フロント
   
2002年7月
2002年8月
2002年9月
2002年10月
2002年11月
2002年12月
   
   


     

読書夜話2002年8月

#1


2002/8/13
◆ おやすみプロジェクト
 新しく掲示板をつくった。書き込みはとても少ない。まあ、僕が書いていないということが大きいのかもしれないけど。これからもどんどん掲示板を作るかもしれない。13までは増やそうかと思っている。でも、脱退する掲示板もあるだろうな。とくかく簡単に掲示板を作ったりできるのが、自作CGIなるもののいいところだ。

◆ The World according to Garp
 ビデオで『ガーブの世界』(原作:ジョン・アーヴィング/監督:ジョージ・ロイ・ヒル/主演:ロビン・ウィリアムズ)を見る。アーヴィング原作の映画を見るのは『サイダーハウス・ルール』に次いで2作目。なんだかよくわからないけど、よかった。生きていく、ということがこんなにも辛いことなのだろうかというのが一番の感想である。アーヴィングの作品はこれからもチェックしていきたい。

◆ 心の旅
 数年ぶりでカラオケなんぞに行ってしまった。やれやれ。ほんとうに疲れたよ。全部で13人くらいの人間がいたのだろうか。これだけの人数でカラオケボックスで盛り上がると、冷房は効かずにほんとうに箱の中にいるような感じだった。それにしてもな、僕が「心の旅」を歌っていたら、吉田栄作の歌っていた……、と言われてしまった。考えてみると僕はこの中ではかなり上の年齢だった。疲れただけでなく、悲しくなった夜の旅だった。

◆ 小学生
 高橋源一郎の『一億三千万人のための小説教室』(岩波新書)を読む。これは面白い。お薦めです。
 本は読まれない、と言われながら、なぜかこうした「書き方」の本はよく売れていると言われている。おもしろい現象である。僕もついつい読みたくなってしまうのだけど。この本の特徴は何よりもそのわかりやすさだろう。実はこの本の中味は「小学生のための小説教室」なのである。とても読みやすい。最初の方に、実際に著者が行った小学生への講義を終えて書かれた、小学生が書いた小説がある。ほんの身近な作品だけど、これがもの凄くいい。素晴らしい。
「小学生」というと子供だ、という印象を僕達は持ってしまいがちだ。けれど、小学生だからこそ、高橋源一郎の話を素直に受け入れ素晴らしい小説を書けるのかもしれない。
 小説を書く、書かないは別にしても、この本を読むことで小説を読むことが楽しい遊びだと感じられるのではないだろうか。

◆ 儲けることとは
 池袋にできた、とある和食のお店に行った。内装は大人の雰囲気でとてもグッド。最近は個室ベースのお店が増えているけど、広さの感じられるスペースというもの嬉しい。しかし、この店は最悪だった。何が酷いかというと店員さんが話にならなかった。飲み物は一人分だけ来ない。料理はどんどん運ばれてくる。乾杯ができないので待っているのにね。文句を言っても、全然なんとも思っていないよう。謝ることすらしなかった。店員同士は笑いながら話ばかり。その他、もろもろ大変にひどかった。
 もちろん、こんなことを書いても仕方が無い。書いているこっちが情けなくなってくる。その数日後、テレビの情報番組で飲食産業の舞台裏を取り上げたものがあった。売上こそが全てだとバリバリのビジネスマンが登場する。まさに人生を賭けている様子。でもな、僕の行ったような残念な店に人生を賭けている人が思うと、仕事とは何だろうと思い悲しくなってきてしまう。
 新聞に挟まっている就職情報のチラシには、いわゆるチェーン店の食べ物屋さんのものばかり。僕も仕事を辞めてこうしたところで働くこともあるかもしれないけれど。

◆ 東銀座
 東銀座の通りを歩いた。空は雲ひとつない。ギンギラギンという言葉が相応しい状態。この辺りは数年前によく歩いたところだった。東京に出てきて再スタートしたときに、この近くに会社があった。僕にとっての東京といったときに浮かぶイメージはこの東銀座である。
 久しぶりの東銀座は少しばかり建物が変わり雰囲気も違っていた。もちろんこの街に限ったことではないけれど。この東銀座という街は変な魅力がある。華やかな銀座と賑やかな築地との間にあり、ビルがあり大きな通りがあり、小さな裏通りがある。
 この日はここでちょっといいことがあった。何枚かの写真を撮った。何年か経っても、この日のこの景色を覚えているのではないだろうか。

◆ 女性の楽しみ方
『やっぱり、ひとりが楽でいい』(講談社+α文庫)を読んだ。この岸本葉子のエッセイは、彼女の本の中でも特に良かった。日常生活の中で怒る葉子さん。お昼ご飯に何を食べようか悩んだり、美味しくなかったり。実話であろう恋愛のことにも触れている。ほんのちょっとした話が多いのだけど、とてもいいのである。
 僕はこの本を読んでふと思った。どんな人が彼女の本を読み、共感しているのだろうか。例えば、岸本葉子という人はこのエッセイの中では、電話が嫌いなようである。スケジュールを埋めるのも嫌いだ。予定を入れず、電話で長話をすることもなく、自分の時間を自由に楽しむ。しかし、僕の知っている多くの人は、旅行に行ったりなんだかんだと予定を入れ、常に携帯電話で話をして忙しそうにしている。そのことこそが楽しいようである。しかし、岸本葉子のエッセイの世界というものは、そうした日常とは対極にあるように思えるのだが。
 彼女のファンというのは少数派になってしまうのだろうか。それとも、どんな人の中にも岸本葉子的センス(とでも言ったらいいのか)は奥の方に潜んでいるのだろうか。

◆ 夜の本屋さん
 僕の住んでいる街に新しく書店ができた。小さなところではあるが、なんと夜は12時までやっている。雑誌だけでなく、新刊の本もけっこう置かれている。僕の利用する駅の入口とは反対の方だが、たまに寄ってしまう。まだこの書店では一冊も本を買ったことはない。たまにしか行かないけれど、こうした夜遅くまでやっている書店があるというのは、とても心の支えのようなものになっているような気がしている。

◆ 古本市
 たまたまだったのだが、新宿の伊勢丹デパートでやっていた「大古本市」というのに行った。かなり多くの書店が参加していて、けっこう大規模なものだった。久しぶりに古本というものを見て歩いた。それにしても、良いものだと感じたことは冷房の中にいるということだった(笑)。神田の古本街なんて歩いていると暑くて暑くて。店によってはちゃんと冷房が効いていなかったりもするし。
 僕が学生となって東京(正確な住所は東京ではなかったが)に来たときに、休みの日の楽しみは神田を歩くことだった。暑い夏でも半日くらいは歩いていた。その頃はまだまだ本を読み始めたときで、読んでいる作家なんてほんの少しだけだったけど。ただ単に、多くの本を眺めているだけですごく楽しかった。
 それにしても疲れた。ほんの少し歩いて本を見ていただけなのに(笑)。何人かの作家の本がないか見ていたのだが、まったく見当たらない。五十音順に並んでいたらならばどんなに便利だろうかとも思う。しかし、この乱雑さが古本市の魅力なのだろう。
 ドルフィンホテルというウェブサイトは本がテーマである。しかし、僕は乱雑に本を語りたいと思っている。藤沢周平の隣に岸本葉子の本を置きたいと思う。そうしたことにこそ、本を読むことでの出会いがあるはずだ。古本市には多くの出会いがあるはずだ。しかし、ちょっと疲れている(笑)。
 ちなみに、久しぶりのこの日の古本探索では吉行淳之介の本を一冊ゲットした。

