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読書日記2000年8月
とってもとっても暑かった編
2000年8月某日
「なぜ、この読書日記は毎月更新されないのだろうか?」と疑問を持っている人は何人かいるのだろうか?? 甘い甘い。僕は根っからのメンドウクサガリヤさんなのであった。そう言えば、8月といえば夏休み、夏休みと言えば夏の絵日記を最終日に書いた、なんてこともあった。ところで僕はこのサイトのどこかに書いてあるように、北国の出身である。夏休みはいつからいつまでかというと、7月の24日あたりから8月の24日あたりだったと思う。間違っても8月31日まではなかった。よく「北国の方は夏休みの代わりに冬休みが長いから」などという声を聞くけれど、実際はそうでもなかったように思う。冬休みの長さは東京と同じだった。春休みも東京と同じだった……。もう子供の頃のことなんて思い出したくもないが実際はどうだったのだろうか。
ちなみに、この「読書日記2000年8月編」は9月の終わりごろ、秋分の日も過ぎたお休みの日に書いているのであった。
2000年8月某日
リチャード・ブローティガンの『ソンブレロ落下す ある日本小説』(藤本和子訳・晶文社)という本を読んだ。前から名前だけは知っていて気にはなっていた。7月にムラカミハルキの『そうだ、村上さんに聞いてみよう』(朝日新聞社)を読んだら、「カート・ヴォネガット・ジュニアと、リチャード・ブローティガンは大学時代の僕のヒーローでした」(P38)と書かれてあって、僕の大学時代はとっくに過ぎてしまったけど、読まなければと思ったのだ。とりあえず、7月に図書館から借りて『アメリカの鱒釣り』を読み、8月にこの不思議な小説を読んだところ。うーん。ちょっと難しかった、というのが僕の感想。
ちなみに、『そうだ、村上さんに聞いてみよう』はとっても楽しかった。何か悩みをかかえている人はぜひこの本を読むことをお薦めする。特に「不倫しているのですが」なーんて悩みにはムラカミさんは丁寧にお返事を書いているのでした。この本は、彼のホームページである『村上朝日堂』での読者とのやり取りを本にまとめたものです。
2000年8月某日
村上春樹と言えば、村上龍。だいたいライバル(もちろんそういうわけではないんだけど)というものは、同じような時期に同じような本を出す。でもないか。
『世のため、人のため、そしてもちろん自分のため』(日本放送出版協会)という本は、村上龍と藤木りえの共著ということになっている。これは、メールマガジン『JMM』に「村上龍と風俗嬢の交換メール」として連載されていたものをまとめたもの。
はたして、人はどんなふうにメール交換をしているのだろうか? という興味でこの本を読んだ。感想といってもちょっと難しいね(笑)。藤木りえという人はSM嬢をやっているのだけど、大学で法律も学んでいるという人で、法律の話になったお客の話になったり、またまた「こんどおいしいワインを飲みましょう」とワインの話になったり。
メール交換を長く続けると、話の合わないこともあると思うのだけどね。たまには、ケンカになることもあるのかもしれない。メール交換の難しいところは、続けていきたいのなら、口喧嘩とは違った相手への思いやりみたいなものを持って、ちゃんと文章を書くことだと、まあ僕は思ったりしている。
でも、この本はそうした意見の食い違いというのがほとんど見られず、無難におわっているところがなんだかとっても面白かったでした。
2000年8月某日
久しぶりに友人からハガキが届いた。年賀状を出したときに日本にいなくて、帰ってきたところでハガキをくれたらしい。懐かしいな、ということで話をしたら飲みに行くことになった。この友人と最初に会ったのはいつころだろうか……。ふと計算してみた。僕が確か18か19歳の頃だったと思う。というと、僕の人生の半分くらいのときに出会った人だったのか(唖然)。時は過ぎていくもんだ。
2000年8月某日
ロバート・ホワイティングの『東京アンダーワールド』(松井みどり訳・角川書店)を読んだ。僕は実はこの作家の大ファンでほぼすべての本を読んでいる。野球に関する本が多く、野球を通して日本という国を鋭く見つめていくのである。有名なところでは『菊とバット』(サイマル出版会)『和をもって日本となす』(角川書店)など、比較的最近の本では団野村について書いた『日出づる国の「奴隷野球」』(文藝春秋)なんて本もある。
その作者が野球以外で日本について書くのだ。書店で本をとったその瞬間から、僕はドキドキの状態だった。タイトルの通りに東京の裏側の世界がいろいろと書かれている。力道山も登場する。ちなみにこの本はドリームワークスで映画になるのだとういう。これも今から楽しみだ。
2000年8月某日
毎日毎日、暑い暑い(この日記は9月の後半に書いているのだけど、今も暑いです)。
ということで、ビアガーデンに行った。場所は池袋のパルコにある「シティ・フィールド」(? という名前でよかったか)というところ。ビアガーデンはあんまり期待はしないのだけど、1年に1度くらいは行かないと、夏を体験したという感じがしないのである。「あの年の夏はあのビアガーデンで飲んだんだな」と、昨年と一昨年とを間違えることなく振り返ることもできるのである。10代の頃には考えられなかったが、だんだんと前の年のことを思い出そうとしたときに、それが前の年の出来事なのか前の前の年だったのか、それとも前の前の前の年だったのか、わからなくなってきてしまうのである。そういうわけで夏には、ビアガーデンでの思い出というものをちゃんとつくっていなければならないのである。
