| 南アフリカ共和国、サハラ・アラブ民主共和国を承認 |
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※高林敏之 仮訳 【 】内は訳注。
南アフリカ共和国とサハラ・アラブ民主共和国との外交関係樹立に関する共同コミュニケ
自由と尊厳を求めるその共同闘争において両国人民間につねに存在してきた、連帯、相互支援および協力の長い歴史を考慮し、南アフリカ共和国とサハラ・アラブ民主共和国は両国の兄弟的紐帯を強化し増進することを決定した。
その帰結として、かつAU【アフリカ連合】および国連双方の憲章に記される原則および目的の履行のため、南アフリカ共和国とサハラ・アラブ民主共和国は2004年9月15日水曜日をもって大使級外交関係を樹立することを決定した。
両国は西サハラ国連/AU和平プランの履行に対する両国の関与を再確認し、公正、透明かつ民主的な自決住民投票の迅速なる実施こそ、両紛争当事者が合意し国際社会全体の支持を受けた唯一実現可能な道をなすものであると考える。
かかる展望において、南アフリカ共和国は、我らの大陸の北部における平和と安定の回復に向け、地域のすべての人民に対する公正かつ均衡のとれたアプローチを通じて、高度に有益な貢献をもたらすであろう。
南アフリカ共和国は両紛争当事者に対し、公正かつ歪められることのない住民投票の実施を通じた和平プランの迅速なる履行を成功裏に達成すべく、国連事務総長と完全に協力するよう衷心より求める。
他方、サハラ・アラブ民主共和国はいかなる制限もなく住民投票の結果を受諾することを確約する。
サハラ・アラブ民主共和国の政府および人民は、南アフリカ人民に対するその誠実なる謝意を表明する。さらに、すべてのアフリカ人の平和、安定、繁栄および尊厳という大義のために展開してきたたゆみなき努力、および我らの大陸アフリカを諸国民の集合体の中でその正当なる位置に再確立するための個人的確約および努力に関して、ターボ・ムベキ大統領に対し温かい敬意を表するものである。
| ケープタウン、2004年9月15日水曜日 | |
| 南アフリカ共和国のために | サハラ・アラブ民主共和国のために |
| ンコサザナ・ラミニ−ズマ博士 外務大臣 ムハマッド・サレム・ウルド・サレク 外務大臣 | |
モロッコ国王ムハマッド6世宛ターボ・ムベキ南アフリカ大統領書簡
| 大統領 南アフリカ共和国 |
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| 2004年8月1日 | |
| ムハマッド6世国王陛下 ラバト モロッコ王国 |
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陛下、
私どもの政府と私自身の挨拶、ならびに西サハラの問題に関する私どもの見解の一部をお伝えすることを光栄に存じます。
陛下もご承知の通り、数年前に我々の当時の大統領、ネルソン・マンデラは、サハラ・アラブ民主共和国(SADR)を承認し外交関係を樹立するという、私どもの政府の決定を声明いたしました。これは1994年に私どもの国が加入したOAU【アフリカ統一機構】の以前の決定に合致するものでありました。
陛下の亡き父君、ハサン2世国王陛下はマンデラ大統領に対し、この決定を実行しないよう懇請されました。当時の国連事務総長ブートロス・ブートロス=ガリ、および他の世界の指導者たちが同様の要求をマンデラ大統領にもたらしました。
私どもが国の大統領職を継承した際、同じ見解が私どもに伝えられました。そこで進められていた議論は、私どもが国連安全保障理事会および国連事務総長の後援のもとに実行されている協議に成功の機会を与えるべきだというものでした。我々のSADR承認はこれら進行中の協議を深刻に阻害するであろうと言われたものです。
私どもはモロッコ国王および政府、我々が友好的関係を維持する他の諸国の指導者たち、および国連により表明された見解を尊重し重視いたしました。
したがって、我々自身の解放を達成してから10年後になっても、SADRを承認するというOAU/AU【アフリカ連合】の決定を尊重するよう求める、ポリサリオ戦線およびOAU、現在のAUの一部加盟国による持続的な圧力にもかかわらず、私どもはいまだSADRを承認しておりませんでした。
