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読書夜話2003年11月

五里霧中 2003/11 #1


2003/12/15

◆ 自分の場所
 中学高校と僕の住んでいた街は海のすぐ近くだった。気持ちの冴えないときなどには、自転車を跳ばして、よく海岸へと行っていた。新しい港の工事が始まっている状態のその海岸は、整備されていない、いわゆる自然そのままの姿がふんだんにあった。松林があり、砂浜が広がる。こんな風に書くと、なんだか凄くキレイな印象になってしまうかもしれないが、実際には流れてきたゴミなどが多く、映画の絵になるような雰囲気でもなかった。別にカッコいいような話ではない。それでも、そうした中に自分の居場所をつくり、ほんのわずかな時間を過ごすということは大切なことだったのだろうと思う。
 引越した場所に海はなかった。代わりといっては何だが大きな川の近くに住んだ。休みの日には、その河原でボーっと時を過ごすのである。本でも読もうと持っていったりはしたのだが、結局のところ何もしないで過ごしていたようだ。
 できれば近くに海や川があればいいのだろうと思う。けれど、今僕の住んでいる場所はそうしたところではない。仕事に便利なところ、ということで選んでしまった。まあ、東京という場所には、ひとりになれる自然の海や川がありそうには思えないけれど。
 このところ何もすることのない日にはできるだけ公園にでも行こうと思っている。近場で、できるだけ10代の頃(という時代も僕にはあったのだ)と同じような雰囲気を味わえるところを。
 今のところのナンバーワンと言える場所は、石神井公園である。電車には乗るのだが、そんなに時間は掛からない。奥の方にある三法寺池の方はほんとうに静かでここが東京であることが信じられないくらいである。散歩をしている人が多いので、ひとりになれるというわけではないが。ちょっとばかり、カメラを持ってウロウロしている人が多すぎないか。よく考えると自分のことになってしまうのだけど(笑)。
 誰しも、自分の場所みたいなものを持っているのだろうか。こっそり聞いてみたいような気がする。

◆ サザエさん
 久しぶりに「サザエさん」を見た。正確に言うと、ほんの数分僕の目の前にその映像が流れていた、というくらいだったが。でも、後になって考え込んでしまった。
 たぶん、僕は違和感なくこのサザエさんを見ることができる。ファーストフードのような食べ物と言えば、焼き芋だった。家の電話は電電公社の黒いものだった。茶の間の雰囲気とか、勉強机とか、縁側とか、その服装とか、僕にとっては現在の姿である。しかし、この映像を見ている、今の子供達にはどのように見えているのだろうか。全く違った景色なのではないだろうか。ひょっとしたら、僕が子供の頃に「一休さん」を見ていたような時代感覚で、「サザエ」さんを感じているのではないだろうか……。

◆ 違った風景
「OPERA」(http://www.jp.opera.com/)というソフトをダウンロードしてみた。インターネット・エクスプローラーのようなブラウザと呼ばれるウェブサイトを見るソフトである。そう言えば、この種のソフトにはネットスケープというのもあったのだが、最近はあまり聞かなくなったような気がする。
 でもって、「OPERA」がどうだったかというと、僕のノートパソコンの小さな画面ではやや忙しすぎる印象。広告はやっぱり邪魔だし。できればマイクロソフト製品を使いたくないというへそ曲がりな僕としては興味はあったが、使うまでには至らないと思う。
 しかし、少し使ってみて強く感じたことがあった。同じウェブサイトでもIEとはずいぶん雰囲気が違うのである。文字の大きさの指定なんかも違っているのだが、とにかく違う。つまり、ウェブサイトをデザイン(という言葉を使うほどカッコいいものを作っているつもりはないが)しても、見ている方は僕の画面とは違っていることがあるということだ。
 文章を書くということだって、当然のことながら自分の意図と、読み手の受け取り方とは違っている。当たり前のことだけど、難しいものである。「OPERA」をちょっと使ったことによって、改めて、僕の知らない読み手の存在というものが、イメージされてきたのであった。

◆ 巨塔派
 ちなみに世間では、マンハッタン派というのも存在しているのだという。あえて言おう僕は巨塔派だ。巨乳派ではない(おこられそうだなぁ…)。確かに、酒井若菜ちゃんが可愛いし、不思議な映像が魅力である。しかし、25年前(!)の田宮二郎主演のドラマを見ている僕としては、どうにも『白い巨塔』(http://www.fujitv.co.jp/shiroikyoto/)の方が魅力的なのである。そうそう、お嬢様・矢田亜希子もいいしね。
 別にこの白い巨塔でなくてもいいのだが、このような骨太ドラマというのは嬉しい。テレビドラマは楽しめればいいわけだが、時にはこうした楽しみもいい刺激になる。でもなぁ、いまどきこんなにも教授に拘る人っているのだろうか……。これだけ実力があるのであれば、日本のドロドロしたところになんていないで、アメリカでも行ったらいいのではないのかと思ったりしてしまう。どこでも、人の争いというのはあるのかもしれないが。男同士の争いというのはわからないでもない。ちなみにこのドラマのウェブサイトの人物相関図というのは凄い。このドラマの骨太さを現しているのではないだろうか。しかし、くれない会という教授の奥様の集まりというのに笑ってしまうのは僕だけだろうか(笑)。
 文句をつけたいところはまだいくつもあるけど、全体的には楽しく見ているのだった。

