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読書日記2001年6月
もう暑いのなんのって編


2001年6月某日
 船戸与一の『新宿・夏の死』(文藝春秋)を読んだ。世界のあちこちを舞台にする船戸の小説の世界で、新宿が舞台となったらどうなるのだろうと、楽しみにして読んだ。短編集なのだが、どの話も現代が描かれていて、船戸の響きがあり、とてもよかった。これまで通りに海外での作品も書いて欲しいが、こうした身近な場所を舞台とした話も読んでいきたいものだ。

2001年6月某日
 それにしても毎日暑い。どうしてこんなに暑いのだろうか。汗かきっコなもんで夏は苦手な季節なのであった。

2001年6月某日
 岸本葉子の『なまいき始め 私の転職・留学物語』(講談社文庫)はよかった。けっこうデビュー作に近いような話なのだけど、二度と帰らない初々しさがあってたまらなくよかったのだ。どの作家でもそうなのだけど、有名になる前に書いた本というのが僕は好きだったりする。文章はなんだかちょっと落ちつきがないような感じもあるけど、そうしたことを差し引いても十分に強く訴えてくれるものがあるように思える。

2001年6月某日
 久しぶりに焼肉食べ放題のお店で死ぬほど食べた。池袋のカルネステーションというお店なのだけど、飲み放題食べ放題で一人3000円ほどなのでけっこう安い。ほんとに動けなくなるくらい食べた。もう3、4ヶ月は焼肉は食べなくてもいいな、と思った。

2001年6月某日
 森絵都の『にんきものをめざせ!』と『にんきもののはつこい』(童心社)を読む。ご存知「にんきものシリーズ」の3と4である。いやいや、森絵都さん素晴らしい、武田美穂さんのイラストも素晴らしかった。ところでこういう本を「年間に読んだ本の冊数」に入れていいのだろうかと少しだけ悩む。でも作者の苦労というものを考えれば立派な1冊であることには変わりはない。ということでやっぱりちゃんと読んだ本の冊数に入れるのであった。

2001年6月某日
 テレビで「サザエさん」を見ていたら、このドラマはこの先どうなるのだろうかと考え込んでしまった。今どきのカツオやワカメくらいの年齢の子はあんな服装や髪型はしていない。腕時計に携帯電話も必需品だったりしている。もちろん、時間が止まっているというのはわかるのだけどね。
 僕くらいの年齢だったら、「ああ懐かしいなぁ」と見ることができる。でもさ、今の中学生とか高校生はどんな気持ちで「サザエさん」を見ているのだろうか。「鬼平犯科帳」を見るのと同じような気持ちだっりして。うーん。
 ちょっとだけ見てみたいのだけど、「サザエさん・2001年バージョン」ってやらないだろうか。

2001年6月某日
 岸本葉子『実用書の食べ方』(晶文社)を読む。実は僕は18歳くらいから小説というものを読むようになったのだけど、その昔は本というものはほとんど読むことはなかった。読んだと言えば、実用書だったような気がする。その実用書の中に書かれている答に引かれていたのだろうと思う。今は考えが全く逆転してしまったのだけど。
 岸本葉子が凄いなぁと思うのは、彼女の手にかかるとツマラナイ実用書でもなんだか楽しくなってしまうことだ。ということでこの本も楽しく読めた。

2001年6月某日
 眠れない夜なんかはだらだらとネットサーフィンをしていたりする。でも、頭は当然冴えていないわけで、そんなにまともな文章を読もうという気はない。だらだらと読める文章がちょうどいい。そういう意味で僕が今いちばん楽しみにしているウェブでの読み物というのは、WebMagazine幻冬舎(http://webmagazine.gentosha.co.jp/index.html)の『藤原香織の「だらしな日記」』である。「食事と体脂肪と読書の因果関係について考察する」というサブタイトルの通りに、作者の食生活が写真入で載っていて、なおかつ読んだ本について書かれていたりする。いやいや、おもしろい(というかおそろしかったりするのだけど)。とにかくお薦めです。
 もうひとつ、僕の気に言っているウェブでの読み物はWEB本の雑誌(http://webdokusho.com/)の「吉田伸子の恋愛のススメ」である。彼女の過去の恋愛などなど、ほろりとする恋愛話と、本の話がなんとも言えないいい味を出している。
 本や雑誌の活字ではまた違った雰囲気になるのかもしれないけど、パソコンでネットで見るのにフィットした文章というのがあると思うのだ。

2001年6月某日
 田口ランディ『忘れないよ!ヴェトナム』(ダイヤモンド社)を読む。彼女のこういう旅の本はとても素直に読めてしまう。

2001年6月某日
 いやいや久々に司馬遼太郎の本を読んだ。その昔『竜馬がゆく』を読んだときなんかは、友人知人にこの本を貸しまくりその普及に貢献したものであった。読む本がないや、と思って先日ふと『十一番目の志士(上・下)』(文春文庫)を購入したのだった。やっぱりさ、この幕末の時代っていいよね。うまく言えないけれど。

2001年6月某日
 焼き鳥屋さんで飲む。母屋という名前の小さなお店で、狭いテーブルに相席になったりテーブルを移動したりと忙しかったが、店員さんの愛想も良く、美味しく楽しく飲めた。焼き鳥は当然の如く美味しかったが〆に食べた鳥雑炊が絶品だった。この店の壁にはちゃんと柱時計があった。最近思うに、「美味しい居酒屋=柱時計」がある、という法則があるのではないかと思うのだけどどうだろうか。

