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工業高校の機械製図
*工業高校「機械製図クラブ」の成立について
現在の工業高校において、どんな学習が行われているかは確認していませんが
卒業生の就職状況は昔と大きく変化しているようです。昭和30〜40年代は
大企業の機械設計課に就職すれば見習期間が1年、技手期間が4年間、技師に
昇進するまでに入社後5年を要しました。そして機械技術を習得できた社員は
定年まで勤めることが出来たのです。然し、現在は企業が求めるのは即戦力の
社員であり、見習い期間は研究職を除いては1月以下です。現在の企業方式に
適する卒業生を育成するためには、企業で通用する機械技術を教育しなければ
製造企業又は機械技術関係企業への就職は非常に困難になるのです。
現在、大企業の機械設計課で図面作成作業をしている「派遣社員」の出身校は
大学工学部、法学部、商学部、文学部、高専機械工学部、普通高校、商業高校、
情報処理科、工業高校機械科、電気科ですが、工学系は意外と少ないのです。
機械製図者の作業目標はCAD操作に於けるスピードアップであり機械製図に
関する学習意欲のある若者は少なく、正確な図面を書く若人に出会ったことは
一度も無いのです。大企業においては係長、主任クラスが図面担当最高責任者
ですが、その上司の課長、部長は研究職経験者であり図面に関する知識は殆ど
なく、未経験の人が大半を占めています。然し、部課長は図面の中にサインが
必要であり、係長、主任がサインを求めれば「いいんだな」と確認してから部
課長はサインをして最高責任者となるのです。その結果CAD操作ができれば
図面を書くことが出来ると言う素人の思想があり、係長や主任は正確な図面を
作成するためにチェックと修正に時間を要するので高級技術者を求めています。
係長主任が求める高級技術者となることのできる人材は大学、高専機械工学部、
機械工学専門学校、工業高校機械科の卒業生以外には有りません。その理由は
機械技術には工場の旋盤、ボール盤、フライス盤、平削り盤などを見た経験の
記憶及び鋳物、鍛造、溶接などの製造法に関する知識が必要なのです。工学系
以外の人はこの知識はゼロであり、学習する意欲もないので機械技術者となる
可能性は有りませんが、これを認識できる人は非常に小数なのが現状です。
工業高校機械課に於いて、CAD操作を練習してから、図面を作成するという
「クラブ機械製図」を成立して1学級4、5名の機械技術習得生を社会に送り
出してください。製図者だけでなく精密機械技術者としても必要なことです。
「クラブ機械製図」に参入するに必要な条件は下記のとおりです。
1.中学校での学習成績が中位(40人中20位)までの人
2.精密計算(重量計算)が出来る人
3.英語が嫌いでない人
高校1年生〜3年生まで1クラス数名の参入者を正常学習時間外に収納できる
教室にCADソフト付きパソコンと機械製図の参考書を揃えてください。
この学習法が機械技術習得の最大効果を生み出すことは確実です。
1.最大効果の機械製図学習法 ・アンダーライン文字をクリック
工業高校においては昔から機械製図の学習時間が非常に少ないのが実状です。
技術者育成の為の機械製図を効率よく学ぶためには下記の6項目が必要です。
機械製図は正しい技術情報さえ得られれば容易に習得出来る実用技術ですから
以下の経験的情報を予備知識として身につけてから図面を書いてください。
(1)投影法(3角法、1角法)
機械製図やCADを習得しようとする人にとっては必ず通らなければならない
関門です。図面を書くにしても修正するにしても、投影法の知識がない人には
作図の説明をしても理解するのは困難なことであり、仕事の依頼はありません。
(2)寸法公差(はめあい公差、一般公差、規格外公差)
JIS規格には「はめあい公差」と「一般公差」が規定されていますが、他に
「規格外公差」を使用することがあるので概略数値を知ることが必要です。
・寸法公差(はめあい)の説明 ・常用はめあい穴(軸)の寸法許容差
(3)表面あらさ(仕上記号)
日本で使用されているのは6種類の仕上記号です。その内2種類は日本だけで
通用する三角記号であり、残りは世界共通(ISO)の表面あらさ記号です。
(4)幾何公差
工作機械の精度を指定する公差であり古い工作機械を使用するときには公差を
保持できるかどうかの注意が必要です。
(5)機械工作法
鋳造、鍛造、溶接、製缶、機械削りなど多種類あります。
(6)機械材料
鋼板、鋼管、形鋼、鋼、アルミなど多種類有ります。
上記事項を学習すれば機械製図だけではなく機械加工技術者(精密加工、鋳造、
鍛造、溶接)の育成に役立つことになるのです。この製図教育を工業高校生に
実現すれば、製造企業に於いて即戦力の技術者となることは間違いありません。
企業の設計課における製図者の経歴は多種多様です。工業高校機械科、電気科、
普通高校、情報処理科、商業高校、機械専門学校、CAD専門学校、工業高専、
大学工学部、法学部、商学部ですが、多くの製図者は重量計算やボルト長さの
決定が自力では出来ないのです。これは正に製図技術崩壊なのですが気付いて
いる人は設計担当者(計画図作成、図面チェック、強度計算担当)だけであり、
技術改革の意見を提言しても技術者小数の企業内では通用しないのが現状です。
