ピラフとの初対面の記録
グレート・ピレニーズのピラフ(♂)が保護されていたのは、「しおさいの里」という民間の「捨て犬保護施設でした。
2002年9月22日(日)13時00分 JR総武本線の八日市場駅前で、ボランティアのOKさんと待ち合わせをして、現地「しおさいの里」に行きました。
場所は、八日市場駅から車で約10分程度のところです。
施設責任者のH氏の話によると、ピラフは(2002年9月14日頃に)元の飼い主さん側から「しおさいの里」で引き取ってくれるように依頼があったとのことです。
元飼い主は、「しおさいの里」で引き取って貰えなかったら、保健所に持って行くと言っていたそうです。
OKさん(ボランティア)の話によると、既に保健所に連れて行くと決めた時点から餌を与えていなかったと、元飼い主から聞いたそうです。
(いつ頃から、何日くらい給餌を停止していたのかは確認していません)
現地で、ピラフと接触を持てたのは、たった15分でしたので、あまり詳しいものではありませんが、私がピラフに会った時の状態は以下の通りです。
●第一印象
現在74cm位の体高を持つチャンプと比較しても圧倒的に大きくて立派なグレート・ピレニーズでした。
体高は80cm位在るかもしれません。
近寄ると、見事なまでにブラッシングもシャンプーもしていない様で、おぞましいほどに汚くて、キツイ臭気にまみれていました。
●名前
ピラフ
フランス犬なので、フランスのピラフ大統領から名を取ったそうです。
名前を呼んだ時のレスポンスが極めて良いです。
●雌雄について
オスです。
深いお尻の毛を掻き分けて、手で睾丸を確認しました。
やや小ぶりな2つの睾丸が確認出来ました。
●体重について
かなりやせ細っていますが、いつも痩せピレのチャンプを見ているせいか、驚くほどに痩せているとは思いませんでした。 しかし、確かにチャンプよりは痩せていました。
Webで見たレナリン(保護当時)ほど痩せてはいないと思います。
●顔について
綺麗な目をしていました。
目の周辺の被毛が目やに焼けをしていることも無く、目蓋、口吻、口唇などに、皮膚病を思わせるような爛れや抜け毛はありませんでした。
痩せているせいもあってか細面でした。
ストップがきつく、デコッパチな額をしていました。
●歯について
歯並びは一見して正常ですが、歯が黄色く着色していますので、当初5歳位と言われていましたが、それ以上に高齢である様に思えました。
私の知っている範囲では、13歳のハスキー犬が同じような色をしており、前歯の歯列が前方に広がる特長を持っていましたが、ピラフには、明らかな歯列の広がりは見られませんでした。
10歳以上ではないように思えます。
●耳について
外耳の裏側(通常見えている部分)には目だった抜け毛や皮膚の糜爛はありませんでした。
内耳は、少しめくって見ましたが、あまりの汚さに(卒倒しそう)詳細に見ることが出来ませんでした。
●爪の状態について
短く切りそろえられていましたが、ごく最近切ったらしく、真新しい切り口をしていました。
爪の状態が酷いと聞いていたので、指が曲がっているのではないかと心配していましたが、一見して、指は正常です。
●被毛の状態
毛の根元は、コールタール色に真っ黒く汚れていました。
一体何年くらい、ブラッシングもシャンプーもしてないと、こういう色になるのでしょうか。
シッポの上の腰のあたりの毛をわし掴みして軽く引いただけで、ごっそりと纏まって毛が抜けました。
抜けた跡は、禿になるのではなく、また通常の毛が生えていました。
抜けた毛が見事に揃っている(綿の様にこんがらがっていない)ことから、相当に長い間、シャンプーもしていないし、人間に愛撫されたこともなかったと推測されます。
あの被毛のままで、屋外で、今年の酷暑を生き残ったのは奇跡と思えます。
●皮膚の状態
背中の被毛の一部を掻き分けて見ました。
真っ黒に汚れた皮膚でしたが、特に爛れている様子はありません。
(むしろ、チャンプの方が皮膚の状態は悪い)
●人なれについて
初対面の私にも難なく身体にふれさせました。
頭を撫でても、股間に手を突っ込んでも、嫌がる様子は在りませんでした。
ただ、人なれしすぎている点が気になります。
特定の飼い主と強い絆で結ばれたことがない仔の様に思えます。
(余談ですが、他人に愛想の良い幼児も親の愛情不足の可能性があるそうです)
●犬なれについて
チャンプと会ったとたんに殆ど匂いも嗅がずに、マウンティング行動に移ろうとしていました。
また、オス犬のチャンプに対して、発情したオス犬に良く見られるような、「クーン、クーン」という鳴き声を発していました。
チャンプに犬疥癬が伝染することを懸念して、殆ど接触をさせませんでしたが、現時点では、安心して一緒にしておくことは出来ないように思えます。
また、大変犬好きなチャンプなのですが、ピラフに対しては、明らかに逃げ腰でした。
これは、被毛があまりにも汚くて酷い匂いがするせいだと思います。
チャンプが酷く臭かったときには、他犬が同じような行動をしていました。
