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DOLPHIN HOTEL 読書夜話2004年12月
1時間くらい歩いただろうか。山のずっと上の方に神社があり、街を見晴らすことのできる公園のような感じになっていた。子供の頃に、小学校の遠足か何かで一度来たことはあった。けれど、ほとんど忘れているわけで、ほぼ初めて見るような風景。曇っていてちょっと残念だったが、なかなかいいところだった。 またこの場所に来ることにしよう。それぞれの季節に。子供の頃には、近くにこうした場所がある良さというものが全くわからなかった。僕もちょっとは成長したのだろうか。 ■ ビデオ『同居人/背中の微かな笑い声 NATURAL ENEMY』ダグラス・ジャクソン監督 [FOXJAPAN] ◆ とろろ 今年も残りひと月を切った。いろいろな食べ物が好きになった1年だった。ひょっとしたら、来年もまた新たなる出会いがあるかもしれない。あまり、食わず嫌いにならずに、いろいろなものを食べて行きたいと思っている。 ◆ 忌野清志郎!! なぜこの雑誌を買ったか。特集が四国遍路だったからだ。ちょっとガッカリ、とてもビックリ、というのが僕の感想だった。 四国遍路というイメージがまた変わっていくのではないだろうか。忌野清志郎とロードレーサーだ。もちろん、四国は誰でも、どんな形でも受け入れてくれる。僕の歩いた景色が、この中にはあった。それはほんとうに嬉しいことだった。 ◆ シクラメンの香り 「お花がはいっているので 大切に扱ってください。」」 しかし、自分の部屋に花が咲いているというのは、なかなかいいものである。ちょっと元気がなくて心配だったりしているが。
それにしても、このアスパラという植物には驚かされた。根っこが凄いのである。例えば、映画『天空の城ラピュタ』の根っこのような雰囲気。大きいのは両手で持つくらいのものとなっていた。あの根っこの上に、ちょぼんとアスパラが生えるのかと思うと、しみじみとする。土の中とは何と不思議な世界なのだろうか。 この根っこを取り出し、いいものと悪いものとを選別し、キチンと列をつくり植え替えてやった。言葉で書くと簡単だけれど、どれだけの汗を流しただろう。ほんのちょっとなんだけど。 今から春が待ち遠しい。 ■ 西部直樹著『1分間「相手をやり込める」技術』(成美文庫) この本の面白さは、誰もが(たぶん)ぶつかるであろう人との人とのコミュニケーションの話がいろいろな例と共に書かれていることだろう。 具体的な例ということで面白かったのは、夫婦の会話についてなどだ。これなどは、「どうにも奥さんの機嫌が悪くて」という男性にとって、必要不可欠な技術ではないかと思う。 著者の西部直樹氏(http://nands.way-nifty.com/)には、テレビ朝日「たけしのTVタックル」にコメンテーターとしてぜひ出演して欲しいと思ったのだが……。 ◆ 温泉ガイド しかも、ただの温泉好きではないタイトルの通り、子連れである。普通だったら大変で遠出はあまりしないところではないだろうか。それがあちこちに出かけていく。「子供や赤ちゃんと温泉に入るときのマナー、注意について」なんてコーナーもある。 とにかく、温泉旅行に行きたくなりますね。 ■ ビデオ『ぼくの神さま EDGES OF THE LORD』ユレク・ボガエヴィッチ監督 [ムービープラス] ◆ 理想のトイレ像 何よりも、「最低限望むのは、男女トイレが別々であるということのようです」なのだそうだ。「男女別々のトイレの期待度は96%と圧倒的に高い数字でした」と。このことに関してはグラフにもなっていない。全くこの結論しかない、という様子。 こういう状況というのは、女性にとって「最低限望む」というほど嫌だったのだろうか? 例えば、最近流行りのカフェ。小さな店であれば、当然のようにトイレは共同である。しかし、別でなければいけないだとうという感覚はたぶん無いだろう。自然に男女共同のトイレとなっている。 いいお店で、男女共同のトイレでも違和感のないところは、間違いなくキレイだ。ただ単にキレイだというだけでなく、独特のインテリアセンスがある。 しかし、残念ながら多くの飲食店と呼ばれる店のトイレは、そんなにキレイではない。インテリアだって、酷いところが多い。 「理想の飲食店トイレ像」を逆に考えてみたい。つまり、「理想の飲食店」とは何か。それは、男女共同トイレでも何ら問題のない清潔感とセンスに満ちている店、と言えるのではないだろうか。 ちょっと怖いけど、女性の皆さんの意見を聞いてみたかったりする。
