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読書日記2000年12月
ありきたりだけれど世紀末ですね編
2000年12月某日
もうすぐ20世紀が終わってしまう。「世紀」とか「西暦」とかって言葉を聞くと船戸与一の『砂のクロニクル』(新潮文庫)の冒頭の文章を思い出してしまう。「歴」についての歴史や世界での現状のようなものが淡々と語られている。中東を舞台としたこの物語では、「西暦」というのは多くの価値観の一つでしかない。しかし、なんだかんだ言っても現在「西暦」と名のつく世界の中で僕らはみんな生きている。
21世紀になるということをひとつのステップとしていくしかないというか、そうやっていきたいものだと思う今日この頃である。
2000年12月某日
先月読んだ『朗読者』がとってもよかったので、新潮クレスト・ブックスのファンになろうとしている。この新潮クレスト・ブックスというシリーズは、ソフトカバーで持っていてなかなかオシャレな雰囲気だし、海外の小説が苦手な僕でもけっこう読みやすかったりするんだよね。
先日図書館で何冊かこの新潮クレスト・ブックスの本を借りてきた。
一番薄そうな本から読み出したのだけど、それが『花粉の部屋』(ゾエ・イェニー/新潮クレスト・ブックス)という本で、とってもお薦めな本だった。
あとがきにちらりと書いてあるのだけど、著者ゾエ・イェニーの愛読者は「吉本ばなな」なのだそうだ。確かに似ている雰囲気というのはあるかもしれない。しかし、もちろん、ゾエ・イェニー独特の文体というのがこの本にはある。他の誰にも真似の出来ないような、印象深い描写がこの本にはいっぱい詰まっている。特に僕は、列車の場面がとても好きだ。ほんの2、3ページのこの車内での場面は読むだけで、言葉に表すことが難しい特別な感覚が残ってしまう。
たぶん、吉本ばななを読んでおもしろかったという人には、この『花粉の部屋』は面白く、新しい発見を持って読めるのではないだろうか。ヨーロッパ、ドイツ語圏ではこの新人作家の本はかなりの評価だったみたいだ。
日本でももっともっと評判になってよい本だと思うのだけど。
2000年12月某日
僕の住んでいる街に新しくスーパーが出来た。開店の日には僕も行ってみたのだけど、すごい人人人……。なんといっても、店は新しく(畳となんとかだけでなく、食料品を扱うお店はやっぱり新しいほうがいいよね)、安く、種類はいっぱいある。この日僕は、卵
1パック67円、クリネックスティッシュ198円なんて値段で買物をして超ハッピーだった。
この月、もうひとつ街の変化があった。近くにある、建設中の高層マンションが完成した。もう今年も終わりだというのに、マンションの入り口にはいつも何台かの引越し業者のトラックが止まっていて(並んで前が終わるのを待っている)、新しい生活のはじまり、を感じさせていた。
新しい部屋で、新しいスーパーでのお買物。確かにこうしたことはウキウキと心が躍る。
しかし、ついつい気になってしまう。近くの古ぼけた商店街はこれからどうなるのだろうか。もともと僕はスーパーとかでしか買物をしないのだけど、それでも近所のお店には活気があったほうがいい。マンションの隣の古ぼけた家に光は入るのだろうか。マンションの上の階に住むのは眺めはいいかもしれないけれど、すぐ近くで見上げる方の気持ちというのも辛いものがあるかもしれない。
もちろん、何がいいことなのか悪いことなのかは判らないけれど。
2000年12月某日
森絵都の『DIVE!! 2−−スワンダイブ』(講談社)を読んだ。10代のオリンピックを目指す彼らの一日一日、その成長は早いんだな、と感じる。僕が中学生の頃、一年というのはものすごく長かった。例えば中間試験が終わってから期末試験までというのは、ずっと先にあった。こうやって10代の主人公達の悩みと活躍をほんの数時間で読んでいくとき、ふと時間旅行をしているような気持ちにもなる。
人は死を迎えるとき、自分の過去を一瞬でオーバーラップのように振り返る、と聞いたことがある。もちろん、実際にどうなのかはわからないけれど。
