DOLPHINHOTEL
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DOLPHIN HOTEL 読書夜話2004年12月

THE WIND WILL CARRY US 2004/12 #1 

2004/12/17 

◆ 山の上からの景色
 紅葉の写真をいっぱい撮るぞ、なんて思っていたら、あっという間に紅葉は終ってしまったようだ。
 雨の日が多い毎日だったのだ、最後の秋の景色を見ようと近くの山歩きをしていた。前日の雨のために、まだ地面は濡れていた。枯葉が山道にいっぱい落ち、濡れ落ち葉となっている……。ちょっと前までは美しい景色をつくっていたのに。それを踏んづけて僕は歩いているのであった。ああ、濡れ落ち葉とは何と残酷なネーミングなのだろう。

 1時間くらい歩いただろうか。山のずっと上の方に神社があり、街を見晴らすことのできる公園のような感じになっていた。子供の頃に、小学校の遠足か何かで一度来たことはあった。けれど、ほとんど忘れているわけで、ほぼ初めて見るような風景。曇っていてちょっと残念だったが、なかなかいいところだった。

 またこの場所に来ることにしよう。それぞれの季節に。子供の頃には、近くにこうした場所がある良さというものが全くわからなかった。僕もちょっとは成長したのだろうか。

■ ビデオ『同居人/背中の微かな笑い声 NATURAL ENEMY』ダグラス・ジャクソン監督 [FOXJAPAN]
 サイコ・スリラーという映画。ある意味での復習のために、何人もの人を殺害するというお話。怖いというよりも、気味が悪かったというか、あまり後味が良くなかった。ドキドキを楽しむのであればいいのかもしれないが、あまりにも可愛そすぎる人生に思えてしまって……。

◆ とろろ
 今年僕が好きになった食べ物に、山芋がある。普通にとろろと呼んでいるのだが。以前の僕だったら、自らが食べるということはなかった。納豆は別にして、ネバリ系の食べ物は苦手なのだ。ところが、親戚からおみやげにもらった山芋がめちゃくちゃ美味くて、一夜にして好物へと変わってしまった。山芋の中にも、いろいろな種類、味があるけれど、ネバリの強い奴ほど美味い。自然の中で培った美味さが、とことん詰まっているという感じがするのだ。

 今年も残りひと月を切った。いろいろな食べ物が好きになった1年だった。ひょっとしたら、来年もまた新たなる出会いがあるかもしれない。あまり、食わず嫌いにならずに、いろいろなものを食べて行きたいと思っている。

◆ 忌野清志郎!!
 雑誌『一個人』(KKベストセラーズ)(http://www.kk-bestsellers.com/magazine/ikkojin/)の1月号を購入する。ああ、もう2005年なんだね。それにしても、どうして雑誌の月って、いつもひと月先なのだろうか。いまだに僕はわからない人生を送っている。

 なぜこの雑誌を買ったか。特集が四国遍路だったからだ。ちょっとガッカリ、とてもビックリ、というのが僕の感想だった。
 ガッカリというのは、ページ数少ない。17ページでこの号のメインとなるほどの特集にはなっていなかった。やはり特集するのであれば、もっと大々的にページを割いて欲しい。僕は購入する気でいるのだから(笑)。
 ビックリというのは、この特集の最初にいきなり忌野清志郎が出ていたことだ。しかも、ピチッとした派手派手のサイクリングパンツに菅笠を被っている(笑)。「発心の道場」と呼ばれる徳島県の第1番から室戸岬にある第24番の最御崎寺までを、自転車で走る旅が載っていた。ロードレーサーで走る姿のカッコいいこと。

 四国遍路というイメージがまた変わっていくのではないだろうか。忌野清志郎とロードレーサーだ。もちろん、四国は誰でも、どんな形でも受け入れてくれる。僕の歩いた景色が、この中にはあった。それはほんとうに嬉しいことだった。

◆ シクラメンの香り
 シクラメンが送られてきた。友人が僕のために(涙)、送ってくれたのだ。なんとも驚いたのは、その梱包だった。大きな箱に、鉢のある下の方がガッシリと押さえられた状態で、花全体がぶつかることのないように、ダンボールで覆われているような形になっていた。
 そうかそうか、こんな風に花は送られてくるのか。最初はシクラメンよりも、その箱の方に関心がいっていた。
 箱には次のような文字が書かれていた。

「お花がはいっているので 大切に扱ってください。」」

 しかし、自分の部屋に花が咲いているというのは、なかなかいいものである。ちょっと元気がなくて心配だったりしているが。
 それにしても、あまり香りは感じられないのだけど。

◆ アスパラの根っこ
 畑仕事というものをやった。大汗を掻きながら土を掘り起こしていたのだ。
 どうにも、うちのアスパラは小さい。もっといいものを植えかえすれば、美味しいアスパラになるのだ、と母親に促され手伝いをすることになったのだ。ずぼらな正確な僕だけれど、美味いものを食べるたべには何でもやろうという気持になる。

 それにしても、このアスパラという植物には驚かされた。根っこが凄いのである。例えば、映画『天空の城ラピュタ』の根っこのような雰囲気。大きいのは両手で持つくらいのものとなっていた。あの根っこの上に、ちょぼんとアスパラが生えるのかと思うと、しみじみとする。土の中とは何と不思議な世界なのだろうか。

 この根っこを取り出し、いいものと悪いものとを選別し、キチンと列をつくり植え替えてやった。言葉で書くと簡単だけれど、どれだけの汗を流しただろう。ほんのちょっとなんだけど。

 今から春が待ち遠しい。

■ 西部直樹著『1分間「相手をやり込める」技術』(成美文庫)
 人と話をしていて、相手に理解してもらえないことということは、悲しいくらいに多い。合わないんだ、と割り切って一生そうした人とは関わらないというのもひとつの生き方のように思えたりする。しかし、誰も友達のいない人生になりそうな気もするし……。ああ、人間関係は難しい。

 この本の面白さは、誰もが(たぶん)ぶつかるであろう人との人とのコミュニケーションの話がいろいろな例と共に書かれていることだろう。
 会社で仕事をしても、わからない上司というのはいる。バカな上司、で終ってしまったならば会社を辞めるしかなくなってしまう。バカな上司でも、何とか自分の意見を通すための、具体的なテクニックというのかな。かなり使えそうな話はいっぱい書かれてあった。
 しかし、世界中の上司という存在をやり込めることができたとしても、自分ところの上司だけは絶対無理だな、と思っている読者は多いのかもしれない(笑)。

 具体的な例ということで面白かったのは、夫婦の会話についてなどだ。これなどは、「どうにも奥さんの機嫌が悪くて」という男性にとって、必要不可欠な技術ではないかと思う。

 著者の西部直樹氏(http://nands.way-nifty.com/)には、テレビ朝日「たけしのTVタックル」にコメンテーターとしてぜひ出演して欲しいと思ったのだが……。

◆ 温泉ガイド
 めちゃくちゃ面白いウェブサイトを見つけた。「赤ちゃん子連れ温泉ガイドGOGO地熱愛好会」(http://spa.s5.xrea.com/index.html)というところ。
 僕の家の近くの温泉について調べていて、たまたま見つけたのだけど、その温泉日記の分量たるや、ここまで書くの!というくらいの驚嘆してしまうほど。
 写真と詳細なレポート。それがマニアックな温泉紹介ではなく、心から楽しんでいる様子が伝わってくるのだ。

 しかも、ただの温泉好きではないタイトルの通り、子連れである。普通だったら大変で遠出はあまりしないところではないだろうか。それがあちこちに出かけていく。「子供や赤ちゃんと温泉に入るときのマナー、注意について」なんてコーナーもある。
 それだけではない。家族旅行は高くなると思ってしまいがちだが、かなり安い温泉旅行を楽しんでいる雰囲気。

 とにかく、温泉旅行に行きたくなりますね。

■ ビデオ『ぼくの神さま EDGES OF THE LORD』ユレク・ボガエヴィッチ監督 [ムービープラス]
 主演は『A.I.』のハーレイ・ジョエル・オスメント君。眼がくりくりして、可愛らしいといえば、可愛い。
 けれど、この映画はけっこうハードなのであった。何せ舞台はナチス占領下のポーランド。彼は、ユダヤ人の少年で親元を離れ、小さな田舎町に送られていた。子供同士の争いなどもあり、まあまあ興味深く観ることができた。
 けれど、英語を話していることを許すとしても、アメリカから見たキリスト教の世界に、子供たちを押し込んでいるような感じがしてしまい、どうもすっきりしなかった。
 主人公の少年は生き延びるために、ユダヤ教徒ではなく、キリスト教徒の真似を覚えたり、そうしたことがこの作品のテーマと言える部分ではあるのだが。
 この映画がポーランドの視点から作られたなら、どうなるのだろうか。そんなことを考えてしまった。

◆ 理想のトイレ像
 TOTOで、女性が考える「理想の飲食店トイレ像」という調査(http://www.toto.co.jp/company/press/2004/12/09.htm)が行なわれたのだが、これがとても興味深いものだった。
 ぐるなびに協力してもらってのWEB調査ということなので、やや偏った調査のように僕には思えてしまった。

 何よりも、「最低限望むのは、男女トイレが別々であるということのようです」なのだそうだ。「男女別々のトイレの期待度は96%と圧倒的に高い数字でした」と。このことに関してはグラフにもなっていない。全くこの結論しかない、という様子。
 しかし、本当にそうなのだろうか。ぐるなびには載っていないが、僕がよく行く飲食店というのは、スターバックスであった。酒を飲む店ではないが、多くの男女がこの店には来る。しかし、スタバのトイレは男女共同である。当たり前のように男女共同で、ドアのところで他人の男女が自然に、「すみません」なんて声を掛け合ったりしていた。

 こういう状況というのは、女性にとって「最低限望む」というほど嫌だったのだろうか?