2.機械製図の学習法
現在の日本企業における図面作成は90パーセント以上がCAD製図であり、
CAD操作の出来ない人は手書きで図面を作成しています。手書きで作成した
計画図はCAD図に書直して製作図作成に利用する必要があります。製作図の
図面チェックはCAD計測によって行えば、正確な上に短時間で終了しますが、
手書き者はスケールで計測するので不正確で間違いを見過ごすこともあります。
初級者にとっては手書きではなくCAD操作が現在の企業状況に適しています。
(1)CAD図の利点(手書きの欠点)
@書いた図を任意の位置に移動することが出来る。
手書き:一度書いたものは移動できない(書直し)。
A縮尺を何時でも何度でも変更することが出来る。
手書き:一度書いたものは変更できない(書直し)。
B同じ図を複数、短時間で複写できる。
手書き:その都度トレースするので時間がかかる。
C寸法が自動的に表示され、ミスを発見し易い。
手書き:計算機によるチェックが必要である。
Dパソコンの中またはディスクに保管するので場所を取らない。
手書き:製図用紙が大きいので広大な保管場所が必要である。
E図面をEメールで送信することが出来る。
手書き:図面は人が運ぶ。
(2)CAD図における最大の注意点
上記項目の中で最も注意しなければならないことはC寸法の自動表示です。
CAD図で厳守すべきことは、自動表示された寸法数値を書換えてはならない
ことなのです。若し、異なる寸法が表示された場合には図形を変更しなければ
なりません。これを守らなければ不良品製造によって大事故が発生する可能性
があるのです。手書き図では図形はそれほど正確ではないので寸法数値は計算
して記入します。ここが最大の相違点であることを理解してください。
CAD図は1/1000mm単位で正確な図形を描く必要があって、自動寸法数値を
製図者が書換え修正をしてはならないのです。
現在の企業ではこれが100パーセント守られることなく、多くの事故が発生
しています。工業高校ではこれを確実に実行できる製図教育をして下さい。
(3)初級者の機械製図・・・第一番の予備知識
機械製図の学習は図面作成が主目的ですから初級、中級、上級用と分ける必要は
ありませんが、次の項目に関しては機械製図予備知識としての学習が必要です。
・製作図の目的
製作図は設計課で作成した後に関係工場に配布されます。機械加工、溶接、鋳
物、鍛造、配管など多くの種類がありますが工作技術者は図面を見て製作する
ので、見易い図面でなければなりません。投影法の間違いや小さな文字などは
見間違って誤作することがあるのです。現場には原型サイズで配布されます。
・図面用紙のサイズ
企業に於いてはA1、A2、A3、A4が常用されていますが、A1で図形が
小さくて現場工作員が見難いと予想される場合には、A0サイズに変更します。
・尺度
JIS製図には縮尺の規定がありますが、各企業では独自の縮尺を常用します。
ここでも現場工作員が見易い図面になるかどうかに気を付けるのです。
・線の種類
出来るだけ線種を少なくすることが大切です。
・文字サイズ
企業では3.2mmが最小でしたが最近は2.6mmを使用する課もあります。
(4)図面を書くための基礎知識
・企業の製造工場
機械工場、溶接工場、鋳物工場、鍛造工場、配管工場、プレス工場、組立工場
など、多くの種類があります。製図者は出図先を決めるのに、どの工場で加工
するかを知らなければ図面配布先及び配布数を記入できません。
・機械材料
鋼板、平鋼、丸鋼、角鋼、溝形鋼、等辺山形鋼、不等辺山形鋼、I形鋼、H形
鋼、床用鋼板、配管用鋼管、軽量形鋼が常用品です。実際の機械製図(応用編)
には、全材料の形状、寸法、単位重量を設計製図の資料表に掲載しています。
(5)図面を読む
機械製図技術者として仕事をするためには次の2項目が必修条件です。
・二次元図面を見て立体図が頭に浮かぶこと。
・図面の中にある全ての線を理解し、他人に説明できること。
この二条件の備えのない人は製図技術者としては誰も認めてくれないし仕事を
依頼する人も企業には存在しないのです。そんな事はないと考える人も相当数
あるようですが、ある程度企業で経験を積めば、まともな人であれば理解する
ことが出来ますが、長年の無駄な時間を過ごしたことを後悔することでしょう。
最も効率的な技術上達法は経験者の意見を直に受け入れて努力することであり、
内容的には経験者の30年以上を要した技術情報を受け入れ、短期間で自分の
ものにするという最大効率の学習なのです。もし、このようなことは難しいと
考える人は機械技術者としては成り立ちませんので他の職業を選んでください。
図面を読んで書くことは一部品で徹底的に学んでおけば、他の部品にも応用が
効くので、中途半端な学習は止めて、専門家になるための学習をして下さい。
3.重量計算
重量計算は製図者の作業範囲ですが、現在の企業では重量計算の出来ない人が
図面を書いているのが実状です。これも技術崩壊の代表的な出来事なのです。
(1)重量計算の目的は下記の3通りです。
・吊金具のサイズ決定
吊り上げる製品に取付けるのはアイボルトですが、その上部に連結するJIS
製品である吊金具(シャックル、シンブル、クリップ、ワイヤロープ、フック)
のサイズを決定するには製品重量を知ることが必要です。アイボルト用ネジ穴