◆ ミステリー
 僕の本棚の一番端っこには「このミステリーがすごい!」が並んでいる。数えてみると全部で9冊。1999年が最後になっている。本が好きだといいながら、もうこうしたミステリーと言われるものには関心が無くなってしまったのであった。書店で今年のベストテンを見たのだけど、当然のように一冊も読んでいない。別にミステリーを読みたくないというわけでもないのだが、ジャンルに拘って読もうという気持ちもないし、まあ、読書量が減ったというのが一番の問題なのかもしれないが。
 しかし、ミステリーという言葉自体も何か輝きを失ってしまっているように思えたりもするのだが。SFという言葉がそうであるように。そろそろ、他のジャンルがもっと脚光を浴びてもいいのではないかな、なんて勝手に考える。「この恋愛小説がすごい!」はありきたりなのでペケだが、「このエッセイがすごい!」とか、「この新書がすごい!」なんて魅力的ではないか。

■ ビデオ『恋にあこがれて in N.Y. HEAD OVER HEELS 』マーク・ウォーターズ監督 [WOWOW]
 それにしても恥ずかしいタイトルだ(笑)。これって邦題か。楽しい映画だった。後半の展開がこんなことになるとは思ってもみなかったけど……。モニカ・ポッターは可愛いし、とても良かったよ。とにかく、こうした恋愛もののハリウッド映画は、理屈ぬきで楽しめる。時にはこうした映画を観て、元気になろうと思う。

◆ サッカーのウェブサイト
 ワールドユースでの日本の戦いをずっと見ていた(テレビでね)。とはいえ、夜中に見ているような気力はなくビデオに撮って朝方見たりしたいたのだけど。なんでかわからないけど、こうした国際大会というのは面白い。最初は選手の名前も知らなかったのに、けっこう覚えてしまったし。ブラジルに負けて涙を流した選手は、特にこれからも応援したくなった。
 サッカーの試合を見る。その数時間後についついチェックしてしまうウェブサイトがある。「湯浅健二のサッカーホームページ」(http://www.yuasakenji-soccer.com/)というところ。無料なのにかかわらず、かなりの情報量。しかも、早い。そして何よりも、その内容が面白い。サッカーに限らずスポーツの批評というのは、どうしても毒舌になってしまうものが多いと思う。でもこの人はちょいと違う。コーチとしての視点が鋭いし、ポジティブなところがとてもいい。勝っても負けても、ちゃんと次に繋がって行くと感じられるのだった。

◆ クリスマスのカッコウ
 宅配ピザを頼んだら、配達の人がサンタの格好だった。あの姿でここまで来たのか……。人生とは大変なんだなぁと考え、あまり明るい気持ちにはなれなかった。それにしても、夜街中を歩いていても景気の良い華やかさは感じられない。不景気だという単純な話なのだろうか。もちろん、酔っ払いが溢れていたならば、それはそれで嫌なのだけど。
 よく考えてみると、宅配ピザだけでなく、クリスマスのコスチュームというのを良く見かける。一年のうちに、ほんの数日しか使われないのだろうに。この服たちは、どんな気持ちでタンスの中、ダンボールの中で眠っているのだろうか。まるで蝉が数日間だけ成虫になって鳴いているかのようだ。こんなことを考えていると、クリスマスはなんて寂しいイベントなのだろうかと思えてきたぞ(笑)。

◆ 結婚生活とは
 知り合いの女性と少し話をした。彼女は少し前に結婚をして、いわゆる新婚さんなのであった。僕だけでなく、いろんな人に「シアワセでしょう」と聞かれるとのこと。相手の男性はそんなに悪い人でもなさそうだし、外から見れば十分に幸せそうに見える。
「いやあ、そうでもないのよ」というのが素直な彼女の感想のようだった。彼女は長い間ひとり暮らしをしてきた。結婚ということだけでなく、いわゆる共同生活というものから離れていたわけだ。相手がどうのこうのというよりも、とにかく人と一緒に暮らすことの煩わしさのようなものと戦っているような毎日みたいだ。もちろん、こうしたことおはある程度、時間というものが解決するものなのだろうが。
 人と暮らすことが慣れなのであれば、ひとりで暮らすことも慣れなのだろうなぁと思ったりしてしまった。世間的な評価は別として、何が本当に幸せなのかは、実はよくわからないことのようにも思えてしまったのだが。

■ 金子達仁著『泣き虫』(幻冬舎)
 寒くなってきた。ようやく冬だという感じがしている。そうなると、この幻冬舎という出版社の名前が何か特別なものに思えてくる。
 普段はサッカーが中心の金子達仁なのだが、なぜか初の書き下ろしが高田延彦(http://www.takada-dojo.com/)についてのものだった。高田の幼年期から現在までが描かれている。高田の生年月日は1962年4月12日、つまり僕と同じ37年組だ。僕も子供の頃からのプロレスファンであり、同じ時代を生きてきた。この本での高田の1日1日はある意味で僕と重なる部分でもある。
 馬場と猪木の時代の後半、プロレスは揺れていった。UWFという団体ができ、前田日明の弟分のような存在だった高田は次第に輝いていった。僕はその頃からの高田の表情というものをずっと見ていた。テレビで見れないとしても、毎日かかさず東京スポーツを見て、プロレス界の出来事というのを見ていた。
 この本を読んで、確かにそうだと思ったのだが、そうしたプロレス界の中心となるところに高田延彦がいたように思う。
 特にUWFインターの時代には、実際にその試合を何度も見た。武道館だけでなく、神宮球場のリングサイドで見たこともあった。パーティーにも行き、サインも貰った。ちなみにこの色紙には、高田と高山と田村の名前が一緒にある(笑)。かなり貴重なものかもしれない。
 とにかく、ずっと高田を見続けていたように思う。
 実はこの本、プロレスの裏側の部分が書かれていて、かなりショッキングな内容でもある。でも、そうしたものが気にならないくらいに、一人の人生のノンフィクションとして描かれていたように思う。