 例えば、最近流行りのカフェ。小さな店であれば、当然のようにトイレは共同である。しかし、別でなければいけないだとうという感覚はたぶん無いだろう。自然に男女共同のトイレとなっている。

 いいお店で、男女共同のトイレでも違和感のないところは、間違いなくキレイだ。ただ単にキレイだというだけでなく、独特のインテリアセンスがある。

 しかし、残念ながら多くの飲食店と呼ばれる店のトイレは、そんなにキレイではない。インテリアだって、酷いところが多い。

「理想の飲食店トイレ像」を逆に考えてみたい。つまり、「理想の飲食店」とは何か。それは、男女共同トイレでも何ら問題のない清潔感とセンスに満ちている店、と言えるのではないだろうか。

 ちょっと怖いけど、女性の皆さんの意見を聞いてみたかったりする。

◆ 晴れたらイイねッ!
 毎週楽しみにしているテレビ番組がある。フジテレビ系で日曜朝に放送されている「晴れたらイイねッ!Let`sコミミ隊」がそれ。
 わかりやすく言うと旅番組だ。年配のレポーターが歩くような旅番組ではなく、若者3人組のところがいい。そこには自由な行動が満ちているのだ。立派な温泉とかも出てくるけれど、それよりも安く、親しみのもてるような場所ばかりが出てくるように思う。別にお金なんてなくったって、旅は十分に楽しめるぞ、という雰囲気がある。

 コミミ隊のメンバーは一応決まっているようだが、毎回少しずつ変わる。基本的には3人。男性がひとりで女性がふたり。逆のときもあるか。これがたぶん男性ふたりと女性ふたりだったら、何かが違ってくるのだと思う。男女が一緒になった3人というのがいいのだ。

 たぶん、こういう3人の組み合わせで旅をした、なんて経験を持つ人はいるのではないだろうか。3人だから恋愛には行かない(そのときは)。ある意味で、男女の友情も、旅も楽しめるような感覚。
 もちろん、こうした旅は1回だけで終わり、その3人の関係は破局へと向うのかもしれないが(笑)。

◆ 脳を鍛える
 このところ書店に行くと、かなり目立って置かれているのが、脳を鍛えるドリルといった感じの本である。例えば、「脳のリハビリ訓練ドリル」「脳を鍛える大人の計算ドリル」など。子供向けのも数多くあるし、百ます計算のドリルもある。
 やれやれ、こういうのをやっている人はいるのか? 大変だなぁと他人事のように思う。

 実は僕も持っていたりはする(笑)。自分ではやらないけど。こういうことに意味が無いという気はない。どちらかというと、とても重要だと思っている。けれどやっぱり違うんだよ。例えば僕が学校で毎日百ます計算をやらされたとしたら、たちまち登校拒否となっていたかもしれない。
 ある程度はやる価値があるが、それ以上やる価値はない。それが僕の見解である。

 なぜ、価値がないと考えるのか。
 最近の大学生はとても学力が落ちたと言われている。大学生でなくても、全体的に学力というものはかなり落ちてきていると、言えるのではないか。脳を鍛えるドリルなんてものが流行っていることが、学力低下の証明であるとさえ思う。
 昔はこんなものは無かった。勉強しなくても、鍛えられた強靭な脳があった。だから別に多くの時間勉強しなくても、それなりに学力はあり、読書力もあった。仕事もできた。

 それはなぜか。
 遊んでいたからだと思う。真面目な話。何の遊びかと言えば、麻雀だ。昔の時代の大学生と言えば、麻雀ばかりしていた、というイメージだろう。学生だけでなく、仕事の合間に麻雀ばかりなんてこともよくあったはず。麻雀の上手い奴は、勉強も仕事も良くできる、と言い切ってもかまわないだろうと僕は考えている。

「脳を鍛えるドリル」というものの、目的、その効果などを考えていくと、間違いなく麻雀に行きつく。視野、記憶力、推測、計算、瞬時の判断力、長時間の集中力……。ただの遊びではなく、お金を掛けたなら、その集中力・効果は倍増するだろう。
 つまり、百ます計算や脳を鍛えるドリルなんてものを使わなくても、麻雀をやることによって、そうした脳を鍛えることをやっていたのである。何倍もの効果を得ながら。

 麻雀だけでなく、将棋、囲碁、百人一首なども、同じように脳を鍛えていたと思う。あくまでも僕の考えであるが、統計を取っても、こうした結果が出てくるのではないか。遊ばなくなったことによって、学力が低下したと。

■ ビデオ『ストランデッド』ルナ監督 [ムービープラス]
 火星有人探査というSF映画。ハリウッドではなく、スペイン映画というところがミソ。
 つまらないところは酷いが、面白いところは面白い。

 まずは酷いこころ(笑)から。火星着陸時に事故を起こしてしまい、5人の乗組員が立ち往生してしまう。宇宙船は故障してしまい修理は不可能。1年間ほどは生存することは可能だが、地球から助けが来るには1年以内には無理。何をやったらいいのか、死への恐怖、どうやって生き残るか……。こういう人間の内面を描くようなところがこの物語のウリみたいなのだが、僕には全く酷いという印象しかなかった。この5人の宇宙飛行士はみんな普通すぎるみたいで。楽観的な人間、悲観的な人間、いろいろなタイプがいる。それはわかる。でも、宇宙飛行士になる人というのは、こうした極限の状況でもかなり前向きに対応できるような人がなるのではないかと単純に思ってしまうのだ。例えば、この宇宙飛行士の中に、F1のミハイル・シューマッハがいたならばこんな会話にはならないだろう、と。

 そうした強靭な人間にでも極限の状況では変わってしまうのだ、というお話であれば十分に理解はできる。しかし、そこまで表現された世界にはなっていないな、というのが僕の感想だった。

 面白かった点は、とても褒めたい(笑)。たぶん、ハリウッドのSF映画だったらありえないような展開。展開しない展開というのか……。中盤は退屈だったけど、後半からラストにかけては十分に楽しめた。面白かった。
 たぶん、サンリオSF文庫とかが好きな人は、この映画が好きになるのではないだろうか。

◆ ムラカミハルキ!!
 何度か『アルネ』(http://www.iog.co.jp/arne.html)という雑誌を紹介してきた。大橋歩が企画編集写真取材をしている、とってもマイナーが雑誌である。
 この第10号が送られたきた(年間購読をしている)のだが、なんともびっくりな特集があった。表紙にその特集のことは出ていない。たぶんそれは意図してのことだろう。

 特集というのは「村上春樹さんのおうちへ伺いました。」というものだ。なんと10ページにもわたって、ムラカミハルキのあちこちの部屋の写真が紹介されている。書庫、仕事部屋、窓からの景色、台所、昼食の写真なんても……。

 もう感激の写真ばかり。そしてなんと言っても凄いのは、トライアスロン用の自転車も大きく出ている。

 たぶん、この特集を知っているムラカミハルキファンって、あんまりいないのでは? とにかく「好きな雑誌」と「好きな作家」と「好きな部屋」と「好きな自転車」と、僕のための特集ではないかと思い、感激のしまくりだった。

 それから、この『アルネ』という雑誌。書店で買うよりも年間購読の方が断然お得です。今号には年間購読の者だけに「2005年カレンダー」というのがプレゼント。これがなかなかのシャレたデザイン。今、日本中に捨てるほどのカレンダーが出回っているけど、このカレンダーはぜひとも部屋に飾りたいものです。

