DOLPHINHOTEL
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DOLPHIN HOTEL 読書夜話2004年8月

My Lost City 2004/8 #1 

2004/8/2 

◆ さやいんげん
 このところ一番よく食べている緑の食べ物は、さやいんげんかもしれない。もうそろそろ終りみたいなで、けっこう枯れてしまっている。そんな中でもさやいんげんは元気に育っているみたいなのであった。
 それにしても、こうした野菜の育ち方というのを見ていて思うのは、ほんの一瞬だけなんだなということだ。やっと食べられるようになったと思ったら、すぐに枯れてしまい、その存在価値さえなくなってしまう。
 四季の移り変わりというものは、食べ物の移り変わりなのだろう。

■ 高村薫著『晴子情歌(上)』(新潮社)
 僕がまだ小さな子供の頃、お祖母さんから昔の話を聞いたりしたことがあった。もう僕の中でも忘れかけているような話だけど。いわゆる戦争で苦労したとか、そういう話だ。なんとうちは戦前に広島県に住んでいたときがあった。実家に戻り、他の親戚の人が来たり、食べるのにも大変な時代を過ごしていたようだ。
 この『晴子情歌(上)』という本を読んでいて、そうした昔のことを思い出したりした。
 読んでいくにつれて、次第に面白くなっていき、高村薫という人がなんでこうした小説を書いたのかも少しわかるような感じがしてきた。すごくいいです。

◆ F1ドイツGP
 まったく詰まらないレースだった。だいたいにして、「ホッケンハイムの森」のないホッケンハイムリンクにはドラマなんて起こりようがないのではないか。だんだん世界のサーキットが鈴鹿みたいになっているよな。
 やっぱりサーキットが素晴らしいことが、いいレースの条件であるはず。特にヨーロッパのコースは芝生や、緑の森の感動的な美しさが、F1マシンをより魅力的に映し出していたはずだ。
 昔のホッケンハイムの森をF1マシンが抜けて観客の前に出てきたときの感激といったら。ドイツと言えば、ニュルブルクリンクのあの長いコースも素晴らしかった。あのコースが無くなったのは仕方がないと言えば仕方が無いのだけど。
 レーシングコースの話になったところで、日本のサーキットについても少し語ろう。僕は過去、鈴鹿、富士、筑波、菅生と、4つのサーキットでレースを見ている。この中で断トツで美しいと思ったのは菅生。1コーナーも見やすくて、かなり面白く見ることができた。鈴鹿とか筑波って、駐車場でレースやっているような感覚だもんな(笑)。
 ちなみに富士は現在コース回収中だ。どんなコースに生まれ変わるかで、トヨタのモータースポーツに対する真価が問われるのではないだろうか。ホンダのつくったツインリンクもてぎなんて全く夢も美しさも感じられないサーキットだからね。

◆ 花火大会
 夜、7時を過ぎたころだった。何だか外で音がする。ズドン、ズドン、という音だ。近くの公園で打ち上げ花火で遊んでいる人がいたりするが、そんなに近くではない様子。窓をあけて外を見ても、よくわからない。気にはなったが、そのまま少しの時間を過ごしていた。
 階段を降りようとしたときだった。小窓から明りが見えた。どうやら花火大会が行なわれているようだった。その小窓からは、なんとかその花火を見ることができたのだ。打ち上げている場所はたぶん3キロほど先の河川敷のようだ。2、3分、その花火を見ていた。椅子を持ってきて、アルコールでも飲もうかとも少し考えたが、それには窓が小さすぎ、あまりカッコよく花火を見る雰囲気でもない。それで見るのは断念した。
 昨年までの夏は、何だかんだと花火を見ていたのだ。近くでやっていたのが大きかったのだが、やっぱりひと夏に一度くらいは花火大会というのを見るのは楽しいものだ。
 来年はどうしようか。この家に住んでいるのかわからないけど。屋根に上れば、けっこうちゃんと見ることができるかもしれないか。

◆ アジアカップ 日本VSヨルダン
 実はこのゲーム、監督や選手以上に僕は90分で終って欲しかった。何しろ、録画して見ている途中で気がついたのだけど、延長のことを考えないで録画していたのだ。僕の希望は通ることなく、試合は延長戦を通り越しPK戦にまでなし、かなりの死闘というか、ドキドキのゲームとなったようだった。
 まあ、この延長戦を見なかったことで、僕の寿命が縮まることはなかったのだろうけど。

 それにしても、このところサッカーを見ることが多い。常に、日本代表と、オリンピック代表が試合をやっているという印象がある。日本代表はあと2試合ゲームがあるわけで、それが終ったらすぐにオリンピックである。忙しい。
 そんな中で思ったことがある。ぜひ見たいゲームがある。ジーコ監督の日本代表チームと、山本監督のオリンピック代表チームとの試合を見たい。オールスターゲームなんかで、2つのチームが戦うようりも、よっぱど迫力のあるオールスターのゲームになると思うのだけど。

◆ 大根
 今年は大根をよく食べている。まあ、とにかく野菜関係は例年になくいろいろと食べているわけだが。大根の話をしたって、別に珍しくも無いと文句を言われるだけだろう。大根の売ってないスーパーなんて、まずないからだ。でも、僕の食べている大根というのは、その葉っぱの方である。数センチだけの硬いところではない、あの長い、もじゃもじゃの葉っぱである。この葉っぱつきの大根というのは、ありそうでそんなにはないのではないかな。
 この葉っぱを煮て食べるのである。美味いかどうかというと答えに困ってしまうが、まあ田舎の味はする。鶏肉だったり、ホタテだったり、一緒に中に入れるものを変えるだけで味も変わり面白かったりしている。

■ ビデオ『フォーエバーフレンズ』ゲイリー・マーシャル監督 [WOWOW]
 女性2人の長きに渡る友情の物語。男から見ると女性同士の友情って、ちょっとよくわからなかったりする(笑)。
 正直なところ、この映画の女性同士の友情というのは僕には苦手な感じだった。男同士だったら、もっとさっぱりしているというか、一緒に酒を飲んで、何も語らなくても通じ合えるみたいな。こんなことを書くと女性の皆さんに怒られるだろうな。なぜかドルフィンホテルの読者は圧倒的に女性の方が多いのである。不思議なものだ。

◆ 世界の中心で、愛を叫ぶ
 またまた『世界の中心で、愛を叫ぶ』について語りたい。そんなに面白いとも思わないけど、ついついTBSのドラマは見てしまっている(笑)。たぶん、僕はこの原作本は読まないだろう。かなり売れているらしいけど。この、読まないだろうという感覚は何なのか、そんなことをこの数日考えていた。
 この話って、ちょっと無理があるかもしれないけど、村上春樹の『ノルウェイの森』と似ているような感じがしたのだ。愛と死、喪失と再生。記憶というものが次第に薄れていく感覚みたいなものは両者に共通している。10代の頃に失ってしまったものが大きく、それを引きずって生きていくというのは、ひょっとしたら、誰かしら何かがあるのかもしれない。
 僕は『ノルウェイの森』が好きで何度も読み返した。今になって思うのだけど、それはひとつの僕に合った時代とか、タイミングの問題だったようにも思う。つまり、『世界の中心で、愛を叫ぶ』を読んで面白いと言う人は、僕と違う時代とタイミングを生きているのだろうと。
 だいたいにして、『ノルウェイの森』という本自体が出た当時は、世の大人達からはちょっと批判的な感じで見られていたのかもしれない。たぶん、10年か20年に一冊くらい、こうした恋愛と死をテーマとして小説が売れるのではないだろうか。その時代とか、感性に合ったものが。