正直言って期待していなかった料理はまあまあであった。冷房もない料理もマズイでは、お金を損したようなものだからね。それにしても東京のビル街とかで仕事をしていると人間がだんだんダメになっていくのを感じてしまうよね。「クーラー付きのビアガーデンがあったらいいなぁ」なんて本気で思ってしまっているんだもんな。
話は変わるが、花火大会を見た。芝生の上でビニールシートを敷き、オニギリを食べビールを飲んで。すごい暑い夜だったのだけど、芝生の上っていうのはけっこう涼しいんだよね。デパートの屋上を全部天然芝にして、そこでビアガーデンにしたら涼しくならないのだろうかね。
このビアガーデンは3人で行ったのだけど、メニューの80%くらいは食べたような気がする。もの凄いお腹がいっぱいになった夜だった。
2000年8月某日
一橋文哉の『オウム帝国の正体』(新潮社)を読んだ。僕はこの謎のノンフィクションライターのファンなのであった。過去にも「グリコ森永事件」や「三億円事件」の本がありどれもおもしろく読んでいる。
この本ではオウム事件の裏側が詳細に書かれている。もちろん、どこまでが真実かはわからない。しかし、警察が発表し、マスコミに流れている情報が真実でないことは確かだろう。坂本弁護士事件に関しては、犯人はオウムのメンバー以外にもいる、という説が書かれている。
オウム事件の裏側、それはオウムだけの問題ではなく、実は警察組織の裏側に問題があったりしているのだ。
2000年8月某日
阿部和重の『アブストラクトなゆーわく』(マガジンハウス)という雑誌「アンアン」に連載されていたエッセイと、話題になった『インディヴィジュアル・プロジェクション』(新潮文庫)を読んだ。
それにしても、この2冊はまったく傾向が違う本で、同じ作者だとは全く思えなかった。
一番興味をひかれたのはエッセイに書いてあった「オランダせんべい」の話だった。このせんべいを知っている人は、はたしてどれだけいるのだろうか?? この「オランダせんべい」というお菓子は、ほとんど山形にした売っていない。だいたいにして地元に住んでいる人というのは、そのお菓子が地元でしか売られていない、という事実を知らなかったりすることがある。僕はこの「オランダせんべい」が「でん六ミックス」と同じように全国区のお菓子だとばっかり思っていた。
塩味でパリッとしていて、すごく美味しいです。みなさん、1度食べてみましょう。
2000年8月某日
話題の直木賞受賞作『GO』(講談社)を読んでしまった。金城一紀はいい!! どうして僕はこの本をもっと早く読まなかったのだろうか。何人か友人は「おもしろい!」と教えてくれていたのに。「人の言うことは素直に聞くものだ」と深く深く反省した。
いやぁ、久々にというか、ほんとうによかった!!
どんな風に感じたかというと、梁石日と重松清と村上春樹と村上龍と森絵都を一緒にしたようなおもしろさというのか(笑)。今の時代をとてもよく反映しているんじゃないかな。テーマは重かったりするのだけど、重く書かれていないんだよね。1999年には、天童荒太の『永遠の仔』があって、それに対して、2000年にはこの本があった、という感じ。涙は流さないが、辛くはある。また、この本の良さは、いろいろな読み方ができるところにある。ちなみに僕は恋愛小説みたいに読んだ。主人公は高校生なんだけどね。
この作者が今後どんな作品を書いていくのか、これからすごい楽しみ。
2000年8月某日
実はこの暑い8月はあまりアルコールを飲むことなく、とっても健康に過ごしていた。ほんの数回外で飲んだだけであとは全然飲んでいなかった。でもって、酒の替わりに毎日飲んでいたのは漢方薬。体調が悪く悩んでいたところ、「漢方薬はいいよ」と薦められ、ちょっと値段の高いのが気になったのだけど、飲んでみた。土瓶でコトコトコトコトと毎日孤独に煎じて飲んでいたのである。
いやいやいや、これは効きます!! かなりびっくりです。今度、このサイトに漢方薬のコーナーをつくりたいと思っているくらいです(笑)。興味のある方はぜひ私宛にぜひメールを!!
2000年8月某日
昔からのファンである船戸与一を読んだ。なんで今ごろ、直木賞を受賞したのかわからないのだけど、まあよかったのだろう。もう何年前になるのだろうか。デビュー作の『山猫の夏』を読んだ衝撃は今でも覚えている。それに『砂のクロニクル』を読んだときなんて、身体が震えたもんな。
久々の作品である『虹の谷の五月』(集英社)はこれまでとは違った良さがあった。これまではどちらかというと非常な感じがあった。もちろんこの作品も辛く悲しいことはあるのだけど、未来に向った感じのラストがとってもよかった。
2000年8月某日
それにしても暑い8月だったね。9月も暑いけど。あーあ。
(2000.8.24)
DOLPHIN
HOTEL
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