ニフティより(ネタバレ有り)




こちらは@niftyの懐古館(FCOMICO)木原敏江会議室より

ネタバレありの作品感想を掲載しているお部屋です。

注意 ※未読の方はここから引き返してください。

あなたは下記の作品をすでにお読みになりましたか? それではどうぞ。



ベルンシュタイン

とりかえばや異聞


摩利と新吾

紫乃さんの戯


































































  懐古館(FCOMICO)19番 木原会議室において書かれたログより御本人の了承を得て転載。  



   ベルンシュタイン                by酔芙蓉さん


  

『夢の碑』=日本もの、というイメージを持ってしまいがちですが、この 『ベルンシュタイン』は18世紀の中央ヨーロッパが舞台になってい ます。
 一読目は、いきなりの方向転換にかなりびっくりしましたが、再読ではだいぶ細かい所にも目が向いてきたためか、すんなりと読むことができました。
舞台や時代については少し勉強しないと、正確に理解するのはなかなか難しい うに思いますが、木原先生が昔からよく取り上げられている、吸血鬼伝説なども絡んできて第一印象よりはかなり複雑な背景があるような気がします。
  最初に読んだ時には西洋ものという違和感だけでなく、それまでの他の物語と繋 がりにくい(鬼の話でもなければ魔物の話でもなく、強いていうなら最後の頃のベリシウが「魔女」と呼ばれたことくらい...。)という違和感がありま した。
 ところが再読の最後になってやっと気がついたんですね、(^^; 
 何度も繰り返し出てくる予言者にツノがあることに...。(最終ページ1コマ目)
 はっと 気付いて前の方を確かめると、オルギールはこう言っています。
「おれの母は北方の...古い遠い一族の出だとかで   (中略)   おれが生まれた時も一族の占い師がはるばるやって来て...」   (小学館PFコミックス『夢の碑』第3巻 p62)   
 おそらく『北方の古い遠い一族』というのがヴァイキング(ヴィキングア)の事 ではないかと考えられます。
 そういえば『とりかえばや異聞<その四>』の冒頭 にでてくる「8〜11世紀ごろのヴァイキング活動範囲」には、大雑把な地図ですが、ポーランドあたりからウクライナ・ルーマニア付近を経て黒海に至るルートがあります。
  もしかするとオルギールの母方の家はルーマニ アあたりの出身だったのかもしれませんね。
  そう思って見ると、やはり『ベルンシュタイン』も鬼の末裔(オルギ ール)と人の心に巣くう闇の物語だったのですねえ。
  闇はほとんどすべての登場人物の心のそれぞれに、憎しみ、悲しみ、恨み、嫉妬.. さまざまな形で宿っています。そんなドロドロとした醜いもののなかにあっても、 ベリシウもオルギールも、ユーリスでさえも私はとても孤高な美し さを感じます。 それはあたかも、琥珀という美しい化石の中に封じ込められた内包物のよう...。
  ここで突然にミーハーモードですが、ベリシウとの再会のシーンの馬上のオルギ ールは独特のタッチもあいまって、すごく格好いいですー。きゃー!!
#彼のヒネ加減も良い。
  ところで、同時収録の「煌のロンド」ですが、この2作品はもしかしてシスコン繋がりで選ばれたのかしらん?(^^; P121の左下のコマを読んでふとなにげにそんなことを連想してしまいました。



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   とりかえばや異聞                   by酔芙蓉さん



 この作品は、作中でお亡くなりになる人は少なくはないんですけれど、シリ ーズ中の数少ないハッピーエンドの作品ですね。
  完全な悲劇作品 も良いと思 いますが、やはり最後に光明があるとほっとします。
  『夢の碑』のなかでは 私にとっては一番好きな作品と言えるかもしれません。(^-^)
  もう語り尽くされていることかもしれませんが、この作品の醍醐味 (私にとって)は、やはり「天然」紫子とナイーブなヒネクレ者の風吹鬼の絶妙なコ ンビネーションではないかと思います。
  どこか『摩利と新吾』を彷彿とさせるやりとりの数々...(^^; 
  例えば、遊女紫子と風吹の初めての絡みの場面 などは『新吾と摩利』の11・12ページ、新吾が摩利の部屋に夜這 (!?(^^;) に入るシーンとどうもダブってしまふのです?。
  「天然」紫子と「天然」新吾、そして紫子の危なっかしい代役を、ばかな奴 だと半ば呆れながらもそっと見守る風吹の姿は、   
「おれが なぜ  おまえのこと 大好きだか 知ってる? ばかだから」
(摩利と新吾『夕日にぎんなん五目飯』52ペー ジ目)
という摩利の姿と重なって、風吹の斜に構えながらも穏やかで暖 かい胸の内 が伝わってくる気がします。
  さて、この物語でもう一つ忘れてはならない事は、紫子と碧生という顔の造作、髪形ともにほとんど同じキャラクターが見事に描き分けられている所ですね。
  比べてみれば、眉のカーブ、瞳の大きさ、頬の線、口紅などなど、 違いも出てくるのですが、それでも、「同じ顔なのに、別の人」とい う設定 をごくごく自然に理解させてしまうところなど、読み返してもなお感心するばかり。(^^)
 再読でやっと気付く、脇キャラの細かい表情による伏線も、 なかなか興味深い所です。
  佐伯城落城の時に、舞鶴姫が風吹の代役に気付いていたことを 告白するシー ンのバックが女郎花、というのもなんだか意味深でいいっす。
  #白黒なので、もしかすると藤袴?という疑惑もあるのですが? (^^;
  ところで、どなたか詳しい方に伺いたいのですが、終わり近くの語 りの部分 で、茨木と藤子、花車、花陽炎(秋篠?)がバックに描かれている ページで 左上の部分に描かれている、サロメのような絵は何の話でしょう か? 
女性の座る小机にのった、男の首の絵です。気になっているのですけ れど古典方面の知識が全くないもので...。



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