◆ 重慶
 中国で行なわれているサッカー・アジアカップで日本が戦ったのは重慶という都市だった。日本に対してのブーイングが酷く、テレビで見てみても特別な雰囲気があった。
 さて、この重慶というところ、どこにあるのかなど全くわからないと思っていたが、調べてみると、何度か見ている印象的な場所であった。
 中国映画が好きな僕が最近見て、その中国の景色に魅了されたのがこの重慶だった。コン・リーの主演したラブストーリー『たまゆらの人』の舞台であり、町自体が主役といっていい『ションヤンの酒家』の舞台でもあった。ふたつとも僕にとって特別な印象を残した映画だった。
 ブーイングということで、ちょっとばかりマイナスのイメージになってしまったが、このアジアカップによって、重慶という名前は忘れることのできないものとなったかもしれない。

■ 村上春樹著『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』(講談社文庫)
 この本を読み返したのはひと月ほど前になる。たぶん、3回か4回目の読み返しになると思う。村上春樹の魅力がめいっぱい詰まっていて、かなりの傑作だと感じていた。ちなにも僕はピンクのハードカバーを持っている。
 しかし、今回読んでみて、何か物足りないという気持になってしまった。ストーリーだって、あまり変化があるわけでもないように思える。
 別に面白くないというわけでもないけど、少し色褪せてきたというのかな。
 少しばかり、複雑な寂しさを感じるのだった。

★★★ 小特集「クウネル 9月1日号」を読む。 ★★★
「ku:nel」(http://kunel.magazine.co.jp/)という雑誌が好きなのだけど、特に今回の9月1日号は良かったので、少しばかり紹介したい。

○ ジャム
 なんとジャムの特集があった。鍋でジャムを作るところ、そして多くのジャムが瓶につめられ保存されている。瓶は何らかの空き瓶で、その不揃いさが、よりオシャレな感じを持たせてくれるのは不思議だ。
 たぶん、半年前にこの特集を見ても僕は何も感じなかったかもしれない。けれど、僕の今の生活にとってジャムというのは欠かせないものとなっている。うちの母が鍋でよくジャムを作ることで、僕も毎日食べるようになったのだ。ジャムと言うと、パンなどに付けるということしか以前には思いつかなかったが、僕はケフィア(ヨーグルトのようなもの)にかけて食べる。今冷蔵庫にあるジャムは、ブルーベリーと、サクランボと、梅の3種類。これをローテーションにして毎日食べているわけだ。特に僕が好きなのはブルーベリー。これを食べるのは本当に楽しいひと時だ。ブルーベリーの木なんて小さくて、その実もホントに小さくて採るのも大変そうなんだけどね。梅ジャムは最初の頃は苦手だったのけど、最近になってようやく少しは美味しいと感じられるようになってきたかも。
 季節が変われば、また別のジャムができるだろう。今からその味が楽しみなのだ。このジャム特集を見て、嬉しくて嬉しくてたまらない気持になったのだった。

○ エブリデイ・マイ弁当
 毎回、3人の弁当が載っているのだが、これが楽しみ。ほんとうに、食べるということを楽しんでいるようなのだ。作っている人の笑顔の写真もあるのだが、ほんとにいい表情をしている。お弁当の写真というのは、他の雑誌にはあるかもしれないけど、この雑誌の弁当はちょっと違う。奥さんが旦那さんや子供に食べさせるためというのではなく、自分で食べる弁当なのだ。それだけに、健康的な雰囲気に満ちていて、変な飾りがない。自分自身が楽でいられるような感覚がある。好きな洋服を楽しんでいるみたいな。ちなみにこのコーナーって男性が出ることもあるんだよね(笑)。
 ああ、弁当が食べたくなってきた。どなたか作ってください(笑)。

○貸本喫茶
 貸本喫茶について書かれている。大阪にある「ちょうちょぼっこ」(http://www.nk.rim.or.jp/~apricot/chochobocko.html)という店だ。本好きの女性が4人でつくったという店。店といっても採算の取れる商売ということではないみたい。金土日の営業で、貸本というのは4人がそれぞれ所有している本だったりしている。裏表紙には誰のものかわかるように色分けされたシールが貼られている。
 本が好きなんだという雰囲気が満ちていて、なんとも言えないいい感じなのだ。
 前に本好きの友達なんかと、一緒にアパートを借りようよ、なんて話をしていたことがあった。そこに本を置いて、いうなればちょっとした図書館みたいにしたかったのだ。もちろんそんなお金もなく、実現することはなかった。図書館のあるホテルがあったらいいなぁ、なんて馬鹿げたことを言っているのも、その延長戦上にあるようなものだ。けれど、この「ちょうちょぼっこ」というのは、そんな気持を現実にしてしまっているように思えるのだ。本が好きな者にとって、こんなにも夢のある話はないのではと思えてしまう。嬉しかった。

○ お宅訪問
 この号では金沢が特集されていたのだが、毎回この「お宅訪問」というのは僕の楽しみなのである。インテリアのコーナーとも言えるのだが、ちょっとばかり他とは違う。そんなにキレイではないのだ。古い家屋を、自分で改造したという感じ。この金沢編では3つの家が紹介されているのだけど、どれもクーラーというものがない(笑)。夏は暑く、冬は隙間風が入ったりかなりの寒さのはず。季節によって、居る場所を移動したりしているみたいなのだ。普通の家ではあるのだけど、不思議なセンスの良さが感じられる。お金も掛かって無さそうだし。こういう生活を楽しむ方法もあるのかと、驚くばかり。
 たぶん、テレビの建築・インテリアの番組では絶対に取り上げられないようなものだ。だからこそ、こういう雑誌に載っているのが嬉しくて仕方が無い。

○ 珈琲店
 どこの雑誌でも、喫茶店などが紹介されるのはそんなに特別なことではない。たいていは、オシャレでデートなんかに使えそうなところだ。喫茶店だけでなく、レストランにしても、とにかく雑誌というのはお店の情報で溢れている。それにしても、この「ku:nel」という雑誌の取り上げる店はなんと凄いのだろう(笑)。ほんとに驚いてしまった。
 石川県の能登半島の端っこにあるという「二三味珈琲」という店は、女性がひとりでやっている。こだわりのある美味しい珈琲が飲めるということで、口コミで客が集まってきたのだという。どう考えても店が商売として成り立つような土地ではないのだ。はじめたときには、1日1人の客を目標にしていたらしいが、全国各地からこの店に人が来るのだという。海の写真も載っている。奇跡のような輝きの海だ。
 東京の銀座とか青山とかではない、最高の景色と珈琲が、こういう場所にあるのかと思うと、嬉しくてたまらない気持になってきた。それにしても、こういうところで営業しようとした考えが凄い。なんとも言えない。

glass ceiling 2004/8 #2 

2004/8/9 

◆ 快晴で嬉しいこと
 それにしても暑い。夏なわけで暑いのが当然であるのだろうが。じっとしていても汗が出てくる。普段はTシャツを着ているのだが、汗をかいだらどんどん着替えることにしている。というわけで、洗濯物が増える。
 東京での暮らしと比べて嬉しかったことのひとるに、洗濯物を庭に干せるということがある。早朝から太陽がギンギンと照らしていることが多いのだが、そんなときに洗濯をして、庭に干すというのがものすごく気持がいいのだ。ちなみに、うちにはちゃんとした物干し台というものがない。脚立を2つ立てそこに物干し竿をかけて、洗濯物を干している。風になびいて、片側に寄ったり、下に落ちたりすることもあるのだが、洗濯物はとても気持よさそうにしているのだ。なんといっても、太陽の光を思いっきり浴びることができる。四方からの風をこれでもかというくらいに受けることができる。
 こうやって乾いた衣類を着ることで、身体がリフレッシュされるような気もしてくる。単なる気分的な問題なのだろうか。
 東京の狭いバルコニーで干された洗濯物とは、やっぱり違っているような感じがするのだ。