◆ インターネット
「突然のメールで申し訳ございません。率直に言わせていただけば既婚者である私と割り切った関係を持って頂けませんか?」
 というメールがあったりする。受け取っているのは、僕だけなのだろうか、などとたまに腕を組んで考え込んだりする。「ああこのメールの返事を出したら彼女はきっとやってくれる。きっとキレイな人なんだろうなぁ」なんて。
 はいはい、わかっています。返事のメールを出したりはしてません。

 インターネットというもの以前の時代、パソコン通信というものがあったとき、掲示板というものがこうした情報の場だった。今の掲示板とはちょっと違う。ニフテイには分野別の掲示板があり、例えば「お友達募集」みたいなものがいっぱあった。ドルフィンホテルもそうしたところで広告を出していたのである。野郎である僕が書くよりも、女性に書いてもらった方が人が集まるだろうと、女性に書いてもらったこともあった。
 その頃から、掲示板に載せられている情報のほとんどは、怪しげなものばかりだった。

 しかし、インターネットに夢を見る人が、はじめてメールアドレスを取って危ないメールをもらったりしたら。やっぱりかなり堪えるだろうと思ったりする。もうこんな世界から離れたい、と思う人だっているはずだ。僕みたいに、
 けれど今の時代、インターネットを繋いでいなければ、何かと不便な雰囲気にもなってきている。

 便利な時代になっている、とは言えないような気もしている。


Across The Universe 2004/12 #2 

2004/12/19 

◆ 大人と子供
 絵の展覧会というものに行ったことがあった。有名な画家のものではなく、県で行なっている展覧会だ。つまり僕の住む県で、絵の好きな人の多くの作品が展示されていたものだった。
 あまりこうした絵を見ることはなかったので、それなりに興味深く見ることができた。

 絵というものをじっくり見ていると、小説などの世界と共通したものを感じたりするのかもしれない。よくわからないし、ほんの少しばかりそうした入り口のようなところで思ったことだ。

 そこには、何らかのテーマがある。ひと言では言い表すことができないけれど、胸の奥のところに引っかかったり、一生忘れることのできないような風景や表情だったり。そういったものを、何らかの方法で表現する。いい作品というのは、そうしたテーマをしっかりと見つめたものではないだろうか、と。

 入選作ばかりが展示されていたわけで、技術的に優れた(と言っていいのだろう)作品は多かったのだろう。けれど、正直なところ、見る側に対して何かを訴えかけるような、強い印象を与えてくれる作品は少なかったように思う。

 この展覧会には、子供の作品も多数展示されていた。小学生の作品など、技術的にはお世辞にも上手いとは言えないものもある。けれど、そうした作品の方が、実は大人の描く絵よりも断然深い印象があった。笑顔であれば、ストレートにその嬉しい気持が僕の方に伝わってきていた。

 表現することには、テーマをどう追求していくかという部分と、技術的にどう表現するかという2つがあると思う。大人になっていくことで、技術的な向上というのはあるのだろう。しかし、テーマに対しての追求という点では、だんだん低下していくように思えた。

 絵だけではない。どんな分野にも言えることなのかもしれない。

■ 林望著『イギリス人の食卓』(角川春樹事務所タンティエ叢書)
 林望の著書は初めて読んだ。なかなか面白いではないか。イギリスの料理はあまり美味しくない、よく言われることだ。そうしたことについて、けっこう詳しく書かれていて、食事を取るということが何なのかを考えさせてくれる。

 食事という概念自体についても興味深いことが書かれていた。
「英語には、主食と副食というような概念が、そもそも無い。」(P40)のだそうだ。パンというのも、「何かをのせるための台」と評した方が、なんてある。

 他に面白かったのは、ホテルでのサービスについて。日本のホテルでは「お持ち帰り」というのは禁止されているらしい。食べ切れなかったものを、部屋に持って帰りたいときだってあるはずなのに。イギリスでは、全くもって柔軟な対応がなされるという。なるほどなるほど。
 しかし、僕はちょっとばかり反論がある。「日本のホテル」がダメだというのは間違いだ。田舎の旅館では、けっこうOKなところが多い。東京なんかの、お高いフンイキのホテルがおかしいんだよな。

◆ ショートケーキ
 もらったショートケーキを食べる。美味い、美味い。どういう名前のケーキかはわからないけど、やっぱり美味い。たまーにしか食べないが、午後のちょっとした贅沢という感じが、気持までも贅沢にさせてくれるぜ。
 しかし、僕は食べながら悩むことになった。口の脇についてしまったのを、ティッシュペーパーで拭いたときに、その悩みが僕を襲った。

 悩みの元は何かというと、ゴミだ。ティッシュペーパーは燃えるゴミなので何ら問題はない。問題はまわりを覆っていたセロハンだった。これを捨てるときにどうしたらいいものか。燃えないゴミであることは確かだが、このクリームを付いた状態で燃えないゴミグループに入れるのは気が引ける。やっぱりちゃんと洗わなくてはならないだろうか。しかし、セロハンといもは洗い難い。問題はセロハンだけではないぞ。下に敷かれている銀紙は燃えないゴミでも、資源の方のグループに入るだろう。これも洗う必要がある……。
 洗うのは面倒だ。しかし、市役所のゴミの説明本には確か洗って汚れを落とすように書いてあったはず。

 なんで、ケーキを紙の材質で包まないのだろうか。見た目とかいろいろと問題はあるのだろう。でも、何だか面倒な気持になってきたぞ。ああ、他の人はこんなことで悩まないのだろうな。僕だけだろうか。何と僕は悲しい生き方をしているのだろうかと悩みは深まる。

■ 野口悠紀雄著『ホームページにオフィスを作る』(光文社新書)
 さらさらと読める本だった。それだけ中身のないということだろうか……。でも面白く読めたことは確か。ちゃんとタメになったこともある。
「ITビジネスは、多くの場合に、恐るべき金くい虫、時間くい虫になるのだ。」(P34)なんてのはちゃんと参考にしなければならない。「成功例はきわめて少ない」「幻想にすぎないのだ」と、インターネットを題材としながらも、ここまでホントのことを書いてくれる人はそんなにいないのだろうと思う。

 この本の中心として書かれていることは、「野口悠紀雄Online」(http://www.noguchi.co.jp/)という自分で行なっているサイトのスタート、構築についてだ。それだけに、具体的であり、興味深く読めるところが多かった。
 けれど、実際にサイトをみると、そんなに面白くもなかったけど……。まあ、これは僕の好みの問題か。

「初めてホームページを作る人は、まず自分だけが使うつもりで作るとよい。」(P38)
 このことが、たぶん一番大切なことなのだろう。素直に基本に戻る。どんなことでも同じなのかもしれない。

◆ 帽子
 全くもって恥ずかしながら僕という男は、20代の後半までジーンズというものを履いたことの無い奴だった。田舎の会社を辞め大学の時以来の東京に出てきて、そこで初めてジーンズを履くというモデルチェンジをした。どういう心境だったかはよく覚えていない。けれど、いくらかは新しい自分を探してみよう、という気持はあったと思う。

 さて、これも少しばかり恥ずかしい話だけど、半年ほど前まで僕は帽子というものを全く被らない奴だった。少年だった頃には野球帽を被っていたり、中学生のときにはわけのわからない帽子を被ることはあった。しかし、それ以降、帽子というものを被ったようなことは無いと思う。

 自転車に乗るとき、陽の光や雨を遮るということで、帽子を被る習慣がついた。外に出るときには、いつも帽子を被るようになる。先日東京に遊びに行ったときも、いつも帽子を被っていた。

 帽子というか、キャップとも言うのかな。部屋に掛けられるようにしていて、現在3つ掛けている。他に毛糸のものが2つある。そのひとつは奮発して買ったPUMAのものだ。他のはたいていユニクロで購入(笑)。
 その日の気分で、帽子を変えるのはなかなか楽しいものなのである。コレクションを少しずつ、増やしていこうと思っている。今年になって新しくできた僕の趣味なのであった。

 まあ、歳を取るにつれて、若くなっていると自分では思っていたりして。

◆ パンの保存
 東京からパンを買って帰ってきた。それを冷凍庫に保存している。少しずつ食べることにしたのだ。昼食のときに食べるのだけど、毎日ではなく、数日置きに楽しむ。冷凍したものをスライスして、少し時間を置けば十分に美味しく食べられるということがわかった。以前だったら、大きなパンもガツガツと全部食べてしまっていた。それはそれで楽しいのだが、スライスした数種類のパンを少しずつ食べるというのも、上品で(笑)楽しい食べ方だ。

