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 ここで紹介している本は基本的にどれもお薦めできる本です。専門書関係に関しては教科書的なものもあるので、それは読んでも面白くない可能性はありますが。
 読んでて面白かったもの、役に立つな、という本だけ紹介する予定です・・・というかうちにある本全部なんてとてもじゃないけど紹介できません(笑)

 基本的に下記の形式で紹介します。
書籍名著者出版社
価格発行年
紹介・書評


絶対おすすめ!

第三の波
アルビン・トフラー日本放送出版協会
2500円1980年 (絶版)
 今、われわれの生活の中にこれまでになかった文明が出現しようとしている。1万年前の農業革命による第一の波、産業革命による第二の波に続く、第三の波に洗われる時代になろうとしている。
 80年にかかれた素晴らしく示唆に富んだ本。この本の主張を元にして語られる本も多く、今でも読む価値が十分にある。僕にとってはまさにバイブル。まずは読んで見るべし。
 絶版のため書店では見かけられません。図書館等で手に入れてください。また文庫版も出ているとのことで、そちらなら購入できるやもしれません。

CODE
インターネットの合法・違法・プライバシー
ローレンス・レッシグ翔泳社
2800円+税2001.3.27
 サイバースペースにおける法律全般について述べた本。
 デジタルコピーを止めることはできない、というがそれは実際には誤りである。現在のインターネットの構成では不可能、というだけでアーキテクチャそのものを変更すれば規制は不可能ではない。インターネットというのは人工的に作られたもので、その構成は容易とは言わないが変更することができる。
 政府の規制に対抗するためにはどうすればいいか。その規制に対する武器となり得るものの1つがオープンソースだ。
 ネット時代の法律について一番よく書かれている本だと思われます。ただこの本は訳本なのですが、訳に少し日本語としておかしいところがあります。英語を頭からそのまま日本語に訳しているため読みにくいというか。英語に自信のある方は原書を読んだ方がよいかと思われます。友人によると原書の方ができがいいとのことです。
 どうやら訳者の方は良い本を超スピードで訳して発行するというスタイルらしいです。いち早く訳本が出て来るという意味では助かりますね・・・。



専門書:法律
専門書:コンピュータ
専門書:社会学など

新書:岩波新書

小説:ファンタジー・SF
小説:歴史

その他




専門書:法律

著作権法
斉藤 博有斐閣
3800円+税2000.3.30
 著作権法について学ぶのであれば、一番最初にこれを読んでみるといい。著作権法の成り立ちから、権利の客体、内容の紹介など、著作権に関してほぼ全て網羅してあります。平成11年改正までですので、そこは注意が必要です。
 とりあえず手元に置いておくと役に立つと思われます。教科書的な使用が主になるかと思います。

知的財産法 第二版
田村善之有斐閣
4000円+税2000.10.30二版発行
 インセンティブ論の立場から知的財産法について述べています。読みやすいし、知的財産法一般についてわかりやすいのではないかと思われます。
 教科書的な使用にはあまり向かないかも知れません。

知的財産法入門 第4版
土肥一史中央経済社
3400円+税
 知的財産法の入門書。私の大学の知的財産法の授業での教科書です(教官が著者だからでしょうが)
 不正競争防止法・商標法・意匠法・特許法・実用新案法・著作権法・国際法についてまとめてあります。上の田村教授のものよりオーソドックスな書かれ方をしているので使いやすいのではないかと。結構頻繁に改訂されています。

憲法
新版・補訂版
芦部信喜岩波書店
2900円+税1999.3.8
 憲法の教科書としてはもっともオーソドックスなもの。
 憲法全般について説明してあり、判例に関しても簡潔にではあるが引用があります。
 憲法に関する勉強にはまずこれを読むべきかと。

「定本物語消費論」
大塚英志角川書店
619円+税2001.10.25
 専門書というわけではないけれど現在の著作物について考えるのに役に立つためこちらにいれます。
 現在の著作物が「モノ」や「サービス」として売られているのではなく、その背後にある大きな物語とあわせて売られているということ。読者によって同人等の方法で複製されることによってオリジナルが再発見されていくと言うこと。など、面白い指摘がたくさんあります。90年代に書かれたものですが、固有名詞を変えれば現代にも容易に当てはまります。著作権法について勉強する方は是非読んでおくべきと思います。