◆ 森岡隆三
 サッカーのウェブサイトをあちこち見る。ナカタのところとか、ほんの少しだけだけど。先日、森岡隆三オフィシャルサイト(http://www.r-morioka.com/)というものが存在していることを知った。この人はとてもいっぱい文章を書いている人であった。しかも、うまい! たぶん、現役のサッカー選手で一番読み応えのある文章になっているのではないだろうか。あの顔と、インタビューとかと発言と雰囲気が違っているけど(笑)。とにかく、とても楽しめるサイトだと思います。

◆ 白黒の世界
 小津安二郎監督の映画『早春』をビデオで見る。浮気がひとつのテーマなのだろうか。画面は白黒で、携帯電話もカラオケも出てこない映画だけどいつの時代でも変わらないものがこの中にはあるのかもしれない。

◆ 停電
 ラーメン屋さんに入った。なんだか急激に食べたくなってしまったのだ。特別なお店ではなく普通の中華料理の店だ。僕は味噌ラーメンを注文した。隣に座ったスーツを着たサラリーマンはレバニラ炒めの単品とビール。
 僕はメニューを見ながら味噌ラーメンの来ることを待っていた。その時、店の電気が消えてしまったのだった。
 この店だけの電気が消えてしまっているのだろう。けれどこんなことは珍しい。ほんのちょっとのことかと思ったのに、暗いままの状態。向こう側の客はライターで灯りをとっている。店員さんも困った様子。この時間は5分くらいだったのだろうか。よくわからない。短いような、長いような、不思議な時間だった。
 無事に灯りはついた。特別な混乱はなく、料理が運ばれてきた。僕の席には待ちわびた味噌ラーメンが。それにしても、停電の間この味噌ラーメンはどのような状態にあったのだろうか。

◆ 戦国時代
 司馬遼太郎の『国盗り物語』(新潮文庫)を読んでいる。NHKの大河ドラマ「利家とまつ」を毎週見ているので、このあたりの時代についてもっとよく知りたいと思ったのだ。正直なところ、このドラマでは何が何だかわからないからね(笑)。『国盗り物語』から始めて『新史太閤記』、他の話もいろいろと読んでみようと考えている。『国盗り物語』というと、僕にとってはNHKの大河ドラマのイメージが強い。これこそが大河ドラマというものだった。信長役の高橋英樹、光秀役の近藤正臣とのやり取りは今でも記憶の中に残っている。僕がまだ小学生だったころだ。
 今読んでいる『国盗り物語』は第1巻の途中、斎藤道三の話である。実は正直に言うとやや肩透かしをくらっている状態。もっと、戦いがあり『竜馬がいく』のような迫力を予想していたのだが。なんだか女を騙すような話に読めて(笑)。これこそが重要な戦いだと言われるとそれまでだけど。まあ、この先の織田信長の話がどうなるのかはわからない。豊臣秀吉というのもどのような人物なのかしっかりと読んでみたいと思っている。

◆ 夏の食べ物
 このところの僕の冷蔵庫には「ところてん」が入っている。切らさないように注意している。毎日食べるというわけではないけれど、数日に1回は食べたくなる。先日はもっと美味しく食べるために、カラシも買ってきた。僕の食べ物の好みでは酢の物は苦手なのだが、このところてんの酢醤油は好きなのである。なぜかは分からないが、この微妙な組み合わせにはまいってしまう。

◆ アメリ
 前に一度この読書夜話で紹介したのだが、もう一度書いてみたい。現在、レンタルビデオのお店にいっぱい並んでいる『アメリ』(http://www.amelie-movie.com/)についてである。「アリー・マクビール」「ブリジット・ジョーンズ」「岸本葉子」、この辺りの名前にビビビと来た人は、この『アメリ』を読んでも絶対に楽しめると思うのだ。それにしても、このウェブサイトもいい雰囲気ですね。テーマソングが頭の中に響いてきたよ(笑)。

◆ スタンプシート
 現在の僕のマイブームは「NFスタンプシート」というものである。「NF」というものが何を意味するのか正確なところはわからない。ひょっとしたら、「NO FUKURO」じゃないかと思っているのだけど。
 僕の利用するスーパーではカゴ置き場のところに、「レジ袋いらないカード」というものが置いてある。それをカゴの中に入れておくとビニール袋は出してくれずに、代わりにシールを出してくれる。このシールが20枚溜まると100円のお買い物券になるのである。このシートが「NFスタンプシート」なのである。
 僕は鞄の中に以前もらったビニール袋を入れて、いつ何時スーパーで買い物をすることがあっても大丈夫なように準備をしている。買い物の予定がない日でも、突然にドレッシングの切れたことを思い出すかもしれないし、パックのお寿司を食べたくなることもある。人生というものは何が起こるかわからないのである。シールが溜まっていくことはとても楽しく、おまけに省エネに協力できるのである。レジのお姉さんから「ご協力どうもありがとうございます」と深く頭を下げてもらえる。おまけに、流しの下のビニール袋を入れているビニール袋も増えることなく落ち着いた状態だ。20のシールを貼る場所は現在13まで埋まっている。もう7回の買い物の必要がある。このシートが埋まったとき、僕はどんな気持ちになるのだろうか。
 よくわからない。もちろん、何の感慨もないということもありえるけどね(笑)。

◆ 最終回
 森絵都の『DIVE!!4 コンクリート・ドラゴン』(講談社)を読み終えた。
「最終回っていいものだな」というのが僕の感想だった。「巨人の星」「タイガーマスク」「エースをねらえ」などなど、子供の頃に見たいくつかのアニメを思い出した。最終回というものは結果はわかっていたりする。けれど、少しずつその最後の場面に近づいている時間が僕は好きだ。この『DIVE!!』という物語も、確かに名作となるスポ根なのだと感じた。



#2

2002/8/20
◆ お昼寝
 この日もとても暑かった。少し遅く起きた休みの日。洗濯をして、掃除機もかけた。昼ご飯を食べた僕は少しばかり眠くなった。押入れから枕とタオルケットを出し、僕は畳の上に横になった。畳があってよかった。心からそう思った。正統なお昼寝道というものには、この畳の上で寝るということがどうしても必要だ。枕にしようか、座布団の二つ折りにしようかは少し悩んだ。タオルケットの軽さがいい。目覚まし時計を1時間半後にセットした。
 眠ることはなかった。けれど、とても気持ちのいい時間だった。エネルギーが充電されていくような感じだった。