 パンについての悩み(食べたくても美味しいパンが無かった)が解消し、新たなるパンとの出会いを求めたい気持でいっぱいである。パンについて、語りましょう。

■ ビデオ『動靴と赤い金魚 BACHEHA-YE ASEMAN / CHILDREN OF HEAVEN』マジッド・マジディ監督 [ムービープラス]
 密かにいい映画だという噂は聞いていた。このイラン映画が、こんなにも素晴らしいものだったとは。ほんとうに、お薦めの映画です。
 物語は特にない(笑)。貧しい家族。小学生の男の子アリと妹のザーラ。この2人がめちゃくちゃいい。特に、2人で運動靴を洗っているときの表情なんてものは、それだけで映画の歴史に残るようなもの。

 兄のアリが妹の靴を無くしてしまう。貧しく簡単に靴を買ってもらえるような家ではないので、親に言うことはできない。そうした中で、ささやかな出来事が起こっていく。もちろん、兄と妹は言い争い、喧嘩もしたりする。でも、スレていないのだ。そうそう、例えば子供の頃に楽しんでみていたテレビ番組の少年達を思い出したりする。

 たぶん、僕より上の年代の人間は、この映画の世界で泣いてしまうかもしれない。例えば僕なんかは、いろいろと上からのお下がりのものを与えられた。それは洋服だったりもした。恥ずかしながら僕の上は、姉だ。だからというわけでもないが、まいってしまった。この映画に。

 イランの街、生活というものが、とても身近に感じられる。狭い広場ではサッカーをやっていて、アリも誘われたりする。多くの人が貧しそうなのだが、富豪の住む街もでてくる。ニュースから流れるイランという国ではない。はじめてイランという国に接したような気がした。

 最近、韓流ブームというものがある。何はともあれ、日本と韓国は近くなった。いいことだと思う。どんなに政治的な問題があったとしても、テレビや映画を通して、お互いに国で生活している人の表情を感じることができる。自分の考えていることと、そんなに違わない。いや、むしろ、もっとも大切な部分で共感できるところがいっぱいあることに気づいたりする。

 僕がイラン映画から感じるのは、僕が子供の頃に持っていた、大切だと感じていた何かだ。
 日本とイランは、もっともっと近く、親しくなれる。イランブームというのが、ほんの少し先にあっても全くおかしくない。
 そして、イランだけでなく、中東の国の人たちとも。

◆ 食物繊維
 東京に一週間ほど滞在して約2キロほど太った。けれどそんなに量を食べたのだろうか、という疑問があった。夜などは確かにいろいろな店で食べ、飲んだ。それなりに贅沢なものも食べた。しかし、胃が小さくなったのだろうと思う。以前の僕と比べたならかなり少ない量。いや、それだけではない。どう考えても、行く前と帰ってきてからの田舎暮らしでの食事の方が大量に食べている。朝昼晩と、どう考えても腹いっぱいに食べている。

 さて、どうして2キロも太ったのだろうか。食べ物の中身が違う。ではどう違うのか。けっこう深く考えていたのだった。
 結論として、食物繊維の量の違いではないだろうか。野菜を多く食べるとかそういうことではなく、あえて食物繊維という言葉を使いたい。レストランなどで、野菜を食べようと注意しよう、というレベルではない。
 大根の葉っぱとか、とにかくそうした野菜や果物を腹いっぱい食べる。がばがばと。そうした食べ物は、いくらいっぱい食べても太らないような気がする。かえって身体の老廃物を取り除いてくれるような気もする。

 痩せたい、と思っている人はとにかく食物繊維の感じられる野菜をがばがばと食べてみてはどうだろうか。

■ 佐藤多佳子著『ごきげんな裏階段』(理論社メルヘン共和国)
 まだまだ若かった頃の作品だ。小学生くらいが対象になるのだろうか。児童文学と呼ばれるジャンル。1992年出版。ドルフィンホテルがスタートした年ではないか。ちなみに佐藤多佳子は僕と同じ年齢だ。

 3つの物語がこの本の中にはある。小さなアパートが舞台となって、その裏階段が不思議なところだったりする。子供というのはそういう裏側が好きだったりする。もちろん子供にだって、そうした場所が気になるタイプとそうでないタイプというのはいるだろう。でも、裏階段にちょっと目をやると、そこには面白いものがあったりする。

 この本を読んでそんなに面白いというわけではなかった。けれど、こうした作品があってはじめて、『神様がくれた指』や『黄色い目の魚』が出来たのだろうと思う。そんなことを考えていると、この『ごきげんな裏階段』がとてもいとおしい存在に思えてくるのだった。

◆ ミニ同窓会
 とある昼食、僕は出前のお寿司を食べていた。1200円のものだという。ウニにイクラもあり、なかなか美味しかった。やっぱりお寿司はいい。母が数人前のお寿司をとったので、僕にもちょっとまわってきたのだった(笑)。
 父が不在ということで、母は友人を家に招きちょっとした同窓会をやっていた。高校のときからの友人なのだという。直接会うことはなかったが、とても楽しそうな雰囲気は伝わってきていた。

 年に一回は温泉に行ったりするなどして集まっているのだという。しかし、みなさん家庭を持っていることもあり、なかなか家を空けることはできない。ということで、お昼ご飯を食べ夕方まで、ただひたすらお茶を飲んだりしてお話をするというもの。ぺちゃくちゃぺちゃくちゃ。

 それにしても、楽しそうだった。人生何が幸せか。やっぱりこうした心置きなく語り合える友を持つことではないだろうか。大金持ちになっても幸せであるとは限らない。親不孝な子供を持っても不幸せとは限らないではないか。やっぱり友を持つということが、その人の生き方を象徴しているかのように思う。

 この会合の会費はお寿司代の1200円だけだったという。ちなみに、カボチャのムース、パイナップル、チーズケーキなどの持ち込みお茶菓子も僕のところまでまわってきて、僕も嬉しかった。
 酒を飲まないと、ほんとに安上がりで済んでしまうんだね。

◆ 日本と中国の関係
 いま、両国には政治的に大きな問題がある。そんなことがニュースで取り上げられていた。例え一部の問題だったとしても、サッカーアジアカップのことなども思い出される。
 この数年僕の中で中国という国はとても近いものとなった。それだけに、政治的な距離というのがあるのは残念でならない。

 どうして中国が身近に感じられるようになったのか。それは映画によってだ。チャン・イーモウ監督の映画を観ることは、とても大きなことだったと思う。
 そのチャン・イーモウの新作に興味をそそられる。タイトルは「千里走単騎」、主演はなんと高倉健だ。雰囲気としては地味なヒューマンドラマとなるみたい。
 たまらなく、楽しみではないか。

 日本のラーメンが好きだというチャン・イーモウが、どんな風に中国の地で日本人を描くのか。
 中国と日本とが、この映画によってもっともっと近くなるような気がしている。

◆ キウイ
 今年好きになった食べ物シリーズはまだまだ続く。この数日、昼食時にリンゴと一緒にキウイを食べている。なんと家の畑というか、木というか、キウイがあるのだった。ぜんぶで20個くらい採れただろうか。半分ほどをもらい食べるようになったのだが、これがけっこう美味しい。
 キウイというと、サラダなんかにちょっと乗るくらいというイメージがあった。格好いい料理の出来ない僕は、1個をスライスして、そのまま食べている。何もドレッシングなんてつける必要はない。そのままガバガバと食べる。

 それにしても、このキウイは外観と中身が全く違っているような気がする。外観はほんとぶっきらぼうな感じ。でも、皮を向いて出てくるその素肌はなんとも美しい。味はキュートだし。
 冷蔵庫にあるこのキウイ、残りは数個。なんだか食べるのがもったいなくなってきた。

◆ Jリーグ・チャンピオンシップ
 2戦とも注目してテレビを見ていた。それにしても、さいたまスタジアムのときのレッズサポーターは凄い(笑)。どうせあのスタジアムを作るのであれば10万人収容可能なものにすればよかったのに、なんて思ったりもした。

 数日間のホームアンドアウェイという試合形式はなかなか面白いぞ、というのがとにかく一番の感想だった。だいたいにして、Jリーグ初年度のチャンピオンシップは国立競技場だったんだよな。やっとホームアンドアエイが定着してきたところで、チャンピオンシップが無くなるというのは残念なような気がしないでもないが、まあ良い意味での進化なわけで仕方が無い。

 雰囲気は面白かったけど、ゲームとしては何かが足りないという思いだった。よくよく考えてみると、浦和も横浜も、司令塔という存在感が薄い……。過去のJリーグでは、ラモス、ビスマルク、中田、中村、名波、小野など、司令塔がゲームを握っていた感じがあり、さかんにそうした司令塔という存在をマスコミも盛り上げてきたように思う。現に今の日本代表チームだって、司令塔に一番の注目が集まっている。もちろん、目だった司令塔がいなくても、別にかまわない。けれど、なんだかなぁという感じがしてしまっていた。