 でも、今は夏だからこんなことが言えるのかもしれない。何せ僕の住んでいる土地は雪国なのだった。冬になったら外に洗濯物を干すなんて、ほとんど無理なんだよな。

■ 鷺沢崩著『F −落第生−』(角川書店) [図書館]
 7つの短編が入っている。「F」というのは、「優・良・可・不可」などの成績を意味するもの。つまりは「不可」というもの。それぞれの物語の登場人物はどこかにこのFの部分を抱えている。だからこそ、いとおしい。
 あっさりと楽しく読むことができる。そんなに特別ではない。強いインパクトがあるわけではない。けれど、何かが引っかかる。そこに深みを感じる。鷺沢崩という人がこんなにも魅力的な作品を書く人だったとは。
 僕が面白く読んだのは最後の「重たい色のコートを脱いで」という話。このタイトルの「重たい」というところが何度も言えない。主人公はどちらかというとエリートの方の働くOLだ。仕事に、恋愛に、その姿はりアルでどうしようもなくいい。たぶん、好きになる人は多いのではないだろうか。

■ ビデオ『あなたのために』マット・ウィリアムズ監督http://www.foxjapan.com/movies/wthi/index0.html)[WOWOW]
 説明のしようのない面白さがあった。主人公は可哀想なんだよね。男に捨てられ、自分で子供を産む。なんとか生きていく。少しずつ強くなりながら。そうした姿がけっこう淡々と描かれている。何かがいいかと悪いとかという視点ではなく、ひとつの人生がここにあるという感じで。

◆ 最近の苦手なこと
 東京と違って、うちの近くには親戚の家というのがある。まあ、たまにはその家に行くようなこともあるわけだ。別に悪い人がいるわけでもないのだけど、ちょっとばかり困ったことがある。
 やたらと食べ物を出されるのが、どうにも苦手なのだ。スイカ、パイナップルなどの、フルーツ類から、お菓子のあれこれ。なにしろこのところの僕は、間食というのをしていないのだ。正直なところ、食べたくない。けれど、わざわざ僕のために、切られた食べ物をそのままにしているのも悪いような気がする。なんとかひとつは食べるのだけど、そうなると次から次へと出てくる……。袋に入っているお菓子を、わざわざ開けて食べさせようとするのには参ってしまい、「食べませんから!」と声を荒げてしまったりしたのだった。
 前に夕食に呼ばれたときも大変だった。あれこれと食べるものを次から次へ出され、どう考えても量的に食べられない。断るのが大変で、食事を楽しむどころではなくなってくる。
 年配の人ほど、いっぱい食べさせなければならない、という確固たる信念みたいなのがあるようなんだよね。難しいものである。

◆ 枝豆
 夏といえば、ビールと枝豆である。いつだっただろうか、夏の夜、仕事を終えて居酒屋に入ったときだ。枝豆を注文すると、大きな皿に入った枝豆が運ばれてきて、片手で取り放題ということだった。その中では最も大きな手だろうということで僕が枝豆掴み係に任命され、思いっきり枝豆を取った。ああ、その枝豆の美味かったこと。
 最近はビールは飲まないようにしている僕だが、枝豆が身体に悪いわけはない。
 ふと気がつくと、うちの庭には枝豆が植えられていたのだ(嬉)。ということで、枝豆は居酒屋で手掴みするものではなく、畑から採って、茹でて食べるものとなった。
 でも、この枝豆って、枝からとるのがけっこう大変なんだよね(笑)。一生懸命とっても、そんなに量があるわけではない。片手で手掴みする量をとるというのもなかなか大変。
 東京のデパートの屋上にあるビアガーデンには、ぜひ枝豆畑というものをつくって欲しい。客はその枝豆を自分で採り、茹でるのだ。その枝豆にビールなんて、最高ではないか!

■ ビデオ『ただいま』張元(チャン・ユアン) 監督http://www.spo-k2.co.jp/title/tadaima/)[NHK-BS2]
 久々に中国映画を観たのだけど、やっぱり良かった。中国映画の空気というのかな、その雰囲気に浸るだけで嬉しい気持になる。話としてはけっこう残酷だったりするものだ。主人公は事件を起こし、刑務所に入る。長い年月が経ち一時的に家に帰ることがゆるされる。とてもじゃないが、「ただいま」という言葉が出てくるような状況ではない。でも、そこに静かなドラマがあるのだ。

◆ 激安ワイン
 東京に比べて僕の住む町がそんなに物がないかというとそうでもない。いわゆる郊外型の店というのがいくつかあり、ある意味では東京よりも便利だったりするこもある。ほんのちょっとだけどね(笑)。スーパーマーケットなどは、かなり広い。しかも夜の11時くらいまでやっている店も多いのだ。おまけに、コンビニは凄い数。なにせ、セブンイレブンとファミリーマートが向かい合っていたりする。あと、吉野家にすき家だってある。ほとんど客は入ってないみたいだが。当然のようにユニクロだってある。僕は先日ここで半ズボンを買ったばかりだ。
 いろいろと店のある中で先日、ついつい衝動買をしてしまったものがあった。ワインである。スーパーなどにも激安ワインは売っているのだが、なぜか僕は「やまや」(http://www.yamaya.co.jp/)という店に入ってしまった。日本全国あちこちにあり、池袋の店には何度か入ったことがあった。しかし、この町のやまやは店の大きさが違う。値段は全国共通だと思うのだが、あまりの安さにワインを買ってしまったのだった。
 だって、ワインが3本で840円(税込)だったのだよ(笑)。どう考えたって安いよね。あまり味は期待しなくても、3本に1本くらいは当たりはあるはず。安いことはいいことだ。

◆ We Will Rock You
 それにしても酷いCMだなと思ってみている。見るたびに何を考えているのだと思ってしまうのだ、
 何のCMかと言うと「ペプシ ダイエットツイスト Gladiators篇」(http://www.pepsi.co.jp/navi_html/h_tvcm.html)の奴である。何が酷いかというと、その編集である。実は何かのテレビ番組で元となっているこのCMを見たことがあった。かなり長い180秒もあるCMなのだが、これがめちゃくちゃ凄い。それが日本版となっている短いCMでは、その良さがこれでもかこれでもかというくらいに、削り取られてしまっている。
 オリジナル180秒CMを一度見てしまうと、ほんとうに普段テレビで流れているこの短いCMが情けなくなってしまうのだ。
 つまんないテレビ番組なんてどうでもいいから、こういうCMをもっと見せて欲しいものだ。

■ ビデオ『ハイヒール・エンジェル』メル・スミス監督 [WOWOW]
 それにしても……、めちゃくちゃな話だった(笑)。ある銀行強盗の犯人を知ってしまった、キレイな女性2人がその銀行強盗グループを脅し、お金を横取りしようというお話なのだが、それが凄い(笑)。ありえそうもないことがどんどんあるし、派手な銃撃戦はあるは。まあコメディなので、楽しんで観るということ以外にないのだけど。「ルパン3世」と「セーラー服と機関銃」を足して10をかけたようなお話といえばいいのか。

◆ サッカー親善試合
 なんだかこのところ凄いサッカーチームが日本に来て試合をしていたみたいだ。ローマ、レジーナ、バレンシア、バルセロナ、Rマドリード、ボカ・ジュニアーズ……。チームだけでなく、ちゃんとそれなりのメンバーも来ている。契約の問題などもあるのかもしれないけど、ビックネームの選手が来てピッチに立っていたのだから、とにかく凄いことだ。
 けれど、何かが変だ。ドキドキしないんだよね。相手のチームはシーズンの前で、観光とか営業とか、いろいろ言われているみたいで、確かに最高のチームとは言えない。しかし、問題は日本のJリーグのチームの方にあったように思えてならない。何せ、アジアカップとオリンピックとで、主力の選手がいない状態なのだ。名のある選手のいないJリーグのチーム、正直言ってナビスコカップよりもメンバーがいない。仕方が無いと言えば仕方が無いのだけど、あまり見たい気持にはならないと思うのだけど。

