても似つかない、じめじめと屈折した保守主義者で、貧しいセックスしか知らなかったようですね。


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