 話は戻って、ホームアンドアウェイについて。できれば、ナビスコカップなんかはホームアンドアウェイで決勝を戦ったら面白いのに、と思う。国立での1発勝負であれば、天皇杯と同じだしね。少しずつ、いい方向に変えていけばいいのだろう。

 ナビスコカップでなくてもいいのだけど、ぜひとも実現して欲しいことがある。クラブチームの国際大会をもっと開いて欲しい。AFCチャンピオンズリーグというのは確かにある。しかし日本から出場するのは2チーム。予選で敗退したなら注目度はゼロとなってしまい面白くもなんともない。そこで、Jリーグの3位から6位くらいの4チームと、韓国なんかのチームとでの国際大会をやったら面白いと思うのだ。韓国とだったら距離が近いので、国内でやるのと同じような日程でゲームができる。ひょっとしたら韓国とやることで、あらたなる展開があるかもしれない。

 サッカーだけでなく、他のスポーツも東アジアというものをもっと意識したものになっていくのではないだろうか。

■ 吉行淳之介著『私の文学放浪』(講談社文芸文庫)
 かなり面白く読んだ。僕にとって吉行淳之介は好きな作家で、それなりに作品は読んできた。しかし、どんな風に作家になったのかなどは、ほとんど知らなかった。この本にはデビューの頃の、彼の想いなどが書き詰められている。ひとりの放浪者の回想録として読んでも十分に面白い。

 凄いなというエピソードが書かれている。『原色の街』を書いたときのこと。もちろんまだプロとしての作家になる以前のこと。同人の合評会での評判はさんざんだったのだという。それで彼は「もう小説は書くまい」(P74)と思い、1年近く一度も原稿用紙に向ったことがなかったのだと。
 どんなことでも簡単に出来てしまうことはない。小説家という人たちは、ついつい特異な才能の持ち主だろうと思ってしまいがちである。しかし、その苦悩たるや、想像もできないところでのものなのだろう。

 この『原色の街』は舟橋聖一の推薦により芥川賞候補となる。「私がこうやって小説を書いているのは舟橋さんのおかげであり」(P76)と書かれている。人との関わりがあって、何かが生まれる。面白い。凄いことだ。

 少しばかり強引な僕の想像になるかもしれない。村上春樹が『風の歌を聴け』で群像新人文学賞を受賞したとき、吉行淳之介が強く押したという話を聞いたことがある。その受賞がなかったら、村上春樹は作家にはなっていなかったのかも、なんてことも思う。

 吉行淳之介は『驟雨』で芥川賞を受賞する。そのときのエピソードが凄い。彼は病院のベッドにいた。ゼンソクでかなり大変だったようだ。看護婦さんに「いま電話があって、なんだかよくわかんないんだけど、ナントカ賞とかいっていたわ」(P100)と言われたそうである(笑)。

 この本で僕が最も感激した箇所も紹介したい。素晴らしい。

「第一に、私は文学というものを信じ、文学作品を書きたい、とおもっている。大文学というものは、おそらく富士山のような形をしていて、その作品の裾野のあたりで触れる幅広い層も満足させ、頂上のあたりで触れる少数の読者も満足させるものであろう。」(P210)

◆ 2杯半
 僕はほぼ毎夜酒を飲んでいる。寝る前のほんのひととき、ナイトキャップというやつだ。パソコンをいじったり、雑誌をパラパラめくったり、本を読んだりして、約1時間ほどの時間を飲みながら過ごす。
 酒は焼酎、量は2杯半と決まっている。

 どうして焼酎か。たぶん一番身体にいい酒であろうこと、そして何よりも低価格というのがある。酒のディスカウントショップなどで4リットルの焼酎を買うことが多い。
 なぜ2杯半か。これも答はけっこう単純なものだ。夕食後お湯を沸かす。その時に、TIGERのポットにお湯を入れる。その量が0.47L。つまり、このお湯を使って焼酎のお湯割りをつくるとだいたい2杯半になる。

 たぶん、3杯飲んだなら、翌日に残ってしまう。2杯半だからこそ、気持ちよく眠り、よい朝を迎えられるのだろうと思う。

 日中、この2杯半の時間のことを考える。「ああ、楽しみだな」と思う。今の僕の夜はひとりで、誰かと話をするというわけでもない。インターネットで繋がっているわけでもない。でも、だからこそ、誰かのことを思い、ほんの少しかもしれないけど繋がっているだろうことを考えたりする。


Christmas Tine In Blue 2004/12 #3 

2004/12/24 

◆ 12月24日
 このところの僕はブルーである。なんでかというと、雪が降ってきたことが大きい。自転車に乗れない季節になってしまったわけだ。行動範囲が急激に狭まったという感じがしている。歩く、ということも悪くはないのだけど、やっぱり寒く、クルマを気にしながら歩くのはやっぱり辛い。

 そんなわけで、昨日も今日も部屋にいる。よくよく考えてみると、ひきこもりではないか……。自転車に乗る毎日だったなら、「自由な失業者だぜー」なんて言うこともできたが、今の状態はひきこもりと思われてもおかしくないか。

 ブルーなことのもうひとつの理由。忘年会みたいな飲み会が恋しい(笑)。赤提灯にも行きたい。中華も食べたいし、チゲで辛い思いもしたい。ビンゴゲームでプレゼントももらいたい。12月も東京でオフ会をやればよかったなぁ、なんてことを考えたりもする。

 まだまだブルーな理由はあった。今日はクリスマスイブではないか。なんでクリスマスイブだとブルーな気持になってしまうのか、自分でもよくわからないのだが、なんだかそういう気分になってしまうんだよな。やれやれ。

■ 斎藤己千郎著『あおもり宇宙』(北の街社)
 面白い本に出会った。ほんとうに出会いというものには何があるかわからない。ブックオフで105円で買った本だけど、定価の2000円の倍の価値は十分にあった。
 ちょっとした生活のことが書かれているエッセイ集だ。著者は地元の青森その他で、何かを食べたり、ビールを飲んだりしながら感じたこと。そうしたことが、わかりやすく、やさしいストレートな文章で書かれている。ストレートなんだけど、ちょっと曲がる。きりりとした苦味がある。まさに、ビールのような文章。
 不思議なタイトルの通り、青森のことなのだけど、それは宇宙の真理のようでもあったりする。

 たぶんドルフィンホテルに来てくれている人だったなら、このエッセイをきっと好きになるような気がする。多くの人に読んで欲しい。しかし、この本は地方出版のもので、そんなに多く出回っているものではない。正直なところ手に入れるのは簡単ではないはず。

 しかし、こういう本に出会えたことはとても嬉しいことだ。ベストセラーばかりが本ではない。ほとんどの人が知らなくたって、最高に面白い本は確かに存在する。まだまだ面白い本はいっぱいあるのだ。

◆ 半分半分
 ニンゲンカンケイに疲れた、と友人のメールに書かれていた。
 やれやれ。そもそも人間関係とは何なのか、なんてことを僕は考えてしまった。

 何事にも長所の側面と短所の側面というのがあるように、全てのことは半分半分なんだというのが、この数年僕が達した境地である(笑)。まあ、これから変化するかもしれないけど。
 どうしても人間関係というのは、他人を悪者にしてしまいがちだ。あの人の性格が強引だとか。まあそれも真実なのだろう。でもそれは、半分の側面でしかないのだろうと思う。あとの半分は、自分自身なのではないか。自分がどう他人を向き合うか、それがしっかりしているたならば、少なくとも人間関係のゴタゴタの半分は解消される。半分がなんとか大丈夫なら、なんとかやっていけるものだ。

■ ビデオ『フィッシャー・キング』テリー・ギリアム監督(NHK-BS2)
「都会のファンタジー」と謳われた映画なのだが、なかなかのお薦め。特に寒い冬には、楽しめる大人の恋愛映画と言える。
 特にアマンダ・プラマー演ずるリディア・シンクレアとロビン・ウィリアムズ演ずるペリーとの場面は最高にいい。
 この女性は、何をやっても冴えない、男性から全くもてないという存在。ペリーも相当に問題のある人物なのだが、それだけに、この2人の会話がたまらなくいいのだ。