この間私どもは、「西サハラ人民の自決のための和平プラン」【ベーカー前国連事務総長特使の提案になる、モロッコ主権下での5年間の暫定自治を経て西サハラの将来(独立、自治、ないしモロッコへの併合)を決する住民投票を実施するという計画。ポリサリオ戦線の受諾により2003年に国連安全保障理事会決議として採択】を含む国連の諸決議に合致する形で、国連主導の協議の成功裏の妥結に貢献すべく最善を尽くすよう、ポリサリオ戦線を説得することを継続的に模索して参りました。
一貫して私どもは、その見解に私どもが重きを置く指導者たちの勧告および要請に留意するという決意を、戦線指導部に伝えて参りました。これらがSADR承認に反対する勧告であった事実を、私どもは隠すことはありませんでした。
私どもは戦線に対し、かかる勧告を我々が尊重することこそ、西サハラ人民に自決権行使の可能性を与える住民投票の実施へと導くであろう和平プランならびに他の諸提案の成功裏の履行のために、我々がなしうる最良の貢献であるという、私どもの信念を示唆いたしました。
それゆえ私どもは、国連事務総長コフィ・アナン氏による2004年4月23日付の西サハラに関する報告書を読み、大いに当惑いたしました。その中で氏は次のように述べておられます:
「私の見解、および我が特使の見解によれば、和平プランに対するモロッコの最終回答は“モロッコ主権の枠内における自治”に基づく西サハラのための解決を協議することに同意するよう、関係当事者に要求するものであるようだ。主権の問題は、むろん、この数年来つねに当事者を分け隔ててきた基本的問題である。モロッコは、自らが長年にわたり合意してきた解決計画【1991年に国連安保理決議として採択された、当初の住民投票計画を指す。1974年住民登録リストをもとに認定された有権者が、独立、ないしモロッコへの併合を選択するとされていた】を受諾していない。想起されるべきは、枠組合意案【「和平プラン」の基になった、2001年のアナン−ベーカー提案】を受諾した際、モロッコは【モロッコとポリサリオ戦線による】領土分割に関するいかなる提案の協議も拒否していることであり、そして今また和平プランの中核的要素を受諾しないのである。」
当然ながら、この点に関して私どもはまた、「西サハラの自決のための和平プラン」と題された、当時の国連事務総長特使ジェームズ・ベーカー氏の提案に対し、貴国外務・協力大臣ムハマッド・ベナイサ氏により伝達された、2004年4月9日付モロッコ王国の回答に特に留意いたしました【上記アナン報告書の添付資料とされている】。
陛下もご存知の通り、この回答は以下のごとく断固とした声明をなしております:
「結果的に、かつ王国に関する限り、自治による解決という最終的性質は協議可能なものではありません。」
「他方、当事者により合意され住民により支持される自治という解決は、定義として、当該住民に独立という選択が提示される可能性を排するものです。それゆえモロッコにとって、その主権および領土保全に関して、相手が何者であれ協議に従事することは問題外であります。」
陛下は、コフィ・アナン国連事務総長が貴国政府の回答を評して、以下の通り述べている事実をご承知でありましょう。「モロッコの和平プランに対する最終回答は西サハラをめぐる紛争に対し政治的解決を達成するため働き続ける意思を表明してはいるが、同時に“政治的解決に基づく自治のみが唯一最終のものでありうる”とも明確に声明している。それは【国連安保理】決議1429(2002)において求められている自決に対する、敵対的な含意を有するものである。」
陛下はまた、2004年4月23日付国連事務総長報告書に関する検討を受けて、安保理により全会一致で採択された、国連安保理決議1541(2004)を疑いなく熟知しておられることでありましょう。
この決議の中で、安保理は「国連憲章の原則および目的に合致する取極の文脈において西サハラ人民の自決権を提供するであろう、公正、永続的かつ相互に受諾可能な政治的解決を達成する」ことを助けるという確約を繰り返しました。
西サハラ問題はこの確約に基づいて解決されなければならないという点で、私どもは安保理に完全に同意するものであります。