◆ ショコラ
 ビデオで映画『ショコラ』(監督:ラッセ・ハルストレム)を見る。ちなみに「C H O C O L A T」(http://www.amazonet.com/chocolat/)というウェブサイトはグッドアイデアで凄くいいですね。
 とても楽しく見ることができた。この映画を見ると、誰もがチョコレートを食べたくなり、幸せな気持ちになるのであった。

◆ 夏の思い出
 夏になりテレビでは海水浴の映像が流れてくる。そんなときに僕は思うことがある。別にビキニのお姉さんのことではない。目のことだ。鏡を見て、右目のまぶたのところを確認する。小学校の6年のときに。夏の水泳合宿のとき、突然僕の目から血が流れた。正確には目ではなく、まぶただった。ちょっとしたアクシデント、医者に行ってふた針縫った。縫うほどの傷でもなかったらしいのだが、早く治った方がいいだろうということだった。数年でこの傷は見えなくなった。よーく見ると微かに線が残っているかなというところだ。
 僕はこれまで特に病気になったり、身体に傷を負ったということはない。ささやかな出来事だったけれど、このふた針の傷はちょっとした僕の思い出というものになっている。

◆ ビアガーデン
 ビアガーデンに行った。食べ放題飲み放題のところで例年の行事のようなものとなっている。僕はビールを飲まなかった。身体のことを考え、もう2ヶ月ほどビールは飲んでいないのか。代わりにサワーを飲んでいる。なんだかとても悲しかった。
 このビアガーデンはとても多くの人で賑わっていた。この暑い夏の日の中でも1位を争うような暑い日だった。暑いからこそビアガーデンに行きたくなるわけだが、冷房のついたビアガーデンはないものかとついつい思ってしまう。
 それにしても悲しいと思ったのは、外の景色が見えないことだ。屋上とはいえ、フェンスがあり覆いがあり、座っているところから夜景が見えるわけではない。上の方を見上げても星が見えるわけでもない。どんよりとした空気の中で、あまり冷えていないサワーを飲む。制限時間は2時間だ。
 もちろん文句ではない。自らこの場所に来た。お腹がいっぱいになるくらいに食べている。スイカも美味しかった。そんなに多くのことを求めるつもりはないけれど、もうひとつあればよかったように思えた夜だった。

◆ 街での出来事
 夕方の4時くらいだった。小腹が空いた僕は某ドトールコーヒーにサンドイッチを買いに行った。名前は忘れたけれどベーコンとレタスの入った野菜のサンドイッチを手に取り、カウンターで「持ち帰りです」と小銭を出そうとした。お店の女性は言った。「こちらでお召し上がりになりますか?」と。隣のやや先輩の店員さんは少し笑って僕に申し訳なさそうな表情をしていた。なかなか難しい世の中である。

◆ 閉店セールの店
 毎日「閉店セール」と大きな看板のある店の前を通る。そう、この2週間ほど「毎日」なのである。いや1か月くらいになっているのだろうか。
 なんだかこの派手な看板を見るたびに、身体の中が捩れてくるような気持ちになる。僕のちっぽけな頭の中で思うことは、閉店セールというのは長くて3日くらいのものであった。こんなにも長い閉店セールというのは、サッカーの試合で300分くらい延長戦をやっているような感じであるのだが。頼むから、早くこのセールが終わって欲しい。どうでもいいことではあるけれど。

◆ 餃子
 このところ池袋にある「新新園」(http://homepage1.nifty.com/sinsinen/)という中華料理の店が気に入っている。何が美味いかというと焼餃子がいいのである。もちろん、他にも美味しいものがあるかもしれない。しかし、この4個で520円の焼餃子は美味しい。大きく、皮も厚め。しっかりとした歯ごたえがある。何よりも中に肉汁がしっかりと入っているのがたまらない。
 池袋というと最近「池袋餃子スタジアム」(http://www.namco.co.jp/home/tp/nt/event/gyoza/)が話題である。いつか行こうとは思っているが混んでいそうなのでまだ行っていない。しかし、この「新新園」の餃子の方がずっと美味しいのではないかと密かに思っている。

◆ どら平太
 ビデオで映画『どら平太』(監督:市川崑)を見る。原作は山本周五郎である。面白かったことは面白かったが、どうも何かが足りない。この映画がどうのこうのではなく、数日前に見た時代映画のことが頭に残っていることが原因だろう。
 それにしても、映画というものを14インチのテレビ画面で見るということに無理があるのかもしれないか。大型画面のテレビは安くはなっている。けれど、部屋がこれ以上狭くなるのはちょっとな。

◆ コレクション
 何かを集めるということが好きなわけではない。捨てるものは捨てることにしている。けれど、数年前にちょっとしたコレクションをしたことがあった。恥ずかしながら集めたのは「ピンクチラシ」である。郵便ボックスに入っている、名刺大のサイズの小さなチラシ。葛飾区のとある街に住んでいたときのことなのだが、やたらとこの「ピンクチラシ」が多かった。1日に3、4枚は入っていたのではないだろうが。
 ちなみに、誓って言うが僕はこのチラシに電話をしたことはありません(笑)。嘘ではないです。
 さて、なんでこんなコレクションをはじめたのか。毎日毎日捨てるのが面倒になったからである。集めるのは面倒ではないかというと、ただクリップで留めるだけなので場所を取ることもなく、簡単なことだった。
 このチラシに書かれている職業というものは、人類最古からあると言われているものである。それだけに、小さなこのチラシの中の写真、数行のコピーには、人間の本質を問うような深いものがあるように思ったのだ。どうして、男と女が存在してそこに喜びや苦しみが発生するのか。
 集めたチラシを並べて見てみたことがある。何かが見えてくるのかと思ったのだが、いくら見てもわからなかった。まだまだ僕の人生を見る目が足りないのだろうか。コレクションはかなり厚くなった。捨てるときには、何かもったいないようで少し悩んだ。今はもうこんなことはやっていない。

◆ 指定席の予約
 インターネットで列車の指定席の予約をした。自慢じゃないが、僕はこれまで指定席というものは取ったことはなかった。田舎に帰る新幹線も少し早めに駅に行き、並んでいた。恥ずかしながら、どうやって指定席を取ればいいのか分からない。一度取ろうとしたことがあったのだが、JRの係の人のその横柄な態度にどうしようもなく腹が立ち、できるだけJRとは関わりたくないと思っていた。
 それが、インターネットで予約が出来るような世の中になったのである。「えきねっと」(http://www.tabi.eki-net.com/)では、1か月と1週間前から予約ができる。1か月前の時点で、その結果のメールが来る。まだ引き換えはしていないのだが、とっても簡単に指定席が取れてしまった。まだ、あんまり多くの人には知られていないのではないだろうか。こういう便利なサービスは、あまり多くの人に知られないでいて欲しい(笑)。