コミミ隊のメンバーは一応決まっているようだが、毎回少しずつ変わる。基本的には3人。男性がひとりで女性がふたり。逆のときもあるか。これがたぶん男性ふたりと女性ふたりだったら、何かが違ってくるのだと思う。男女が一緒になった3人というのがいいのだ。 たぶん、こういう3人の組み合わせで旅をした、なんて経験を持つ人はいるのではないだろうか。3人だから恋愛には行かない(そのときは)。ある意味で、男女の友情も、旅も楽しめるような感覚。 ◆ 脳を鍛える 実は僕も持っていたりはする(笑)。自分ではやらないけど。こういうことに意味が無いという気はない。どちらかというと、とても重要だと思っている。けれどやっぱり違うんだよ。例えば僕が学校で毎日百ます計算をやらされたとしたら、たちまち登校拒否となっていたかもしれない。 なぜ、価値がないと考えるのか。 それはなぜか。 「脳を鍛えるドリル」というものの、目的、その効果などを考えていくと、間違いなく麻雀に行きつく。視野、記憶力、推測、計算、瞬時の判断力、長時間の集中力……。ただの遊びではなく、お金を掛けたなら、その集中力・効果は倍増するだろう。 麻雀だけでなく、将棋、囲碁、百人一首なども、同じように脳を鍛えていたと思う。あくまでも僕の考えであるが、統計を取っても、こうした結果が出てくるのではないか。遊ばなくなったことによって、学力が低下したと。 ■ ビデオ『ストランデッド』ルナ監督 [ムービープラス] まずは酷いこころ(笑)から。火星着陸時に事故を起こしてしまい、5人の乗組員が立ち往生してしまう。宇宙船は故障してしまい修理は不可能。1年間ほどは生存することは可能だが、地球から助けが来るには1年以内には無理。何をやったらいいのか、死への恐怖、どうやって生き残るか……。こういう人間の内面を描くようなところがこの物語のウリみたいなのだが、僕には全く酷いという印象しかなかった。この5人の宇宙飛行士はみんな普通すぎるみたいで。楽観的な人間、悲観的な人間、いろいろなタイプがいる。それはわかる。でも、宇宙飛行士になる人というのは、こうした極限の状況でもかなり前向きに対応できるような人がなるのではないかと単純に思ってしまうのだ。例えば、この宇宙飛行士の中に、F1のミハイル・シューマッハがいたならばこんな会話にはならないだろう、と。 そうした強靭な人間にでも極限の状況では変わってしまうのだ、というお話であれば十分に理解はできる。しかし、そこまで表現された世界にはなっていないな、というのが僕の感想だった。 面白かった点は、とても褒めたい(笑)。たぶん、ハリウッドのSF映画だったらありえないような展開。展開しない展開というのか……。中盤は退屈だったけど、後半からラストにかけては十分に楽しめた。面白かった。 ◆ ムラカミハルキ!! 特集というのは「村上春樹さんのおうちへ伺いました。」というものだ。なんと10ページにもわたって、ムラカミハルキのあちこちの部屋の写真が紹介されている。書庫、仕事部屋、窓からの景色、台所、昼食の写真なんても……。 もう感激の写真ばかり。そしてなんと言っても凄いのは、トライアスロン用の自転車も大きく出ている。 たぶん、この特集を知っているムラカミハルキファンって、あんまりいないのでは? とにかく「好きな雑誌」と「好きな作家」と「好きな部屋」と「好きな自転車」と、僕のための特集ではないかと思い、感激のしまくりだった。 それから、この『アルネ』という雑誌。書店で買うよりも年間購読の方が断然お得です。今号には年間購読の者だけに「2005年カレンダー」というのがプレゼント。これがなかなかのシャレたデザイン。今、日本中に捨てるほどのカレンダーが出回っているけど、このカレンダーはぜひとも部屋に飾りたいものです。 ◆ インターネット インターネットというもの以前の時代、パソコン通信というものがあったとき、掲示板というものがこうした情報の場だった。今の掲示板とはちょっと違う。ニフテイには分野別の掲示板があり、例えば「お友達募集」みたいなものがいっぱあった。ドルフィンホテルもそうしたところで広告を出していたのである。野郎である僕が書くよりも、女性に書いてもらった方が人が集まるだろうと、女性に書いてもらったこともあった。 しかし、インターネットに夢を見る人が、はじめてメールアドレスを取って危ないメールをもらったりしたら。やっぱりかなり堪えるだろうと思ったりする。もうこんな世界から離れたい、と思う人だっているはずだ。僕みたいに、