その他の犬との様子ですが、他犬が吠えながら挑発してきても、激しく吠え返すことはありませんでしたが、それなりに応じて、じゃれあう行動をしていました。
●歩行、走行について
約10分間ほどリーダーウォークをしましたが、初対面の私にも従順について来ましたが、何か興味を惹かれることがあると、躊躇無くリードを引っ張ります。
ただ、体重が軽く、足腰の筋肉が弱いせいか、とてもに弱い引きです。
リードを持ったまま、一緒に走りましたが、蹴り足が弱く、鈍足でした。
●総じた印象
汚いの一言でした。
しかし、これはシャンプーをして、ブラッシングを繰り返せば解決しますので、問題としては極めて小さい。
それと痩せていることについても、十分な運動を伴って、十分に食べさせれば、生まれ持った本来の体格に、完全でないまでも、次第に回復するはずですので、これも問題としては小さいと思います。
最も大きな問題は、ピラフが犬疥癬が蔓延していると言われる施設内で飼われていることです。
現時点で、特に健康状態に問題が無いのに、十分な栄養を与えられずに、不衛生なままでは、みすみす病気にしてしまいます。
また、あまりに大人しくて、初対面の私に対しても、10日程度とはいえ、世話をしていたはずのH氏に対しても、殆ど挙動は変わりません。
これは、特定の飼い主さんと強い絆で結ばれたことがなかった仔の特徴と思います。
飼い主から見捨てられた犬は皆そうなのかもしれませんが、全体的に落ち着きが無く、自信喪失状態にあるような印象を受けました。
一刻も早く、ピラフに、ピレニアンとして、誇り高く、落ち着き払った風格と自信を取り戻させてあげたいと思いました。
●施設管理人について
実は、ピラフと対面していた時間は、ほんの15分程度の間で、その他の2時間くらいの間は、施設管理人のH氏の支離滅裂な昔話に付き合わされていました。
彼は、如何に自分が犬のことを案じて、どれだけ良いことをしているかということ、そして、自分がどれだけ多くの人に好意を持って支持されているかということを、延々と語っていました。
自分の話を「裏付ける証拠」として、何通かの手紙と、写真アルバムなどを見せられましたが、ゴミ捨て場同様の施設(建築物は無い)や、やせ細った沢山の犬達を見る限り、H氏の主張そのもが信用できない可能性が高いのは明らかです。
このような行為からも彼が好ましい人格のものではないと感じました。
施設の様子を見る限り、また、彼の話を聞くにつれ、彼の主張が少なくとも現時点としては、全くの虚言であることは直ぐにわかります。
ただ、話そのものが支離滅裂な部分が多いので、話の内容が虚言というよりも、発する言葉そのものが聞くに値しないものとも思えます。
昔、保護した数十頭の犬をマイクロバスに載せて、都内や全国を巡業(?)しては、(空々しくも)捨て犬の悲哀を訴えて、捨てた人を非難しては募金を募っていたそうです。
捨て犬を保護する行為については、確かに立派な善行ですので、本当に支持する人も多かったようですが、実際には保護したはいいけど、十分に世話をする人手も無く、お金も無く、知識も無いので、結果的には、愛情はおろか、餌も満足に与えられず、動物虐待状態に陥っている現状が明るみに出て、轟々たる避難を浴びつづけて現在に至っているようです。
私から見たH氏は、捨て犬を道具にして、善行者としての羨望を集めたがっている、とても卑しい人格の人間(?)に見えました。
彼の人格を物語る出来事をH氏自身から聞きました。
或る日、水道料金の未払いによって、「しおさいの里」の水道を止められたそうです。
そのときに、H氏は、直ぐに(僧侶でもないのに)袈裟を着て、ウジの湧いた犬の死骸を携えて、水道局に行ったそうです。
そして、ウジの沸いた犬の死骸を、水道局のお偉いさんの机の上に投げつけたそうです。
「はやく、水道を空けなければ、犬がもっと死ぬぞ!」
とタンカを切って、水道を開けさせたそうです。
私はその話を聞いて、犬の亡骸をそんな風に利用することを厭わないことに、強い憤りを感じました。
それに、なんで、そんなに、都合よくウジの湧いた犬の死骸が手元にあるのか不思議です。
この話の前に、H氏は、「自分は死んだ犬を丁重に埋葬している」と語って居たのに。
最後に、「俺をこれ以上非難して攻め立てるなら、この世で最も残忍な方法で、ここの(しおさいの里)犬を全部殺してやる!」と繰り返し叫んでいました。
私は、この言葉だけは虚言では無いと感じました。
H氏は変人というか狂人です。
●ボランティアさんについて
これまで多くのボランティア団体が、しおさいの里に入ったそうですが、H氏の変人ぶりに辟易として、みんな去っていったそうです。
現時点では、事実上、OKさん1人だけが現地に残って、 H氏の矛盾だらけの発言とと、悪辣な行動に目を瞑って、ただ一点、犬(や猫)を助ける為だけに奮闘しています。
●ピラフの写真レポート
●「しおさいの里」の写真レポート
以上、2002年9月22日(日)取材、同23−24日レポート作成