は製品に加工する必要があるので、取付部は強度に耐える構造にします。
・強度計算に使用
取付台などの強度計算には荷重となる製品重量が必要です。
・見積り用
材料によって素材単価が異なるので材料別の重量を計算して単価をかけて金額
を計算し、加工費や人件費などを集計して製品の価格を決定します。
(2)重量計算の目的は上記の通りですが実際の機械製図(基礎編)に記載の
重量計算(300問題)の学習目的は次の2通りです。
・二次元図面を見て立体図が頭に浮かぶという技術を身に付ける。
・図面の中にある全ての線を理解して図面を読む技術を身に付ける。
上記2項目を学習するためには重量計算が最も適しているのです。その理由は
二次元図面を読めなければ、正確な重量計算は絶対に出来ないということです。
重量計算は製図者の作業範囲ですから出来ない人は製図者の資格はないのです。
(3)重量計算の例題
例題には立体図を記載していますが初級者が計算公式応用をし易くするためで
あり、実際の製作図は全て二次元図面ですから問題は二次元図になっています。
(4)製作図における重量計算
重量計算は製図者の作業範囲ですが図面を読めない初級者には相当難しく感じ
られて、いるようです。難しいのは複雑な形状の面積計算だけですがCAD図
においては、CADメニュー(計測―面積)で瞬間的に面積の計測ができます。
・製作図における重量計算(その1) ・重量計算の参考資料(その1)
・製作図における重量計算(その2) ・重量計算の参考資料(その2)
・製作図における重量計算(その3) ・重量計算の参考資料(その3)
(5)実際の図面に於ける重量計算
実際の機械製図(応用編)にはウズ巻ポンプ、油圧ユニット、油圧シリンダの製作
図、組立図、計画図、検討図を掲載していますが製作図には全て重量計算メモ
を図面の中に記入しています。同じ計算方式でも異なる方法でもいいので自力
で必ず実行してください。重量計算はCADソフトに図心の表示機能があれば
非常に簡単ですが、無い場合には図心を算出するのに余分な時間が必要です。
マイクロキャダムは面積を計測すれば図心位置が表示されるので、計算時間が
大幅削減されましたが、他のCADソフトでは確認しておりません。
下記に重量計算の実例を表示しますのでクリックして下さい。
4.ねじの製図
機械製図では殆どの図面に「ねじ」が登場するので、正確な図形を書く努力を
しなければ不良品製作の可能性があります。組立図のネジ穴やボルトには寸法
を記入しないので、正確に書いてあるかどうかはCAD機能(計測―距離)で
チェックします。然し、CAD操作の出来ない設計担当者は、スケールで計測
するので縮小図面では間違いを見過ごして事故発生の原因になっているのです。
これを防止するためには製図者が「ねじの製図」を学び正しい図面を作成する
ことが最も効果があるので、下記の項目を参考にして大いに努力してください。
(1)ネジ穴の作図
ネジ穴加工にはハンドタップと機械タップの二通りがあります。ハンドタップ
は先ずドリルで穴を明けて、1番タップ、2番タップ、3番タップの順に加工
するので長時間を要し、加工費が高くなりますが浅いネジ穴加工には必ず適用
しなければなりません。機械タップはドリルで穴を明けて、2番タップだけで
加工するので短時間で済み、加工費は安くなりますが通常深さのネジ穴に適用
されます。浅いネジ穴以外は加工費の安い機械タップを使用することを、認識
して下さい。ネジ穴寸法表に記載のネジ穴深さf(ドリル深さ)は標準が機械
タップであり、特殊がハンドタップです。
・ネジ穴作図の詳細説明(その1) ・タップ及びドリルの詳細説明
(2)六角ボルトの作図
一般の製造企業では特殊な形状、サイズ以外の六角ボルトは製作せずに、ネジ
部品製造企業で製作したものを購入して使用しています。一般の六角ボルトの
製作図は作成しませんが、組立図には正しい図形を記入しなければなりません。
六角ボルトはJIS規格品であり全てをJIS規格通りに書かなければ正しい
図面とはいえません。下記の六角ボルト製造法は多種類の中の一例です。
(3)植込ボルトの作図
植込ボルトは取付け部品よりも先にねじ込み、その後部品を取付けてナットで
締付けると言う特徴があります。取外す時はナットを逆回転させるのでボルト
が共に回転しないように植込み側は固いはめあい公差になっています。形状は
植込み側を平面に、ナット側を丸面にして区別しています。植込み側は不完全
ネジ部も全てねじ込むので、ねじ込み用の円筒部が必要です。
(4)CADによるネジ製図
CAD図においてはボルト、ナット、座金などのJIS製品はサイズ毎に一覧表に
まとめて図形を書いている。長さは種類が多すぎるので、標準最小寸法の部品を
代表として描き、それを複写後に長さを変更して組立図に記入します。
・CADによるネジ製図(その1) ・JIS規格品の作図(その1)
・CADによるネジ製図(その2) ・JIS規格品の作図(その2)
・CADによるネジ製図(その3) ・JIS規格品の作図(その3)
・CADによるネジ製図(その4) ・JIS規格品の作図(その4)
5.CAD操作
機械製図の最大目標は正確な図面を書くことです。CAD図の全寸法は自動表示
されるので、間違った寸法数値が表示されたら、寸法数値を修正変更することは
絶対にしてはならないのです。これは儀尺と呼ばれ、間違った寸法であり面積を