 それにしてもな。隠してしまうような事というのは何かしらあるのだろうか。誰もが持っているものなのだろうか。それが仕事というものなのだろうか。

 やや話は逸れるが、もの凄く興味深いことが書かれてあった。
「プロレスがボカシの入ったAVやとしたら、PRIDEは全部見せてしまう本番ビデオみたいなもんやね」
 おおお、これは凄い。むにゃむにゃむにゃ。ある意味で、プロセスと結果の違いのようなものなのかもしれない。

◆ 未知との遭遇
 肉まんというものを最初に食べたときのことをよく覚えている。まだ小学生のときだったはず。かなりの衝撃だった。そもそもが「まんじゅう」という感覚が先にあった。つまり、箱詰めされた、アンコの入ったまんじゅうである。それが暖かいのである。普通のまんじゅうが温めれて売られていたならば、やっぱり違和感はあるだろう。そんな感じだった。しかも、「あんまん」だけでなく「肉まん」もあるのだ。まんじゅうの中に肉が入るということは予想も出来ないことだった。今では、お菓子というよりも中国料理のひとつという印象の方が強いのかもしれないが、その頃は中国料理といえば、ラーメンとギョウザと酢豚くらいのものだったのだ。
 何を隠そう、実はその頃、僕は肉が嫌いだった。ほとんど眼をつぶって食べるようなものだった。それが美味かったのである。まんじゅうなんだけど肉が入っているという不思議な感覚……。時代は流れ、今は普通の食べ物となったように思える。でも、僕と同じような肉まんと遭遇体験を持った人は他にもいるのではなかろうか。

◆ コンクリート打ちっ放し
 住宅関係のテレビを見ていると、コンクリート打ちっ放しの家というのが多いように感じる。でもな、果たして住みやすいのだろうかという疑問が僕にはあったりしている。子供の頃、アパートというところに住んでいた。コンクリートで作られた建物だ。どうにもその環境は暮らしにくいものだったわけである。一番の問題はラジオの電波が入りにくかった。当時、中学生の僕にとってはこれはかなり大きな問題だった。東京という場所だったならば、いくらでも電波が入ってきたかもしれない。しかし、地方に住む中学生にとってはそれなりに大変だったのである。地元のラジオ局はひとつだけ、それでは聴きたい深夜放送をフォローできない。ニッポン放送や文化放送を聴くには、それなりに良い電波状況がなければならなかった。コンクリートの壁が原因だと僕は思っていたのだが(実際にどうなのかはわからない)、ちゃんと聴こえる日もあれば、そうでないときもあった。どっかの外国語の放送はよく聴こえるのに(笑)、東京のラジオ局は聴こえないのである。これはとても辛いことだった。それからもうひとつ困っていたのは湿気である。台所の近くに僕の部屋というか勉強机があったことに問題があるのだが、壁はよく濡れていた。勉強のスケジュール表を壁に貼ったとしても剥がれてしまうのであった。それが成績の悪かった原因なんだな(笑)。
 もちろん、現代のコンクリート打ちっ放しの家というものに住んだわけではないので、それがどうなのかはわからない。僕の経験したような問題が、今もあるようには思えない。けれど、中学生の頃の深夜放送の存在、壁と睨めっこすることは、大きなことで、簡単に僕の気持ちは変わらないように思えるのだった。

◆ オムレツ
 たいして料理を作るわけではないが、少しはカッコよく料理を作りたいとは思っている。チャーハンの鍋振りなどはカッコいいと思うし、とっても好きなのである。そうした料理の中、前から憧れているものがあった。オムレツである。テレビの料理番組では、短い時間の中であっという間にキレイなオムレツが作られる。カッコいい!
 ということで僕もチャレンジしてみた。生まれて初めてのオムレツ作成である。レシピ通りに卵を3個、牛乳を入れる。フライパンを熱する。バターを入れる。ジュワッ。そこへ卵を流し込む。キンチョウの時間だった。菜ばしをかき回し、フライパンを必死で動かす。もう大丈夫だろうかと不安な気持ちになりながら火を止める。トントンと叩くのを忘れてしまった。でも、生まれて初めてのオムレツ作りに感激していた。何度も練習すれば、もっと上手く作れるようになるだろう。また作ろう。そう思った。
 さっそく僕はオムレツを食べた。おおお、美味しいじゃないか。しかし……。最初の一口、二口もまあ美味しかった。けれど、卵3個分の量を食べるというのはけっこうハードなことではないか。カッコよくオムレツを作れるようになりたい。しかし、3個分の卵を食べるのは辛い。2つの間に僕の心は揺れているのであった。