この物語では、ダイブの水飛沫すらもスーパースローのように大切に表現されている。
作者はこの物語を「スポコン小説」と位置付けている。けれど、涙と汗はこの物語には似合わない。プールに入れば、そんなものは誰にも見えるものではなく全く関係ないものだから。
『DIVE!!』という物語はこのあとも続いていく。とても楽しみだ。そして、ファンというのは全く勝手な奴だと怒られるかもしれないけれど、『DIVE!!』の次に書かれる作品というのがどんな世界を描くのか、今からワクワクしている。
2000年12月某日
池袋のジュンク堂書店に行くと、その姿は毎回変わっている。1階はもうこれまでのイメージはなく、まったくの工事中で一時的に本が並べてあるという状態だった。しかし、その奥にはあの独特のジュンク特性の本棚がずらーりと並んでいた。まだ、本は入っていない。近くにいって本棚のニオイをかいでみたかった。
完成すると世界最大規模の書店になるという。とても楽しみだ。
2000年12月某日
ナンシー・ヒューストンの『天使の記憶』(新潮クレスト・ブックス)を読んだ。こういう本に巡り合ったりするわけで、静かに嬉しさを噛み締めていた。世界中にはいろいろな人がいて、いろいろな恋愛の姿がある。共感できるものとそうでないものもあるけれど。人と人とが出会って恋愛という気持ちを持つことも、本に出会うことも同じことかもしれない。となると、このドルフィンホテルは本のお見合い相談所のようなところなのだろうか(笑)。
2000年12月某日
このところ毎日毎日飲んでばっかりいるように思える。12月ということで飲む機会も多いのだけど、それだけではなく、ついつい飲んでしまう。飲まずにはいられないのだろうか。別に飲んでも楽しくはないのだけどね。この間、ラーメンを食べながらその話をしていたら、「うん、でも飲まずにはやってられないんですよね……」と言われてしまった。
2000年12月某日
数日間、夜遅くまでNHKの『大地の子』を見て涙していた(笑)。山崎豊子の原作本は僕の本棚の中にちゃんとあるのだけど、これまで読んだことはなかった。最初にこの番組が出来たときにも見なかったので、初めての『大地の子』だった。それにしても、テレビを見て涙するなんて久々(やれやれ)。こうしたボリュームのあるドラマが存在すること自体嬉しいものだ。
主役の上川隆也もよかった。この人に関してはなんだか頼りないようなヤワな印象を持っていたのだけど、とってもいい印象に変わってしまった。実は僕は上川隆也を見ている。テレビのデビューではなく、舞台でのデビュー。キャラメル・ボックスという劇団での彼を見ているもんで、どうも気持ちが入って見てしまって(笑)。当時はまったく名もない、デビューしたばっかりの脇役にすぎなかった。こうやって、おおきなドラマの主役になっているというのは、とっても嬉しいものだ。
2000年12月某日
数年ぶりにビンゴゲームというものをやった。楽しかった。やっぱり12月はビンゴだよね(笑)。しかし、正確に言うと僕はビンゴはやっていなかった。クリスマス・パーティーの幹事を僕がやったのだけど、ビンゴのプレゼントを買ったり、当日もコロコロとビンゴを回したりはしていたのだけど、自分でカードを開けることもなく、ハズレなしのプレゼントを貰うことなく(人数が増えてしまって足りなくなった)終わってしまった。
参加した人は「楽しかったのでまた来年も!」って言ってくれるのだけど、僕を含め幹事グループは疲れ果ててしまって、もう来年はないな、と思っているのであった。
2000年12月某日
年末になるとどうしてだろうか、温泉宿などを特集したテレビ番組が多いような気がする。ぼぉーっとしていても何となく見れてしまうので、こういう番組はついつい見てしまう。いい旅館だったりする。でも僕は行ってみようとはそんなに思わなかったりするんだよね。どうも旅館とかに泊まっても安心できない。僕はちょっと変わっているのかな、なんてときどき思ったりもする。