計測しても正しい数値は得られません。このような間違った図形を描いた場合は
寸法修正変更ではなく、1/1000mm単位で正確な図面を書き直すことが必要です。
(1)キーボード操作
CAD操作に必要な基本学習はキーボード入力法です。製図者の中には2本指や
6本指打法が多いので、高校生は必ず10本指打法を体(指)で覚えて下さい。
(2)CAD操作による作図
本書はEasy Drawによる操作法ですが、他のCADソフトを使用しても
操作法が異なるだけで、同様の作図が出来ますので試してください。
六角ボルトはJIS規格(JIS B 1180 附属書)を見て正確に描いて
下さい。実際の機械製図(基礎編、応用編)の設計製図の資料にJIS規格及び
市販品重量表を全て掲載していますので参考にして下さい。
六角ボルトの図で理解できない線がある場合は、下記をクリックして下さい。
六角ナットはJIS規格(JIS B 1181附属書)を見て正確に描いて
下さい。実際の機械製図(基礎編、応用編)の設計製図の資料にJIS規格及び
市販品重量表を全て掲載していますので参考にして下さい。
六角ナットの図で理解できない線がある場合は、下記をクリックして下さい。
・六角穴付ボルトの作図
六角穴付ボルトはJIS規格 ( JIS B 1176 ) を見て正確に描いて下さい。
実際の機械製図(基礎編、応用編)の設計製図の資料にJIS規格及び市販品
重量表を全て掲載していますので参考にして下さい。
六角穴付ボルトの図で理解できない線がある場合は下記をクリックして下さい。
・植込ボルトの作図
植込ボルトはJIS規格 ( JIS B 1173 ) に規定されていますが本書では多少
変更している部分もあります。JIS規格を変更するには安全率拡大のみが
可能であり、縮小になる場合は許可されません。実際の機械製図(基礎編、
応用編)の設計製図の資料にJIS規格及び市販品重量表を掲載していので
参考にして下さい。植込ボルトの図が理解できない場合は下記をクリック。
・図面枠の作図
製造企業に於いては、設計課毎に独自の図面枠を作成するので製図者が作成
作業を実施します。部品欄の縦幅寸法は通常8mmですが部品数が多ければ
収納できない場合があるので7mmに変更することがあります。部品欄には
番号、品名、数量、質量、記事を横一列だけ、平行に並べて書入れ、それを
複写して数量分だけ揃えます。二番目からは文字修正をする必要があります
が、文字は縦横方向を全て揃えることが大切です。
・
吸込みケーシングの作図
吸込みケーシングは実際の機械製図(応用編)に製作図を記載しているので参考
にして、CAD操作で正しく書いてください。図面の中には図面を読むための
寸法メモ、工作メモ、重量計算メモを記入しているので読んでください。図面
外部には吸込みケーシング製作図の説明で、投影法、寸法公差、表面あらさ、
機械加工基準面の作製、削り加工寸法記入、鋳物寸法記入など全ての詳細説明
を記載しています。その他、製作現場の作業手順、製作図面作成手順など図面
作成に疑問が残らないように説明しているのでCAD図作成後には製図技術の
向上が確定し、上級技術者としての育成を目標とすることになるでしょう。
・吸込みケーシングの作図1/6 2/6 3/6 4/6 5/6 6/6
・羽根車の作図
羽根車はポンプ、送風機、遠心圧縮機、過給機などに使用されますが鋳造品が
多く、羽根の作図が非常に複雑です。但し、1枚だけ作図すれば残りはすべて
回転複写すればいいのです。寸法記入の他には、幾何公差の記入が必要であり、
その記入法を実例によって学習して下さい。
・組立図の作成
組立図の作成に計画図を流用することは絶対にしてはならないことです。製作
図は計画図の部品を複写して作成しますが、製作上不都合な部分があれば形状
変更をしなければならないので、その時点で計画図と異なる形状になるのです。
製品は修正した部品を組立てるので計画図とは異なる形状になっているのです。
組立図には全ての製作図を複写するので、部品同士の線が重複することが発生
するので必ず、消去修正して一本の線にして下さい。購入品は標準部品表から
複写しますが同時に長さを修正します。
6.出版書の内容説明
初めて図面を書く人にとっては、機械製図の専門書を読んでも用語を理解する
ことが出来ないので学習意欲が消滅してしまいます。学習を継続するためには
機械製図に関する予備知識が必要です。工業高校の機械製図として上記説明は
実際の機械製図(基礎編、応用編)を学習して機械製図士または精密加工技術者の
技術を身に付けるための基礎の基礎ですから、製図実習と同時に学んで下さい。
工業高校や高専、大学工学部の学生であれば旋盤、フライス盤、ボール盤、平
削り盤、スパナ、ドリル、鋳物、鍛造、溶接を実体験しているので工学系以外の
人と比べれば、機械製図の基礎能力には大きな差があるのです。工業高校生は
最低でも投影法、ネジ製図、重量計算の3項目は完全に学習して社会に出てか
らでも機械製図学習を継続して最上級技術者を目指してください。
(1)実際の機械製図(基礎編)
・製作図の書き方
物を製造するための製作図を書く手順として計画図の中にある部品を複写して
取出し、図形のトリミングをした後に図を仕上ます。更に寸法を記入し最終的
に、寸法公差、表面あらさ、幾何公差などを記入して最後に重量計算をします。