◆ 大晦日の闘い
 今年の大晦日に何を見るか。多くの人はとても重要な問題を抱えているのではないだろうか。まあ実家の茶の間では「NHK紅白歌合戦」が流れているのかもしれないが、どうにも他のチャンネルが気になる。今はそんなに好きなわけでもないのだが、どうにも格闘技が気になってしまう。ホントに、三つ巴の格闘技の争いというのは凄い(笑)。
 今のところの一番手はやっぱり「K-1 PREMIUM2003 Dynamaite!!」だろう。ボブ・サップはいいとしても曙がどのようなファイトをするかは見ないではいられない。相撲で横綱になった人間が、別の土俵で勝負しようというのは、男心をくすぶるのである。凡戦に終ってしまう可能性もあるが。この試合がなかったならば、他もこんなに気にならなかったかもしれないが(笑)、「イノキボンバイエ 2003」、「PRIDE SPECIAL 2003」(何とも酷いネーミングだけど)もいいカードになっている。この両者は選手の引き抜きも話題となっていて、リング外も面白い(笑)。猪木サイドがプライドの選手を金にものを言わせて引き抜き、裁判沙汰になりそうなのだ。バックの日本テレビが大きな金を出しているとか……。数年前に、プライドがリングスから選手を引き抜いていたときと全く同じようなことが言われていると思うだが(笑)。
 話を大晦日に戻そう。実はテレビ番組表を見ていると、新たな大晦日一番手候補が出てきた。有線放送で見ることができる「ファミリー劇場」(http://www.fami-geki.com/)というテレビ局。なんとここでは30日、31日深夜(新年まで)の2日で、あの「ウルトラQ」全28話が放送されるのである。計算すると全部で13時間くらいになるのかな。どうやってビデオに録画すればいいのか……。これは曙のファイトよりも凄いのではないだろうか。男心をくすぶる夢とロマンという点では、ウルトラQが一歩してリードしているように思う。

◆ 12月の赤
 12月というのはあまりいいことがないような気がする。過去の仕事の点でもそうだし、人とのお付き合いという点でも。思い出したくないリアルな映像が僕の頭の中に蘇り、12月はますます憂鬱にさせてくれる。
 何か良かったと思える12月はあったのだろうかと、考えながら僕は西友ストアで豆腐と葱とごま油の買い物をしようとしていた。そのとき、赤い色が僕の目に入った。サンタのお兄さんではなく、赤いエプロンの店員さんでもない。ポインセチアだった。小学校の低学年のときに住んでいた街には、園芸高校というところがあった。12月の季節になるとそこの学生がポインセチアを売りにきていた。とはいえ、子供の頃のことで定かな記憶ではない。とにかく、12月には茶の間に赤いポインセチアが置かれていたのだ。別にそれが楽しみだったとか、良かったとかというわけではない。何十年も経って、今になって振り返ると、あの赤い色は、良い12月そのもののように思えてきた。そんなに派手なものではないけれど、ぼんやりと良い12月をつくってくれていたのではないだろうか。



五倫五常 2003/11 #2


2003/12/21

◆ 猫
 先日、公園のベンチに座っていたときのこと。猫が僕に近づいてきた。恥ずかしながら子供の頃、僕は猫に触れることもできなかった。アパート暮らしが多く、動物を飼うような雰囲気の家ではなかったし、まわりにもペットを飼っているような家は少なかった。たまに、犬や猫と接することがあっても怖くてどうしようもなかったのである。
 時は流れて、少しは触れるようになった。でも、動物好きの人のように抱いたりキスしたり、なんてことはできそうもない。
 猫は僕に近づいてきて、なんとそのまま僕の膝の上に乗ってきたのだった。よっぽど腹が減っていたのだろうか。よくわからない。10分くらいだったろうか。猫は僕の腕の中にいた。僕は怖がることもせず、ちゃんとナデナデしてあげていた。そして考えていた。この猫は幸せな人生を送っているのだろうか、と。ある意味で、街中で人間に対して敵対意識をもっているような猫の方が、自分の生き方のようなものを持っているようにも思える。猫が苦手だった僕に寄りかかってくるなんて。疲れた生き方をしているように思えたのだ。
 でも、どんな猫でも、あくせくしているニンゲンという生き物よりは幸せなような気がしたりして……。

■ 松居直著『絵本のよろこび』(NHK出版)
 2002年12月から2003年1月まで「NHK人間講座」で放送されていたテキストが本となったもの。もう再放送はないのだろうか……。見たかった。
 たぶん、この本は松居直の一番新しい作品ではないだろうか。デザイン的にもすごく良くて、クリスマスプレゼントにこうした本をあげたら喜んでもらえるような気がする。帯には「絵本を読んで幸せになろう」と書かれているのだけど、ほんとうに幸せになれると思うのだ。
 内容はというと、テレビの講座ということもあるのだろう、『絵本の森へ』などの本とやや重なっている部分がある。著者が一番薦めたい絵本が紹介されているわけなので、当然でもあるのだが。
 あとがきでは現在の社会に対してのメッセージのようなものが書かれている。もっともっと、多くの人に知ってもらいたい内容である。
 ひと言だけ引用したい。
「大人になって失ったものが、子どもの絵本のなかにはゆたかにいきいきと語られています。」(P253)

◆ 小確幸
 最近の料理での一番のお気に入りは「蕎麦つゆ」である。まあ、ご飯を炊いて納豆を混ぜるくらいしかやっていないので、料理といってもレパートリーが恐ろしく少ないのだけど。ずっと長い間、蕎麦を食べるときには市販のつゆを使っていた。簡単だし、美味しくないわけはない。ところが、何を間違ったか少し前に鍋で出汁を取って蕎麦つゆを作ってしまった。なんと、これが美味いのである。市販のものとはちょっと違う。別にグルメではないけど、この違いは捨てがたいように思ったのあった。ちょっと手間といえば手間はかかる(僕にとってはね)。けれど、美味しいものを食べる準備と考えると、とても納得できる。最近の僕の小確幸なのだ。

◆ チュクチュクしている
 ぜひ観ようと思っている邦画がある。2004年の夏である。正直なところ「デビルマン」よりも、「キャシャーン」よりも、この「キューティーハニー」(http://www.cutiehoney.com/)を僕は期待している。何よりも監督が庵野秀明である。この人の作品は観たことはないのだが、その実績からなんとなくいいものになるような気がするのだ。主役の佐藤江梨子もなかなかいいではないか。コスチュームも決まっている。
 ついつい主題歌を口ずさんでしまっている今日この頃なのであった。