◆ 戦国時代 その2
 司馬遼太郎の『国盗り物語』(新潮文庫)の第2巻を読み終えた。斎藤道三の話が一応終わり、第3巻からはいよいよ織田信長が主人公となる。読み始めはちょっと馴染めなかったこの長い物語も、この第2巻で勢いがついてきた。読み応えがある。そんなときにふと気がついた。この本のタイトルである。僕は長い間「国取り」だとばかり思っていたのだが、「国盗り」が正式なタイトルであり、その意味もようやく掴めてきた。
 知らなかったこの時代の背景が見えてくる。特に明智光秀について。この名前は斎藤道三編ですでに出てくるのである。織田信長と明智光秀は深い繋がりがあったのだ。知らなかった。おもしろいぞ。

◆ 冷えた部屋の中で
 疲れて部屋にようやくたどり着いた。暑くて暑くて大変な一日だった。ドアを開けると、急に冷たい風が……。
 これでこの夏は2度目だった。クーラーを点けたままで、出かけてしまったのだった。誰もいない部屋の中、どんな風に時間は流れていたのだろうか。僕は冷たい空気の中に身を置き、寂しい部屋の中で佇んでいた。

◆ 入場のシーン
 中村俊輔(レッジーナ)がかっこいい。しかしこの中村よりも凄かったのは、14日夜のディナモ・ザグレブと親善試合でのビキニギャルであった。
 日本でも、このように入場のときにビキニギャルと一緒に出てくるということはないのだろうか。夏のオールスターなんかはお祭りなわけだからこのくらいの演出はして欲しいものだ。F1でのキャンギャル、格闘技でのラウンドガール、考えてみると普通のことである。選手のやる気も数段違ってくるだろう。
 何も僕はビキニギャルだけに出て欲しいと思っているわけではない。試合の時の入場シーン、小さな子供と一緒というのはワンパターンではないだろうか。例えば、敬老の日だったら老人のみなさんと手を繋いで登場する、勤労感謝の日ならば疲れたサラリーマンと、といった演出があってもいいと思うのだけれど。

◆ 行列
 テレビの情報番組では美味しいお店を紹介するものが多い。いつだったかは、「行列のできるお店」というテーマの番組もあった。ただ僕はここまでの人気店はあまり入りたくはないが。特に行列のできるラーメン屋さんなんかは、あまり美味しそうだとは思えない。もちろん好き好きなんだろうけど。世間では「行列」ということが「美味しい」というのと同意のような感覚があるのかもしれない。
 それにしても、どうして食べ物屋さんだけが、こうした行列の人数で美味しさが語られるのだろうか。食べ物屋さん以外でもあってもいいような気がするのである。
 例えば「行列のできるお医者さん」というのはどうだろう。
 僕が月に一度入っている耳鼻科のお医者さんは受付時に70人くらいは並んでいるのである。1時間並んでやっと1桁の受付順となる。花粉症がピークのときには行列は100人を越えたりもする。診察してもらうのは深夜の時間になってしまう。美味しいラーメンなんて食べなくても生きて行くことに何らマイナスの影響はないが(もちろんある時もあるかもしれない)、良いお医者さんというものは生きて行く上でとても重要である。とは言っても、僕の行くお医者さんが話題になってこれ以上の行列ができるのは断じて困るのだけど。

◆ 自分の中のイメージ
 NHKで『新宿鮫 氷舞』が放送された。前のシリーズは見ていなかったのに、ついつい見てしまった。それにしても……。僕が言うことではないだろうけど、舘ひろしの鮫島というのはちょっとな(笑)。BMWは綺麗すぎるし、あの部屋もお値段が高そう。鮫島のイメージとは合っていないぞ。あくまでも、僕の個人的な印象ではあるけれど。真田広之の鮫島で「風化水脈」を見てみたい。

◆ 街の情報
 東京以外のところはどうなのか分からないけれど、街のあちこちに『Hot Pepper』なるフリーペーバーが置かれている。主に食べ物屋さんの情報が載っていて、合わせて割引のクーポン券がある。僕の職場の机の中にはこの『Hot Pepper』があって、「新しくお店を見つけようか」というときには、とりあえずここのお店に行ってみることが多い。10%なりが安くなるということにどうしても惹かれてしまうのである。
 このフリーペーパー、次第に食べ物屋さんの情報が少なくなっているような気がしている。以前は、新宿版と池袋版とが別だったのにいつの間にか一緒になった。ちょっと違った街なんだけど。日本と韓国とでワールドカップが共催になったような感じではないだろうか。とにかく内容が薄くなったような気がしていたのだが、先日最初から最後までパラパラ見ていると、違ったことに気がついた。後半の方の情報の量がとても増えているようなのである。後半の方というのは、美容整形とかエステ関係の情報である。ほんとに凄い量なのである。これだけいっぱいあるということは、利用している人も多いのだろう。食べるということと、綺麗になるということは、表と裏の関係にあったのだろうか。

◆ 気がつくと
 今とは違う仕事をしていたときのこと、上司と飲んでいて終電の無くなる時間になり、その上司のところに泊まったことがあった。この上司は、僕のいた職場に移ってきてまだ半年くらいだったろうか。実はそんなに一緒に飲みたいような人ではなかったのだが、その頃の僕には断れない人間関係のようなものが存在していた。
 僕とこの上司と、もう一人先輩との3人でタクシーに乗り、アパートに着いたのは2時を過ぎていたと思う。上司はまだ新婚で、奥さんはとても綺麗な人だった。嫌な顔ひとつせず、作ってくれた朝食もとても美味しかった。ほんとうに、素晴らしい女性だと思った。
 この奥さんはご主人を、会社では面倒見のいい誰からも好かれる人だと信じて疑わないようだった。
 けれど、この上司という人は職場では嫌われていたのである。その仕事のいい加減さに、職場の人間はみんな困っていた。もちろん、彼にも自分の希望通りでない移動ということで面白くないものがあったのだろうと思う。前の職場ではそれなりに評価をされていたらしかった。時代はちょうどバブルがはじけたところだった。どこからどう見ても彼の仕事は酷かった。誰からも信頼はされていなかった。
 奥さんはこんなことは知らないのだろう。彼の信頼は、この職場だけの一時的なものなのかもしれないが。
 人の評価というものは、見る人によって随分と違ってくる。そこに人間関係での悩みというものが出てくるのだろう。例えば、ひとつの職場なりの世界に長くいるならば、見えることのなかった裏側の世界が見えてくる。見ないでいた方がどんなに楽しかっただろうと思ったりもする。
 気がつくと、酒の量が増え、読書の量が減っていたりする。