 いろいろと残酷だったり、心の闇を描いていたりする映画なのだけど、けっこうハッピーになれた作品でした。

◆ 珈琲
 ある雑誌を見ていたら、カフェなどの珈琲へのこだわりが書かれていた。豆や珈琲の入れ方など、店によって違うし、いいお店は相当なこだわりがあるようだった。

 しかし、僕は珈琲の味というものがイマイチよくわからない。ドトールとスターバックスと、こだわりマスターのいるカフェの珈琲とを当ててくださいと言われても、まずわからない。
 わかる人がどれだけいるのだろうか、という疑問さえある。

 まあ、インスタントとの違いくらいはわかるけどね(笑)。

 でも僕だって、ただわからないわからないと駄々をこねるのではなく、珈琲の違いがわかる男になりたいとは思っている。
 一度だけ凄く美味しい珈琲を飲んだという記憶がある。今でもその時の感動というのは忘れられない。

 友人のところで、彼のお母さんが入れてくれた珈琲だった。当時の喫茶店ではサイフォンが多かったと思うが、その家では、ちゃんと豆を引き、丁寧にドリップで入れたものだった。

 これが珈琲というものだったのか。

 それくらい美味かった。それから20年あまり、あちこちのお店で珈琲を飲んだ。知識もないし、味がわかる奴だとも思っていない。でも、友人の家で飲んだ味を上回った珈琲には一度も出会っていない。

 美味い珈琲を、飲んでみたいのだ。

◆ 変わっていく季節の風景
 外は白い雪の世界へと変わってしまった。ほんとうに日本という国には、こんなにもハッキリとした四季があったのだと、今さらながら驚いている。

 季節の風景の変化に、なかなかついていけない自分というものがいる。ひとつは、身体が対応してくれないのだなぁという健康面。もうひとつは、この読書夜話についてだ。

 東京にいるときには、写真は撮り溜めしているものをただ乗せれば良かった。別に冬の掲載時に、夏に取ったどこかのビルの建物の写真を載せても違和感はない。
 しかし、この土地でそれは出来ない。風景を撮ったときの写真が、ほんの数日で全く違った色になってしまっているのだ。

 紅葉の写真なんてのもいっぱい撮っていた。読書夜話に載せるためのストックとしては十分だと思っていた。ところが、赤や黄色ではなく、白い世界なのだ。やれやれ。

■ ビデオ『シベールの日曜日』セルジュ・ブールギニョン監督(NHK-BS2)
 モノクロのフランス映画。言葉の響きがフランスなんだよなぁ(笑)。この映画の暗い雰囲気も、言葉とフィットしていて、鼓動するというような感じがあった。
 それにしても、12歳の少女というのがめちゃくちゃ可愛い。と思っていたら、この映画ってロリコンから熱烈な支持を受けている事でも有名なんだと言う……。

 でも、この少女をロリコンという言葉で語るのは、映画のテーマからズレているようにも思えるのだが。12歳なんだけど、かなり大人なんだよな。親から捨てられたという環境の中にいることでの孤独感みたいなものと、記憶を失った主人公であるピエールという2人の設定がとても興味深いものだった。

 ただ、僕にはラストはわからなかったけど。

◆ 郵便局vsクロネコヤマト
 アマゾンで本を売ったりしている関係で、郵便局とセブンイレブンをよく利用する。郵便局では、冊子小包(http://www.post.japanpost.jp/service/parcel/sasshi/)で本を送る。これが安いと言われていて、ネットで調べてもこの冊子小包が主流だったりしている。セブンイレブンというのは、クロネコヤマトのメール便(http://www.kuronekoyamato.co.jp/mail/mail.html)で本を送ること。全てのコンビニでメール便を扱ってくれたなら嬉しいのだけど、今はセブンイレブンと一部のコンビニだけのようだ。

 最近はほとんどクロネコヤマトのメール便を利用する。理由は簡単、安いからである。重量の設定に違いはあるが、だいたい50円くらいはメール便の方が安い。しかも、先日なんかはセブンイレブンの店員がよくわからないらしく、本来210円するはずのところが80円で処理されたりしていた(笑)。まだまだメール便という存在が利用されてないようなのだが、これは安くてなかなかいいのである。ちなみに、このメール便の場合、「厚さ2cm以内」というのが問題のようだが、僕の経験では3cmくらいの厚さでも大丈夫だった。まあ、だいたいは大丈夫だ(笑)。

 それにしても思う。どうして郵便局の冊子小包の方が高いのだろう。法律によって何かと優遇されていると言われている郵便局。高いだけでなく、サービスも悪い。冊子小包の場合、中が見えるように穴を空けなければならない。しかも局員によって、ビニールパッキンで包むと中がわからないからダメだ、なんて人もいる。悪いなら悪くていいのだけど、郵便局全体でルールをきっちりと確定させ、守らせるPRをすべきはずなのに。
 そもそもクロネコヤマトのメール便の場合は、穴を空ける必要なんてのはないので、全く問題はない。

 本気で客を集め売上げを伸ばしたいのだったら、もっと考えることはあるだろうと郵便局には言いたい。たぶん来年はこのクロネコヤマトのセブンイレブンを利用してのメール便が飛躍的に伸びるのではないかと思う。郵便局の冊子小包がダウンして。
 大きく赤字が出て、やっとそこから対策を考えます、なんて言うのだろうか。

■ ビデオ『駅馬車』ジョン・フォード監督(NHK-BS2)
 公開されたのが、1940年の6月……。まあ、古いというか、日本とアメリカは戦争をやっていたときの作品だったのか。
 主演はジョン・ウェイン。あるサイトには「全映画史に燦然と輝く娯楽映画の金字塔である」なんて書かれてあった。そうかそうか。タイトルも有名なものだからな。初めて観たけど。

 西部劇というもの自体あまり観ることがなかったのだが、正直あまり気分のいいものではなかった。
 というのは、あまりにもインディアンがかわいそうで……。
 この映画の中では、一方的に駅馬車を襲う悪みたいな存在としてしか描かれていない(と僕は感じた)。まあ、テーマはインディアンとは関係ないのだけど。
 インディアンにだって、襲うだけの理由があるはずなのだ。襲撃の場面だって、インディアンはどんどん撃たれて死んでいく。まあ、チャンバラ映画だって多数の悪役は死んでいくのだけど。

 どうにも引っかかってしまった作品なのであった。

◆ 久しぶりの外食
 久しぶりに外食をした。街の中心部に出かける用事があったので、たまには普段食べないものを食べたいと思ったのだ。僕の気分は中華だった。それも、坦坦麺。
 僕は坦坦麺のことを考えながら、その日の午前中を過ごした。雪の中を歩いて街まで出かけたのだけど、温かな、刺激的な坦坦麺のことを想うと、その寒さにも耐えることができた。

 12時を過ぎ、僕はそれなりに名前の通った中華の店に入った。一応メニューを見て、僕は店員のお姉さんに「坦坦麺をお願いします」と静かだったけど確かな声で言った。

 しかし、その坦坦麺は大きく僕の期待を裏切るものだった。胡麻の香りも、ひき肉の感触も、そこには無かった。ただの辛いラーメンでしかない……。坦坦麺といっても多くの作り方があるのだろう。僕の食べたい坦坦麺の味とは違っていただけなのかもしれない。でも、でも。やっぱり美味しくなかった。

 その日の午後はどうにも気分のすぐれないものとなった。家に帰ってから中途半端な胃袋を満たすために、なんだかんたと腹に詰め込む。間食を取り過ぎてしまったために、結果的に夕飯もいつもより満足感のないものとなってしまった。

 外食というのは、ほんとうに難しいものだ。でも、たまには外で美味しいものを食べたい。

◆ 心機一転
 このところちょっと困っていることがある。髪の毛を整えるのがけっこう大変なのだ。けっこう癖のある髪で、寝癖でいつもぐちゃぐちゃの状態になったいる。

 なぜ、「このところ困っているか」というと、つい数週間前にはこうした悩みはなかった。なぜかというと髪が短かったからだ……。

 今だから言える(笑)。ちょうど9月1日に髪を切った。中途半端な切り方ではなく、丸坊主というものにした。生まれて初めてのことだ。丸坊主でも実は長さがある。店の人が数種類のバリカンを持ってきて見せてくれた。一番短く刈れるものにしてもらった。確か2厘とかという話だった。

 実際にバリカンが入れられる前、10回くらいは店の人が「ホントウにいいのですか?」と聞いてくるのには参ったけど(笑)。とにかく、そんなことで僕は坊主頭にしたのだった。

 どうして、そんなことをしたか。
 ちょっとばかり目標となることが無くなり、だらだらしてしまっていた。心機一転をはかろうと思ったのだ。自分を変えてみたかった。大きな決意ではないけれど、少しは前向きになれるのではないかと。