◆ サッカーについて
 ときどきサッカーについて語っていたりする。頭の中でも、身近な人間をサッカーのポジションに当てはめて考えたり、なんてこともしている。そんなに詳しいわけではないので、語ること自体が恥かしくもあるのだが。
 評論家のみなさんの話でどうにも惹かれてしまうのに「ボールのないところの動き」というのがある。サッカーというのはどうしてもシュートの場面など、派手なところが目についてしまう。けれど、ボールのないところの動きが勝敗を左右している、なんて話を聞くと、カッコイイなぁと思ってしまうのだ。もちろんそうした「動き」というものを見て楽しむことはない。実際にスタジアムで観ていても、ただ単に意味もなく動いているとしか見えない(笑)。
 楽しければいいのだろうけど、少し考えてしまったりもするのだった。

■ 映画『死ぬまでにした10のこと』イザベル・コヘット監督http://www.shinumade10.jp/
 シネ・リーブル池袋のレイトショーで観た。どんな映画なのだろうか、やや不安だった。「死ぬ」ということから考えるならば、やや暗い内容というか、人生についてのリッパな話だったら嫌だと思っていたのだ。
 いい意味でこの映画の物語は僕を裏切った。うまく言えないけれど、僕の好きな雰囲気の映画だった。ドキュメンタリーのような映像の雰囲気、さりげなく出てくる話の内容、主人公の表情……。静かに、響いてくるものだった。
 でもなぁ(笑)。子どものいる奥様がこの映画を観たら、どう思うのだろうな……。うーん(笑)。

◆ 変わっていく住所
 深夜のノンフィクション番組を見ていたら、市町村の合併問題がテーマになっている放送があった。考えてみると、さいたま市などの大きなところだけでなく、合併していく市町村が多い。現実問題として、年賀状を出すときも住所が変更になっていたりする。
 見ていた番組では、合併しても良いことはない、と訴えられていた。お金は落ちてくる。しかしそれは大きな建物などの器だけの話で、実際の生活においては何も良くなってはいない、という。
 考えてみると、どこもかしこも立派そうなビルが建っている。昔からの店は消えてしまい、どうでもいいような、サービスの悪い店ばかりが増えている。誰がそうした社会を望んでいるのだろうか。もちろん、僕も望んでいる気持ちをどこかに持っているのだろうけど。

◆ 激しい闘い
 早朝の熱いバトルというのだろうか。最近僕の中で順位の変動が激しかったりしている。朝起きたときにはパソコンのスイッチを入れる。メールをチェックし、ウェブサイトのチェックをする。どのサイトを見るかというと、スポーツニュースである。かつて最初に見るサイトは「ニッカンスポーツ」(http://www.nikkansports.com/)だった。内容的には一番細かな印象がある。なのに最近は「スポニチアネックス」(http://www.sponichi.co.jp/)を最初に見ることが多い。朝早くから更新しているからだ。僕の中ではこの2つのサイトが他をリードしていた。ところが最近は「サンスポ」(http://www.sanspo.com/)がどうにも気になるようになっている。試合の速報をやっているし、記事もちょっと(ほんの僅かだが)違っていたりもする。それでもって「スポーツ報知」(http://www.yomiuri.co.jp/hochi/)を見て、僕の早朝のお仕事は終わるのであった。
 でも、なんでなんだろうな。書かれている記事って、どこもほとんど同じ(笑)。なのにかかわらず、見てしまう僕も僕なのだけど。

■ ビデオ『フィラメント』辻仁成監督
 まあね。……のひと言で終ってしまってはどうしようもないのか。
 僕は基本的に、小説家が自分の作品を監督して映画を撮るということが好きではない。客観的なセンスというものが欠けてしまうように思うからだ。小説の台詞だったなら、すっと入っていけるものでも、映画で生の声で発せられるととても違和感があったりする。ハッキリ言って辻仁成の作品であればそれが倍増するというもの。仮に小説家が映画を監督するのであれば、まったく別の人の作品を撮るとか、まったく手法を変えて撮ったりしたらいいと思うのだけど。
 あーあ、なんだか否定的なことを書いてしまった。ごめんなさい。このところ気分が冴えないもんで。

◆ 光の島
「ビックコミックオリジナル」で連載されていた尾瀬あきらの『光の島』が終ってしまった。正直なところ最初はあまり面白いとは思わなかった。過疎の島の小学校を存続させるために、小学生を親から離し転校させるなんてことは、なんと理不尽だという反撥の気持ちの方が強かった。でも、いつの間にか面白くなってしまった。何もないかのような、唄美島の魅力に僕も取り付かれてしまったのかもしれない。僕が小学生のとき、この島のことを知ったなら行きたくなったかもしれない。全巻がコミックになったところでもう一度読み返してみたいと思う。
 ところで、この島で育った子ども達。この先、矛盾だらけの社会の中をどんな風に生きていくのだろうか。

■ 吉行淳之介著『悪い夏・花束 吉行淳之介短編小説集』(講談社文芸文庫)
 吉行淳之介の小説はずっと読み続けていこうと思っている。面白いかどうかというと、答えは難しい。でも、読んでいく先に、これまでにない面白さを感じるだろうということは確信を持っている。この本にはいくつもの短編が入っている。前に図書館で借りていくつもの作品を読んでいたことがあったので、ひょっとしたら読んだのもあったかもしれない。面白いと感じるものもあれば、よくわからないものもあった。でも、本棚に並ぶ講談社文芸文庫の吉行淳之介を見ているのは嬉しいのだった(笑)。ちなみにこの本、文庫本なのに1200円(税別)もする。どう考えても文庫本の値段ではないような気がしているのだが(笑)。