本書には精密機械である油圧シリンダ部品についてその実例を表示しています。
最初に行う図形の複写はCAD操作だけで5分で出来ますが、図形トリミング
以降の作業は長時間を要し製図技術の無い人には出来ないのです。製造企業や
設計会社には、正確な製図技術を教えて下さる人はゼロに等しい現状ですから
本書で学習する以外に技術向上の道はありません。
・鋳物図の書き方
計画図から部品を複写してトリミング後に図形を完成し、寸法記入、寸法公差、
表面あらさ、幾何公差を記入の後に重量計算と言う過程は同じです。鋳物図の
特徴は鋳物工場に於いて木型を製作するための寸法と、鋳物製造後に機械加工
する寸法は、分割記入しなければなりません。機械加工面に記入された寸法を
確定するためには仕上代を付け加えますが、これは図面に記入するのではなく
木型製作者が仕上代基準に従って決定加工します。鋳肌面間の寸法公差は削り
加工一般公差の5倍位大きいので、鋳肌面を機械加工時の基準面とすることは
絶対にしてはならないことです。この鋳物製作寸法と機械加工寸法を理解でき
なければ、鋳物図を書くことはできないと認識してください。ディーゼル機関、
蒸気タービン、ポンプ、送風機、遠心圧縮機、過給機など多くの鋳物製造工場
があるので鋳物図が書けない人は企業の設計課で働く場所は半分以下に減少し、
就職は容易ではないのです。
・溶接図の書き方
溶接製品に使用する機械材料には多くの種類があります。鋼板、鋼管、H形鋼、
I形鋼、山形鋼、溝形鋼、平鋼、丸鋼、角鋼、床用鋼板等は全てJIS規格品
ですから形状寸法は規格があります。実際の機械製図(基礎編、応用編)には
これら材料の形状、寸法、重量など全てを掲載しています。溶接の種類も多い
のですが、溶接記号及びその使用法も実際の機械製図(応用編)にすべて掲載
しているので複写にて使用できるようにしています。企業では正しい溶接記号
を記入できる人は非常に少ないので本書にて学習して下さい。
・マニホルド製作図の書き方
マニホルドは多くの穴が明いた金属立体ですが図面作成上次の注意が必要です。
*正面図(主投影図)には上面や側面に関係なく、加工する穴が最も多い面を
選択します。それは現場工作者が主工作面として選ぶ面と一致します。投影法
に於ける「天と地」はここでは考慮する必要はありません。
*穴の径、深さは一つの面に表示して、工作者が1箇所だけを見て加工できる
ように配慮すること。これは誤作を防止することにもなるのです。
*穴と穴との交わり部は正確に作図しなければなりません。
・図形の表し方
投影法には三角法と一角法があり機械製図では三角法が主体となっていますが、
昔は一角法が主でしたので、昔の図面を写す場合には投影法を変更する必要が
あります。そのような理由で両投影法を学習する必要があるのです。投影法に
ついては三角法、一角法に固執することなく柔軟な考え方が必要です。例えば
工場の組立図を書く場合には必ず「天と地」を明瞭にすべきであり、工場建屋
を横に倒して書くことは避けなければなりません。配管図に於いても同様に、
「天と地」を明瞭にすべきであり、配管工事者が見易いように実物と同じ方向
に書く必要があるのです。機械の組立図も「天と地」を明確に表示しますが
加工部品の場合は工作時の配置が主体であり天地を考慮する必要はありません。
・寸法公差について
製作図において不良品製造の原因となるのは、寸法公差に関する知識の無さが
大半を占めています。現場の工作者は一般公差、はめあい公差、規格外公差を
見て削り加工します。公差の付いていない一般公差寸法は図面の中にある一般
公差表を見て、加工するという知識の無い製図者が多いのです。正しい図面を
書くためには三種類の寸法公差についての正しい知識が必要です。
*普通寸法許容差(JIS規格)
物を製作するとき、例えば寸法100mmであれば101mmまたは99mmに製作
すれば合格か不合格かを規定しなければ100.000mmに製作することは不可能
に近いのです。加工法は色々あるのでJISでは普通寸法公差として11種類
の規格がありますが、図面の中に表示するのは JIS B 0405 削り加工寸法普通
許容差だけです。これは機械削り加工をするので最も精密であり、寸法公差も
最小です。鋳鉄品普通許容差は鋳造用ですが削り加工よりも公差が大きく木型
製作者が正確な寸法の木型を製作する為のものです。実際の機械製図(基礎編)
には、製作図中に普通寸法許容差(削り加工)(中級)単位mmとして掲載して
います。工作者はこの表を見て規格の範囲内寸法に加工しなければなりません。
*寸法数値の計算
図面中の寸法公差を計算して、現場工作者が加工する寸法範囲の計算法を記入
して多くの数値を表にまとめて記入しています。
*機械加工での寸法公差
加工の実例として正しい加工寸法の比較問題を記入しています。
*寸法公差(はめあい)
常用するはめあいで用いる穴の寸法許容差(JIS B 0401)
常用するはめあいで用いる軸の寸法許容差(JIS B 0401)
はめあいと一般公差の違い
はめあいの使用例
練習問題(1〜24)・・・最大、最小すきま、しめしろの計算
はめあい表の使用例(穴)・・・練習問題解答用
はめあい表の使用例(軸)・・・練習問題解答用
はめあい選択の基礎
穴基準はめあいと軸基準はめあい