 さて、切ったことによって僕は変わっただろうか。ちょっとは前に進むキッカケにはなったかもしれないが、あいかわらずだらだらしている(笑)。3ヶ月でかなり髪は伸びた。とくに、3カ月経ってからの2週間くらいで急激に伸びたという感覚がある。もうほとんど以前の状態と同じような雰囲気になりつつある。
 3ヶ月なんて、あっという間だったのだ。

 外観よりも問題は僕のだらだら状態である。心機一転、何かキッカケになるようなことをしたいな、と思ったりしている。心機一転、また髪を切ろうかなぁ、なんて。

■ ビデオ『クールボーダー』ブレンダン・エメット・マロイ監督(NHK-BS2)
 とってもコメディの入った、まあまあ爽やかな青春映画といったところだろうか。
 舞台はアラスカの雪山。スノーボードの場面がいっぱい出てくる。けっこうカッコイイ。こうしたスポーツが好きな人には、かなり楽しめる映画になっているのではないだろうか。

 それにしても、一度別れてしまった恋愛がこの映画のひとつのテーマであるのだが、男の方が過去を引きずっているんだよな(笑)。

◆ 魚
 友人からお歳暮というものをもらった。なんだか、とても大人の社会人になったような気がする……(笑)。僕はこうした社会的なやり取りはほとんどしない人間なのだけど、何かをもらうということは理屈ぬきに嬉しい。

 中身は何かというと「西京味噌漬詰合せ」というものだった。僕の大好きな魚の味噌漬けなのである。焼き銀だら、焼きさわら、焼きサーモン、焼き目鯛、焼き銀鱈なんてのが、入っている。

 さっそく夕食のおかずに食べたのだが、銀だらを食べた僕は、あまりの美味しさに気絶をしてしまったのだった。
 やっぱり僕は日本人だ。イタリアンよりも、韓国料理よりも、中華よりも、日本料理だ。魚こそが一番だ。

 今日は家に新巻鮭のお歳暮が届いていた。1匹丸ごとの鮭である。ああ、これも美味しそう!

■ Robin Williams著 吉川典秀訳『ノンデザイナーズ・デザインブック』 (毎日コミュニケーションズ)
 東京おのぼりの時に買った本である。やっと読み終えたのだが、値段以上に素晴らしい無いようだった。タイトルの通りデザインに関する本である。実例となる名刺、パンフレット、ウェブサイトなどもいっぱいある。けれど、読み物としての文章が素晴らしかった。

 例えば次のような文がある。

|私はこれまでいくるかのルールを示してきました。
|確かに、ルールは破るために存在します。
|しかしながら、ルールを破るためのルールも存在します。
|ルールを破れるようになるには、
|まずはルールを知らなければならない、ということです。(P47)

 カッコイイではないか。あまりにも。

 それにこの本ではルールというのが極めてわかりやすく書かれている。4つの基本原則というのがあるのだが、明快な事例で説明されている。いいデザインとは、いい文章とも共通しているのだ。

 そしてそれは人生とも。

|デザイン(と人生)には、4つの基本原則に加えてもう一つ、
|次のような全般的に通用する指針があります。
|それは臆病になるなということです。(P79)

 素晴らしすぎる!

 ちなみに、この「4つの基本原則」というのは、「近接」「整列」「反復」「コントラスト」というもの。例えば、デザインではなく、サッカーというものをこの4つの基本原則から見てみるのも面白い。コントラストがあることで、ダイナミズムが生まれ、面白いサッカーになる。けれど、整列がなってなければ、それはただのゴチャゴチャしたもので終ってしまう。

 人生というものには多くの混沌がある。けれど、4つの基本原則を用いてデザインしていこうとしたならば、もっともっと面白いものになっていくかも。前に進もうという気持になってくるではないか。

◆ 年賀状
 今年の年賀状はなんと12月22日に郵便ポストに出してしまった。「早出しは三文の徳」プレゼントにも応募してしまったのである。たぶん、こんなに早く出したのは僕の人生の中ではじめてのこと。
 だいたいにして、今年(2004年)の年賀状を一通も出さなかったわけで、大きな変化と言える。ほんとうに大きな変化だ。

 しかし、内容としては、あまり考えることなく適当につくってしまった(笑)。2003年から僕の年賀状は、自分で撮った写真を載せるというものにした。今回も写真をいっぱい並べただけである。一番時間が掛ったのがその写真のセレクトだった。ちなみに全部で24枚の写真を載せている。最初に40枚くらいの写真をピックアップして、その中からバランスを考えて選んだ。一枚一枚の写真は小さいのだが、それなりにいい雰囲気のものになったと自分では思っている。
 ただできればもっとデザイン的に懲りたかった。これが難しいことではあるのだが。来年の課題としよう。

 以前の年賀状だったなら、ほんとにお茶を濁すようなもので終っていた。それが写真を載せる年賀状にしたら、作るのも楽しめるし、1年間を振り返ることができる。そして、今年も頑張ろうという意気込みを表現することもできるような気もする。

 年賀状を見てみたいという方、もしよかったらお送りしますよ。


Long Slow Distance 2004/12 #4 

2004/12/19 

◆ 雪・雪・雪
 それにしても凄い雪が降り続いている。その気になれば、かまくらが出来るかも(笑)。まあ、今でなくてもそのうちに巨大なかまくらを作り、その中で熱燗でも飲もうと密かに思っている。

 自転車に乗れなくなって、運動不足になると思っていた。しかし、こうした雪と接していて、単純なことを気が付いてしまった。そう、雪かきをしなければならない……。

 僕が日中こもっている部屋は母屋から離れた小屋にある。そこにはトイレもない。つまり、日に何度も行き来しなければならない。約10メートルほどの、外を歩く。このスペースはどうやっても僕が雪かきをしなければならない。そうしないと、トイレにも行けないし、寝ることもできない。

 この雪かきがけっこうな運動なのであった。これからもっと本格的に雪が積もってくれば、僕の運動量は増してくる。大変だ。

◆ 新選組
 NHK大河ドラマ「新選組!スペシャル」を見た。レギュラー放送は見ていなかった(配役で見る気を無くしていた)のだが、「面白い!」という友人の薦めで、やっと重い腰を上げ、このスペシャルバージョンを見ることにしたのだった。

 確かに、かなり面白かった。これまでの新選組とはどこか違ったものが感じられた。ある意味での青春群像とでもいうのか。若い俳優を使ったことによる、若さが新鮮に感じられた。

 しかし、僕はこのドラマを見ながら、けっこうハードなことを考えていた。ある意味で、新選組という存在は、連合赤軍やオウムと同じものではなかったのかと。

 新選組は、組織というものを維持しより強くしていくために、より内部の強化をしていく。そのために、身内である人間を罰していく。そうした姿、構造みたいなところが、ダブって見えてしまった。
 ひとりひとりは、気持のこもった人間なのだろう。けれど、組織という存在の中で、何かが違ってきてしまう。

 ドラマの途中にあった台詞に今もしびれている。

「ここにはもう私のいるべき場所がない」

 会社を辞めるときのことを思い出してしまった……。

◆ チームLSD
 
なぜかふと「地味変」(http://www.kiyoshiro.co.jp/)というサイトを見ていた。知っている人は知っている忌野清志郎のサイトですね。ちなみに僕、「スローバラード」好きです。「トランジスタ・ラジオ」が流れてきたら、高校の美術の時間にサボって河原で寝ていたことを思い出します(涙)。

 ロードレーサーで四国を走る忌野清志郎という存在を知ってから、またまた気になっている今日この頃。サイトを見ているとチームLSDという存在を発見。Long Slow Distanceの略ということなのだが、これが最高にかっこいい。
 自転車で鹿児島や奥の細道やハワイなんかを走っているのだ。

 よくよく見ると、自転車に乗り始めたのは、まだほんの4年くらいとのこと。ほんとにカッコイイ!