絵というものをじっくり見ていると、小説などの世界と共通したものを感じたりするのかもしれない。よくわからないし、ほんの少しばかりそうした入り口のようなところで思ったことだ。 そこには、何らかのテーマがある。ひと言では言い表すことができないけれど、胸の奥のところに引っかかったり、一生忘れることのできないような風景や表情だったり。そういったものを、何らかの方法で表現する。いい作品というのは、そうしたテーマをしっかりと見つめたものではないだろうか、と。 入選作ばかりが展示されていたわけで、技術的に優れた(と言っていいのだろう)作品は多かったのだろう。けれど、正直なところ、見る側に対して何かを訴えかけるような、強い印象を与えてくれる作品は少なかったように思う。 この展覧会には、子供の作品も多数展示されていた。小学生の作品など、技術的にはお世辞にも上手いとは言えないものもある。けれど、そうした作品の方が、実は大人の描く絵よりも断然深い印象があった。笑顔であれば、ストレートにその嬉しい気持が僕の方に伝わってきていた。 表現することには、テーマをどう追求していくかという部分と、技術的にどう表現するかという2つがあると思う。大人になっていくことで、技術的な向上というのはあるのだろう。しかし、テーマに対しての追求という点では、だんだん低下していくように思えた。 絵だけではない。どんな分野にも言えることなのかもしれない。 ■ 林望著『イギリス人の食卓』(角川春樹事務所タンティエ叢書) 食事という概念自体についても興味深いことが書かれていた。 他に面白かったのは、ホテルでのサービスについて。日本のホテルでは「お持ち帰り」というのは禁止されているらしい。食べ切れなかったものを、部屋に持って帰りたいときだってあるはずなのに。イギリスでは、全くもって柔軟な対応がなされるという。なるほどなるほど。 ◆ ショートケーキ 悩みの元は何かというと、ゴミだ。ティッシュペーパーは燃えるゴミなので何ら問題はない。問題はまわりを覆っていたセロハンだった。これを捨てるときにどうしたらいいものか。燃えないゴミであることは確かだが、このクリームを付いた状態で燃えないゴミグループに入れるのは気が引ける。やっぱりちゃんと洗わなくてはならないだろうか。しかし、セロハンといもは洗い難い。問題はセロハンだけではないぞ。下に敷かれている銀紙は燃えないゴミでも、資源の方のグループに入るだろう。これも洗う必要がある……。 なんで、ケーキを紙の材質で包まないのだろうか。見た目とかいろいろと問題はあるのだろう。でも、何だか面倒な気持になってきたぞ。ああ、他の人はこんなことで悩まないのだろうな。僕だけだろうか。何と僕は悲しい生き方をしているのだろうかと悩みは深まる。 ■ 野口悠紀雄著『ホームページにオフィスを作る』(光文社新書) この本の中心として書かれていることは、「野口悠紀雄Online」(http://www.noguchi.co.jp/)という自分で行なっているサイトのスタート、構築についてだ。それだけに、具体的であり、興味深く読めるところが多かった。 「初めてホームページを作る人は、まず自分だけが使うつもりで作るとよい。」(P38) ◆ 帽子 さて、これも少しばかり恥ずかしい話だけど、半年ほど前まで僕は帽子というものを全く被らない奴だった。少年だった頃には野球帽を被っていたり、中学生のときにはわけのわからない帽子を被ることはあった。しかし、それ以降、帽子というものを被ったようなことは無いと思う。 自転車に乗るとき、陽の光や雨を遮るということで、帽子を被る習慣がついた。外に出るときには、いつも帽子を被るようになる。先日東京に遊びに行ったときも、いつも帽子を被っていた。 帽子というか、キャップとも言うのかな。部屋に掛けられるようにしていて、現在3つ掛けている。他に毛糸のものが2つある。そのひとつは奮発して買ったPUMAのものだ。他のはたいていユニクロで購入(笑)。
パンについての悩み(食べたくても美味しいパンが無かった)が解消し、新たなるパンとの出会いを求めたい気持でいっぱいである。パンについて、語りましょう。 ■ ビデオ『動靴と赤い金魚 BACHEHA-YE ASEMAN / CHILDREN OF HEAVEN』マジッド・マジディ監督
[ムービープラス] 兄のアリが妹の靴を無くしてしまう。貧しく簡単に靴を買ってもらえるような家ではないので、親に言うことはできない。そうした中で、ささやかな出来事が起こっていく。もちろん、兄と妹は言い争い、喧嘩もしたりする。でも、スレていないのだ。そうそう、例えば子供の頃に楽しんでみていたテレビ番組の少年達を思い出したりする。 たぶん、僕より上の年代の人間は、この映画の世界で泣いてしまうかもしれない。例えば僕なんかは、いろいろと上からのお下がりのものを与えられた。それは洋服だったりもした。恥ずかしながら僕の上は、姉だ。だからというわけでもないが、まいってしまった。この映画に。 イランの街、生活というものが、とても身近に感じられる。狭い広場ではサッカーをやっていて、アリも誘われたりする。多くの人が貧しそうなのだが、富豪の住む街もでてくる。ニュースから流れるイランという国ではない。