2001年6月某日
 大江健三郎『われらの時代』(新潮文庫)を読む。せめてこれからも月に1冊はこの人の本を読んでいきたいものだ。先は長い、僕の人生もしばらくは長く続くだろう。

2001年6月某日
 佐木隆三という作家は前から気にはなっていたのだけど、まだ読んだことはなかった。『少年犯罪の風景 「親子の法廷」で考えたこと』(東京書籍)は聞いたことのある事件がいくつも書かれていて、読みやすく面白い本だった。新聞などには出てこない、独自の視点の世界が書かれている。これから少しずつこの作家の本を読んで行こうと思う。

2001年6月某日
 映画『メトロポリス』を見た。子供時代に手塚治虫のマンガをよく読んでいたものとしてはついついこの映画に引かれてしまったのだった。やっぱりたまにはこういうアニメーションを見るのもいいものだ。ふと気がつくと今月見た映画はこの一本だけだった。

2001年6月某日
 ドルフィンホテルのメンバーに薦められてポール・フライシュマンの『種をまく人』(片岡しのぶ訳/あすなろ書房を読んだ。図書館で借りたのだけど、なかなか見つからなくてなかった。うろうろしてやっと見つけた場所は児童書のコーナーで小さな子がうろうろしている中だった。
 それにしても不思議な雰囲気を持つこの本はとても面白かった。今月一番の収穫であった。

2001年6月某日
 暑い暑いとある日曜日、図書館に行く。図書館というのは普段着の良さがあるのだろう。いつ行っても変わり映えのしない光景で、安心できると言えば安心できるのだけど。でも、ときどきあまりのその変化のなさに、このうだるような暑さが加わるとイヤだなと爆発しそうになるのは僕だけだろうか。
 たまにはさ、デパートの案内のお姉さんのように浴衣姿で本の貸し出し業務なんてやってくれたらこの夏の暑さも少しは涼み、本の貸し出し量というのも増えるように思うけど。図書館はどうせ普段着なんだから、水着の日なんて設けてみんなで海水浴に行った気分に浸る、なんてのもいいな。

2001年6月某日
『栃木リンチ殺人事件』(黒木昭雄/草思社)を読んだ。もの凄い衝撃を受けた。2ヶ月ほど前に『遺言 桶川ストーカー殺人事件の深層』(清水潔/新潮社)を読んだときも、驚いたがこの本、この事件の裏側にもっと驚いた。両方の事件共、警察の不祥事が問題となった。しかし、「桶川」の事件に関しては警察関係者はそれなりになんらかの罰を受けるなりしたが、この『栃木リンチ殺人事件』に関してはほとんど罰せられることもなく何も変わってないと言える。
 この事件はマスコミなどで話題にはなったが、まだまだ知られていないことが多い。事件が発覚したのは、被告の一人の自首によってである。もし、このことがなかったら今だにこの事件は闇の中だったのかもしれない。この事件では警察は動かなかった。なぜか。それはある意図があったから、とこの本には書かれている。ある意図というのは、言われてみると「なるほど」と思うようなことだ。誰でも似たようなことを経験したことがあるかもしれない。同じようなことが、今もどこかで起こっていてもおかしくないような気もする。第3の加害者といっていい「警察が動かなかった」理由となった存在は全く罰せられることもなく、非難されることもなく、変わらないままでいる。
 本当に恐い本だ。いや、恐い事件だ。この本の内容は世間に広まることなく、静かに消えていくのだろうか。ぜひ、一度は読んで欲しい内容である。

 こんなことがあっていいのか、こんなにも理不尽なことがあっていいのか。宮部みゆきの『模倣犯』を読んだとき、僕はこうした気持を持った。でも、フィクションではないこの現実の社会で、もっともっと酷い事件はいくつも発生し、これからもあるのかもしれないのだ。

2001年6月某日
 今月はサッカーに明け暮れた毎日だったように思う。仕事を調整し、コンフェデレーションズ・カップは全ての試合を生で見た(もちろんテレビでだけど)。朝の4時半に起きて、ワールドユースなんてのも見てしまった。実はビデオテープにはまだ見ていないJリーグの試合が入っていたりする。でも、実はもうそろそろ飽きてきてしまっているのだった(笑)。

2001年6月某日
 この日は何時間も『DREAMWEAVER スパーリファレンス4』(ソーテック社)という本とにらめってをしていた。何かのマニュアルを見るというのはとても苦手だったりしている。一応自分なりになんとかHTMLを覚えたいとは思ってりうのだけど……。気が付いている人もいるとは思うが、このウェブサイトはテキストファイルだけで出来ている。テキストだけなのに、いつの間にか1メガバイトを超えてしまっている。最初は単によくわからないくて単純にと考えていただけだったのだが、このところテキストに拘りたい、という気持ちもあったりしている。見かけばかりが先行するものではなく、文章がいっぱい詰まった中味のあるサイトにしていきたいという考えがあるからだ。
 でも、もっとカッコいいデザインにしていきたいという野望もあるので、そのうち何らか画像も入れたものにするかもしれない。ドルフィンホテル・タイムにてお待ちください。


(2001.7.3)



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