専門書:コンピュータ

暗号化
(原題:CRYPTO)
スティーブン・レビー紀伊國屋書店
2500円+税2002.2.22
 インターネット黎明期、暗号技術が政府の手から民間にどのように降りてきたのか
 前半は暗号の情報は全てNSA(米国家安全保障局)の厚い壁の内にあって一般にはわずかな資料しかない状況から、ハッカーがどのようにしてシステムを構築しアルゴリズムを考えてきたのかを書いてあり、後半では政府(とFBIやNSA)がどれだけ暗号技術の流出を恐れ、それを防ぐためにハッカーや産業界と戦ってきたのかを書いてあります。
 今や必須の技術として考えられている暗号技術。それの発展の全てがわかる本です。
 とにかく読め、といいたくなる本です。

図解雑学インターネット
岡村友之ナツメ社
1200円+税2000.12.30
 インターネットの基礎知識について図を用いて丁寧に紹介している。これ一冊でインターネットにつなぐ際の疑問はほぼとけるはず。インターネットの入門書として最適。
 図が多く使われていてわかりやすい。

詳細 HTML&JavaScript 辞典
岡蔵龍一・半場方人秀和システム
2500円+税1999年初版
 HTML・スタイルシート・JavaScriptを用いたWebサイト構築のためのマニュアル本。「こういう事がしたい」と言うときに辞書として引くのに役立つ。古い本だが普通にWebサイトを作る分にはこれで十分。




専門書:社会学など

第三の道
(原題:The Third Way)
アンソニー・ギデンズ日本経済新聞社
1500円+税1999.10.21
 イギリスのブレア首相がいう「第三の道」に関する本。ブレア首相の政策の背景にあるのがこの人の思想であるらしい。ギデンスは現代社会学の泰斗と呼ばれるほどの人物です。
 「第三の道」が主張する、「ラジカルな中道」「新しい民主主義国家」「アクティブな市民社会」「民主的家族」「新しい混合経済」「包含としての平等」「ポジティブ・ウェルフェア」「社会投資国家」「コスモポリタン国家」「コスモポリタン民主主義」について述べられている。政治に興味ある人は読んでみてはどうかと。
 ・・・この理論は色々な面で日本に応用するのは難しすぎますけどね。前提条件が違いすぎるので。



新書:岩波新書

IT革命
−ネット社会のゆくえ−
西垣通岩波新書
700円+税2001.5.18
 IT革命について書かれた本。この本で言うIT革命とは、世間で騒がれているようなeコマースなどに代表されるものではない。メディアビックバンに伴う生活革命について語られている。
 IT革命を短期的にではなく、広い視野を持って中長期的な見通しを持って語っている現時点では数少ない本。ITがもたらす影響ということについて全般的に述べている。
 いい本なのだが、結局どういう世界になるのか、ということについてはきちんと述べられていない。また、最終章に関してはなぜこれが最終章となるのかが不明である。自分の専門について述べたかったのだろうか?
 いい本ではあるが、ちょっと物足りない。

学問と「世間」
阿部謹也岩波新書
680円+税2001.6.20
 日本における社会と西欧におけるcommunityの違い日本における個人と西欧におけるindividualの違いを通して日本的「世間」というものを明らかにしている。その上で、学問がどうあるべきか、大学がどうあるべきかということについて論じられている。
 序論部分である「世間」に関する考え方が面白い。これはきちんと押さえておいた方がよいと思われる。ただし本全体の内容としては難しい。僕では理解が十分にできていないと思われるためむやみに批評できません。どなたか僕のわかるように解説して欲しい(苦笑)




小説:ファンタジー・SF

グインサーガ
(現在83巻まで)
栗本 薫ハヤカワ文庫
500円前後1979〜
 陥落したクリスタルの都から逃れたパロの王子レムスと王女リンダは、ルードの森で豹頭の戦士グインと出会う。彼は最高の戦士であったが、記憶を失っていた。いったんはモンゴールの追っ手に捕まるも、牢獄で知り合ったヴァラキアのイシュトヴァーンとともに逃げ出し、未開の地、ノスフェラスへと旅立つ。
 全100巻宣言を行い、最近では2ヶ月に1度のハイペースで出版されています。今から読むのはかなり大変だとは思いますが、読んで損はありません。ファンタジー小説の中では一番のおすすめです。物語はパロ・ゴーラ・ケイロニアの三国による異世界三国志っぽい感じになるようです。