はじめてイランという国に接したような気がした。 最近、韓流ブームというものがある。何はともあれ、日本と韓国は近くなった。いいことだと思う。どんなに政治的な問題があったとしても、テレビや映画を通して、お互いに国で生活している人の表情を感じることができる。自分の考えていることと、そんなに違わない。いや、むしろ、もっとも大切な部分で共感できるところがいっぱいあることに気づいたりする。 僕がイラン映画から感じるのは、僕が子供の頃に持っていた、大切だと感じていた何かだ。 ◆ 食物繊維 さて、どうして2キロも太ったのだろうか。食べ物の中身が違う。ではどう違うのか。けっこう深く考えていたのだった。 痩せたい、と思っている人はとにかく食物繊維の感じられる野菜をがばがばと食べてみてはどうだろうか。 ■ 佐藤多佳子著『ごきげんな裏階段』(理論社メルヘン共和国) 3つの物語がこの本の中にはある。小さなアパートが舞台となって、その裏階段が不思議なところだったりする。子供というのはそういう裏側が好きだったりする。もちろん子供にだって、そうした場所が気になるタイプとそうでないタイプというのはいるだろう。でも、裏階段にちょっと目をやると、そこには面白いものがあったりする。 この本を読んでそんなに面白いというわけではなかった。けれど、こうした作品があってはじめて、『神様がくれた指』や『黄色い目の魚』が出来たのだろうと思う。そんなことを考えていると、この『ごきげんな裏階段』がとてもいとおしい存在に思えてくるのだった。 ◆ ミニ同窓会 年に一回は温泉に行ったりするなどして集まっているのだという。しかし、みなさん家庭を持っていることもあり、なかなか家を空けることはできない。ということで、お昼ご飯を食べ夕方まで、ただひたすらお茶を飲んだりしてお話をするというもの。ぺちゃくちゃぺちゃくちゃ。 それにしても、楽しそうだった。人生何が幸せか。やっぱりこうした心置きなく語り合える友を持つことではないだろうか。大金持ちになっても幸せであるとは限らない。親不孝な子供を持っても不幸せとは限らないではないか。やっぱり友を持つということが、その人の生き方を象徴しているかのように思う。 この会合の会費はお寿司代の1200円だけだったという。ちなみに、カボチャのムース、パイナップル、チーズケーキなどの持ち込みお茶菓子も僕のところまでまわってきて、僕も嬉しかった。
どうして中国が身近に感じられるようになったのか。それは映画によってだ。チャン・イーモウ監督の映画を観ることは、とても大きなことだったと思う。 日本のラーメンが好きだというチャン・イーモウが、どんな風に中国の地で日本人を描くのか。 ◆ キウイ それにしても、このキウイは外観と中身が全く違っているような気がする。外観はほんとぶっきらぼうな感じ。でも、皮を向いて出てくるその素肌はなんとも美しい。味はキュートだし。 ◆ Jリーグ・チャンピオンシップ 数日間のホームアンドアウェイという試合形式はなかなか面白いぞ、というのがとにかく一番の感想だった。だいたいにして、Jリーグ初年度のチャンピオンシップは国立競技場だったんだよな。やっとホームアンドアエイが定着してきたところで、チャンピオンシップが無くなるというのは残念なような気がしないでもないが、まあ良い意味での進化なわけで仕方が無い。 雰囲気は面白かったけど、ゲームとしては何かが足りないという思いだった。よくよく考えてみると、浦和も横浜も、司令塔という存在感が薄い……。過去のJリーグでは、ラモス、ビスマルク、中田、中村、名波、小野など、司令塔がゲームを握っていた感じがあり、さかんにそうした司令塔という存在をマスコミも盛り上げてきたように思う。現に今の日本代表チームだって、司令塔に一番の注目が集まっている。もちろん、目だった司令塔がいなくても、別にかまわない。けれど、なんだかなぁという感じがしてしまっていた。 話は戻って、ホームアンドアウェイについて。できれば、ナビスコカップなんかはホームアンドアウェイで決勝を戦ったら面白いのに、と思う。国立での1発勝負であれば、天皇杯と同じだしね。少しずつ、いい方向に変えていけばいいのだろう。 ナビスコカップでなくてもいいのだけど、ぜひとも実現して欲しいことがある。クラブチームの国際大会をもっと開いて欲しい。AFCチャンピオンズリーグというのは確かにある。しかし日本から出場するのは2チーム。予選で敗退したなら注目度はゼロとなってしまい面白くもなんともない。そこで、Jリーグの3位から6位くらいの4チームと、韓国なんかのチームとでの国際大会をやったら面白いと思うのだ。韓国とだったら距離が近いので、国内でやるのと同じような日程でゲームができる。ひょっとしたら韓国とやることで、あらたなる展開があるかもしれない。 