#3

2002/8/27
◆ とうもろこし
 ほぼ週刊になって7回目の読書夜話になるのだが、正直なところあまりキーが進まない(ペンが進まない)でいる。実は毎回そんなことを繰り返しているのだけどね(笑)。でもこの夜話は、なんというかそんな大した文章を書いているわけでもないので、許してください。
 散歩をすれば、よく晴れた日もあるし、時には雨の日もある。昨日食べたとうもろこしだって、美味しい年もあればそうでない年もある。美味しくなかったからと言って捨てるということはないだろう。ところで、とうもろこしというと僕は蒸かして食べるのが当たり前だと思っていた。もちろんお祭りのとうもろこしは焼いたものが基本ではあるが。いろいろな人生があるように、単純に食べるとうもろこしも単純ではないのだろう。

◆ 詩のような映画
 ビデオで映画『ベルリン・天使の詩』(監督:ヴィム・ヴェンダース)を見る。そう言えば、けっこう有名な映画でなかったかな、と思いついついレンタルビデオ店で手に取ってしまったのであった。正直なところ、よくわからなかった。でも、よい雰囲気だった。映画を見ているというよりも、詩と映像を見ているような時間だった。もちろん、それこそが映画だよという人もいるかもしれない。

◆ 指定席の予約 その2
 数日前にインターネットで予約をした指定席券の引き換えに行った。予約番号の書かれたプリントアウトしたメールを手に持ち、みどりの窓口をうろうろする。何か記入する必要があるのだろうと思い、案内の女性の人に聞いてみた。「えきねっと」で予約したことを言うと、「こちらで簡単に出来ます」と指定席自動販売機を案内される。予約受け取りと書かれているところにタッチして、クレジットカードを入れるとあれまあれま。予約している席の情報が画面に出てきた。まったく簡単に切符の引き換えが出来た。本当に便利な世の中になったものだと実感した。誰にも話をすることなく(このときは案内の人とちょっと話をしたが)、JRの指定席を手にすることができるのだ。
 旅行慣れをしている人はこんなことは当然のように知っていたことかもしれないけど。
 とにかく僕はこれで人と話をすることが、少しだけ少なくなった。イライラすることも少しだけ少なくなった。そのうち、1か月くらい人と話をしなくても生活できる世の中になるのではないだろうか。

◆ 転校
 僕は友人と焼き鳥やで酒を飲んでいた。わりと有名な店だった。何かのこだわりがあるのか、焼酎は置いていなかった。ビールか、日本酒か、ワインか。日本酒をセレクトした。友人はこれからの仕事について、どんな風な人生を送るのか、悩んでいることを話してくれた。まずは子供のことを考えていた。転校させるのは可哀想だから……、と。
 転校する子供はそんなに可哀想なのだろうか。ふと気が付くと、ほとんどの人は彼と同じようなことを言っていたように思う。そうか、可哀想なのか。そんなことは考えたことはなかった。
 僕は子供の頃、何度か転校というものを経験した。生まれてから、ほぼ2、3年で引越を繰り返していた。転校することによって、修学旅行に行けなくなる可能性のあるときがあった。何年生で修学旅行に行くかは違ってその土地によって異なっていたからだ。母は、大人になって海外出張するような仕事につけばよい、と言った。今考えてもこれはよくわからない理由だった。母はとても社交的であり、どの土地に移り住んでも楽しく友達を増やしていた。
 僕はそんなに器用な子供ではなかったと思う。新しい友達をつくるでもなく、本と友達になることもなかった。けれど、転校するということを、特別なことだとは思っていなかった。辛いことだと思ったこともない。このような状況で育ったことを、可哀想なことだとは全く思っていなかった。
 店を変えて、僕と友人はもうしばらく一緒に飲んだ。その店にあったゴーヤは苦いけれど美味しかった。
 これまで酒を飲んできて、不思議と覚えているという日がある。たぶん、この日の酒はこの先ずっと忘れることはないのだろう。ふと、そんなことを思いながら飲んでいた。

◆ 戦国時代 その3
 司馬遼太郎の『国盗り物語』(新潮文庫)は第3巻まで読み終えた。「織田信長前編」とサブタイトルが付いているのだが、主人公は織田信長ひとりということではない。もうひとりの主人公は明智光秀である。この物語では、斎藤道三の弟子というべき人物が2人いたと書かれている。それが織田信長と明智光秀というわけである。2人は共に斎藤道三から愛された。平行して別の道を辿り、ある時点で接することになる。
 2人の関係がこのようなものだとは全く知らなかった。しかし。ほんの少しではあるが、調べてみるとこの通りでもないような(笑)。いろいろな作家がこの時代を物語としているわけで、少しずつ調べながら読んでいきたいと思う。

◆ ウェブサイトについての意見
 毎日部屋に帰ると、まずはパソコンの電源を入れメールチェックをする。そしてウェブサイトのチェックをする。そんなにメールが来るわけでもなく、更新されている掲示板があるわけでもない。なんとも癖になってしまった。何もしたくない夜には、いくつか(久しぶりのもの)のウェブサイトをチェックする。けれど、そんなに更新されているわけではない。例えば人気サイトと言われている中田英寿オフィシャルホームページでの、Hide' Mailはひと月に1つか2つくらいのメールがあるだけだったりしている。他の人気サイトでもそんなに多くの情報が書かれているわけではない。
 例えば雑誌の文章を考えてみるならば、ウェブサイトの文章というものはほんの1ページか2ページに過ぎないような思える。もちろん、貴重なものではあるけれど、こうやって考えてみるとインターネットというものがそんなに便利でいいものだとも思えなくなってくる。雑誌を読んで、いろいろな情報を仕入れた方がずっと早い。なによりも健康的なような気もする。
 だから何なんだという話でもないけれど、そろそろ雑誌を上回るような情報量のウェブサイトが出て来てくれないだろうかというのが最近僕の考えることである。もちろん、ダダでとは思っていない。有料でいいので、カッコだけでない中味のある読み応えのあるウェブサイトはないものだろうか。

◆ 花火
 今年の夏も花火を見た。近くで30分ほどの花火大会が毎年行われているのでけっこう気軽に見ることができるのだ。近所の人達が散歩がてらに見やすい公園へと集まる。そこで、花火を楽しむ。よく見ると3人くらいは浴衣姿のお姉さんもいたようである。
 こうやって花火を見るたびに思う。それは「花火の見えるマンション」が欲しいということだ。冷蔵庫からよく冷えたワインを取り出し、ゴチャゴチャとした人の群れを下の方に眺めながら、目の前に飛び込んでくる花火を楽しむのだ。
 こんなことはどうでもいいとして、花火を見るのは楽しかった。1年に1回は見ておきたいものだ。もちろん、その後に満員電車が待っているとすると絶対に行かないけれど。