テレビを見ると、旅館とかだけでなく食べ物屋さんとかでも、よいところがいっぱいあるという。けれど、これまでなかなか「よいな」「安らいだな」なんて思ったことはなかったりする。評判の食べ物屋さんに入っても、サービスとか全く酷かったし、もう一度行こうという気にはならない。もちろん、これまで「よかったな」という気持ちを持ったことも何度かはある。けれど、普通の食べ物屋さんでさえこの状態なので、高い交通費をかけて、温泉宿に泊まったとしても、期待を裏切られたときにショックは大きいだろうとどうしても行こうという気にはならないのである。
やっぱり僕のほうに問題があるのだろうか。それとも、心温まる宿というのが少ないことに問題があるのだろうか。
2000年12月某日
年末になると多いテレビ番組でスポーツ名場面というのがある。プロ野球ニュースでは「今世紀ベストナイン」なんてのもやっていた。野球以外でもいろいろな昔の場面というのを見たりすると、僕はまあまあいい時代に生きてきたのだな、と思ったりする。なにせ、僕はONの野球をテレビでちゃんと見ていたのである。銭湯に入るときには、3番のところに靴を入れた少年だった。「巨人の星」も「タイガーマスク」も「アルプスの少女ハイジ」(ちょっと関係ないかな)もリアルタイムで見ている。
最近、飲んだりしてこうしたちょっと昔のスポーツのことを話題にすると、わからない人が多いんだよね。王選手が打席に立ったときの、「王シフト」なんて今考えるとほんと信じられないよね。そういうのを生で(まあテレビだけど)見ていて、よかったなぁとつくづく思ったりする。
2000年12月某日
湯島天神に行って、受験用のお守りをもらってきた。正確にはお金を払って買ってきたのだけど。でも、お守りを勝ってきたとは言わないし、日本語というのは難しい。
なんと2000円の受験セットというのがあるんだよね(笑)。お守りだけでなく、シャープペンシルやハチマキなんてものも入っている。昨年もこれをあげた姪っ子が高校受験で合格したので、続く姪っ子にもこれで合格して欲しいものである。
それにしても、僕が高校を受験したのなんて何十年前だろうか(笑×10)。
このドルフィンホテルに来てくれる人の中にも、中学生とかいるかもしれないもんな。もう笑ってしまうしかない。
2000年12月某日
「アリー・myラブ3」(NHK)の年末スペシャル「オトコとオンナのトークバトル」を見る。いやぁ、おもしろかった。でもさ、いくらなんでも時間が短すぎる!! そうとうカットしてつくったのではないだろうか。あれは最低でも2時間はやらないと。NHKさんはもってがんばって欲しいものだ。
このあたり、「アリー・myラブ」を見ていない人にはわからないかもしれないけど、そんなことはかまわない(笑)。ムっとした人は新年からちゃんと見ましょう。それにしても、人気投票でジョン・ケイジが2番人気だったことにびっくり。僕も最初から彼のファンではあったのだけど、実際にジョン・ケイジが身近にいたらモテルのだろうか? ちょっと疑問。ジョン・ケイジ人気の反面、ビリー・トーマスの人気のなさは何なのだろうか。実際、見た目にはビリーが一番モテそうなんだけどね。「アリー・myラブ」について語ってみたい今日この頃なのであった。
そう言えば思い出した。このドラマで僕の好きなセリフにこんなのがある。今の時期にぴったりかもしれない。
「それまでの一年を振り返って、嬉し涙も悲し涙も流れないのはその一年を無駄にしたことだ」
2000年12月某日
ここ数日間、全くといっていいほど本を読んでいない。カバンの中には必ず入れてはいるのだけど。言い訳はやめよう。本を読むときもあれば、読まないときもある。つまらない本を読んでも仕方が無いわけだし、おもしろい本に出会うときには、それなりの物語があるかもしれない。
ドルフィンホテルという名のサイトをリニューアルさせて、いろいろと手を加えて約半年、みなさんどんな感じだったのでしょうか。
来年はどうして行こうかといろいろと悩んでいたりしている。とにかく、楽しくゆっくりできるところにして行きたいと思っているので、みなさんよろしくおねがいします。
(2000.12.30)
DOLPHIN
HOTEL
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