サッカーだけでなく、他のスポーツも東アジアというものをもっと意識したものになっていくのではないだろうか。 ■ 吉行淳之介著『私の文学放浪』(講談社文芸文庫) 凄いなというエピソードが書かれている。『原色の街』を書いたときのこと。もちろんまだプロとしての作家になる以前のこと。同人の合評会での評判はさんざんだったのだという。それで彼は「もう小説は書くまい」(P74)と思い、1年近く一度も原稿用紙に向ったことがなかったのだと。 この『原色の街』は舟橋聖一の推薦により芥川賞候補となる。「私がこうやって小説を書いているのは舟橋さんのおかげであり」(P76)と書かれている。人との関わりがあって、何かが生まれる。面白い。凄いことだ。 少しばかり強引な僕の想像になるかもしれない。村上春樹が『風の歌を聴け』で群像新人文学賞を受賞したとき、吉行淳之介が強く押したという話を聞いたことがある。その受賞がなかったら、村上春樹は作家にはなっていなかったのかも、なんてことも思う。 吉行淳之介は『驟雨』で芥川賞を受賞する。そのときのエピソードが凄い。彼は病院のベッドにいた。ゼンソクでかなり大変だったようだ。看護婦さんに「いま電話があって、なんだかよくわかんないんだけど、ナントカ賞とかいっていたわ」(P100)と言われたそうである(笑)。 この本で僕が最も感激した箇所も紹介したい。素晴らしい。 「第一に、私は文学というものを信じ、文学作品を書きたい、とおもっている。大文学というものは、おそらく富士山のような形をしていて、その作品の裾野のあたりで触れる幅広い層も満足させ、頂上のあたりで触れる少数の読者も満足させるものであろう。」(P210) ◆ 2杯半 どうして焼酎か。たぶん一番身体にいい酒であろうこと、そして何よりも低価格というのがある。酒のディスカウントショップなどで4リットルの焼酎を買うことが多い。 たぶん、3杯飲んだなら、翌日に残ってしまう。2杯半だからこそ、気持ちよく眠り、よい朝を迎えられるのだろうと思う。 日中、この2杯半の時間のことを考える。「ああ、楽しみだな」と思う。今の僕の夜はひとりで、誰かと話をするというわけでもない。インターネットで繋がっているわけでもない。でも、だからこそ、誰かのことを思い、ほんの少しかもしれないけど繋がっているだろうことを考えたりする。
そんなわけで、昨日も今日も部屋にいる。よくよく考えてみると、ひきこもりではないか……。自転車に乗る毎日だったなら、「自由な失業者だぜー」なんて言うこともできたが、今の状態はひきこもりと思われてもおかしくないか。 ブルーなことのもうひとつの理由。忘年会みたいな飲み会が恋しい(笑)。赤提灯にも行きたい。中華も食べたいし、チゲで辛い思いもしたい。ビンゴゲームでプレゼントももらいたい。12月も東京でオフ会をやればよかったなぁ、なんてことを考えたりもする。 まだまだブルーな理由はあった。今日はクリスマスイブではないか。なんでクリスマスイブだとブルーな気持になってしまうのか、自分でもよくわからないのだが、なんだかそういう気分になってしまうんだよな。やれやれ。 ■ 斎藤己千郎著『あおもり宇宙』(北の街社) たぶんドルフィンホテルに来てくれている人だったなら、このエッセイをきっと好きになるような気がする。多くの人に読んで欲しい。しかし、この本は地方出版のもので、そんなに多く出回っているものではない。正直なところ手に入れるのは簡単ではないはず。 しかし、こういう本に出会えたことはとても嬉しいことだ。ベストセラーばかりが本ではない。ほとんどの人が知らなくたって、最高に面白い本は確かに存在する。まだまだ面白い本はいっぱいあるのだ。 ◆ 半分半分 何事にも長所の側面と短所の側面というのがあるように、全てのことは半分半分なんだというのが、この数年僕が達した境地である(笑)。まあ、これから変化するかもしれないけど。 ■ ビデオ『フィッシャー・キング』テリー・ギリアム監督(NHK-BS2) いろいろと残酷だったり、心の闇を描いていたりする映画なのだけど、けっこうハッピーになれた作品でした。 ◆ 珈琲 しかし、僕は珈琲の味というものがイマイチよくわからない。ドトールとスターバックスと、こだわりマスターのいるカフェの珈琲とを当ててくださいと言われても、まずわからない。 まあ、インスタントとの違いくらいはわかるけどね(笑)。 でも僕だって、ただわからないわからないと駄々をこねるのではなく、珈琲の違いがわかる男になりたいとは思っている。 友人のところで、彼のお母さんが入れてくれた珈琲だった。当時の喫茶店ではサイフォンが多かったと思うが、その家では、ちゃんと豆を引き、丁寧にドリップで入れたものだった。 これが珈琲というものだったのか。 それくらい美味かった。それから20年あまり、あちこちのお店で珈琲を飲んだ。知識もないし、味がわかる奴だとも思っていない。でも、友人の家で飲んだ味を上回った珈琲には一度も出会っていない。 美味い珈琲を、飲んでみたいのだ。
