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ドルフィンホテル 観た映画ベストテン 実はそんなに強く映画が好きだ、というわけではない。僕の個人的な、ほんのささいやかなベストテンというか、今年観てよかった映画を10本ほど書いてみた、というようなものです。 <2004年・観た映画ベストテン> NEW! 第一位はウォン・カーウァイ監督の『2046』! 他の映画と比べて圧倒的に良かったというわけではないが、そのスケールに脱帽というところだろうか。注目された作品が、期待以上のものだったというのはかなり凄いことだと思うのだ。SF的要素のセンスも含めて、何から何まで完成度の高い、大きな満足感を持たせてくれるものだった。 『ラブ・アクチュアリー』に関しては言うことがない。とにかく究極のハッピーな恋愛映画と言えるのではないか。こういう映画を観ると、楽しくなくちゃ映画じゃないと思ってしまう。また観たいと思う。多くの登場人物は、観る度に違った輝きを魅せてくれるだろう。 2004年の僕の映画のトピックスは、何といっても韓国映画が凄いと感じたことだ。名画座で少し前の評判の韓国映画を観たのだが、この『ペパーミント・キャンディー』には打ちのめされてしまった。とにかく、そのパワーは凄い。「生きる」という意味が、全く違ったものに思えてくるのだ。 『オールド・ボーイ』は2004年に上映された最新の韓国映画だった。カンヌでも評判になったというだけあって、確かに凄い映画だった。このところ韓国がブームになっているわけだが、こうした映画を観て言っているのだろうかと疑問を持ってしまう。ほんとに、身体の内側から震えが来るような映画なのだが、同時に日本という国が韓国と近い国なんだということも感じさせてくれた。 日本映画は静かに変わっているように感じている。『誰も知らない』は、かなり強烈な映画だった。正直なところ、僕はこの映画について多くを語りたくない。この映画の世界から離れたい。とりあえず今は離れなければ、そういう気持にさせている。 中国映画というと、文化大革命などの少し前の時代を描いたものが頭に浮かぶ。けれど、この『ションヤンの酒家 LIFE SHOW』は現代の中国だ。街中の酒場が舞台。そこで古い中国と新しい中国とが絡みあう。それは、男と女の恋愛でもある。人と人の気持のやり取り。触れ合う気持というもの。いい映画だった。心からそう思える。 『ミスティック・リバー』は、ハリウッド映画の深さを象徴するような映画だった。そして、アメリカという国の抱える問題の深さのようなものを、感じさせる。その深さというのは、何層にもなっている複雑な深さだ。それが詳細に、計算されて作られている。重い映画だった。 『8月のクリスマス』は韓国のピュアな恋愛映画だ。ここまで純でいいの、というくらいのもの。特別なものは何もないといっていい。たぶん、ほんの1センチでもずれてしまったなら、表現されないような世界がこの映画にはある。ある意味で、韓国映画の純愛を究極に表現された映画と言ってもいいだろう。 この『21グラム』もスーパーハリウッドな映画だった。人間の生きるということを、重く感じさせてくれる。心臓の鼓動が聞こえてくるようだった。映画の作りとしても、エキサイティングなものだ。最初はよくわからなかったが、その計算しつくされた構成に、後から驚かされる。人生が終るとき、それまでの出来事がフラッシュバックされるように。 『息子のまなざし』は特別な映画だ。音楽もない静かな時間が流れていく。この物語を受け入れることは、かなり難しい。少年犯罪者とその被害者の問題、それがテーマだ。何が良いか、どうすればいいのか、簡単に答えの出せるものではない。この映画は、深く厳しい問題に向き合わせる。ほんとうに、それは辛いことなのだけど。 <2003年・観た映画ベストテン> その他. 2003年に映画館に行って映画を観た本数を数えてみた。なんと49本もあった。これまでの本数を観たのは僕の人生で初めてのことである。もう1本観ておけば50本だったのに……、という気持ちもある。これからも毎年このくらいは観ていきたい。でも、難しいかな。いろいろと考える。でも、映画を観る休日というのはリラックスできる、いい時間だったなぁと思う。東京という街に住んでいるからこそ、このくらいいろいろな映画を観ることが出来たのではという思いもある。実は満員の客席で観たというのは、あまり多くはない。どちらかというと、ほんとうにガラガラの映画館の方が多かったように思う。休日に観ていることが多かったということもあるのだが。ガラガラの映画館の方が好きなのだけど、少し寂しい気持ちもあった。 ビデオを含めてチャン・イーモウの作品を何本も観た。『至福のとき』という作品はとても良かったのだが、100%良かったかというとそうではない。それはこの作品の出来がどうかということではなく、人の暮らしというものに100%というものがないかのように、そのままに描かれているように感じるのだ。正直なところ、この映画の途中はけっこう退屈だったりもした。けれど、その退屈ささえも、後から考えると面白さのひとつだったように思える。説明は難しいが、チャン・イーモウの不思議な魅力がこの作品には出て、僕はそうしたものがすごく好きなのだ。 『春の惑い』はとても地味な映画と言えるのかもしれない。どこが良かったかと聞かれると、実はかなり難しい。いちおう男女の三角関係の物語なのだが、派手な場面はない。心の部分の、ほんとうに微妙な感覚が描かれているように思える。途中でちょっとしたゲームをする場面がある。