銀河荘の下宿人 No.2
みおママさん (木原先生とグレープフルーツ&ペーパームーン)
みおママさんはご存じの方も多いと思いますが、グレープフルーツ誌の詳細なリストをWeb上に公開されておりまして、当時同誌に多く登場された木原さんの資料を調べる時に大変お世話になっています。そのデータベースは労作ともいえる完成されたもので、多くの方が訪れています。当サイトも少しでも近づけたらとかねがね目標にしています。(^^;;
今回、グレープフルーツ、ペーパームーン誌に掲載された関連作品及びエッセイ・インタビューなどを紹介していただきました。
表紙画像は新書館より掲載許可をもらったものをHP上にあげておられますので、どうぞ見に行かれて下さい。こちらです。
※みおママさん、お忙しい中原稿をお寄せ下さってありがとうございました。
はじめに
グレープフルーツとペーパームーンをめくってみると、木原先生はしばしば登場されておられます。
グレープフルーツに関しては、表紙は3回、イラスト、旅行日記など、その内容はとても様々。
グレープフルーツ&ペーパームーンという雑誌において、木原先生がどのように活躍されておられたのかをまとめてみたいと思います。
グレープフルーツ
○虹の森の鬼(3号:1982年2月25日発行)
グレープフルーツの第3号の表紙をめくると、”虹の森の鬼”の「安達原」が目にとびこんできます。
『”鬼”というタイトルであるけれど、ここに登場するのは、トランシルバニアの吸血 鬼のイメージのあでやかな男性など、異人=鬼説という風景で描かれたものである。』 (5号のインタビューより)
このインタビューどおり、なんともあでやかな雰囲気の鬼(というよりも、かっこいい お兄さん風)が描かれています。
私は、最初に読んだ木原さんの作品が『摩利と新吾』だっただけに、どうもそのイメージが強くて、木原先生イコール日本的な絵という印象を持っていました。だから、最初は洋風な絵にかなりびっくりした記憶があります。(まだ『アンジェリク』を読んでないころの話なので勘弁してください)
ここでは、
「安達原」
「東松原の鬼の公達」
「桜の森の満開の下」
どれもイラスト集『虹の森の鬼』(新書館)収録が描かれておりますが、個人的に納得 できないのが、『虹の森の鬼』には、「桜の森の満開の下」の、白無垢姿の女性のイラストが収録されていないのです(^^;(壊れた飛行機をバックに白無垢姿でたたずむ女性。)行方不明の恋人を思う女性の悲哀さがとても感じられるのに・・・
どうしてこのページ、イラスト集ではカットされてしまったのでしょう・・・ぐすん。
○虹の森のあえかな鬼(5号:1982年8月25日発行)
イラスト集『虹の森の鬼』刊行に伴い、スペシャル・インタビューです。木原先生のお 写真も載っています。馬場あきこさんの『鬼の研究』を読むと、鬼説について詳しいこ とが書いてあるそうです。読んでみなければ!
それにしても、私はこのインタビューで初めて木原先生が元銀行員さんであられたこと を知りました。とても意外・・・いえ、木原先生ご本人を全く存知上げていない私がこ ういうことを書くのはとても失礼のような気もするのですが、銀行員さんってとっても おかたいイメージがあるので、ドジさまというニックネームをお持ちの楽しい漫画を描 かれる木原先生とどうも結びつかなくて(^^;
ところで、このインタビューで暴露されておられますが、『虹の森の鬼』の中の『封印 雅歌』であるものを描き忘れていたシーンが2コマあったということです。うーん、一 体どれなのだろう・・・また詳しく見てみなければ。
○表紙(8号:1983年2月25日発行)
くるくる巻き毛の女性のイラストです。白いコートをはおり、ピンク色の椿の花を手にしています。
○転生神話(10号:1983年6月25日発行)
『摩利と新吾』の摩利が、250年前の祖先の生まれ変わりかも知れない・・・そんな 思いがつづられており、新吾の笑顔がとても素敵です。
おまけ:この10号では、先生方のサイン入り色紙のプレゼントがあり、もちろん木原 先生のもありました。でも、各1名づつなんて・・・
○素敵な友だち 柴田侑宏(11号:1983年8月25日発行)
『アンジェリク』が宝塚で上演されたときに脚本と演出を担当された柴田侑宏(しばたゆきひろ)さんのことについて書かれておられます。しばしば美青年を描いて楽しませてくださる木原先生ならではの、素敵なジェントルマンについてが書かれていてとても楽しめます。柴田さんから見た木原先生についてのインタビューも掲載されています。
木原先生と柴田さんと共に、麻実れいさん、遥くららさんもご一緒の楽屋での写真まで 掲載されていますよ!