季節の風景の変化に、なかなかついていけない自分というものがいる。ひとつは、身体が対応してくれないのだなぁという健康面。もうひとつは、この読書夜話についてだ。 東京にいるときには、写真は撮り溜めしているものをただ乗せれば良かった。別に冬の掲載時に、夏に取ったどこかのビルの建物の写真を載せても違和感はない。 紅葉の写真なんてのもいっぱい撮っていた。読書夜話に載せるためのストックとしては十分だと思っていた。ところが、赤や黄色ではなく、白い世界なのだ。やれやれ。 ■ ビデオ『シベールの日曜日』セルジュ・ブールギニョン監督(NHK-BS2) でも、この少女をロリコンという言葉で語るのは、映画のテーマからズレているようにも思えるのだが。12歳なんだけど、かなり大人なんだよな。親から捨てられたという環境の中にいることでの孤独感みたいなものと、記憶を失った主人公であるピエールという2人の設定がとても興味深いものだった。 ただ、僕にはラストはわからなかったけど。 ◆ 郵便局vsクロネコヤマト 最近はほとんどクロネコヤマトのメール便を利用する。理由は簡単、安いからである。重量の設定に違いはあるが、だいたい50円くらいはメール便の方が安い。しかも、先日なんかはセブンイレブンの店員がよくわからないらしく、本来210円するはずのところが80円で処理されたりしていた(笑)。まだまだメール便という存在が利用されてないようなのだが、これは安くてなかなかいいのである。ちなみに、このメール便の場合、「厚さ2cm以内」というのが問題のようだが、僕の経験では3cmくらいの厚さでも大丈夫だった。まあ、だいたいは大丈夫だ(笑)。 それにしても思う。どうして郵便局の冊子小包の方が高いのだろう。法律によって何かと優遇されていると言われている郵便局。高いだけでなく、サービスも悪い。冊子小包の場合、中が見えるように穴を空けなければならない。しかも局員によって、ビニールパッキンで包むと中がわからないからダメだ、なんて人もいる。悪いなら悪くていいのだけど、郵便局全体でルールをきっちりと確定させ、守らせるPRをすべきはずなのに。 本気で客を集め売上げを伸ばしたいのだったら、もっと考えることはあるだろうと郵便局には言いたい。たぶん来年はこのクロネコヤマトのセブンイレブンを利用してのメール便が飛躍的に伸びるのではないかと思う。郵便局の冊子小包がダウンして。 ■ ビデオ『駅馬車』ジョン・フォード監督(NHK-BS2) 西部劇というもの自体あまり観ることがなかったのだが、正直あまり気分のいいものではなかった。 どうにも引っかかってしまった作品なのであった。 ◆ 久しぶりの外食 12時を過ぎ、僕はそれなりに名前の通った中華の店に入った。一応メニューを見て、僕は店員のお姉さんに「坦坦麺をお願いします」と静かだったけど確かな声で言った。 しかし、その坦坦麺は大きく僕の期待を裏切るものだった。胡麻の香りも、ひき肉の感触も、そこには無かった。ただの辛いラーメンでしかない……。坦坦麺といっても多くの作り方があるのだろう。僕の食べたい坦坦麺の味とは違っていただけなのかもしれない。でも、でも。やっぱり美味しくなかった。 その日の午後はどうにも気分のすぐれないものとなった。家に帰ってから中途半端な胃袋を満たすために、なんだかんたと腹に詰め込む。間食を取り過ぎてしまったために、結果的に夕飯もいつもより満足感のないものとなってしまった。 外食というのは、ほんとうに難しいものだ。でも、たまには外で美味しいものを食べたい。
なぜ、「このところ困っているか」というと、つい数週間前にはこうした悩みはなかった。なぜかというと髪が短かったからだ……。 今だから言える(笑)。ちょうど9月1日に髪を切った。中途半端な切り方ではなく、丸坊主というものにした。生まれて初めてのことだ。丸坊主でも実は長さがある。店の人が数種類のバリカンを持ってきて見せてくれた。一番短く刈れるものにしてもらった。確か2厘とかという話だった。 実際にバリカンが入れられる前、10回くらいは店の人が「ホントウにいいのですか?」と聞いてくるのには参ったけど(笑)。とにかく、そんなことで僕は坊主頭にしたのだった。 どうして、そんなことをしたか。 さて、切ったことによって僕は変わっただろうか。ちょっとは前に進むキッカケにはなったかもしれないが、あいかわらずだらだらしている(笑)。3ヶ月でかなり髪は伸びた。とくに、3カ月経ってからの2週間くらいで急激に伸びたという感覚がある。もうほとんど以前の状態と同じような雰囲気になりつつある。 外観よりも問題は僕のだらだら状態である。