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読書日記2000年6月
あんまり本を読まない編
2000年6月某日
このところ図書館によく行く。といってもそんなに本を借りているというわでもないのだけど。借りるとしたら、目的を持ってコンピュータの検索で予約をする。だいたいにして、書棚を眺めていても読みたい本と出会うことはなかったりするのだ。だいたいスポーツ新聞を見て、雑誌をパラリとめくり、一応は書棚を眺める。そんなときにたまに、読んでいなかった本が眼に入ることもある。
『奇跡的なカタルシス
フィジカル・インテンシティU』(村上龍/光文社)はそんなことでひょいと見つけ、ひょいひょいと読んだ。でもこの本って読んだことがあるような気もする。でも読んでなかったかもしれないし、実はよく覚えていない。あまり印象に残っていなかったのか、単に僕の記憶力が悪くなっているのかもしれない。
思えば、村上龍とは長い付き合いである。本人と会ったこともないのだけど、9割方の本を読んでいるし、「ryu's
bar」もよく見ていたのでなんだか親しい気がする。確か、彼のデビューは僕の高校の頃だったような。いつの頃からか村上龍はタイカクのよいオジサンのイメージになってきた。実はこのところの僕は久々に会った人に必ずといっていいほど言われることがある。「ちょっと顔のあたりが○くなったみたいですね……」 まあ、ふとってきているのだけどね。あんまり人様のことを言うのはやめようっと。
ところで、村上龍がサッカーについて語るのはいいのだけど、むかし語っていたF1はどうしたのだろう。F1人気のない今こそ、語って欲しいと思うのだけど。
そうだ、中田英寿がこの7月からスカイパーフェクTVで番組を持つんだ。barのマスターの役になってということなんだけど、これって「ryu's
bar」みたいだね。でも、「ryu's bar」という番組の存在を知っている人って少なくなっているのかも。
2000年6月某日
バーではなくて池袋にあるチェーンの居酒屋で飲んでいた。ほんとはもっと別のお店で飲みたかったのだけど、入る時間が10時半頃でこの時間だとどうしても入るお店が限られてしまう。よく行く回転寿司のお店もそうだし、お気に入りの焼き鳥屋さんも、10時半ラストオーダーの11時閉めだったりする。この時間のお店が多いような気がする。あと30分、時間をずらしてもらえると嬉しいのだけど、人生は厳しい。そんなわけで、このチェーン居酒屋で飲んでいたのだけど、なんだか出てくる料理出てくる料理と、ことごとく美味しくなかった。別の場所にあるこの系列のお店はまあまあ美味しかったのに。こういうこともあるんだね。このお店に入ったらいつも頼むことにしている「上海固焼きそば」を食べたのだけど、なぜだかワサビが端っこに乗っていた。気のせいだったのだろうか。普通はカラシが乗っていると思うのだけど。むむむ。冴えない木曜の夜だった。ちなみに3人で8652円。
2000年6月某日
どうしたものだろうか、「OL殺人事件」と聞くとなんだか気になる。場所は渋谷・円山町。殺されたのは東京電力に勤めるエリート……。と、どうにも興味を持ってしまうような題材なのだけど、この本を読んだ理由は全く別のものであった。
前月に読んだ『ダブルフェイス』(久間十義/幻冬舎)がけっこう面白かった。この小説は、東電OL殺人事件をベースにはしているのだけど、ただベースだけで実際の事件とはかなり違ったものになっている。その違った部分で大きいの事件の賄賂等の政治絡みの部分と警察の内部について。この事件の背景に何があるのだろうか? という疑問がどんどん沸いてきて読んだのがこの事件のノンフィクションである『東電OL殺人事件』(佐野眞一/新潮社)だった。
面白いか面白くないか、ちょっと難しい。けれど、この事件の背景に対しての興味はより湧いてきた。警察は何を考えていたのだろうか。現在もこの事件の裁判は終わっていないのである。
警察関係の本と言えば、昔読んだ『警察が狙撃された日』(谷川葉/三一書房)は凄い面白かった。オウム真理教関係の事件なのだけど、その裏側には警察のキャリアは公安といった、テレビドラマの題材となるような話がけっこうあったみたいなのだ。
こんなことを書いていたら、高村薫の『マークスの山』『照柿』『レディ・ジョーカー』の合田雄一郎シリーズを思い出してきた。続きは出ないのだろうか。久間十義は面白いし、これから読んでいきたいと思うのだけど、高村薫のこのシリーズの魅力はたまらないものがある。そう言えば、キャリアなのにショカツで刑事をやっている『新宿鮫』の新作もなかなか出ないな。
2000年6月某日
通勤時間は読書の時間としている。車内にキレイなお姉さんがいなければだけど(あの、もちろん冗談だよ)。ところが6月の何日かの僕の愛読書は「東京スポーツ」となっていた。
そう、僕は「全日本プロレス」とけっこう長い付き合いなのであった。はっきりとした記憶はないが、確か「三沢VS越中」の第1試合なんかも見ている。ザ・ファンクスの優勝した「最強タッグ」に涙し、ジャンボ鶴田のAWA世界チャンピオン奪取には感動したものだった。その全日本プロレスが三沢を筆頭にほとんどのレスラーが辞めて独立することになったのである。出版社でも分裂してしまうところもあるし、どこの世界でも同じといえば同じことか。とにかく頑張って欲しいものである。