○表紙(12号:1983年10月25日発行)
白狐のお面を持った女性のイラストです。
○牡丹夜話(16号:1984年6月25日発行)
鮮やかな紅の衣をまとった美男子が赤い牡丹の木に座っているイラストがあります。
いやあ、あでやかでホント、惑わされそうです(^^;
『夢占舟』に収録されています。
○ドジの東欧日記(22号:1985年6月25日発行)
84年10月に行かれた東欧旅行のあらましです。東ドイツ、チェコ、ハンガリーに行かれた記録。とっても楽しみながら読めます。成田からフィンランド、ヘルシンキで一泊。コペンハーゲン経由でベルリンへ。まだドイツが東西に分裂していた時のお話です。ベルリンの壁・・・しみじみと読み返してしまいました。もうこの壁が消えて10年近くなるのですよね。しみじみ・・・ ベルリンからライプチヒへ、ドレスデン、プラハへ。(このプラハまでのバスの中で考えられたことが、のちのち『ベルンシュタイン』という作品になったのだそうです。そしてウイーン、ハンガリーへ。当時のあちこちの様子がとても詳細に描かれています。うーん、私もいつかベルリン大学拝見してみたいなあ。
『夢占舟』に収録されています。
○表紙(23号:1985年8月25日発行)
水玉リボンの帽子がかわいい、向日葵をバックにした女の子のイラストです。
○青頭巾(文:松田修)(23号:1985年8月25日発行)
『虹の森の鬼』に同タイトルのイラストがあったのでてっきり同じイラストだと思っていましたら、全く違う絵でした。こちらの『青頭巾』は美少年の頭と手足が宙に浮いていてちょっと不気味・・・
○ドジの東欧日記2(25号:1985年12月25日発行)
前回の鮫島美貴さんと一緒に行かれた東欧旅行記と、それから一年後に元アシスタントさんの津布久とりこさんと行かれたモスクワ旅行記です。木原先生ならではの、美形旅行記(^^) とても楽しめます。
○表紙(30号:1986年10月25日発行)
赤い靴を手にした女の子のイラストです。黄色い薔薇の花模様の赤いドレスが素敵。
○ステージエッセイ(31号:1986年12月25日発行)
”なぜか宝塚にご縁があります”ということで、宝塚の峰さを理さんについて漫画形式でご紹介されています。木原先生の『とりかえばや異聞』が宝塚の舞台で上演され、その主役紫子を演じておられる峰さん。舞台を拝見したかったなあ。
○春のコート(33号:1987年4月25日発行)
カトレアのような蘭の花の中で、白いコートを身にまとった女性のポスターです。
(ごめんなさい。このキャラが誰か私にはわからない・・・(^^;)
とても春らしい優しい雰囲気で大好きなイラストです。
○ペットシリーズ(33号:1987年4月25日発行)
木原先生のペットの犬じろ君の写真です。売れ残っているのを見て、かわいそうに思われた先生が買ってみえたそうです。なかなか美形のワンちゃん(^O^)
○コスチュームロマン:BERLIN−1921
(ヒーロー&ヒロイン1号:1984年8月10日発行)
1921年ベルリンの摩利。手紙を握り締めたままベッドに横たわる姿は、なかなかドキッとしちゃいます♪ 『夢占舟』収録。
○コスチューム対談:歴史ロマンに咲かせた花のヒーローたち
(ヒーロー&ヒロイン1号:1984年8月10日発行)
中島梓さんとの対談です。歴史上のヒーロー達についていろいろ楽しいお話が出ていま す。このときの木原先生は、北条義輝さんに興味をお持ちだったそうです。最後の最後 まで戦いぬいて亡くなった生き方にとても興味を惹かれておられる様子でした。
全く余談ですが、私が木原先生を知ったのは、中島梓さんが何かの雑誌で木原先生のことを書かれておられたからでした。中島さんが『摩利と新吾』を大好きな漫画として紹介されておられたので、早速買ってみて、はまってしまった♪というわけでした。
○歴史キャラクター座談会:歴史を作った人々は誰もが美しい
(ヒーロー&ヒロイン1号:1984年8月10日発行)