◆ ペンキ塗り
 このところ毎日ペンキ塗りというのをやっている。家がけっこう古くなっていることもあり、ところどころの木の部分の塗装が剥げて見た目が情けなくなっていた。その部分の塗装をやってもらえないかと頼まれたわけだ。
 特にやることもない毎日なわけで、1日に90分ほどペンキ塗りの作業を行なうというのが僕の日課となった。
 でもこれがけっこう難しいのだ。塗装というものをやるのは小学校の頃のプラモデルのペイント以来だろうか。なかなかうまく濡れない。だいたいにして、塗るという前段階の作業からしてけっこう大変。
 まずは、脚立を移動させてけっこう高いところに上る。1、2メートルくらいの高さなのだけど、怖い。僕は高所恐怖症なのだった。そういえば昔、八景島シーパラダイスの何とかコースターに乗って真っ青になったことがあった。とにかく高いところに上ると足が震える。
 そんな状態で、木の部分にヤスリをかける。ホコリというか、前の塗装の部分を取るわけで、その粉を被ることになる。この暑い中、マスクをかけているのだ。テーピングもなかなか難しい。塗装がはみ出ないようにするために、テープを貼るのだが、これをきっちりやらないとあとで酷い出来栄えとなる。それに、ちょっとの場所の移動でも、脚立を移動させなければならないわけで、すごく時間が掛かる。
 前段階の準備が終わりやっとペンキ塗りとなるわけだが、うまくペンキが木に馴染んでくれない。おまけに脚立の上の作業ということで、怖いし、腕が疲れてくる。おまけにけっこう暑い。ハケにつけるペンキが少なければ、うまく塗れないし、多ければ下にポタポタと垂れてしまう。テーピングしてあるところを越えて、白い壁にもペンキがついてしまったりする。
 なにせ初心者なわけで、うまく塗れないのは当然かもしれない。ペンキ作業が全て完了するには、まだまだ時間が掛かりそうだ。ちょっとくらいは、上手になりたいものだと、頑張っているのであった。

◆ アジアカップ日本優勝
 なんと、日本は優勝してしまった。ハラハラドキドキで面白くはあったけど、やっぱりジーコ監督で大丈夫なのかなぁという感じがして、どうしようもなかったのだが。ひと言でいうと、昔の甲子園大会の高校野球という印象がした。今の甲子園がどうなのかは最近見てないのでどうなのかはよくわからないけど。
 暑い暑い球場でひとりのピッチャーが連投につぐ連投で投げてやっと勝ったというような。しかも、大会前は無名で、一試合毎に確実にチカラをつけていく。優勝は劇的なのだが、それでチカラ尽きてしまうみたいな……。
 今の日本代表がワールドカップの予選でコロリと負けてしまうとも思えないけど、どうしても甲子園的優勝という印象が強くてどうしようもない。
 前から感じているのだけど、日本代表チームを作るのに無理して海外の選手を呼ぶこともないのではないか。中田英寿がいなくて負けたら、それはそれで底辺のチカラが足りなかったということだ。数人に頼るのが代表ではないはず。さぁ、次はオリンピックのサッカーが楽しみだ。物語は、ハッピーエンドになるのだろうか。

 ところで、サッカーというといつもいつも、審判の問題というのがある。どうしてもテレビの実況を聞いていると日本に不利なジャッジが多いような感覚になってしまう。でも、本当にそうなのだろうか。この決勝なんて相手の監督は相当怒ったみたいだしね。客観的に、ジャッジが正当なものだったのか、知りたいのは僕だけではないと思うが。決定的な場面も含めてポイント制みたいな感じにして、そのゲームのジャッジがどうだったのかをちゃんとデータにしてもらえないだろうかと思う。メディアがやってもいいし、あくまでも客観的に。その方がもっとサッカーを楽しめるのではないだろうか。

◆ ネットで買い物
 なんと生まれて初めてインターネットで本を購入した。有名なアマゾンで注文したのだ。しかも新刊でなく、マーケットプレイスという古本のものを買った。どんな感じで送られてくるのか、けっこうドキドキ。でも、それは新刊と代わりのないようなもので、キレイで早く、とってもいいものだった。アマゾンの場合、お金の支払いもカードなのでまったく簡単。癖になったらどんどん買ってしまうのではないかという不安もあるくらい。
 別に本は読めればいいわけだし、それが安いのであれば、こんなにいいことはない。本の購入に関しての考えが少し変わってきている。

■ のぐちやすお著『自転車旅行をはじめよう』(山海堂)[図書館]
 自転車を買い、乗っているのはいいが、何せ自転車に関する知識というものが僕にはない。そんなわけで図書館でこの本を見つけ、読んでみた。どちらかというと入門書という位置づけのこの本は、けっこうわかり易く、とてもためになった。なにせ僕はこの本で初めて輪行袋という存在を知ったのだった。
 自転車の車輪を外し、コンパクトにした状態で袋に入れて仕舞うのである。それでJRなどの交通機関を利用すれば、自転車で遠出をすることが可能になる。恥ずかしながら、僕はこういう方法があるということを知らなかったのだった。なんだか僕の自転車生活が、どんどん広がっていくような感じがしてきた。
 しかし、この本の面白さは自転車というもんがけっこう大変なんだよ、ということを教えてくれる。危険であったり、体力というものが必要だったりするわけだ。
 もっと早く自転車の面白さを知っていたならば……。自転車は楽しい。

◆ 四国遍路
 このこころ妙に気になるサイトがある。そんなに政治に関心があるわけではないのに、政治家のサイトを見ているのだ。「菅直人の公式ウェブサイト」(http://www.n-kan.jp/)というところ。そんなにちゃんと見ているわけではないけど、「菅直人の今日の一言」というのが気になってちょくちょく行ってしまうのだ。
 少し前に話題になったけど、菅直人は四国遍路を歩いている。パフォーマンスではないかと非難をされたりもしているみたいだ。
 でも、遍路を歩く動機なんて何でもいいのである。ちなみに彼の歩いた第1番霊山寺から室戸岬にある第24番最御崎寺は、僕が最初に歩いたのと全く同じコース。今思い返しても、めちゃくちゃ大変なところであった。あまり運動をしない僕が言うのも何だが、普段クルマにばかり乗って移動している人が簡単に歩けるようなところではない。しかも、この真夏に。僕なんてもう一度歩けと言われても、夏場であればお断りする。あの、遍路ころがしや、薬王寺から最御崎寺への道なんて思い出しただけでも、その辛さが蘇る。
 この徳島県の道は、「発心の道場」とも言われている。名前の通り、やろうと思う気持が大切なのだろうと僕は受け取っている。つまり、僕が思うにパフォーマンスだって何だっていいのだ。安易な気持で歩けるようなところではない。室戸岬まで歩くというのは、僕が思うに政治家として出来うる最高のパフォーマンスだ。
 少しばかり菅直人という人に親近感を覚え、がんばって欲しいと思ったりしている。
 ちなみに僕は、国会議員に当選した人はまず最初に四国遍路を歩いてから議員の資格を得るべきだと本気で考えている(笑)。日本の政治というものが、大きく変わるのではないかと思うのだ。