◆「Did you find your favorite books?」情報http://homepage2.nifty.com/Rumiko/index.htm
 このところこのサイトは頑張っているように見える。元の「ぬけさく図書館」である。なんというタイトルかもわからないし、プロフィールも今だに無いままだし、イチゲンさんが入ってくるような雰囲気もないけど、でも新しいコーナーがけっこうスキテである。「これいただくわ」というコーナーはお買い物したものが写真入りで紹介されている。これはほんとに楽しい(あの椅子、欲しい)。僕も真似しようかと思っているくらいである。そして「ごちそうさま。」というコーナーもナイス。こだわりたまごごはんを食べに大阪まで行きたい気持ちになっているのだ。肝心の本のコーナーが更新されてないみたいだけど(笑)、まあ細かなことはいいだろう。無理のない、自然なセンスが静かに光るウェブサイトだと思うのだ。

◆ プロジェクト
 サーチエンジンに何気なく言葉を入れることがある。ほんとうに意味もなくただ思いついた言葉を。
 思わぬ発見があった。「お風呂読書」というのを入れて検索したのだが、なんと「お風呂で本を読むプロジェクト」(http://www.kohkoku.jp/project/rep_01.html)という存在を発見してしまったのである。すごいすごい。お風呂で本を読むために便利グッズが売られているのであった。嬉しいな。買わないと思うけど(笑)。
 お風呂で読書というのはもっともっと文化に成り得ると僕は真面目に考えている。せわしない暮らしの中でリラックスするというのは大切なことだ。お風呂読書用の珈琲カップがあったらいいと思うし、レシピ集なんてあったらぜひ作ってみたい。2人でお風呂読書ができる浴槽なんてのも需要があるのではなかろうか。アイデアはどんどん広がっていく。なんと素晴らしいことだ。

■ ビデオ『グリーン・デスティニー』アン・リー監督http://www.spe.co.jp/movie/greendestiny/)[テレビ朝日]
 テレビ朝日で放送されたのを観たのだけど……。僕は基本的に映画や本について、あまり酷い言い方はしないようにしている。でも、この映画は酷かった(笑)。もう笑ってしまうくらいに。もしも、この映画を観た人が「中国映画ってこういうのか」と思ってしまったらと不安になってしまう。なんというのかな。この映画は中国とあまりかの合作ということになっているのだけど、中国映画独特のいい部分がすべてアメリカに吸い取られてしまったという感じ。アメリカ映画というものを悪く言うつもりは全くない。よく観るし、面白い作品もいっぱいある。けれど、アメリカというのは(映画だけでなく政治という面でもそうだと思うが)、他の国の文化なりを全く理解しないで、ただ自分の価値観を押し付けてしまっているように思えるのだ。僕の好きなチャン・ツィイーもあんなことになってしまったし……。悲しいぞ。
 このところの中国映画はアメリカの方向を向いているように感じる。違うだろう、と強く言いたい。

◆ 鯖クンとの語らい
 酒の肴に鯖を焼いて食べている。安くて美味しい。焼くだけなので簡単だし。しかし、僕はこの右半分の鯖クンと向き合いながら、こいつの人生について考えた。鯖の平均寿命というのがどのくらいないか、僕は知らない。どこの海でどういうふうに育ったのか。信頼できる友達はいたのだろうか。本当に好きになった相手はいたのか。海の底を泳ぐのは気持ちがよかったのだろうか。僕はこいつにサバンナという名前を付け、ほんの数分であるが語り合っていた。体型を気にしていたのだろうか、少し痩せすぎのようにも思えた。僕に食べられて、よかったのだろうか。
 でも、ここでこうして出会ったのもひとつの運命と言えるのかな。



五蘊皆空 2003/11 #3


2003/12/29

◆ 手紙
 手紙を貰った。手紙と言いつつ、厳密な意味では手紙ではないだろう。仕事関係の人が辞めるにあたっての挨拶の文章だった。最後に会うことなく彼女は辞めることになったことで、言葉の代わりのものだったのだろう。
 でも、プリントアウトされた文字ではなく、直筆の文字が丁寧にKOKUYOの用紙にびっしりとあった。ひとつの挨拶、社交辞令と言えるものだったのかもしれない。でも、「お世話になりました」などの言葉が具体的に書かれたその手紙は、なんとも僕の気持ちを打つものだった。
 今年はもう終ってしまう。あまり良い一年ではなかったけれど、良かったなという気持ちで締めくくれそうだ。

■ ビデオ『アイ・ラブ・トラブル』チャールズ・シャイアー監督 [WOWOW]
 それにしてもこの物語の設定。シカゴの新聞社の看板コラムニスト(小説も書いている)、女性にももてる。こういう人って、誰かいたような(笑)。
 まあ、文句をつければいろいろあるけど。コメントは難しい(笑)。この女優は誰だったかと思っていたらジュリア・ロバーツだった。僕の映画についての知識はその程度のものなのだった。

◆ チャン・イーモウの新作
 知らなかったのだけど、チャン・イーモウ監督の新作映画の撮影が進んでいるのだという(http://www.yomiuri.co.jp/hochi/geinou/dec/o20031204_10.htm)。タイトルは「LOVERS」、唐の時代ということでやや「HERO」の雰囲気を持っているのだろうか。スタッフもほとんど同じだという話。何よりも驚くのはその主役。なんと金城武なのである。嬉しいような、少し怖いような。でも、この金城武という名前を聞くと「HERO」以上に楽しみである。

