04年8月21日

性民俗学


亭主が男根をふりながら、
「粟穂(あわほ)も稗穂(ひえぼ)もこのとおり」
と唱えると、女房のほうは片手で、じぶんの女陰をたたきながら夫に唱和して、
「大きなカマスに七カマス」
と唱え、夫の後について、やはり囲炉裏のまわりを四つんばいで回る。
赤々と燃える炉の周囲を全裸の男女がよつんばいで回りながら、こんな呪文と動作をたえまなく繰り返す夜の光景は、おかしいどころか、不気味な恐ろしげなものでさえあったといいます。(民族民芸双書「性風土記」藤林貞雄著)

――――――

ここで問題なのは、この報告者は「おかしい」光景だという先入観を持っていた、そしてその先入観が裏切られると今度は「不気味な恐ろしげなもの」に感じたということを「報告」してしまっている点です。傍観者の個人的な感想を他人に押し付けているにすぎない「こんな呪文…」のくだりは余計なのです。余計であるばかりか、「野蛮な奇習」という見方を判断力のない人の頭にインプットしてしまいます。(それこそがこの報告者の目的だった可能性が大です!)

それにしましても、数多くの性習俗が、無知蒙昧な農民のすることとして愚弄され永遠に葬り去られてしまいました。なんで日本人はそんな野蛮なことをしてしまったのでしょう?

欧米の先進国の人々に知られたら恥ずかしい。そう明治大正(そして昭和初期)のお偉い方々が思ったからではないでしょうか。



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