よほど魅力がないと歴史には残れない。つまり、歴史上の人物には誰もタダモノでない魅力がある!流れ行く時代と人々をこよなく愛する木原先生が司会・進行をされた座談会です。参加メンバーは、三木内麻耶(山口由紀美)、アキテーヌ(女史子)、なほこ(旗手菜穂子)、としこ(古寺敏子)さんでした。
ペーパームーン
○アンケート:今、私はこんなことに興味をもっている
(14号:1978年9月30日発行)
無人島に行く時は『万葉集』と『謡曲集』と『広辞苑』を持って行くと答えられておられる木原先生。その他、好きな美術として版画の司修さん、好きな作家として福永武彦、司馬遼太郎さんらのお名前を挙げておられます。
○アンケート:真夏の夜の夢
(18号:1979年7月10日発行)
避暑地に行くとしたら、「ふだん着に白いジャケット、つば帽子をかぶりペーパーブックの推理小説を2,3冊持って行く」と答えられている木原先生。初恋の人は3人とか、猫よりも犬が好きだとか、とても楽しい内容のアンケートです。
○ファンタスティック・インタビュー:京都にゆくと夢幻につかれるんです
(18号:1979年7月10日発行)
旧制高校についてや歴史小説について、はては競馬の話など、とても楽しいインタビュー内容です。木原先生の意外な一面が十分感じられます♪
○縷紅新草(るこうしんそう)
(19号:1979年10月10日発行)
泉鏡花の『縷紅新草』の、初路が赤蜻蛉をハンカチに刺繍しているところのイラストです。赤蜻蛉が赤い糸で結ばれ無数に飛び交っています。まるで初路が血を流しているような雰囲気も感じられるイラストです。
イラストの後、「さびしさと華やぎと」と、このイラストについて解説されておられま す。
○「ベニスに死す」
(22号:1980年7月10日発行)
摩利を、映画「ベニスに死す」のタデウーシュ役として描いたイラストです。
あやうく、あやしい男の子の絵。これが木原先生の魅了なのですねえ。
○私のヴィスコンティ論:貴族の血へのゆるぎない自信
(22号:1980年7月10日発行)
映画「ベニスに死す」についてのことなど書かれておられます。ハプスブルグ家という血の家族について、狂喜という名の病に犯されているようでいながら、暗い魅力があり大変興味を感じておられる様子です。
○ISFAHAN DREMING
(23号:1980年11月5日発行)
ターバンを巻いたアラビア風の若者のイラスト。自分から去ろうとした恋人達を殺した という彼は、誰に行かせはしない・・・そうつぶやいている。
○アンケート:美形についての研究
(23号:1980年11月5日発行)
徹夜は最長32時間とか、すぐ作れる料理はおこのみやきとか、なんでも消すことのできる消しゴムがあったら戦争、病苦、無知、貧困を消したい、など、なかなか興味深いアンケートがいっぱいです。
さいごに
私が『摩利と新吾』にはまってしまったのは、とても楽しくおもしろく読めるのに、随所にたくさんの深い悲しみとかが織り込まれているところでした。人の生きることのはかなさというか、いろんな思いを抱きながら亡くなっていかねばならなかった人への思いとか、心を揺さぶられるような場面がたくさん感じられて、だから読み返すたびにこの本はとてもたくさんなことを伝えてくれたと思います。木原先生の作品は、楽しくて明るい話から、孤独な鬼の話など、とても様々ですよね。それがたくさんのファンの方々を惹きつけてならないのだと思います。
グレープフルーツを振り返りながら、和風物から洋風物、歴史物から現代まで。
よくこんなにいろんなパターンの作品を描かれておられるなあ、としみじみと感じました。木原先生の作品は本当に奥が深いです。今20年前の作品を読み返しても楽しく読めるなんて、凄いことだと思います。これからのご活躍も楽しみにしています。
言葉足らずのため、上手にまとめきれなくて申し訳ないような気もするのですがどうかお許しください。
また、ペーパームーンに関しては、20号、26号、27号のデータが手元にありませんので、もしそれらに木原先生が描いておられたとしても、ここでは記載していません。勘弁してください。
みおママ
この文章の著作権はみおママさんにあります。禁無断転載。
[戻る]