国連事務総長がアフリカ統一機構(OAU)と協力して、1990年に安保理によって支持されることになる「解決諸提案」へと導く調停任務を開始した1985年以来、アフリカおよび国際社会の他の部分は、西サハラ人民が独立とモロッコとの統合のいずれかを自由に選択する可能性を与えるであろう解決を模索してきました。
したがって、我々がSADRの承認を延期した時、この決定は、国連憲章の原則および目的ならびにOAU/AUの関連文書に合致した方法によって西サハラ人民に自決権の行使を認めるであろうプロセスの様式に合意するため、モロッコとポリサリオ戦線の双方が国連事務総長および安保理とともに取り組んでいるという前提に基づくものでありました。
しかるに、4月9日の、国連和平プランに対するモロッコ政府の回答は西サハラ人民の自決権を決定的に否定しようとするものであり、基本的かつ不可侵であるべき国際法にも、モロッコ政府によってなされた当初の厳粛な確約にも反するものであります。
後者の問題に関して、モロッコが長年にわたり合意してきたはずの解決計画を受諾せず、そして今また和平プランの中核的要素を受諾しないと国連事務総長およびその特使が結論づけていることは正しいと、私は確信しております。
4月9日の貴国政府回答は、西サハラ人民により行使されうる「自決」の特質はモロッコ政府によって決定されるべきものと論じております。そのうえで貴国政府はこの特質を、西サハラ住民に独立という選択が提示される可能性を排するであろう、自治による解決として定義する方向に進んでおります。
これは、国連がその憲章によって擁護し促進することを義務づけられ、その西サハラ人民による行使を国連がほぼ20年にわたり模索してきた、自決の正当な権利を否定する公然たる試みという性質をもつものであるということを、陛下には同意していただかなければなりません。
私どもはかつて、我々の国におけるアパルトヘイト制度に対する闘争という特別な文脈のなかで、我々自身の自決闘争に対しモロッコが行った重要な貢献に対し、深甚かつ明確な謝意を表明したものです。これは1994年の我々の解放以来、我ら両国が成功裏に打ち立てることを模索してきた、友好と連帯に基づく世界関係の発展のための強力な基盤を創り出しました。
この点で、未解決の西サハラ問題ゆえに、モロッコがOAU/AUの完全かつ活動的な加盟国として、我々の大陸の刷新におけるその当然の役割を果たすことができないでいる事実を、私どもは遺憾に思いましたし、遺憾に思い続けております。
同時に、同じように顕著かつ決定的に重要なパレスチナ問題に関して、パレスチナ人民もまた独立にまで至りかつ独立を含む自決権を行使する旨保証することを支援すべく、我ら諸国がその力の限りを尽くすという決意のもとに結集することを基礎として、私どもはまた取り組んで参りました。
かかる結論はすべて、我々自身の歴史における最も困難な時代に私どもがさらされた経験から引き出されたものです。その時代にムハマッド5世、ハサン2世両国王、モロッコ政府および人民は、私どもおよび我ら人民の自決権行使が支援されなければならないという原則的立場を採択し固守してこられました。
西サハラの問題に関することであっても、アフリカのこの一部分における植民地支配の歴史にかかわらず、モロッコはすべての人民のための自決という原則に忠実であるという、その伝統への誠実を保ち続けるであろうことを、私どもは信頼の問題としてとらえていました。
モロッコが国連主導の協議において追求している中心的目標は、西サハラ人民がなんらの障害もなく自決権を行使するよう保証することであり、同時にそれは西サハラ人民がモロッコの一部となることを自由意志にて決定するであろうとの確信を享有したうえでのことであると、私どもは理解しているつもりでした。
最も遺憾なことに、国連事務総長特使に対する4月9日付モロッコ政府回答は、この見解について私どもは誤っていたと確信させるに至りました。モロッコが、自らの運命を決定する西サハラ人民の権利を尊重する意思を全く抱いていないことは、今や明らかであると思われます。
代わりにモロッコは、西サハラ人民にも、あるいは国連およびAU双方の見解を尊重することにも言及することなく、すべての者が「モロッコの主権の枠内で自治を形成する」解決を受諾する義務があると、一方的に決定したのです。