◆ Monster's Ball
 新宿の映画館で『チョコレート』(監督:マーク・フォスター/http://www.gaga.ne.jp/chocolate/)を見た。凄くいい映画だったと思う。今年の僕のベストテンには十分に入る映画であった。人間という生き物の、とても深い部分が描かれているように感じた。アカデミー主演女優賞を受賞したハル・ベリーも凄くよかった。
 実はこの映画はR-18指定になっている。けっこうリアルなセックス描写がある。けれど、これが素晴らしい。こんなに意味のあるセックスの場面というものは、これまでの映画にはなかったのではないだろうか。生きて行くという心の内側の部分が、全て表現されているような場面だった。
 残念ながらこの映画は多くの映画館で上映されているわけではない。見た人は深いものを感じると思うのだけど。
 それにしても、「チョコレート」という邦題は、この映画のイメージと合っていないと思うけど。

◆ 日本発見
 本屋さんでこの『日本発見』(アミューズブックス)というタイトルが目立っていて、ついつい買ってしまったのだった。ステラン・ダニエルソンというスウェーデンのサッカージャーナリスト兼カメラマンが、ワールドカップ中の日本滞在40日を書いたものである。日本という国が、ヨーロッパの国からどのように見られたのか。興味のあるところである。別に日本を褒めてもらおうということではなく、こうした視点から日本という国を見ることによって、普段忘れてしまっている良いところに気がつけばいいだろう。例えば僕はこの本を読んで、ファストフードを食べるのはやめて、できるだけ和食にしようと改めて思ってしまった。
 それにしても、この人は凄い。たったの40日であちこちに移動し(日本のほぼ全てのスタジアムに行っている)ワールドカップの試合を見て、なおかつ九州や北海道に旅行まで行っている。その上、通勤電車のサラリーマンの姿を見て、疲れていると言う。なんとも凄い。

◆ 株主優待券
 安売りチケットのお店で株主優待券というものを買った。JR東日本のもの、1枚で2000円だった。もっと安いものもあるのだろうか。昨年のことだが、知り合いから数枚をもらったことがあった。このJR東日本の株主優待券というもの、実は相当な優れもの。1枚で2割安くなる。ひとつの切符を買うのに2枚まで使えるので4割も安くなってしまうのである。もっとも、この1枚2000円という値段を考えると、10000円以上の場合にお徳になるということになる。他の会社のものがどのような状態なのかはわからないが、あまり知られていないお得な券なのではないだろうか。確か、岸本葉子さんの本にも書かれていたことがあったかもしれないけど。

◆ 映画であること
 ビデオで映画『かあちゃん』(監督:市川崑)を見る。原作は山本周五郎である。とてもよかった。時代劇なのだが、完全な市井もの。ほとんどが長屋の景色だったのだろうか。そんなに大きな動きのある話ではない。淡淡と、ほんとうに静かな話である。けれど不思議といいのだ。山本周五郎の世界が出ているように思う。
 見ていて強く感じたのは、「これは映画なんだ」ということだ。ほとんどが長屋の部屋の場面なので、テレビの映像でもよさそうなのだけど、映画でなければならない何かが表現されているように思った。

◆ 部屋の中で
 新宿で映画を見るとき、空き時間があったのでちょっと近くのお店を覗いてみることにした。入ったお店は丸井の「in The ROOM」(http://www.0101.co.jp/brands/intheroom/)。初めてこの店に入った。とてもいい雰囲気、ほんとに楽しかった。1階から8階まで、それぞれの雰囲気でのテーブルやソファーがある。
 ここで僕が何を思ったかというと、「こんなお店の雰囲気の居酒屋があればどんなに楽しいだろう」ということだった。居酒屋でなくてもいいのだけど、レストランもそのインテリアに遊びがないと思うんだよね。例えば個室の部屋であれば、その部屋ごとに違ったテーブルが置かれてあって欲しい。「こんなテーブルと椅子が自分の家にあればなぁ」という雰囲気で酒を飲み料理を食べることができれば最高に楽しいではないか。

◆ 新しいステップ
 数年ぶりで女性向きのコミックを買ったような気がする。ちょっと恥ずかしい(笑)。榛野なな恵の『パンテオン1』(集英社QUEEN'S COMICS)である。帯には『「Papa told me」に続く榛野なな恵の新しいステップ!』と書かれていた。彼女の大ファンとしては、新しいステップを踏んだことはとても嬉しい。戻って欲しいという気持ちも同じくらいあるけれど(笑)。
 僕はあまりこうしたコミックを読んでいる方ではないので、そんなに多くのことを語ることはできない。けれど、彼女は行間に書かれた世界が表現されているように思うのだ。大ファンを自認しながらも、彼女の本を一冊も持っていなかった。すぐに見えるところに、この本を置いた。何巻まで増えて行くのかわからないけれど、楽しみにしている。

◆ とりとめのない話 その1
 今回の読書夜話を書き終えて、よーく読み返すとこれまでで一番短いような気がする。申し訳ないというか、ちょっと情けない気持ちに少しだけなっているので、こうやってもう少し何かを書こうとしているのであった。
 今日買った榛野なな恵(それにしても彼女はいい!)のコミックの入った袋を捨てようとしたときだ。中に何かが入っていた。速聴というものに関しての冊子だった。やれやれ。遠い昔の僕だったならば少しは興味を引かれていたかもしれないけれど、そのままゴミ箱へと入ってもらった。さようなら。数年前から世の中に対しての考え方が少しばかり変わってきた。例えば、こうした広告があったとする。不特定多数に広告を出すということは、実はかなりの金額になる。仮に購入なりしたとしよう。かなりのパーセンテージがこの広告に使われていることになる。そんなことを考えると、どうにも馬鹿らしくなってしまうのである。もちろん、世の中の何だかんだには広告というものがある。何らかの買い物をしたとき、その何パーセントかは広告費である。テレビだって広告費で成り立っている。ずーっと考えていくと何がいいのか悪いのかは全く分からなくなってしまうのだけど。
 流行り廃りと関係ないところで生きていきたい。広告の宣伝とは全く関係なく。
 そんなことを、この数年少しずつ考えたりしている。広告に関係した仕事をしている人には申し訳ない話だけど。
 もちろん、全てにおいてこんなことを考えているわけでもない。ドルフィンホテルを多くの人に読んでもらうために、何をしたらいいか、なんてこもともよく考える。もちろん、こんなことはとりとめのない話であるけれど。

◆ とりとめのない話 その2
 実は今、とても悩んでいる。部屋を見渡し、凝っている肩のことも考える。
 ソファーを買いたいな、と思っているのである。しかし、僕の部屋は恥ずかしながらの1DK。置くとしたならば6畳の畳の部屋しかない。当然狭くなる。先日はこの部屋に人が集まり宴会が行われた。狭い部屋ではあるけれど、10人以上は入ってもおかしくはないスペースがある。けれど、ソファーを入れるとなるとちょっと違ってくる。
 ときどき目を閉じて、ソファーに座り本を読んでいることを想像する。その本の世界に深く入ることができそうな気がしている。ソファーに横たわり、洋画のビデオを見る。飲むお酒も美味しそうな気がする。
 問題はスペースである。畳6畳はけっこう広く使っているので、ここで寝転がるのはいいようのない幸せなのだ。あまり物を増やしたくない。けれど、ソファーは欲しい。まだ、一度も所有したことのないものだ。今も悩んでいる。