そのときの登場人物の表情がとてもいいのだ。言葉にはできない、人を想い、悩み考える。そうしたものが、映画という表現のなかにあるのだな、と強く感じることができる。それは、映像全体から感じられるものだ。繊細な心の動き。そうしたもの中に身を置くことができるような映画だ。 『kissingジェシカ』はもっともっと評価されていい映画だと思うのだが。例えば、少し前に『アメリ』や『ブリジッドジョーンズの日記』が話題となった。女性が主人公というという点では似ているのだが、こうした映画と比べて決して負けているわけではない。僕の感覚で言うと、この映画の方が活き活きしている感じが強い。主役のジェニファー・ウェストフェルトは素晴らしいし、何も言うことはないくらい。悩んで、ちょっとばかりアレレという感じはあるが、それもまたヨシではないか。 『青の炎』の映像は特別なものだった。青い照明の部屋、青い空に青い海。出演者も素晴らしかった。高校生の殺人という重いテーマを、10代の感覚というものを、よくぞここまで描いたものだと、大きな驚きだった。 恥ずかしながら『小さな中国のお針子』を観るまで、中国の文化大革命というものを知らなかった。政治的な背景というものがあるのだが、男性2人と女性1人との、胸の引き締められるような恋愛映画でもある。大自然の映像はほんとうに素晴らしく、圧倒されてしまう。それにしても、男は悩み、女は女なのであった(笑)。 『あの子を探して』は、ラストシーンが凄く好きである。ほんとに、ほんとうに、涙が出るほどにいい。子供たちの表情が、言葉に出来ないほどいい。チャン・イーモウならではのものだろう。ある意味で、映画であることを超えていると言えるのかもしれない。 『エデンより彼方へ』も地味な雰囲気の恋愛映画と言えるのかもしれない。少し前の時代の物語なもので、差別の問題もある。何よりも、自由な生き方というのだろうか。そう、観ていると、とても自由な気持ちになれるのだ。そして何よりも、映像のキレイで素晴らしいこと。映像を観ているだけで、幸せな気持ちになります。 『アイリス』を観たときの衝撃はかなりのものだった。あまり明るい雰囲気の映画ではない。人という生き物が、年老いていくという辛い映画でもある。思い出すと、辛くなってきてしまう(笑)。静かな夫婦の映画であるけれど、映画の持つスケールの大きさというようなものが強く感じられた作品であった。 『人生は、時々晴れ〜 All or Nothing』は、ちょっとばかりというか、とっても暗い雰囲気の映画である。でも、僕はこの映画が凄く凄く良かったのだ。観ている途中、胸が熱くなりどうしようもなかった。なにも、スカッと生きていく希望を与えてくれるわけではない。生きていくことは、ほんとうに難しいものだと感じるばかりだ。けれど、手を握り締めたくなる気持ちになるのだ。
<2002年・観た映画ベストテン> 『たそがれ清兵衛』は文句なくというか、小説が好きだったことでの特別な気持ちもあり、実は複雑なものもある。2回見たのだけど、何ら飽きることはなく、2回目の方がかえって面白く見ることができたような気さえする。たぶん、何度見ても色褪せることはないようにも思える。時代劇というものをこんな風に映像として表現したのかと、嬉しい気持ちだった。 『地獄の黙示録 特別完全版』はその迫力に負けてしまったという感じである。何もこれはその戦闘シーンのことだけではない。最初から最後までの重量感のようなものだろうか。劇場のスクリーンで見ることができてほんとに良かった。 『マーサの幸せレシピ』はその明るさというか、前向きな感じがとても好きだった。明るい気持ちになれる映像があり、映画館を出た後、よしがんばるぞ、と思える内容というのだろうか。料理の場面もいいし、街や部屋の雰囲気もいい。そして何よりも主人公が魅力的だった。 『チョコレート』のセックスシーンというのはほんとに凄い。実は女性の人の方が強くこの映画を支持するのではないだろうか。生きて行くということの、辛さ、ぎりぎりのところがこの映画から感じられたのだが。 『アメリ』はすっかり有名になってしまった。ちょっと暗い雰囲気はしたのだけど、この個性がたまらなくいい。女性の繊細な部分というのが、嫌味もなく、さりげなく、素敵に描かれてるように思えた。 『夜を賭けて』は癖のある映画だけど、僕は好きだった。この映画も『たそがれ清兵衛』同様に、小説の映画化である。この小説の映画化というのは、別のものだ、と当り障りのない言い方をすることが多いが、ほとんどは情けない作品となっていることが多いと思う。しかし、この『夜を賭けて』は違う。よくぞここまで映像にしたものだと感動さえする。迫力があり、ほんとに面白く見た。 『アバウト・ア・ボーイ』は、現代に生きる男が主人公の映画である。見ていて、とても元気になれた(笑)。特別な何か、というのがあるわけではない。けれど、不思議な魅力がある。 『ビューティフル・マインド』は見ていてちょっとびっくり。最初はよくあるハリウッド映画の雰囲気かな、と思ったけど、次第にその深さに圧倒されてしまう。現実の話と知って、またびっくり。 『息子の部屋』はとても淡淡としたイタリア映画。ほんとうに静かだった。それでいて、気持ちの奥のところに突き刺さるものがある。でも、イタリアの風景というのが静かに語りかけてくるように思えた。 『es[エス]』はかなりショッキング、そして不思議な映画だった。その舞台、インテリアというものも強く印象に残っている。また見たいとはあんまり思わないけど(笑)、ほんとうに強く自分の中に残る映像だった。 |