穴基準はめあい・・・通常はこれを用いる
軸基準はめあい・・・特殊な物に用いる(軸受やキー)
寸法公差決定の基準
寸法公差の比較
練習問題の解答
・表面あらさ(仕上記号)
企業で活用の工業規格はJIS(日本工業規格)とISO(国際標準化機構)
です。工業生産は世界的に普及しているので表面あらさはISO規格に変換
した方が良いのでしょうが長期間活用した規格を止めて新規格に換えるには
習慣的に長い年月が必要であり、現在は過渡期にあると考えてください。
*表面あらさ図示方法(表)
表面あらさ(仕上記号)を正しく記入するために作成した表面あらさ図示表
であり、下記の日本規格協会の規格書を参考にしています。
JIS使い方シリーズ 製図マニュアル精度編 (改訂2版)
初級者が見ても分るように製作図に書入れる要領を表示しています。現在の
日本企業で主に使用されている表面あらさ記号も特別表示しています。
*表面あらさの説明
表面あらさとは金属表面に生ずる凸凹の大きさですが測定器で拡大記録した
断面曲線から値を求めます。現在使用されている中心線平均あらさ(Ra)の
値が他の表面あらさ(最大高さ、十点平均あらさ)と比較して、1/4の数値
ですから説明を読んで理解してください。
*表面あらさ値と製作コスト
機械加工に於いては表面あらさ精度が高くなれば加工に長時間を要するので
加工費が上昇します。製作部品の機能と安全を保持し、安い価格で製造する
という条件で、最低精度の表面あらさにすることが製造企業の目標なのです。
このような理由で多種類の表面あらさ(仕上記号)が図面に登場します。
*表面あらさの測定法
表面あらさ記号を変更する場合に、同一精度を保持するための変換表を掲載
しているので、それを利用してください。
*図面に指示する事項・・・図面への表示法
*表面あらさ図面記入・・・実際の製作図面
*表面あらさの指示方法・・・異なる指示法の実例
・
幾何公差について
工作機械の精度を確認し、工作物を正しく取付けることで幾何公差を保持する。
*各幾何公差の詳細説明
*寸法公差と幾何公差の図面への指示方法
*幾何公差の数値
*企業で使用している幾何公差表
・
工作機械について
機械製図では概略でも良いので、工作機械に関する知識が必要です。
*旋盤
工作物の取付法
旋盤による切削加工
つかみ代とは?
*ボール盤
ボール盤による各種ボルト穴加工
穴の寸法記入方
ネジ穴の図面表示の仕方
ネジ穴の加工法
ネジ穴の正しい表示法
ネジの加工(タップ、ダイス、機械切り)
ダイスによるネジ切り(おねじ)
ネジ穴の寸法表
ネジ穴寸法表の使い方(ばね座金、テーパ座金、平座金)
ボルト長さに関する注意事項
ボルト表を見るときの注意事項
*フライス盤(立てフライス盤、横フライス盤)
各種フライスの図形表示
平フライス、正面フライス、すりわりフライス、角フライス、Tみぞフライス、
みぞフライス、エンドミル、片角フライス、側フライス
旋盤とフライス盤による加工実例図
*平削り盤 *中ぐり盤 *形削り盤 *円筒研削盤 *ブローチ盤
*のこ盤 *放電加工機
・機械材料
応力―ひずみ線図の説明
各種機械材料の説明
機械材料の種類と用途
標準材料表(材料記号、形状、標準寸法)
市販機械材料表
・機械製図の学習法
機械製図は学習範囲が広く、全てを学ぶには時間的な無理があるので経験者の
情報に従って選択しなければなりません。図面を読むには、二次元図面を見て
立体図が頭に浮かぶようになること及び、図面の中にある全ての線を理解して
他人に説明できることの2項目が必要です。そのためには、二次元図面を見て
重量計算をすることが最も効果的ですから実行してください。
ねじは全ての機械装置に登場するので、正しい図面を書くためには、ねじ穴の
加工法及びボルトのJIS規格からの作図法を学習しなければなりません。
*初級者の機械製図
製作図の目的
製図用紙のサイズ
尺度、線および文字
図面を書くための基礎知識
図面を読む・・・作図の基本(羽根車用ナット)
*重量計算
例題及び解答・・・01〜60問
*二次元図面での重量計算
重量計算問題1(01〜60)〜5(01〜60) 合計300問
重量計算問題の解答(300問)
*CAD計測による重量計算の実例
CAD図での重量計算は面積、長さ、図心位置については、全てCAD計測に
よって行うのが正確で大幅な作業時間の短縮になります。図面は正確に描かな
ければ、計測結果が実物と異なる物になるので要注意です。
*ねじの製図
ねじ穴の加工法(ドリルとタップ)
ボルト長さの計算は下記による。
ルール@・・・ねじ込み長さはねじ径d以上とする。
ルールA・・・突き出し長さx=2〜6ピッチとする。
ルールB・・・ボルト長さは市販品長さとする。
ねじ穴の計算は下記による。
ルール@・・・ボルト先端とねじ穴先端との差は1ピッチ以上とする。
ルールA・・・タップの不完全ねじ長さは変更しないこと。
CADによるねじ製図
ボルトは一覧表から複写によって長さを変更して図形を書入れる。
注意@・・・ボルトは長さによってねじ長さが変わる。
注意A・・・担当者から指示された寸法通りに作図すること。
ボルト長さ(L)の決定
実用例・・・18種類の実用例を表示しています。
ボルト長さ計算問題・・・約200問
ボルト長さ計算問題解答
*製図の基礎
仕上代(削り代)の考え方・・・鋳放し品、溶接品