No heroics, please 2004/8 #3 

2004/8/20 

◆ 夏祭り
 お盆を過ぎてまだ1週間くらいなのに、急に寒くなり、夏休みという感じすら無くなってきたような気がする。不思議なものだ。僕の部屋の窓から見える景色は、ほんとうに秋という季節のようだ。
 そういえば、この場所で夏祭りが行なわれていた。僕の住んでいる地域の、ちょっとしたお祭りが家の隣の公園であったのだ。屋台も出てそれなりに賑わっていた。
 けれどこのお祭り、かつての僕が知っていたものとは全く違ったものとなっていた。確か以前は盆踊り大会だったのだ。太鼓の音が鳴り響き、浴衣姿の人々が踊っていた。ところが、である。今年のお祭りというのは、カラオケ大会となっていた。
 例えば、横浜スタジアムの隣のマンションに住んでいてコンサートの音が聞こえてくる、なんてことだったら嬉しいかもしれない。でも、約2時間ほど、とっても音程の外れた歌声がイヤでも僕の部屋に飛び込んできていたのだ。
 ああ、来年も再来年もこれが続くのだろうか(笑)。
 しかし、よく考えてみるとこうした夏のカラオケ大会というのはよくあった。東京と違い、夏場は多くの会社で納涼祭というものがあった。広場にステージを作り、いろいろな行事があったりする。大きな会社ではプロの歌手を呼ぶようなところもあった。けれど、ほとんどはカラオケ大会となる。外で飲むビールは美味しいが、会社なわけで後片付けというものがある。まあ、地方の夏のひとつの風景なのだった。
 それにしても、北国の夏というのは、ほんとうに短い感じがする。それだけに、蝉の鳴き声というものが、胸に響く。「蝉しぐれ」という言葉も、特別なものとして感じられる。

■ 疋田智著『サドルの上で考えた』(東京書籍)
 このところ、疋田智にはまっている。別にプロの作家というわけでもないので、ほんの数冊の本しかない。何しろ、自転車が好きになったけどあまり自転車のことがよくわからない、という僕にとって彼の本はわかりやすく、楽しく読めるのである。
 でもなぜかこの本、最初の方では自転車に関しての話が少ない。タイトルのように自転車に乗って考えて書いたのだろうけど、なんとウンコの話からはじまったりしていて(笑)。
 でも、ちゃんと自転車の話はいっぱいある。東京の街を走る通勤について、大きな旅と小さな旅と。佐渡を走ったりなんて、僕もやりたくなってしまう。
 ただ単に語るだけではない。ちゃんとこれからの社会についても語られている。なんと、この人は国会の私的諮問機関「自転車活用推進研究会」の委員をしているのだ。自転車を通して、人々の生活、社会というものを考える。ほんとうに、驚くほど深いものが見えてくる。運転手付きの後部座席に乗っていては、見えてこないものがある。僕は真面目に考えるのだけど、国会議員の人はみんな自転車通勤をすればいいと思う。きっと日本はいい方向に行く。
 それからこの本を読むことによって、疋田智という人物がよりあわらになってきた。「自転車通勤で行こう」(http://japgun.hp.infoseek.co.jp/)にはちゃんと顔の写真も載っている。自転車が好きであること、パソコンはマックにこだわっていること、独特のヘアスタイル……。僕の友人に似ている雰囲気の人がいるんだけどな(笑)。

■ 疋田智著『自転車生活の愉しみ』(東京書籍)
 続けて疋田智の本を読んだ。こっちの方が前に出版されたもの。この本では自転車そのものについての話が詳しく語られている。自転車の種類とか、部品についてとか、パンク修理の仕方なんても丁寧に。僕くらいの自転車好き進行中には、ちょうど知りたかったのだよ、という内容。
 そして、メインと言える凄い内容が、ヨーロッパの自転車事情についての話。
 ドイツのボン、ミュンスター、オランダのフローニンゲン、アムステルダムの様子が多くの写真と共に紹介されている。これが素晴らしいのだ。市内は自動車の乗り入れが制限されていたり、多くの自転車レーンが当然のようにある。電車に自転車をそのまま載せたりする。日本では全く考えられないような景色ばかり。自転車と共にある生活というのが、ほんとうに幸せそうなのだ。もっともっとこうした現状を知りたいものだと思う。そして、日本もこうした街が多く出来たならば、どんなに素晴らしいことか。
 自転車を語ることは深い。
 それから、何冊かの本でこの人が繰り返して言っている興味深い話がある。
 それは「痩せる」ということ。
 彼は84キロだったのが、自転車通勤をはじめて1年後に67キロまでに落ちたという。ダイエットをしたいという人は、自転車通勤をするのが良いはず。通勤時間が0分という人はどうにもならないのか(笑)。

■ ビデオ『アンカーウーマン』ジョン・アブネット監督 [WOWOW]
 僕くらいの年齢の人間にとって、「カッコイイ俳優は?」と問われたならば、ロバート・レッドフォードという名前がどうしても出てくる。それにしても、カッコイイ。なんで、と思うくらい。ちょっとカッコよすぎるんじゃないかい、というのがこの映画の感想だった。

■ ビデオ『太陽の雫』イシュトヴァン・サボー監督 [WOWOW]
 ハンガリーを舞台とした3時間にもなる壮大なドラマ。第一次世界大戦、第二次世界大戦、その後の共産主義体制。そして主人公はユダヤ人となると、この物語の雰囲気は想像してもらえるのではないかと思う。
 面白かったことは面白いが、それよりもこうした歴史大作という映画を観るのは、やはり心を動かされるものがある。特にハンガリーという国は僕なんかにとってあまり馴染みがなかったりする。その中で生きたユダヤ人の姿というのは、ほんとうにひと言では表現できない。ナチスの時代が終ってひと安心かというと、それからがまた辛い時代なのである。それが、けっこう淡々と描かれている。家族というものが、次の世代に移り変わってことで、前に進んでいくのだということを感じることができたような気がする。

◆ がんちゃん
 数年前のことになるなるが、引越先を決めるためにあちこちの駅に降り、探していたときがあった。現在は大きなスーパーが入っているが、その頃の練馬駅というのは工事中でまったくボロボロの駅だった。その構内に大きな看板があり、けっこう目立っていた。ラーメン屋さんのものだ。サッポロラーメン、しかも「元祖」という文字が入っている。「いい街には美味しいラーメン屋さんがある」という哲学をその当時の僕は持っていて、この練馬という街に住むことに決めたのだった。
 この店は「元祖 札幌や」という名前で引越してから2、3回は入ったと思う。練馬の繁華街にあり、すぐ近くにはよく行く小山耳鼻咽喉科(ものすごい行列を作っている)があったり、馴染みの場所だった。チェーン店のようだけど、家庭的な雰囲気があったのだろうか。家族の人たちが親しげに話していたのをよく覚えている。
 オリンピックの女子サッカー、日本がスウェーデンに勝った翌日のニュースでは、ゴールを決めた荒川恵理子が大きく取り上げられていた。なんと、彼女の実家は練馬のラーメン屋さんで、名前は「元祖 札幌や」なのだという。
 そうなのだった、僕の入った店は荒川恵理子の実家(http://www.jorf.co.jp/program/genki_bunbun_tue_01.html)だった。
 急に親しい気持になってきた。結果として2、3度しか行かなかった店だったけど(笑)、また行きたいなぁなんて思ったりする。

■ 佐藤孝子著『よくわかる西国三十三所徒歩巡礼ガイドブック』(東邦出版)
 熊野古道を含む「紀伊山地の霊場と参詣道」が、世界遺産に登録された。だから、というわけではないが、このあたりの風景というものに最近興味を持っている。四国遍路もまたやりたいが、他の自然の景色を歩いてみたいという気持があるのだ。
 もちろん、熊野古道と西国三十三所というのは同じではない。でも、「あの辺」ということで(笑)、今の僕にとってはまあまあ似ているのである。
 西国三十三所というのがどういうところか、歩いた場合はどのような感じなのか。いろいろと調べていこうと思い、まずはこの本を読んでみた。実際に歩いたルート、データ的なものもあり、とてもありがたい。女性だけにトイレの場所などもしっかりと書かれている。けっこうこういうのは大事なことなのだ。
 四国にはない、素晴らしい景色がいっぱいありそうだ。もう少し、いろいろと調べてみたいと思っている。