この点を強調するために、貴国政府はさらに踏み込んで「自治による解決という最終的性質は協議可能なものではない」とまで述べました。それゆえモロッコにとって、その主権および領土保全に関して、相手が何者であれ協議に従事することは問題外であるとしたのです。
にもかかわらず、パレスチナ問題と同様に、西サハラ問題はこの領域に対する領土【保全】と主権の諸問題を不可避的に含むものであります。これらの問題がいかなる解決においても本質的な一部分であるべきではないと主張することは、いかなる公正な解決も模索されるべきではないと論じるに等しいものです。
貴国政府の決定から生じた最近の展開は、私どものSADR承認【の延期】が、西サハラ人民の自決を提供するであろう公正、永続的かつ相互に受諾可能な政治的解決として安保理が説明したものにとり好ましい具体的要素であると希望し続けることを不可能としております。
モロッコ政府によって推進された立場により引き起こされた、回避できたはずの袋小路は、私どもの側におけるSADR承認のさらなる遅延が、西サハラ人民の自決権に対する我々の支援を放棄したものと不可避的に解釈されるであろう状況を生み出したのです。
私どもにとって、かかる状況の中でSADRを承認しないことは、すなわち西サハラ人民の自決権否定への共犯者となることを意味します。これは我々自身の闘争、モロッコが我々にかつて差し伸べた連帯、および国連憲章ならびにアフリカ連合設置法を尊重するという我々の確約に対する、重大かつ受け入れがたい裏切りという性質をもつものとなりましょう。
私が只今述べたことは単なる言葉にすぎず、厳粛なる国際的合意を尊重するいかなる義務も私どもに課するものではないとの示唆もありましょう。
陛下はまた、私どもの国がパン・アフリカン議会【AUの諮問機関として設置された、各加盟国議会から5名ずつの代表者をもって構成される議会。将来は立法機関への昇格を想定】の所在地となるべきことに、最近のアフリカ連合首脳会議が合意したという事実をご承知のことでしょう。西サハラ人民はこの議会に、【AU加盟国である】SADR人民の代表として、その選挙された代表を送る資格を与えられることでありましょう。
AUにより承認され、加盟国としてその事業に参加しているアフリカの1国家出身の正統な代表として、私どもが当該代表者を認めていないという根拠をもって、当該代表者が我々の国に入国することを拒否すべきであるという論理は、明らかに容認できないものといえましょう。
その決議1541(2004)において、安保理は「国連西サハラ住民投票派遣団(MINURSO)の任務を2004年10月31日まで延長すること」【現在も延長中】を決定しました。公正な平和が可能であるという希望を我々すべてに与えた以前の国際的決定を維持しつつ、西サハラに関する長引く協議を最終的に妥結させるために、この延長により提供される猶予期間が利用されうるならば、私どもにとって大いに喜ばしい事であります。
私がこれまで言及してきた展開に照らして、私どもの国にサハラ・アラブ民主共和国大使館を開設する様式に合意すべく、私どもはポリサリオ戦線との協議を開始いたしました。
これに加えて、西サハラ人民がその自決権を行使できるよう、我々の自由になるあらゆる有効かつ正統な手段を駆使して、私どもは国連とAUの努力を支援し続けるであろうと、全くの公明正大さをもって、私はまた陛下へお伝えしなければなりません。
同時に、パン・アフリカン議会の所在地を提供するという、AUおよびアフリカ諸人民に対する私どもの義務を満たすという文脈において、私どもはAUの全加盟国に当然与えられるべき権利と特権のすべてを、ポリサリオ戦線に対し認めるでありましょう。
陛下、2010年のワールドカップ・サッカーを主催するという私どもの申請を受諾するFIFA執行委員会の決定をうけた祝福のメッセージに対する私どもの誠実なる謝意、ならびにモロッコが将来同様の可能性を有するであろうという私どもの確信を、この書信を利用してお伝えすることをお許しください。
私どもの最高の敬意の確かなることを陛下に御了解いただけますよう。
| ターボ・ムベキ 南アフリカ共和国大統領 |