◆ 編集後記
 書店をウロウロしていたら新しい『アルネ』(http://www.iog.co.jp/arne.html)が出ていた。電車の中で読んでいたのだけど、やっぱりいい雑誌だなぁと改めて思った。この雑誌で一番好きなのは? と聞かれたならば(誰も聞いてくれないけどさ)、編集後記と僕は答えたい。考えてみると編集後記のようなものが書かれている雑誌というのは近頃では少ないのではなかろうか。もちろん、本来の雑誌のあり方からすればやや本題からズレたものではある。いらないと言えばいらないものだ。けれど、作り手と僕との距離が少し縮まったような、親しいものを感じることができるのだ。大橋歩さんの生活の中から、ほんとうに良いと感じたものを雑誌の中で表現しているのだろう。そう思える。

◆ セブンデイズホテル
 雑誌『アルネ』の中で、「セブンデイズホテル」(http://www.7dayshotel.com/)というところが特集されていた。高知にあるビジネスホテルである。普通のビジネスホテルと言ってしまえば、それまでだ。けれどこのホテルの稼働率は90%以上なのだという。オーナーの川上絹子さんのセンスが生かされ、心地よいホテルになっているみたいなのだ。
 このホテルをつくるとき、「趣味ならいいけど商売にはならない」と言われたらしい。「でも、普通のビジネスホテルをつくっても、うまくいかなくても、だれも責任とってくれないですから。だったら自分のやりたいことをやろうと思ったのです。」ということで彼女はこだわったホテルを実行させる。スプーンやボールペンの1本まで自分の足で探して回ったのだという。
 すごくいい話だ。後から聞くととてもシンプルな話ではある。やりたいことをやる。でも、それがうまく行くかどうかというよりも、反対する声に押しつぶされてしまうことが多いように感じる。
 ホテルだけでなく、お店でも何でも、そのコンセプトは細部の備品にまで関係しているのだと思う。でも僕たちが普通接する店などでは、限られたカタログの中からセレクトされた、こだわりも何もないものが多いのではないだろうか。それはお金を多く掛けるということとは別のことのはずだ。
 ちなみにこのホテルの内装は、椅子を決めることから始まったのだという。椅子に合わせて、他のイメージを広げていく。椅子は最後に決めてしまいそうなものなのだけどね。ぜひこのホテルに行って、その椅子に座ってみたい。
 高知に行ってみたい。高知だからこういうホテルが出来たのだろうか。よくわからない。でも僕は高知という土地が凄く好きで、そこにこうしたホテルがあることがすごく嬉しい。

■ ビデオ『パイナップル ツアーズ』真喜屋力/中江裕司/當間早志監督 [WOWOW]
 なんとこの映画、日本映画ではあるのだけど、字幕がある(笑)。ウチナーグチ(沖縄言葉)が話されているということで、字幕を見ないことには言葉がわからないのであった。青い空、青い海、のんびりとした雰囲気、とてもいい感じだ。この映画には3つの物語がある。それも面白いところ。僕は2作目の「春子とヒデヨシ」(中江裕司監督)が最高によかった。まあ、沖縄に来た青年が結婚せざるを得ない状況になってしまって(笑)。なんともこれが笑えるのである。なにか、ほのぼのとしている。泣いている人も含めて。その感覚がいいのだ。ちなみに、中江裕司監督というには『ナビィの恋』『ホテル・ハイビスカス』『白百合クラブ 東京へ行く』 などの魅力的な作品を出していく人なのであった。

◆ 裏話・岸本葉子ルーム2
 このドルフィンホテルのアクセス数は1日約70くらいである。1年くらい前は50もいかなかったので、けっこう数が増えたとは言える。実は今から2月くら前だが1日に100を超えたということがあった。岸本葉子さんの新しい本が出た頃で何かとフクザツな話題があったことが原因だったのだろう。でも、いつの間にかすっと醒めてしまったようだ。僕だってどこかのサイトを見たときに、最初は毎日見ているだろうが飽きることもある。
「岸本葉子ルーム」というのをどうしようか、少し悩んだ。今回「岸本葉子ルーム2」ということでアドレスを変えることにしたのだ。変えちゃいけないのだろうなぁという気持ちもあった。ブックマークしている人はアクセスできなくなるわけだからね。でも、整理する関係上名前を変えた方が僕としては便利だし。まあ、いろいろと考えたのだ。出会いは運命だし、検索すればすぐに探すことはできるはず。
 賑わっている掲示板よりも、その黎明期のころの方が僕は好きだったりしている。ドルフィンホテルの場合、ずっと黎明期を続けているのだけど(笑)。そういう意味でも、岸本葉子さんのデビュー作はいつか読んでみたいと思っているのであった。

■ ビデオ『笑い蛙』平山秀幸監督http://forum.nifty.com/fjmovie/movie/2002/waraukaeru.htm) [WOWOW]
 うわぁ、この映画の原作って、藤田宜永の「虜」なんだ(読んだことないけど)。ちょっと驚き。特に印象も無かったのだけど(笑)、大塚寧々は普段と違って不思議な魅力がありました。