■ ビデオ『青春の夢いまいづこ』小津安二郎監督 [NHK-BS2]
 最初に大学の応援団の場面が出てくる。主人公たちは応援することで、青春の真っ只中にいるわけなのだが、それがめちゃくちゃ笑えてしまうのだ。ほんとに観ていて恥ずかしくて(笑)。それはそれとして、この映画ってけっこういいです。物語は、主人公が親の会社を継いで社長となったために、友人達と気持がうまく通じ合わなくなったということに、恋愛問題が絡むという、ありきたりのものではあるけど、これがいいのです。
 恋愛といっても、静かなところがいいのかな。殴る場面とかもあるけれど、気持を抑えたり、その上ので告白とか、そういうのがいい。なんといっても、田中絹代がキレイで素晴らしい。小津映画というのは女優がいいのだろうと思ったのだった。

■ ビデオ『その夜の妻』小津安二郎監督 [NHK-BS2]
 サイレントでアクションもの。拳銃も出てくるし、後年の小津映画と言われている作品とは全く違っている。でも、僕はけっこう好きなのであった。サイレント映画というもの自体をあまり見ないからかもしれないけど、面白い。台詞のひとつひとつに無駄がないところがいいのかもしれない。

■ 鷺沢崩著『ビューティフル・ネーム』(新潮社)[図書館]
 シンプルで美しい装丁。これ以上ないと言っていいほどのタイトル。鷺沢崩の最後の作品である。
 最初の作品である「眼鏡越しの空」というのは、Dreams Come Trueの曲のタイトルである。この曲が作品の中で語られ、その歌詞も書かれている。高校の頃に図書カードに記入した我らの世代としては、たまらなくなるような内容だったりする。ビールを飲みながら女性2人が語り合っているのだけど、それがいいのだ。ほんとうに。
 テーマ、その背景には深いものがあるのだが、それをこんな角度から語ってしまうのかと驚かされる。
 そして2作目の「故郷の春」もいい。淡々とした語りなのだが、それはある意味で重く、ある意味で現代なのだ。軽いというのではないだろう。今の時代をちゃんと生きている。何かを強く訴えるというわけではないのだが、静かに胸に響いてくる。
 そして最後の方には、未完成の作品も納められている。その最後の切れてしまった言葉が、名前が、あまりにも悲しい。

◆ ムラカミハルキ
 村上春樹の新作が9月7日に発売される。『アフターダーク』というタイトルで、作家デビュー25周年の書き下ろし作品なのだという。
 楽しみで楽しみで、他のことに手が付かないという状態である。
 それにしても、どうして僕は彼の作品が好きなのだろうか。読み始める前(もうだいぶ前のことだけど)には、ナマイキそうな作家だなぁ、なんて思っていたのに。ムラカミの文章は、美味しい香辛料のように僕を惹きつけてしまうのだ。上手い文章なのかどうかなんて僕にはわからない。作品としての評価なんかも関係ない。そのひとつのセンテンスに触れるだけで、小確幸を味わえるのだ。ちょっとした相性なのでは、と思ったりもする。けれど、僕と同じ相性を持つ人が数多くいるという事実は、相性というものとは違うことだと感じさせる。できるだけ他の人と違うものを好きになりたいと思って生きているつもりなのに、書店に行けば村上春樹の本は山積みされているのだ。やれやれ。
 僕は今、実家に住んでいる。そうだ、この家に住んでいたときにムラカミの文章に触れたのだった。『中国行きのスロウ・ボート』を読み、『ダンス・ダンス・ダンス』でその気持は頂点に達した。
『アンダーダーク』はどんな作品なのだろうか。僕の希望としては、『神の子どもたちはみな踊る』みたいな雰囲気を持った作品であればと思う。だったら嬉しい、けれど違ったらそれもそれで嬉しい。
 それにしても、25周年か。20年くらいは僕も作品が出るたびに読んできた。やれやれ。

■ 高村薫著『晴子情歌(下)』(新潮社)
 面白かった。特に特別な物語があるわけではない。淡々と家族のことが語られているだけとも言える。政治家の家ということで、少しばかり特異な感じもある。けれど、このくらいのことがあってもおかしくは無いだろうと思える。
 この作品が出たときにかなり話題となったようだった。これまでミステリーというものを書かれてきたのに、そのミステリーから離れたと。
 でも、この作品を読むことで、そんな話に意味のないことを感じる。人というものを知ろうとするならば、その生い立ちからを深く知ることはどうしても必用なことなのだろう。両親だけでなく、祖父や土地というものも含めて。
 話は全く変わるがこの小説を読んでいてちょっとした疑問があった。晴子の手紙は旧字体で書かれているのだが、書くときにはどうしたのだろう(笑)。旧字体の書けるワープロというのはあるのだろうか。

■ ビデオ『グラン・ブルー(グレート・ブルー完全版)』リュック・ベッソン監督 [ムービープラス]
 リュック・ベッソン、ジャン・レノというとどうしても広末涼子の出た『WASABI』を思い出すのだけど(笑)、こうした映画があったのだね(シミジミ)。
 話題になっているだけあって面白い映画だったのだけど、評判が高すぎるだけに、それほどでもなかったという気持が大きかった。映像に関しても、もっとキレイな場面があってもよかったのではないかなぁ、なんて。もっとドキュメンタリーみたいな感じだったら、素直に観れたのかもしれないけど、僕には余計な台詞とかが多すぎた。
 もっともこういう海の景色の映画を、14インチのテレビ画面で観て語ってはいけないのかもしれないけどね。

■ 石田千著『月と菓子パン』(晶文社)
 雑誌「kunel」に載っていたので気になっていた。帯には「エッセイ界の新しい風」と書かれている。たぶん、東京に住む20代、30代のちょっとお酒の好きな女性はこのエッセイを好きになると思う。
 そんなに強い文章ではない。食べ物でいうならば、居酒屋に出てくるような味、枝豆とかおでんとか。それにしてもこのエッセイ、食べ物の話題いや、酒を飲む話が多い。江戸川でビールを飲むところなんて、「みじめったらしくて、おいしい」なんて書かれている。素晴らしいよ。そういえば僕も昔、江戸川の近くに住んでよく散歩をしていたものだった。作者は東京育ちなのだが、子供の頃東北に住んでいたこともあり、何かと東北の香りがする。不思議に田舎くさい感じがない。静かな風に吹かれているようだ。

◆ お墓参り
 お盆ということでお墓参りに行った。この数年この時期には実家に帰ることはなかったので、久しぶりのお墓参りとなった。親戚のところも含めて、5か所くらいはまわっただろうか。以前と比べて、ちょっとした違いがあった。お供えを置いていかないというふうに、変わっていた。
 お盆のお墓参りの日というと、朝から母親が忙しくしていた。仏様へのお供えのための、餅その他の食べ物を作ったりしていたからだ。お墓のところにはそのお供えをあげて、美味しく食べてください、というわけだ。
 ところが、そのお墓に置いておくのが禁止になったらしい。まあ、明確に禁止ということではなく、お願いみたいな感じで、置きっ放しになっているお供え物もあったが。確かに、生ものがお墓のところにあっても、お参りしたときはいいが、そのまま残されるのは問題なのである。腐るし、近くの動物がそれを食い散らかしたりする。後片付けということから考えたならば、当然やめた方がいい。
 それでもって、どのような状態でお墓参りをしたかとというと、お弁当箱に入れたお供え物を、出して(ついでに割り箸も出す)、帰るときにそれを閉まって持ち帰るということをしていた。次のお墓に行ったならば、同じものを出していたので、みんなで食べてくださいということだろうが(笑)。
 お盆の日には東京など、あちこちのナンバーのクルマが走っていた。年に一度はお墓参りをするという習慣というものが、ここにはあったのだ。