デルフィニア戦記
(全18巻)
茅田 砂胡中央公論社
850円前後1999(完結)
 リィが目覚めてみると、そこは知らない土地で目の前では男が殺されそうになっている。とりあえず男を助けては見るものの、どうやって元いた場所に帰ればいいかわからない。しかもなぜか女の子になっている!とりあえず助けた男と一緒に行動してみるが、助けた男は実は王位を追われた国王だった!?
 前半は王座奪回、後半はデルフィニア・タンガ・パラストの異世界三国志になります。個性的なキャラが多く、かなり楽しく読めます。特にウォルとリィの主人公カップルが面白い。おすすめです。

スカーレット・ウィザード
(全5巻+外伝)
茅田 砂胡中央公論社
850円前後2001.4(完結)
 海賊達の王、キング・ケリーに舞い込んだ依頼は、巨大財閥の女王との婚姻届にサインすることだった。彼は宇宙での追いかけっこで勝負をつけることにする。10時間、それだけの間逃げ切れば、彼の勝ち。自分の船と腕には自信のあったケリーだったが・・・?
 本に「かなり異色な宇宙恋愛物語」と書いてありますが、本当に異色です。この作者の書く物語は、なぜか主人公カップルが異色だ。最近イラストレーターの方が漫画も書いているので、それとあわせて読むと面白い。

妖魔夜行 戦慄のミレニアム
(上・下)
山本 弘角川スニーカー
514・6192000年
 妖魔夜行シリーズの第一部最終巻。
 世界各地で起きる15歳以下の少年達の失踪。それを探るうちに浮かび上がる黒幕。最終戦争が今はじまる。
 この本を推すのは小説が素晴らしいから、というよりもこの下巻で神父の語る話ゆえです。聖書の真実とイエスが本当に言いたかったこととは、という。僕はキリスト教キライな人間ですが、これを読むとイエスという人物の教えが本当は素晴らしい物だったのだなと思えてきます。キリスト教が嫌いなのは変わりはしませんでしたが。




小説:歴史

小説十八史略
(全6巻)
陳舜臣講談社文庫
700円前後1992(完結)
 中国の南宋滅亡までを描いた歴史小説。その時代時代を人物を通して描き、小説としても面白いものになっている。
 歴史小説としてはまずこの本をお薦めします。中国史に興味が無くても、小説として十分楽しめると思いますし。

晏子
(全4巻)
宮城谷昌光新潮社
590円+税1997.9.1
 春秋時代の斉の国の名将晏弱と、その息子で名宰相といわれ斉の黄金時代を築いた晏嬰の二人の晏子の物語。一般的に晏子と言えば晏嬰を指すが、父親もまた魅力ある人物であり、彼のことについても書かれている。
 出来がいいとは言えない君主に仕えたが、飽くことなく諫言を行って斉の国を支えた。儒学の孔子と同時代の人物であり、孔子の思想に対しても影響を与えたと言われています。また、斉の国に仕えようとした孔子を追い払ったことでも有名。
 とにかく魅力のある人物です。中国史に興味のある人は読んでみることをおすすめします。




その他

「人殺し」の心理学
デーヴ・グロスマン原書房
2200円+税1998.7.21
 第二次大戦中にいたるまで、アメリカのライフル銃兵は15〜20%しか敵に向かって発砲しなかった。しかし朝鮮戦争では発砲率が55%に上昇し、ベトナムでは90〜95%に上昇した。
 なぜ兵士は発砲しなかったのか。そしてなぜ発砲率は上昇したのか。セックスと殺人の関係は。このようなことについて研究された本。殺人事件の犯人の心理に迫るのではなく、兵士の心理と軍の行う訓練方法に迫る

悪魔の辞典
ビアス岩波文庫
600円+税1997.1.16
運命:暴君が悪事を行うときに利用する典拠、愚者が失敗をしでかしたときに持ち出す口実。
外交:祖国のために偽りを言う愛国的な技術。

などなど、風刺的に物事を説明した辞書。実際はこの本に収められたものよりも多くの定義がなされており、この本はその一部を抜き出したもの。
 著者が19〜20世紀初頭にかけての人であるため、その頃の時代を反映した定義付けがなされており、女性差別的な部分もある。まあ、男性に対しても辛辣に述べているが。
 結構楽しんで読めるのではないかと。