#4

2002/9/4

◆ 夏休み
 8月が終わり、夏休みという雰囲気がひとつの終わりを告げた。もちろん、まだまだ暑く秋には遠い。けれど、街の人ごみが少しは減るのかと思うと嬉しかったりしている。ドルフィンホテルでも「夏休み」と宣言した。けれど、ほとんど休んだ気持ちにはなっていなかった。休むのであれば、この読書夜話を含めて全ての書き込みを休まないと本当に休んだことにはならないのかもしれない。仕事を忘れるときがあったほうがいいように、ウェブサイトというものからまった離れた何日かも必要だと思うのだ。
 そのうち完全休養をすることもあるかもしれません。そのときはどうぞよろしく。

◆ 立っている人
 駅というスペースには人生が溢れていると思うことがよくある。抱き合っている恋人達、大きな駅では日常の風景である。とある木曜日の夜の駅のコンコース。叔父さんが天井の方を見上げていた。いや、少し離れた僕からはそのように見えたのだった。近くになったところで、その人が何をしていたのかがよくわかった。カップラーメンを食べていたのだった。最後のスープを飲み干したところだったよう。腰を降ろして食べるのだったら分かるんだけど、人の歩いているところで立って食べるとは。よっぽどお腹が減っていたのだろうか。
 でも、よくよく考えてみると、街には座る場所というのが少ないような気がする。座るのであれば、コーヒーショップに入らなければならない。どこにいても、お金が掛かったりする。最近の駅にはコンビニも多く出きている。しかし、そこで買ったものを座ってゆっくりと食べるような場所はどこにもない。だから何だと言われると何も言えないのだけど。

◆ 罪と罰
 ビデオで映画『クライム アンド パニッシュメント』(監督:ロブ・シュミット/http://www.tdf.toshiba.co.jp/tdf/dvdsoft/soft/asby-2156.html)を見る。“現代版『罪と罰』”というコピーでなんとなく気になって借りてしまった。『罪と罰』がどんな話かもしらないのだけど。
 ちょっと変わった映画だったのかな。それなりに面白く見ました。

◆ 行列のなかったお店
 夕方の5時少し前くらいだった。池袋の駅前を歩いていると、なんだかいつもと風景が違っていることに気がついた。それは「光麺」というラーメン屋さんの前で、並んでいる人が一人もいなかった。いつもはもの凄い行列なのだけど。人気が無くなってきたのか、単なる時間の問題なのか。よくはわからないけど、僕はついついこのお店に入ってしまった(笑)。別にラーメンを食べようとは思っていなかったのに……。並んでいるところに、集まる人も多いけれど、僕はこの全く逆に人間であることに気がついた。並んでいると全く入ろうという気はないのに、並ばないと入りたくなる。やれやれ。醤油味のラーメンを食べて、せっせと帰ったのであった。

◆ ローマ
 ビデオで映画『グラディエーター』(監督:リドリー・スコット/http://www.uipjapan.com/gladiator/)を見る。ついついこの監督の名前でどんなもんか借りてしまったのであった。まあまあ面白かったけどね。しかし、この映画がアカデミー賞を取ってしまうとは。NHKの『利家とまつ』でもエミー賞を取れるのではないかと思ったりなんかして。
 少しだけ、ローマというものに興味を持った。この頃の時代についてはほとんど知らない。この映画からは、外観のようなものしか感じられなかったけれど。ローマ人はどんなことを考えて暮らしていたのだろうか。

◆ 白いワンピース
 電車に乗り本を出して読もうとした。しかし、いつもしっかりと本を読めるわけでもない。何らかのトラブルということが発生するときもある。
 この日は、斜め前あたりに座った白いワンピースの人がどうにも気になり、結局のところ読もうとした本を1ページも進まなかった。ワンピースのスカートの丈はとても短く、その脚はよく目立っていた。多分、彼女のことが気になっていたのは僕ひとりではなかったはず。もちろん、前方に座っている女性に目が行くというのは、ちょっとばかり問題だと怒られるかもしれない。僕も本を読もうと頑張った。けれど、どうにも自分の気持ちをコントロールできないときもある。このときがそうだった。
 電車に降りる頃になって、僕はひとつの結論に達した。そう、この人はオトコだ。どう考えてもそれが妥当だった。なんだか、悩んだこの数分間の時間がもったいないような、悲しい気持ちだった。

◆ 足音
 五木寛之の『運命の足音』(幻冬舎)を読んだ。『大河の一滴』『他力』と同じようなエッセイと言っていいのかな。違っているのは、最初の章「五十七年目の夏に」という話。これはかなり衝撃的なものだった。これまで語られることのなかった、母のことに触れられている。五木寛之という人がどのような時代を生きたのか、どんなに重いものを背負っていたのか。
 夏という季節には、ときどき戦後の時代の話を聞いたりする。そう言えば、僕が子供の頃はお祖母さんから戦争中、戦後の苦労話を聞いたものだった。けれど、この数年はそうした時代を感じることが少なくなってきたように思う。
 この本を読んで、そんなに遠くない時代の出来事だったように感じることができる。もちろん、その足音は遠くの方で、耳をすませないと聞こえないものだけど。

◆ オフ会レポート
 このドルフィンホテルの、ささやかなオフ会が開催された。参加者がいるのかどうかもわからない、当日にならないとわからないような集い(笑)。ここのオフ会というのはそんなものなのである。それがいいという人もいるのかもしれないけど。
 いろいろな人に声を掛けて盛大な集まりにしたいという気持ちもなくはなかったが、僕は元気もなく、ほんの2、3人でもいいかなと思いこのオフ会を行うことにした。
 昼過ぎに留守電にメッセージが入っていた。なんと、むらてさんが来るということ。ここ何回かのオフ会において僕以外では彼が圧倒的に高い出席率である。住んでいるのは富山なんだけど(笑)。
 7時の待ち合わせ場所に行くと、このむらてさんに、奈緒さんに、JACKさんと、そして僕の4人のメンバーということが判明する。「ソウル亭」という韓国料理のお店に行き、食べて飲んで、語り合う。料理はかなりいろいろと食べたのではないだろうか。ブルコギから初めて、チゲ鍋を食べ、石焼ビビンバで〆る。美味しかった。
 ドルフィンホテルでは数年前にかなり盛り上がっていた時期があった。みんな本を読み(笑)、飲みに行って語り、朝までカラオケに行ったりしていた。みんな若かったんだね(笑)。そんなわけで久しぶりのメンバーとの語らいだった。ちなみに以前と比べ、このときの話題にはプアール茶などの健康に関しての事が多くなったような気がする。
 なぜかお店は10時で終わりということなので、この会は終わりになった。いつの間にかドルフィンホテルで顔を合わせるメンバーは既婚者の方が多くなってしまっていた。
 むらてさんは僕の部屋に泊まることになり、電車で移動する。
 ちょうど部屋に着いたところで、参加できなかったmawaさんと電話で連絡が取れる。彼のところはここから歩いてもそんなにかからないので、急遽2次会を行うことにする。江古田の「SAD/CAFE」というシャレたお店で男3人で飲んだ。別に寂しくはなかったけど。ちなみにmawaさんの近況は、仔猫の里親が決まり、『蝉しぐれ』も読み終えたとのこと。2時くらいまで飲んで、この2次会も終わることとなった。飲み終えて、歩いて帰ることができるというのはとても嬉しい。帰るなり、ばったりぐっすりと眠ってしまったとさ。めでたし、めでたし。