心機一転、何かキッカケになるようなことをしたいな、と思ったりしている。心機一転、また髪を切ろうかなぁ、なんて。 ■ ビデオ『クールボーダー』ブレンダン・エメット・マロイ監督(NHK-BS2) それにしても、一度別れてしまった恋愛がこの映画のひとつのテーマであるのだが、男の方が過去を引きずっているんだよな(笑)。 ◆ 魚 中身は何かというと「西京味噌漬詰合せ」というものだった。僕の大好きな魚の味噌漬けなのである。焼き銀だら、焼きさわら、焼きサーモン、焼き目鯛、焼き銀鱈なんてのが、入っている。 さっそく夕食のおかずに食べたのだが、銀だらを食べた僕は、あまりの美味しさに気絶をしてしまったのだった。 今日は家に新巻鮭のお歳暮が届いていた。1匹丸ごとの鮭である。ああ、これも美味しそう! ■ Robin Williams著 吉川典秀訳『ノンデザイナーズ・デザインブック』 (毎日コミュニケーションズ) 例えば次のような文がある。 |私はこれまでいくるかのルールを示してきました。 カッコイイではないか。あまりにも。 それにこの本ではルールというのが極めてわかりやすく書かれている。4つの基本原則というのがあるのだが、明快な事例で説明されている。いいデザインとは、いい文章とも共通しているのだ。 そしてそれは人生とも。 |デザイン(と人生)には、4つの基本原則に加えてもう一つ、 素晴らしすぎる! ちなみに、この「4つの基本原則」というのは、「近接」「整列」「反復」「コントラスト」というもの。例えば、デザインではなく、サッカーというものをこの4つの基本原則から見てみるのも面白い。コントラストがあることで、ダイナミズムが生まれ、面白いサッカーになる。けれど、整列がなってなければ、それはただのゴチャゴチャしたもので終ってしまう。 人生というものには多くの混沌がある。けれど、4つの基本原則を用いてデザインしていこうとしたならば、もっともっと面白いものになっていくかも。前に進もうという気持になってくるではないか。 ◆ 年賀状 しかし、内容としては、あまり考えることなく適当につくってしまった(笑)。2003年から僕の年賀状は、自分で撮った写真を載せるというものにした。今回も写真をいっぱい並べただけである。一番時間が掛ったのがその写真のセレクトだった。ちなみに全部で24枚の写真を載せている。最初に40枚くらいの写真をピックアップして、その中からバランスを考えて選んだ。一枚一枚の写真は小さいのだが、それなりにいい雰囲気のものになったと自分では思っている。 以前の年賀状だったなら、ほんとにお茶を濁すようなもので終っていた。それが写真を載せる年賀状にしたら、作るのも楽しめるし、1年間を振り返ることができる。そして、今年も頑張ろうという意気込みを表現することもできるような気もする。
自転車に乗れなくなって、運動不足になると思っていた。しかし、こうした雪と接していて、単純なことを気が付いてしまった。そう、雪かきをしなければならない……。 僕が日中こもっている部屋は母屋から離れた小屋にある。そこにはトイレもない。つまり、日に何度も行き来しなければならない。約10メートルほどの、外を歩く。このスペースはどうやっても僕が雪かきをしなければならない。そうしないと、トイレにも行けないし、寝ることもできない。 この雪かきがけっこうな運動なのであった。これからもっと本格的に雪が積もってくれば、僕の運動量は増してくる。大変だ。 ◆ 新選組 確かに、かなり面白かった。これまでの新選組とはどこか違ったものが感じられた。ある意味での青春群像とでもいうのか。若い俳優を使ったことによる、若さが新鮮に感じられた。 しかし、僕はこのドラマを見ながら、けっこうハードなことを考えていた。ある意味で、新選組という存在は、連合赤軍やオウムと同じものではなかったのかと。 新選組は、組織というものを維持しより強くしていくために、より内部の強化をしていく。そのために、身内である人間を罰していく。そうした姿、構造みたいなところが、ダブって見えてしまった。 ドラマの途中にあった台詞に今もしびれている。 「ここにはもう私のいるべき場所がない」 会社を辞めるときのことを思い出してしまった……。 ◆ チームLSD ロードレーサーで四国を走る忌野清志郎という存在を知ってから、またまた気になっている今日この頃。サイトを見ているとチームLSDという存在を発見。Long