寸法記入要領について・・・下記
振分け寸法、等ピッチ穴寸法、必要な投影図数、CAD図の注意事項
図面枠の作成
初級者用学習のまとめ
*設計製図の資料
ねじ表、ねじ穴寸法表、ボルト穴寸法表、ボルトナット寸法表、座金寸法表、
形鋼寸法表、ボルト長さ計算、六角ナット寸法重量表、植込ボルト寸法重量表、
六角穴付ボルト寸法重量表、座金寸法重量表、丸鋼、角鋼、溝形鋼寸法重量表、
山形鋼寸法重量表、I形鋼、H形鋼、床用鋼板寸法重量表、配管用鋼管寸法重
量表、鋼板、平鋼寸法重量表
平面図形の面積表
工業材料の比重表
立体の体積表
重心と面積の計算
*以上初級者でも完全理解できるように詳しい解説をしています。
(2)実際の機械製図(応用編)
応用編はウズ巻ポンプ、油圧ユニット、油圧シリンダの図面作成用の本です。
図面の種類は製作図、組立図、計画図ですが理解できる説明が付いています。
・ウズ巻ポンプの図面
ウズ巻ポンプは回転機械と呼ばれ、回転するロータを2個の軸受で支え鋳物の
ケーシングで包囲されている。同様な機械と言えば蒸気タービン、遠心圧縮機、
送風機、過給機、減速機などがあるので設計製図者としての技術範囲が拡大し、
就職するには何の問題もありません。本書には製作図、組立図、計画図を記載
していますが、初級者は製作図と組立図を学習し、経験者は計画図を学習して
下さい。製作図を読めるようになれば、CAD製図者の中ではトップクラスに
なれますので大いに努力してください。計画図が書けるようになれば大企業の
設計担当者クラスになれますので、図面をよく見て全てを理解してください。
*圧力について
ポンプの図面を書くためには圧力に関する知識が必要です。
企業に於ける機械装置の製作目標は下記の3項目です。
@製作する機械装置は機能を十分発揮すること。
A機械装置の安全を確保できること。
B販売競争のためには生産価格が安価であること。
例えば大水槽を生産するのに水を満杯にし、水槽が破損しないように高圧力の
下部には厚鋼板を、低圧の上部に薄鋼板を使用するのが上記の3条件を満たす
ことになるのです。製造企業での計画図作成には必要な技術常識なのです。
水槽の強度計算
経済的な水槽の作り方
*ポンプの原理
遠心力の計算
原理の具体的説明
羽根車とスラストの方向・・・スラスト軸受に関連
*ポンプの目的・・・実例の図示
*
ポンプの性能計算資料・・・計画図作成の参考
*鋳物について
鋳物工場は木型製作所と鋳型工場から成り立っています。機械製図者は二つの
製作所の作業を概略でも良いので理解できれば鋳物図が書けるようになります。
鋳物についての注意事項・・・重要項目
@抜きこう配 A面取り B中子の保持
*鋳造品の肉厚変化部および交差部(図表)
*鋳造品の寸法記入に関する注意事項
@現場工作員に計算させてはいけません。
A基準面を決める(必ず機械加工面)。
B1枚の図面に同じ寸法を重複しないこと。
C製作工程別の寸法記入とする。
*
ウズ巻ポンプ計画図(1/2 , 2/2)
部品名称および用途、基準面、寸法記入の他、計画図作成の為の部分的な説明
文を15箇所に記入して誰でも理解できるようにしています。
@ドレン抜きプラグの説明
ドレンとは汚水のことである。ポンプを長期間運転しない時はプラグを外して
ドレンを抜き、ケーシングの腐食を防止する。
Aエア抜きプラグの説明
ポンプを回転させるに先立ってポンプの中に水を充満させなければならないが、
ケーシングの中の空気が出て行かないので、空気を抜くためのプラグである。
頻繁に空気を抜く必要がある場合にはコックを使う。
B羽根車ナットは左ねじ
羽根車の回転方向に関する要注意事項は、羽根車ナットのねじが左ねじでなけ
れば、ならないということである。ポンプの運転中に羽根車ナットがゆるんで
外れれば大変な事故になるので、回転すればナットが締まるように、左ねじに
する。これは回転機械の常識であるので確実に理解すること。
Cその他の説明文
基準線、基準面、作業用の穴、グランドパッキン、重要な隙間、パッキン厚さ、
軸用ナット、複列アンギュラ玉軸受、潤滑油の液面高さ、単列深みぞ球軸受。
以上の説明が技術情報なのです。これだけの情報を得るには、ポンプ設計課に
10年以上勤めなければ無理ですが、本書によれば短期間で習得出来るのです。
高専、大学工学部の学生または企業の機械製図経験者であれば、計画図を書く
要領を確実に学習して企業における設計担当者を目指してください。
*
吸込みケーシング製作図
図面の中には寸法メモ、工作メモ、重量計算メモを記載しています。
吸込みケーシング製作図の説明(4ページ)
標準と特殊図示、 フランジの穴配置、 投影法、 寸法公差、 表面あらさ
寸法記入要領(下記3項目)
@機械加工基準面の作製
A削り加工寸法記入
B鋳物寸法記入
現場の作業手順(図面による説明、下記)
@鋳型から取出した状態
A切削加工をした状態
B穴あけ加工をした状態
製作図面作成手順(図面による説明、下記)
@計画図から取出してトリミング
A機械加工基準面を作る
B機械加工寸法を記入する
C鋳物製作寸法を追加記入する
*
ベアリングケース製作図
図面の中には寸法メモ、重量計算メモを記載しています。
ベアリングケースの構造(別図による構造説明と下記の説明文)
@深みぞ球軸受とベアリングカバーとの隙間確保
Aパッキンは金属ではないので縮小する