◆ 消えてしまった風景
 街を歩いていると、お店の入れ替わりの激しさに驚くばかりである。この工事費はどこから出てくるのだろうかと考えてしまう。流行るお店というのはそんなにも儲かるのだろうか。どうでもいいような店が無くなるのは全く構わないのだが、池袋の「鳥定」という焼き鳥やさんが無くなってしまった。そんなによく行ったわけではなかったが、熊玉焼きや野菜炒め、小鯵の唐揚げなどは美味しかった。何よりも古ぼけた店の雰囲気がとてもよかった。昭和初期(といっていいのかな)のビールのポスターなどが壁にいくつも貼ってあった。若い女性客なんて全くいないような店だった。
 どうでもいいような店ばかりが増えているような気がしてならない。どうでもいいような景色、どうでもいいようなウェブサイト、どうでもいいような本……。書いていて虚しくなってくるけれど。

◆ クロサワ
 とある放送局で黒澤明の作品の特集をやっている。毎日せっせと録画しているところだ。見たのはまだ最初の「クロサワ」というドキュメンタリーだけなのだが。よく考えてみるとこの人の映画というものをしっかりと見たことはなかったような気がする。これからこの録画した映画をぼちぼちと見る予定でいる。僕はどんな風にクロサワ映画というものを感じるのだろうか。楽しみだ。

◆ 失望
 大相撲の横綱貴乃花の怪我がまだよくないようだ。それにしても、某横綱審議委員長の発言に僕は腹が立った。「失望した」という言葉があった。いったい彼は何に対して失望したのだろうか。弱くて負けたのであれば、失望したという言葉がでてもおかしくはないだろう。しかし、怪我をして治そうとして治らない状態なのではないのか。横綱であるのならば、他の人と違って驚異的な怪我を治す力も必要だというのか。
 たぶん、他のスポーツであれば、このような言葉は出ないだろうな。単に、この一人が言っているだけだとも思うけど。

◆ ホテルを舞台とした映画
 新宿のテアトルタイムズスクエアで映画を見る。イーサン・ホーク監督の『チェルシーホテル』(http://www.cinemaparisien.com/chelseawalls/)。ちょっと眠くて見ていたのだけど、この映画はもの凄くよかった。特別な物語というものがあるわけではない。ホテルに住む人たちの小さな物語がいくつもがスクリーンに映し出される。ちなみにこの映画のウェブサイトもとてもいい。「チェルシーホテルに生きた人々」なんてのがあったりする。有名な作家などが名前を連ねている。ドルフィンホテルもがんばらなくては、と思う。

◆ スクリーン
 新宿高島屋にあるテアトルタイムズスクエアという映画館が気に入っている。デパートの中、出来たばかりの映画館、あんまり趣のある映画館とは違っているかもしれないけど。その人の入っていないところといい、知られていないところといい、何だかいいのである。気に入っているところのもうひとつがトイレである。正確にはトイレの入口のところの窓から見える外の景色だ。新宿御苑が目の前に広がり、国立競技場も見えて、トーキョーらしさが感じられる。この高島屋のレストランからも同じような景色は見えるのだど、僕はこのトイレ脇の窓からの景色が一番だと思っている。直接の景色ではなく、ガラス越しであるところがまたいいのかもしれない。

◆ 耳の治療
 耳鼻科に行って耳の治療を行った。なんだかこの読書夜話は、中耳炎夜話と名前を変えてもいいような気もしている(笑)。サーチエンジンで「中耳炎」と入れても医院の側のものばかり。悩んでいる人と励ましあうサイトがあれば、なんても思ってしまう。ただ、この病気のことについてのメールがあったことはまだない(笑)。
 なにはともあれ、僕は3度目の耳にチューブを入れるという治療を行った。何度やっても慣れるということはない。麻酔をするとくらくらするし、耳に何かを入れるのかと思うと、不安な気持ちにもなる。けっこう痛かった(笑)。少しぼんやりとした状態でスーパーで買い物をして部屋に帰る。何年か前になるが、耳鼻科で治療をした後に同じように買い物をして帰ったことがあった。その時、あばさんに後ろからぶつけられ、僕は倒れこんでしまったことがあった。ふらふらしている状態だった。あばさんは僕の倒れたことに気がつきながらも、そそくさと逃げるように去っていった。大した意味はないのだけど、そんなことを急に思い出しながら、僕は秋刀魚なんぞをカゴに入れていた。

◆ クレジットカード
 このところ、スーパーでの買い物の時に現金を使わないでいる。カードで済ませるようにしているのだ。小銭をじゃらじゃらさせる必要もなく、カードのポイントも溜まるというメリットもある。なんでもかんでもカードで買い物をするということでなく、いつものスーパーでだけに限定すれば使いすぎるということもないだろうと思っている。
 それでも、カードで買い物ということは、なんだか抵抗がある。大きな借金をしているような、後ろめたいような。宮部みゆきの『火車』のような人生に陥ってしまうのではないだろうか、なんて。
 知り合いで「クレジットカード」を持たない、と頑張っている人がいる。持たないのか、持てないのか、詳しくはわからないが。何も持たないシンプルな生活というものもまたいいような気がする。僕の場合は、ついついお徳なカードに入ったりしてしまうのだけど。

◆ 海のカフカ
 いよいよ村上春樹の最新作『海のカフカ』が発売(9/12発売予定)されようとしている。それにしても、村上春樹という作家はウェブサイトをうまく使っているな、と思う。期間限定のサイト(http://www.kafkaontheshore.com/)はとても良い雰囲気、まるで映画のウェブサイトのようである。これ以前にもぼちぼちと作家の作品に限定したサイトというものはあったと思うが、このサイトには新しい始まりが感じられる。
 インタビューなどもいいし、何よりもシンプルなデザインが僕は好きである。そうそう、四国が出てくるらしいというのも惹かれるところである。



2002年読書夜話7月〜12月 NEXT>>

 DOLPHIN HOTEL