Slow Distanceの略ということなのだが、これが最高にかっこいい。 よくよく見ると、自転車に乗り始めたのは、まだほんの4年くらいとのこと。ほんとにカッコイイ! 「KSB 瀬戸内海放送」のサイトで、「清志郎さん 遍路道を走る」(http://www.ksb.co.jp/newsweb/indextable.asp?tid=1&PG=2)という特集を見ることができる。自転車を走らせることの、熱く、自然な話が、もの凄くいい。 ああ、僕も自転車を走らせて、旅をしたくなってきよた。 ■ ビデオ『フェイス/オフ』ジョン・ウー監督 なんとも信じられないのだけど、この2人、顔が入れ替わる。もちろん声も。お互いが別の身体を持つという展開なのだ(笑)。SF映画ではない。正直、ちょっとストーリーに無理があるよなぁと感じる。まぁ、でもそれは許そう。 しかし、その別の身体になったことの感情が、なんかちょっとB級なんだよなぁ。B級はB級に徹してれば凄く面白いのだけど、何か中途半端なものがあった。 ◆ 信用 少し前まで使っていた僕のゲートウェイのノートパソコンは今だに捨てられずに僕の本棚にある。正直に言えば、それなりに愛着もあったのだ。何度かサポートのメールを出したこともあった。とても親身になっての対応だった。 ゲートウェイで直接僕が触れ合った人は、なんだかとてもいい雰囲気の人ばかりだった。それが、突然の日本撤退……。 撤退されたとき以上に、なんとも寂しいものがある。
しかし、実際に雪の上を何度か歩いていると、小さかった……。そんなわけで、Lサイズのものを、また買ってしまった。ちょっとばかりというか、かなり大きいのだけど。今度は底敷きを買おうっと。なかなかお金のかかる冬だ。 ■ ビデオ『囁く砂』ナン・アフナス監督 ◆ 北朝鮮の問題 ひとりひとりにいろいろな意見があるはずだ。もっともっと意見を交わし、考えるべきだと思う。考えるときに、頭に来たから、というものではなく将来どのような関係になればいいのか、どういう過程を経て、その関係を築ければということが大切なのではないだろうか。 悪いことをした者は罰せられなければならない。それはそうだ。問題を起こした生徒を退学にし、それで問題が解決するかといえば、社会全体では何の解決にもなっていないはずなのだ。 僕は個人的な意見として、経済制裁というのは反対である。その先に何があるのだろうか、そう思わずにはいられない。 ■ ビデオ『浴室』ジョン・ルヴォフ監督
駅のホームで立ち止まり、ながながと本の話をしたりする。 新しい本を読まなくなってきているようなのだ。以前に読んだ本を、また読み返す。いい本は、それでも新鮮な感情を与えてくれる。 ◆ 韓国の日 そこで僕は提案したい。新しい祝日を。まあ、単により多くの休みがあったら、ということでもあるが(笑)。 今、韓国がブームとなっている。そこで、「韓国の日」というのを設けてはどうだろうか。何といってもすぐ隣の国である。簡単には解決できない過去もある。この日だけは、辛い過去と正面から向き合ってもいいと思う。その上で握手をして、前に進んでいく、みたいな。祝日の目的というものが、とてつもなく明確なものになるのではないだろうか。 もちろん、「韓国の日」だけでなく、「中国の日」や「アメリカの日」なんてのがあってもいい。どん祝日が増える。楽しい楽しい。 ■ ビデオ『ゴシップ』コリン・ナトリー監督 [NHK-BS2] ぜひとも、日本でリメイクして欲しい作品なのであった。 ◆ 歌番組 歌というのは、どうやってもラブソングみたいなものとなる。そうでないにしても、人の生き方を詩にしたものだ。テレビで流れるこうした歌詞を聞いても、胸に響かないのだ。10年、20年前の方が、ずっといい歌詞があったような気がする。アイドル歌手の歌う詩だって、昔はもっと意味があったと思う。 僕が変わったからなのか。よくわからない。でも、コンピュータの技術が発達し、ハード的なものはどんどん進化しているのに対し、ソフトの方は少なくとも進化しているようには感じられない。 ところで、NHK紅白歌合戦を見て思ったのだけど、民放でも対抗した紅白歌合戦をやればいいのではないか。格闘技だって、2つのビックイベントが同時にやっているのだから。 NHKに対抗して、男女15組くらい。ヘンテコな催しはいっさいやらないで、ひと組ひと組が最高のステージを行なう。そうした番組があったなら、参加者だって出演したいと思うのではないか。実際にこうした番組があったなら、ぜひ見てみたい。 ◆ 2004年と2005年 恥ずかしながらほとんど仕事をしない1年だった。サラリーマンだった時間もあったのだが、体調が悪く、ただ単に会社に出るだけみたいなものだった。 でも、けっこういい1年だった。自転車が好きになり、より写真を撮るのが好きになった。アスパラが好きになり、大根が好きになり、食用菊が好きになった。 2005年はどんなものを好きになるのだろうか。これまたはじめての感情だけど、けっこうドキドキしている。
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