2000年6月某日
久間十義の本が読みたくなって図書館で『刑事たちの夏』(久間十義/日本経済新聞社)を借りてきた読んだ。いやいやおもしろいおもしろい。『ダブルフェイス』よりこちらのほうがいいや。警察の上層部がいろいろと書かれていて、「えっ、いいの?」という感じなのだけど、実際はどうなのだろうか。久々に読み応えのある小説だった。
2000年6月某日
暑い、それにしても暑い。夏は毎年こんなに暑かったのだろうか。クーラーなしに自分は生きていけるのだろうか……。夜中に起きてしまうことも多いのであった。
2000年6月某日
ここ数ヶ月のテレビドラマの楽しみは「天気予報の恋人」「永遠の仔」「ショカツ」の3本だった。だいたいこの3本をビデオに撮って、あとでまとめて見る。でもさ、「天気予報の恋人」はすぐ見るのだけど、その次の「永遠の仔」はなかなか見ることができなかった。なんだか重いんだもんなぁ。本はもちろん読んでいるしよかったよかった。僕はデビュー作から読んでいる天童荒太のファンなのであった。そうそう、「ショカツ」もなかなかおもしろかった。
天童荒太のデビュー作『白の家族』(今はどこにも売っていないだろうし、図書館の検索にもひっかからないだろう)の帯には、強烈な推薦の言葉が載っている。村上龍が書いたものである。この作品から時は流れ、2000年に出版された『コンセント』(田口ランディ/幻冬舎)の帯にも「村上龍絶賛!」の文字が載っていた。それにつられての小説を読んでしまったのだけど、これが何とも面白かった。
精神分析、カウンセリング、シャーマン、死、引きこもり……。なんだか最近の20代、30代の人々を魅了するキーワードのように思うのだけど、こんなふうに書くとちょっと怒られてしまうだろうか。このような言葉がどんどん出てくる、しかも主人公は女性で金融関係のライターをやっている。とても力強い雰囲気。
最初にこの小説のカバーを見たときには、ただの話題先行の本だろう、と思った。しかし、この本は「幻冬舎創立六周年記念特別作品」なのである。最初はそんなんでもなかったけど、中盤からはぐいぐいとひき込まれていった。最近の「ひきこもり」をテーマとした小説では村上龍の『共生虫』があるが、それよりは断然面白い。ちょっと、アブナイというか、わけのわからないところに行ってしまっているような気がしないでもないが、それもこの田口ランディの魅力かもしれない。言葉のひとつひとつに強さを感じてしまう。最近、こうした心の問題を扱った小説は多いけど、その中でも魅力的な一冊かもしれない。
2000年6月某日
『本の雑誌』を立ち読みでパラパラめくっていると、友人の名前があった。おおお! 僕の友人がついに『本の雑誌』に署名記事を書くようになったのだ。なんだかこういうのって嬉しいもんだよね。いつも立ち読み見ですませるこの雑誌を購入すべきかどうか今だに悩んでいるところであった。
2000年6月某日
図書館から借りてきた『M(エム)』(馳星周/文藝春秋)を読んだ。馳星周は一応ちゃんと全作品をフォローしている。サッカー(と打とうとしたら作家になってしまっていた)のも含めて。彼はこれからどこへ向うのだろうか。
2000年6月某日
今年上半期のナンバーワンの本といっていいだろう。この『話を聞かない男、地図が読めない女』(アラン・ピーズ+バーバラ・ピーズ/主婦の友社)はとにかく面白かった。こんなに楽しく本を読んだのは、竹内久美子以来だろうか。
これまで男女の間でうまくいかなかった人は、ぜひこの本を読むべきだろう。最近、離婚していく夫婦も多いしね。みんながこの本を読むならば、離婚率はグググッと減少し、出産率は上がり、年金を払う世代の人口も増え、現代の社会問題も解決するのは間違いないだろう。とにかく、別れそうになっている恋人同士の皆さんも試しに読んでみましょう。
この本は、男と女の違いについて書かれている。読んでみるとけっこう納得することが多かったりする。男と女だけでなく、人間にはいろいろなタイプがいるのだろう、ということを素直に受け入れることができるような気になってくる。でも、男の方の浮気が原因で別れてしまった女性にとっては、ただの言い訳本になってしまうかもね。
2000年6月某日
それにしても、6冊しか読んでいないような気がする。こんなことでいいのだろうか(笑)。
しかし、よくよく考えると読書している時間って全然ないような気がする。僕は元々寝る前とか部屋の中でひとり孤独に本を読むということはない。しいて部屋で本を読むとしたら、お風呂につかりながら読むくらい。しかし、最近は暑くてそんなこともやっていない。部屋に帰ってまずは冷たいビール! もうそれで活字を読む気力は失せてしまっている。
「お風読書」亡き後、「通勤読書」に掛けるしかないのだが、この時間がこのところ実に短い。昨年11月に引越しをしてからの一日の往復時間は25分くらいかな。読み始めたところでもう時間になってしまうという感じなのだ。仕事をサボって本を読もうとしても、このところ何だか忙しい。困ったものだ。
(2000.7.3)
DOLPHIN
HOTEL
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