FOR THE FLAG 2004/8 #4 

2004/8/29 

◆ サイクリング
 友人とサイクリングをした。それにしても、誰かと一緒に自転車で走るなんて何年ぶりのことだろうか。小学校とか中学校の頃だったならば、どこかに遊びに行くときには当然のように自転車を使い、当然のように競争したりしていたものだった。
 特に小学校の頃には海の近くに住んでいたことがあり、自転車で砂浜まで走らせるのが、ひとつの「遊び」でもあった。楽しかった。
 歳を重ね、いつのころからか自転車には乗らなくなり、誰かと一緒に走ることもなくなった。
 友人とのサイクリングは不思議な感覚だった。ひとりなのだけど、ひとりではない。僕が前を走っていたのだが、相手のことを気にするし、ときには話をしようともする。近くにいるのに、遠くようで。うまく表現することはできないが、歩いているのは違い、飲んでいるのとも違う感覚だったのだ。

◆ 図書館のお休み
 僕のいつも利用している市立図書館がなんと長い休みに入る。約1箇月「蔵書点検」でお休みとのこと。全く不思議なのだが、なんでこんなに長い時間をかけて点検やらを行なうのだろう。まあ、のんびりしていていいんじゃないかと言われれば、ちょっとだけ思わなくもないが、民間の企業だったら潰れてしまうだろう。僕だって長い休みをとっているのであまり強くは言えないが(笑)、せめてこの期間だけでも貸し出しの冊数を三倍くらいにしてもらえたらと思うのだけどね。
 まあ、なんとかこの市立図書館から5冊の本を借りてきていて、このひと月に備えようとしているところ。読み終えたら、別の図書館に行くかもしれないかな。でも、所有していてまだ読んでない本がまだまだいっぱいあるのだけどね。

◆ 悲しきパソコン
 東京で女子大生をしている姪っ子(けっこう可愛い)のパソコンの買い物に付き合った。なぜか本人はあまり買う気がなく、母親の方が「パソコンも使えなくては困る」と焦って買わせるという、なんとも複雑な話なのだが(笑)。
 値段がそれなりに安く、ノートということで、だいたい決まってしまったのだが、その性能に僕は驚き悲しい気持になってしまった。
 だいたいにしてよく人に話をするのだが、僕が最初にパソコンを手にしたのは就職後2年か3年してから(その前にワープロというものを買っているが)。ローンを組んだのだが、プリンターやモデムも含めて80万円ほどした。しかも、ソフトなんて付いていない(笑)。だいたい僕のこの買い物に対し、親は「何を無駄なものを、結婚の費用をためないと」とか散々冷たく言われ、いとこのお姉さんにも「オタクだぁ」なんて言われたものなのだった(涙)。
 それが今は、1円のお金を出すこともなく親に買ってもらい、その上性能はCPUが2.40GHzもあり、ハードディスクが80GBもあったりする。
 僕が一年前に苦労して買ったパソコンの性能はこの半分もない……。
 そんなわけで僕もパソコンを欲しくなっている今日この頃なのである。外にパソコンを持っていくことなんてほとんどないのに、B5のノートパソコンを使っているのも何か変な感じがするんだよね。

◆ 変化
 急に寒くなってきてしまった。ひ弱な(笑)僕はまたまた風邪を引いて寝込んでしまった。やれやれ。でも今回の風邪で布団というか寝る場所を若干変更したので、これからは少しは大丈夫になるのではと思うのだが。
 風邪の良くなった頃、たまたま耳鼻科の予約の日があり、先生に風邪を引いたことの話をした。するとこの先生、オリンピックの100メートルで走り終わった後の選手の体温がどのくらいか知っていますか? と聞いてくる。40度を越え、42度くらいになったりしているのだという。つまり、38度くらいの熱というのは、精神的な部分もあるんだよーと言いたかったらしい。若干むかついたりもしたが(笑)、何事もマイナスに考える傾向にあるのも事実で、これからはちょとの風邪くらいで参らないような強い気持を持って生きていこうと思うのであった。
 それにしても寒い(笑)。8月の終わりはもう夏ではなく秋なのだった。いや、秋というよりも冬がすぐそこに近づいているという感じさえする。東北の山の中ということで、さすがに季節の変化というものを感じてしまう。
 僕が4月に越してきたときにはまた雪があったのだ。6月くらいまでは、遠くの山は白かった。7月、8月の半分くらいまで「ああやっぱり夏は暑いんだなぁ」と半ズボンを履いたりしていたのに、もう秋である。ちなみに、ユニクロで1000の半ズボンを2本買ったのだが、こういうものを買うのは人生で初めてのことだった。部屋着としてトレーニング用の短パンみたいなものは履いていたが、外に出るのにあまりこうした格好はしない奴だったんだよね。変わるのは季節の変化だけでもなかったのか。

★★★ アテネオリンピック特集 ★★★
 正直なところ、僕はあんまりオリンピックというものに関心がないんだよね(笑)。まあ、そんな僕でもちらちらと見て感じたことがあったので。

◆ 感動
 僕はオリンピックというのがあまり好きではない。「オリンピックに感動しました」なーんて言葉は聞くと、ちょっと違うんじゃないかい、と思ってしまう方だ。もちろん僕だってオリンピックを見るし、ヤワラちゃんの勝利にはガッツポーズをした。けれど、オリンピック以外にだってスポーツのイベントというのはいくつもある。オリンピック以外のところにも、努力と栄誉と、涙するドラマはある。世界選手権やワールドカップなど単独の競技の大会だって面白い。それに、パラリンピックやスペシャルオリンピックスを、オリンピックと同じように「感動しました」と言ってくれたならば何も言うことはない。
 ひねくれた僕がどうにもイヤだなぁと思ってしまうのは、メディアで「感動」を煽ってしまっているところだ。小説には「感動」なんて言葉が出ることはない。受け取る側がどういう気持を持つかだけだ。
 考えてみると僕はオリンピックと関係のない、モータースポーツとかプロレスなんかが好きだった。サッカーとか野球もあんまり関係ないほうだしね。

◆ 柔道着
 柔道を見ていて思ったのだが、やっぱりあの青の柔道着は違うのではないか。最近はやっと慣れてはきたけどね。
 あの柔道着のときにかなり議論になったとは思うが、日本は孤立してもいいから反対するべきだったのだ。例え、オリンピックに出られなくなったとしても。国際化の時代にはそれなりに協調していくことも大切である。しかし、やっぱり違う。例えば、フェンシングで青のユニフォームというのは考えられるだろうか。向きが決まっているのでどっちも同じ白でもかまわないわけだが、フェンシングに青はおかしい。多分、ヨーロッパの人たちは騎士道精神がどうのこうの、なんて言って怒り出すのではないだろうか。
 変わっていいものと、変わったら違ったものになってしまうものとがある。柔道着が青になって、何も変わってないと言われたならばそれまでだけど。けれど、やっぱり違うんじゃないかな。

◆ 長所と短所
 オリンピックを見ていてどうにもツマラナイというか、可哀想だなぁと感じることがある。例えば野球やサッカーを見てのその観客の少なさだ。5万人とかの観客の中でいつも試合をしているプロの選手から見れば、ガラガラのスタンドので試合というのはどうしたものだろうか。いくらテレビを通して多くの人が見ているといっても、何か違っているんじゃないかと思えてしまう。多くの競技が同時に開催されるというのがオリンピックのいいところではあるが、こうした観客の数を見ていると、オリンピックが最高峰とは感じられないわけだ。では、多くの競技が行なわれる長所がいかされているかというと、多すぎてちゃんと見ることができないというツマラナサがある。例えば、自転車競技なんて、ちゃんと最初から最後まで見た人はいるのだろうか。ちゃんと放送されているのかさえ、よく知らないのだけど。メダルを取った競技だけが、ダイジェスト版のような感じで、その部分だけが放送され、「感動」という言葉で簡単に語られてしまっているように思えてならないのだ。
 ではどうしたらいいのだろうか。そうだ、いいことを思いついた。オリンピックというのは夏の大会と冬の大会とに分かれている。もう少し分けてしまえばいいのだ。夏とは別に秋のオリンピック大会というのを作る。真夏に競技をやるよりも、秋にやった方がいいものもあるはず。選手にとっては4年に1度のオリンピックだけど、観る側にとっては冬の大会も含めれば3度楽しめる。オリンピックというものが人気があるみたいなので、これはけっこういいアイデアではないかと思うのだけどなぁ(笑)。だめだろうかね。