Bロータ移動防止の基準面
Cパッキンからの油漏れを防止するには
Dテーパねじプラグの説明
E回転機械のロータ指示方法
以上6項目も重要な技術情報であることを認識してください。
軸受の取付け方法(図面による説明)
正しい軸受取付法と誤った取付法の説明
軸受カタログ(次ページ)には取付部の寸法や公差を指定する。
ウズ巻ケーシングは鋳物図の中では最も難しい図面です。この流路計図を理解
して作成できるようになれば蒸気タービンのケーシングも容易に書けるように
なるので、企業のタービン設計課やポンプ設計課において計画図の作成依頼が
予想されます。ウズ巻ケーシング計画図の基本は羽根車から放出された流体が
ケーシングの流路を一定スピードで通過することです。そのために流路断面積
が0度から360度まで変化するので、面積を計測して形状寸法を決定します。
*ウズ巻ケーシングの製作図面 (1/2 , 2/2)
製作図面は2枚に分割して寸法メモ、一般メモを記載しています。
ウズ巻ケーシング図面作成要領
流路0度〜360度が羽根車外周の流路ですが360度から流体出口フランジ
迄も断面積が変化するので断面作図要領を図面表示しています。鋳物図で注意
すべきことは鋳物肉厚が急激な変化がないようにすることです。熔鉄は鋳込み
後、外側から冷えるので固まるのが遅い中央部には、気泡が大量発生します。
気泡が発生した部分にドリルで穴を明ければ穴同士が結合すると言う不具合が
生じて欠陥製品となるのです。
ウズ巻ケーシングの重量計算(2ページ)
重量計算は複雑であり、CADソフトの違いでも時間的に大差が生じます。
*ポンプ軸の製作図
重量計算メモを記載しています。軸の寸法記入は非常に難しいので、図面作成
要領は下記4通りの説明書を参考にして下さい。
@間違った寸法記入例(別図にて表示)
正確でない寸法記入によって生ずる拡大公差および、基準面の不確定が発生し、
不良品が生産される可能性があります。
A軸の寸法記入法(別図面に表示、2ページ)
軸の正しい寸法記入はポンプの基礎知識が無ければ出来ないので、そのための
技術情報を全て掲載しています。
B軸のキー溝および他の部品形状(別図面にて説明)
軸の形状寸法および表面あらさはJISとカタログによって決定する。
C軸への部品取付要領(別図面にて説明)
軸受、キー、軸用ナット、座金、止ねじの取付方法の説明。機械製図はJIS
規格やカタログ表示の必要性を確認して下さい。
*羽根車の製作図
重量計算メモを記載しています。
羽根車図面の詳細説明(別図にて説明)
青銅鋳物の説明
幾何公差の詳細説明
*その他の製作図(全て重量計算メモ記入)
ライナリング、パッキン押え、ベアリングカバー、羽根車ナット、スリーブ、
シートパッキン、軸継手追加工図
*ウズ巻ポンプ組立図(図面と部品欄は分割表示)
組立図の部品欄には番号、名称、数量、重量、製作図面番号、JIS規格番号、
専門メーカ社名と部品記号を記入しています。
ポンプ部品の制作方法の説明・・・@〜E
@番号1〜11は記事欄に示す図面により製造企業の各工場で製作する。
A番号12〜14はメーカからパッキン材料を購入して、図面通りに製作する。
Bボルト、ナット、止めねじ、プラグ、キー素材は在庫品又は購入品である。
C軸受、軸用ナット、座金、オイルシール、グランドパッキンは購入品である。
D軸継手は購入品に軸用穴、キー溝、止ねじ穴を追加工する。
E自社製造品は図面番号を付した部品だけで、他部品は全て購入品である。
*ポンプ組立順序の説明図(2ページ)
ポンプが組立可能かどうかをチェックするために組立作業手順を表示する。
@軸の組立(軸、軸受、座金、ナット、キー、スリーブ、止めねじ)
A軸組立をベアリングケースに取付ける。
B残り部品全てを組立てる。
Cポンプの完成品図形(機械の組立分解に関する説明)
*小形うず巻ポンプのJIS規格(2ページ)
JIS規格には下記の項目を規定しています。
適用範囲、大きさ及び種類、ケーシングの最小厚さ、羽根車の最小厚さ、
はめあい、羽根車とライナリングの隙間、各部に使用する材料、
ポンプの設計、製図には必ず参考にすること。
*グランドパッキンのカタログ(2ページ)
*オイルシールのカタログ(2ページ)
部品周辺の形状、寸法、公差、表面あらさは全てカタログを参照のこと。
油圧ユニット図面は機械加工図、溶接図、配管図の組合せですがポンプ図面と
同様に全ての図面に一般メモ、部品メモ、溶接メモ、工作メモ、寸法記入メモ、
配管メモ、重量計算メモを記載して詳細説明をしているので全員理解できます。
JIS規格品やカタログを参照の上図面に書入れてください。
油圧シリンダは精密機械ですから寸法公差や表面あらさについて詳しい説明を
しています。購入品のカタログに記載の形状、寸法、公差、表面あらさなどを
図面に書入れて正しい図面に仕上げてください。
・設計製図の資料
本書に使用している全てのJIS規格品の形状、寸法、市販品重量、使用法など
図面に記入する項目を記載しています。この資料は製造企業に於ける機械製図
には、全て必要ですから使用法を身につけて実用技術者を目指してください。
JIS規格品の種類については下記をクリックして下さい。
・機械製図の学習法
*中級者の機械製図
*上級者の機械製図
(3)CAD操作説明書(Easy
Draw)
中高年者用のCAD操作説明書です。