◆ 3分クッキング
 何を隠そう僕は月曜から金曜の毎日11時50分から12時まで、日本テレビの番組を録画している。「キューピー3分クッキング」(http://www.ntv.co.jp/3min/)である。この番組の料理を作ったことがあるかといえば、一度もない。でも、10分の番組が何とも好きなのである。今だになぜ3分なのかはわからない。3分で料理が作れるわけではないのに。
 苦にならないちょうどいい10分は心地よい。何より好きなのではその先生である。タレントでもなく、お店を持っているわけでもない。でも、その普通さが魅力なのだ。ウェブサイトの写真はちょっとひどいと思うけど(笑)、実際に見る小川聖子先生も藤井恵先生も、素敵なのだ。冗談抜きで、料理をしている女性の姿はいいなぁと思う。男だってカッコいいけど。どうしてミスコンで料理をしているところが審査の対象にならないのか、すごく不思議に思ったりしている。
 派手なテレビ番組はいっぱいあるけれど、この「3分クッキング」のスローさはとても安心できるのである。年末も31日までやっているし。
 ちなににこの番組、テーマソングだけでなく、ウェブサイトにもすごくこだわりがある。いい雰囲気。

■ ビデオ『青春の殺人者』長谷川和彦監督 [WOWOW]
 中上健次原作のこの映画、前からその存在は知っていたのだが、はじめて観た。水谷豊も原田美枝子も若いのなんのって。おまけに、音楽はゴダイゴ……。
 リアルでけっこう衝撃的でもあった。いい映画だったかはよくわからない。でも、見応えのある映画だったのだと感じたことは確かだ。

◆ 八木さん好きよ
 今年も「明石家サンタの史上最大のクリスマスプレゼントショー2003」を見てしまった。クリスマスと言えば、もう恒例である(笑)。楽しい。八木亜希子さんを見るのは久しぶり。とっても好きなのだ(笑)。
 でもこの番組で読まれる不幸話、毎年毎年ダウンしているように感じているのは僕だけだろうか。人の不幸話を聞いて、幸せな気持ちになるというのは、あまりにも不幸のように思えるけど(笑)、まあそれもニンゲンという生き物のサガなのだろう。

■ ビデオ『釣りバカ日誌13 ハマちゃん危機一髪!』本木克英監督 [日本テレビ]
 テレビで放送されたのを観た。楽しい時間を過ごすことができた。特に語るコメントもないのだけど、楽しい。でも、こうした楽しさが一番大切なことかな、なんてことを考えたりする。でも、このハマちゃんに危機一髪という言葉は似合わないような気がする(笑)。なにがあっても、ちゃんと切り抜ける。そうやって考えると、ジョーム・ポンドとかルパン3世なんかと共通しているものがあるのかもしれない。

■ カズオ・イシグロ著『遠い山なみの光』(ハヤカワepi文庫)
 正直に言うと、よくわからない小説だった。けれど、静かなその語り口は心地よい。近くにあるけれど、遠くにあるような、そうした気持ちの部分に語りかけてくるような。
 日本で生まれ、イギリスで育って小説を書いているカズオ・イシグロには、ちょっと興味を持っている。これからも何冊かは読んでいこうと思っている。

◆ 暮らしに活きるヒント
 ついつい雑誌を衝動買いすることがある。先日買ったのは「+Life プラスライフ」というもの。部屋を中心とした生活の場面などが載っている。創刊号であるこの号の特集は「映画みたいに暮らしたい」となっていて、16本の映画が紹介されている。ちなみに僕は5本観ていた。特にいい雰囲気の部屋の写真が載っていて、こんな風にオシャレに楽しく暮らしましょう、ということだ。こうりた切り口での映画紹介というのはこれまであっただろうか。見ていてとても楽しい。自分の部屋をこんな風に工夫しようかとか、映画を観てみようという気持ちになってくる。
 他にも嬉しいコーナーがある。「本棚のひみつ」では本棚の写真と本の紹介がある。すごくいい雰囲気なんだな。僕もいつかこのコーナーに登場したいくらいだ(笑)。それから最初のページにある「冬の休日は家の中でのんびりくつろぐ」は最高に素晴らしい! 麻生久美子さんの掃除をしたり石油ストーブを持ったり、のんびりとくつろいでいる姿が、ほんとうにいいのだ。
 とてもテーマを持った雑誌と言える。正確にいうと雑誌ではムックであって次号は2004年の3月ということ。なんとこのムック、実は「ぴあ」から出ている。一見「ぴあ」らしくないのだけど、深いところでの「ぴあ」なのかもしれない。
 もっとページを増やして読むところも多くしてよ、などなど注文したいところも多いけど、気になる雑誌であった。

■ ビデオ『エトワール』ニルス・タヴェルニエ監督http://www.etoiles-movie.com/)[WOWOW]
 パリ・オペラ座バレエ団を撮影したドキュメンタリー。いやあ、この映画はすごく良かった。たぶん、『デブラ・ウィンガーを探して』が好きな人はこの映画も気に入るのではないだろうか。
 最初の映像はなぜか東京だったりしている。パリ・オペラ座のバレエ団の日本公演の場面。自然にひとりひとりの表情が映し出される。あまり長くはないけど、ちょっとしたインタビューのような感じで、バレエにかける気持ちやこれからのことが語られる。幼年時代からのバレエ中心の生活について、そして結婚についてなど、バレエダンサーではあるのだけど、普通のひとりの人間として身近に感じられる部分もある。
 時おりモノクロの写真が入る。そうした映像のすべてがほんとうに素晴らしい。ドキュメンタリーというとどうしても画像がラフになってしまうイメージがあるのだが、この映画の場合そうしたことは全くない。
 大きなスクリーンでこの素晴らしいバレエの世界を体験したかった。そう思える映画だった。



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