「KSB 瀬戸内海放送」のサイトで、「清志郎さん 遍路道を走る」(http://www.ksb.co.jp/newsweb/indextable.asp?tid=1&PG=2)という特集を見ることができる。自転車を走らせることの、熱く、自然な話が、もの凄くいい。

 ああ、僕も自転車を走らせて、旅をしたくなってきよた。

■ ビデオ『フェイス/オフ』ジョン・ウー監督
 先日地上波で放送されたものを観た。銃撃シーンのいっぱいあるハリウッド映画。ジョン・トラボルタとニコラス・ケイジがなかなか頑張っている。

 なんとも信じられないのだけど、この2人、顔が入れ替わる。もちろん声も。お互いが別の身体を持つという展開なのだ(笑)。SF映画ではない。正直、ちょっとストーリーに無理があるよなぁと感じる。まぁ、でもそれは許そう。

 しかし、その別の身体になったことの感情が、なんかちょっとB級なんだよなぁ。B級はB級に徹してれば凄く面白いのだけど、何か中途半端なものがあった。
 例えば、この物語だったなら、香港映画の方がずっと面白いものになるような気がする。

◆ 信用
 なんと、ゲートウェイ(http://jp.gateway.com/)が帰ってきた。まったくもって、どの面下げて帰ってきたのだろうかと思ってしまう。
 世界的なPCメーカーなのか、フムフム。優れた価格およびサービスを提供する、フムフム。

 少し前まで使っていた僕のゲートウェイのノートパソコンは今だに捨てられずに僕の本棚にある。正直に言えば、それなりに愛着もあったのだ。何度かサポートのメールを出したこともあった。とても親身になっての対応だった。

 ゲートウェイで直接僕が触れ合った人は、なんだかとてもいい雰囲気の人ばかりだった。それが、突然の日本撤退……。
 どうやって、信用を取り戻していくのだろうか。前とは経営者が違うから、という説明なんだろうな。僕の壊れてしまったノートパソコンを無償で修理してくれる、なんてことは無いよな。

 撤退されたとき以上に、なんとも寂しいものがある。

◆ 長靴を履いた僕
 僕の苦手なこと。それは靴を買うことである。なかなかぴったりのサイズを買うのが難しい。買ったあとで、後悔することもよくある。
 今の僕のサイズは、25.5というところだろうか。けっこう小さめかもしれない。特に最近は痩せたことも関係しているのか、より小さくなったような感じがしている。
 問題は長靴だった。僕の住む街はけっこうな豪雪地域。雪用の長靴を買う必要があった。派手なデザインのものが多いし、機能もかなり良さそう。しかし、困った問題があった。サイズが大まかなのである。
 LL、L、M、Sといったもの。ちなみに、Mは25.0から25.5。Lは26.0から26.5。どちらにするか微妙なところ。これまで大きなサイズで何度も失敗していることで、履いた感触でちょうどくらいだった、Mサイズを購入した。

 しかし、実際に雪の上を何度か歩いていると、小さかった……。そんなわけで、Lサイズのものを、また買ってしまった。ちょっとばかりというか、かなり大きいのだけど。今度は底敷きを買おうっと。なかなかお金のかかる冬だ。

■ ビデオ『囁く砂』ナン・アフナス監督
 インドネシアって、どこにあるんだっけ? なんてことを考えてしまった。なんとインドネシア映画である。正直なところ、あまり面白いと感じるものではなかった。不思議な雰囲気はとてもよかったけど。
 印象に残ったのは、影である。ぽつりぽつりと、日本の影のようなものが感じられた。それは、戦争統治というもののような気がした。そんなにメッセージとなっているものではない。ちょっとばかり日本の歌が出てきたとか、そういうものだ。けれど、そうしたものがとても気になる映画だった。

◆ 北朝鮮の問題
 北朝鮮の問題が、かなり深刻なものとなってきている。経済制裁という声も出てきている。
 どのような方法を取ったらいいのか、確かに難しい問題である。しかし、あまりにも政府にはビジョンというものが無さ過ぎると思えてならない。

 ひとりひとりにいろいろな意見があるはずだ。もっともっと意見を交わし、考えるべきだと思う。考えるときに、頭に来たから、というものではなく将来どのような関係になればいいのか、どういう過程を経て、その関係を築ければということが大切なのではないだろうか。

 悪いことをした者は罰せられなければならない。それはそうだ。問題を起こした生徒を退学にし、それで問題が解決するかといえば、社会全体では何の解決にもなっていないはずなのだ。

 僕は個人的な意見として、経済制裁というのは反対である。その先に何があるのだろうか、そう思わずにはいられない。

■ ビデオ『浴室』ジョン・ルヴォフ監督
 なぜか僕はこの原作本を持っているのであった。読もうかどうかと思い悩むうちに、映画の方を先に観ることになってしまった。
 なかなか雰囲気のあるオシャレなフランス映画だった。なんとモノクロ! いい感じではあるのだ。
 でも、浴室というのは、あまり関係ないような……。浴室で暮らしているものだとばかり思っていたのだが、そうでもない。精神的にウツウツとした雰囲気はわからなくもないが、なんかタイトルの浴室がひっかかるのだった。


■ ビデオ『アンナ・オズ』エリック・ロシャン監督 [ムービープラス]
 シャルロット・ゲンズブールはなかなか可愛いです。お風呂に入っているシーンも、たまらなくいいです(笑)。
 しかし、かなり怖い作品だった。あんまり関係ないかもしれないけど、村上春樹の『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』を思い出してしまった。
 つまり、2重の世界が繰り広げられている。ちょっとよくわからない部分もあったけど、とても味のある映画だった。

◆ むかしの本
 少し前のことになるが、久しぶりに会う友人と酒を飲んだ。本好きな仲間だった。帰るとき、鞄から本を取り出した。2冊か3冊の本を持っている。そのうちの1冊は、「あっ、それは読んでいるよ」という話になる。
 どうして、本についての話はこんなにも心を和ませるのだろう。

 駅のホームで立ち止まり、ながながと本の話をしたりする。
 そんな中、共通の感情に行き着く。

 新しい本を読まなくなってきているようなのだ。以前に読んだ本を、また読み返す。いい本は、それでも新鮮な感情を与えてくれる。

◆ 韓国の日
 祝日というのを全て言いなさい、と聞かれたならちょっと困ってしまうのは僕だけだろうか。なんだかよく意味のわからない祝日が多いような気がする。まあ確かに作ったときには、それなりに意味があったのかもしれないが。
 ただの休みとなり、ラッキーっという気持で終っているのではないだろうか。

 そこで僕は提案したい。新しい祝日を。まあ、単により多くの休みがあったら、ということでもあるが(笑)。

 今、韓国がブームとなっている。そこで、「韓国の日」というのを設けてはどうだろうか。何といってもすぐ隣の国である。簡単には解決できない過去もある。この日だけは、辛い過去と正面から向き合ってもいいと思う。その上で握手をして、前に進んでいく、みたいな。祝日の目的というものが、とてつもなく明確なものになるのではないだろうか。

 もちろん、「韓国の日」だけでなく、「中国の日」や「アメリカの日」なんてのがあってもいい。どん祝日が増える。楽しい楽しい。

■ ビデオ『ゴシップ』コリン・ナトリー監督 [NHK-BS2]
 なんとも珍しいスウェーデン映画。最初のフーンという感じだったのだけど、かなりいいです。物語は9人の大女優が出てきて、業界の裏側が描かれる。いわゆる、恋愛というか不倫というか。出演者が「酷い作品だ」なんて言ったり、ラブシーンの本番前にその男女が喧嘩していたり……。

 ぜひとも、日本でリメイクして欲しい作品なのであった。

◆ 歌番組
 年末ということで、いくつかの歌番組を見たりしていた。そんな中、感じたことがある。文学と言われるものだけでなく、歌の「詩」というものも、かなり軽いものになってしまったのではないか、と。

 歌というのは、どうやってもラブソングみたいなものとなる。そうでないにしても、人の生き方を詩にしたものだ。テレビで流れるこうした歌詞を聞いても、胸に響かないのだ。10年、20年前の方が、ずっといい歌詞があったような気がする。アイドル歌手の歌う詩だって、昔はもっと意味があったと思う。

 僕が変わったからなのか。よくわからない。でも、コンピュータの技術が発達し、ハード的なものはどんどん進化しているのに対し、ソフトの方は少なくとも進化しているようには感じられない。

 ところで、NHK紅白歌合戦を見て思ったのだけど、民放でも対抗した紅白歌合戦をやればいいのではないか。格闘技だって、2つのビックイベントが同時にやっているのだから。

 NHKに対抗して、男女15組くらい。ヘンテコな催しはいっさいやらないで、ひと組ひと組が最高のステージを行なう。そうした番組があったなら、参加者だって出演したいと思うのではないか。実際にこうした番組があったなら、ぜひ見てみたい。

◆ 2004年と2005年

 恥ずかしながらほとんど仕事をしない1年だった。サラリーマンだった時間もあったのだが、体調が悪く、ただ単に会社に出るだけみたいなものだった。
 いわゆる厄年だった。

 でも、けっこういい1年だった。自転車が好きになり、より写真を撮るのが好きになった。アスパラが好きになり、大根が好きになり、食用菊が好きになった。
 新しいものに出会い、好きになるというのが、こんなにも楽しいことだとは。これだけいろいろなものが好きになった1年というのは、たぶん、はじめてのような気がする。

 2005年はどんなものを好きになるのだろうか。これまたはじめての感情だけど、けっこうドキドキしている。



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