◆ 深夜の興奮
 女子マラソンで野口が金メダルを取った。めでたいことである。なにせ、うちの母親も夜中に起きて応援していたくらなので、ほんとうに良かった。日本勢が惨敗だったらな、日本のあちこちでは夜更かしをして不機嫌になって死んでしまった、という老人がいっぱいでたのではないかと思うのだ。
 さてさて、女子マラソンだけでなく他の競技もけっこうなメダルラッシュの様子。世間でも感動という声ばかりが聞こえる……。
 そんなとき僕が気になっているのは、このあとの国民栄誉賞などなどの政府の対応なのであった。僕はスゲーひねくれた奴なのだろうね。

◆ アニマル浜口
 女子レスリングの浜口京子の父親というのはどのくらい知られているのだろうか。あのアニマル浜口である。彼の現役時代の姿を見たという人はもうあまりいないのかもしれない。
 最初は国際プロレスというところにいてあまり目立ってはいなかった。ところが、新日本プロレスで長州力とタッグを組んでから脚光を浴びてきた。このタッグはほんとうに勢いのある記憶に残る名タッグだった。その後、全日本プロレスに移ったのだが、ジャンボ鶴田とのシングルマッチを僕は忘れることができない。はっきり言って勝負は一方的だった。その頃の鶴田はめちゃくちゃ強かったのだが。負けた浜口はでかい声で「マケター」と言った。それはすごい潔いもので、今だに記憶に残っている。

◆ J−1
 なぜか柔道の試合はいくつか見ていた。よく見ると柔道というものは面白かった。スポーツを見る、ということでいえば、PRIDEなどのヴァーリツードの試合よりも面白いのではないだろうか。
 そこで思う。柔道のプロの大会をやって欲しいと。別にプロでもアマチュアでもいいのだけど、K-1みたいに、選ばれた8人によりワンナイト・トーナメントをやるのだ。無差別級で、試合時間も15分くらいに拡大して。大晦日に放送すれば、他の格闘技イベントにも紅白にも勝てるのではないか。

◆ プロ野球
 野球、なんと日本は準決勝でオーストラリアに負けてしまった。他の競技だったならば「頑張っただろうにお疲れ様」などど声をかけたりもするだろうが、唯一野球は違うはず。日本にとって、野球はオーストラリアに負けてはいけなかった。
 子供の頃からずっと野球を見てきたのだ。長島や王や星野を見てきた。メジャーリーグにはかなわないかもしれないが、その次くらいには間違いなくチカラがあるとずっと信じてきた。それが負けたのだ。大きなものが崩れてしまった感じがあった。
 野球というものが強者が必ず勝つというスポーツでないことは十分知っている。ペナントレースの優勝チームの勝率だって6割ちょっとだ。
 けれど、億という年俸をもらっている夢のあるプロスポーツ選手が、半分アマチュアといっていいオーストラリアに負けたのだ。1度だけでなく2度も。しかも、相手は準決勝の相手として日本を選んだ。
 これは弱かったと認めるべきではないか。アトランタオリンピックのサッカーで日本がブラジルに勝ったときに、「マイアミの奇跡」と呼ばれた。ドーハで負けたときには「ドーハの悲劇」なんてものあったか。
 このオーストラリアとの試合は何と呼ばれるのだろうか。日本のプロ野球がこの先100年くらいは忘れていけないものなのではないか。僕は「ギリシャの惨敗」と呼ぶべきだと思う。
 どんなにこのアテネオリンピックで日本人選手が活躍したとしても、この野球の敗戦を考えてしまうと、まったく面白くないオリンピックだったとしか思えない。

◆ 野球のシステム
 日本がイタリアに快勝した。サッカーではない。野球の話だ。日本にとっては野球とサッカーが2大プロスポーツという感覚があるので、サッカーでイタリアに負けても、トータルでは日本はイタリアより強いんだゾ! なんて感じになってしまうのだった(笑)。
 それにしても。野球がオリンピックの競技というのはやはり無理があるのではないだろうか。8カ国が出ているわけだが、あまりにも実力さがありすぎる。多くの地域が参加したほうがいいということもわかる。けれど、最高峰の舞台であれば、コールドゲームなんてあって欲しくない。
 ところで、何でリーグ戦の後に、準決勝、決勝という方式で優勝を決めるのだろう。野球というのは1試合で決めるにはあまりにも酷なスポーツのはずだ。例えば、参加が8カ国であれば、2戦ずつの総当りのリーグ戦のみで優勝を決めればいい。日程が厳しいのなら、参加国を減らせばいい。サッカーのような方式でやる必要はないと思うけどね。

◆ ギリシャ?
 ちらりとした見ていないのだが、トライアスロンのバイクの景色が美しかった。これこそがギリシャという感じで、はじめて「ああこのオリンピックがギリシャなんだな」と思ったわけだ。
 例えば陸上などの行なわれるメーンスタジアムなんて、それだけを見てどこの国かなんてわからない。室内競技であればもっとわからない。ほんとうにその国というものをテレビの画面を通して感じられるのはマラソンとか自転車のロードとか、かなり限られてしまうように思える。
 もっと、街を感じさせる形で競技があればいいのに、と僕なんかは思ってしまう。

◆ メダルの数
 毎回オリンピックではメダルの数というものが話題となる。申し訳ないけど、これには全く納得できないというか、わかしなことをやっているとしか思えないでいる。例えば、体操競技というものを考えてみると、団体競技の他、個人、種目別と、男子だけで8個の金メダルがあるわけだ。当然のようにひとりで複数のメダルを取るチャンスがある。これとは別にサッカー、バレー、野球などの団体競技では、いくらがんばってもメダルは1個としかならない。体操を考えるならば、野球の首位打者が個人の金メダルをもらってもいいのではないかと思える。野球のメダルの数を9個と考えたりしてくれるのならば、ちょっとは理解できるのだけどね。
 本当に、国別で優位を競うのであれば、メダルの数を何らかのポイント制に変えるべきなのだ。

◆ ミュンヘン
 オリンピックというと思い出すのはミュンヘンである。まだ生まれていない、なんて声も聞こえてきそうだけど、とにかくミュンヘン大会こそが最高のオリンピックと僕の中にはなっている。
 でもまだ小学生だったわけで、そんなに記憶があるわけではない。テロ事件があったことと、男子バレーボールが優勝したということの2つだ。
 前者のテロ事件は微かに記憶に残っているのだ。そのことを思い出すたびに、オリンピックと政治というものが切り離して考えることのできないものだということを感じる。もちろん、別のものだろうし、そうであるべきものだ。けれど、どんなに正しいことを言ったとしても、世界のあちこちでは紛争があり、オリンピックだって巻き込まれる可能性はある。オリンピックだけが別だと主張しても仕方が無いような気がするのだ。
 後者の記憶、男子バレーボールは「ミュンヘンへの道」という実写+アニメのドラマとは無関係ではない。ある意味でドキュメンタリーのようなドラマが毎週放送されていて、それを楽しみにして見ていた。身長などの身体的能力ではライバル国に負けてしまう日本は、いろいろなクイック攻撃を作り出していく。それがめちゃくちゃ面白かったのだ。
 オリンピックのある深夜、僕は母親の起こされた。日本とブルガリヤが死闘とも言える戦いを繰り広げていた。当時のブルガリアは東ヨーロッパの社会主義国で、ほんとうに遠い印象しかない国だった。日本はその試合を勝ち、決勝戦でも勝利し金メダルを手にした。
 今になって振り返り考えてみても、凄い金メダルだった。



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