WinMXで逮捕者が出ました。(インプレス/ZDNET)
ちょっとびっくりです。Napster騒ぎの時もユーザーは誰一人として捕まりませんでしたしね。
今回の罪状は、著作権法の違反です。もっと詳しくいうと、公衆送信権の侵害にあたります。
今回のケースは公衆送信権の中でも自動公衆送信権(23条1項)に当たり、著作物を公衆からの求めに応じ自動的に送信すること(2条1項9号の4)、およびそれを可能な状態にすること(23条1項カッコ書き)を言います。よくWarezサイトに対して著作権法違反だ、などというのに使われていたのがこれです。
| 23条1項 著作者は、その著作物について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあっては、送信可能化を含む。)を行う権利を占有する。 |
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2条1項9号の4 自動公衆送信:公衆送信のうち、公衆からの求めに応じ自動的に行うもの(放送または有線放送に該当するものをのぞく。)をいう。 |
まず、なぜ日本で最初に捕まったのか。
これは上にも書いたように送信可能化権というものが日本の著作権法には存在し、それによって罰することができる状況にあったということが原因です。
じゃあこの権利はなぜ日本には存在して他国にはないのか。実際の所、他の国々でもこの権利を備えようとしている動きがあります。そもそもこの規定は、「著作権に関する世界知的所有権機関条約」の第8条の規定にある[公衆への伝達権]を日本の法律に取り入れたものです。
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第八条 〔公衆への伝達権〕 ベルヌ条約第十一条(1)(ii)、第十一条の二(1)(i)及び(ii)、第十一条の三(1)(ii)、第十四条(1)(ii)並びに第十四条の二(1)の規定の適用を妨げることなく、文学的及び美術的著作物の著作者は、その著作物について、有線又は無線の方法による公衆への伝達(公衆のそれぞれが選択する場所及び時期において著作物の使用が可能となるような状態に当該著作物を置くことを含む。)を許諾する排他的権利を享有する。
日本語訳:CRIC
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ファイル交換サービスソフト自体は違法ではないのか?
これに関連して昨日ファイルローグを運営している日本MMOがこのようなことを言っています。
また、今日(11/30)インタビュー記事も出ました。
さて、実際の所、ファイル交換サービスソフト自体は著作権法違反を起こしてはいません。ソフトはあくまでもファイルを交換する場を提供するものであって、それ自体が著作権を侵害しているわけではないからです。
自分で作った曲を公開して人に聞いてもらうというような方法で使うこともでき、行われている行為が全て著作権侵害行為であるとは言えません。
ただしファイル交換サービスの性格上、著作権侵害を助長しているのはほぼ確かだと言えます。ソフトの制作者がどう考えているにせよ、実際に著作権の侵害が起こっているのは確かだからです。ソフトを使用して検索してみればわかります。でまわっているのはほとんどが著作物で、許諾を得ていないものです。
最近プロバイダ責任法が制定されましたが、これをみてもわかるようにプロバイダの責任を制限する動きが出てきています。ある程度対策をしていて、違反者が出たときにはきちんと警告をする。また情報の開示を求められた場合、正当な理由がある場合は開示を行う。これらのことをすれば、プロバイダ側は責任を負わない、となるわけです(実際には色々細かいことも書いてあるけど省略)
ファイルローグのいっている「ノーティス・アンド・テイクダウン手続」もそう的をはずれた代物ではないわけです。状況が進めば、この手続きを行うことでソフト側は責任を回避することができるようになるかも知れません。
実際に今どうかというと、グレーゾーンだと思います。著作権侵害行為の助長をしているととることで責任を問えるかどうか。Napsterはそれで責任を問うことができましたが、日本の法律ではどうでしょう。実例が思い浮かびません。
ちなみにJASRACなんかはこの手のサービスを認めていないようです。もっと管理を厳しくして欲しいのでしょう。実際の話、権利者側で常に監視をしようにもそのコストだけでとんでもない額になるでしょうからね。
また、プロバイダに責任がかからなくなった場合責任は誰がとるのか。もちろんユーザーが責任をとることになります。
賠償なんかは全部ユーザーにかかってくることになるわけです。
損害賠償額は普通に計算すると、侵害した著作物の価格×複製した回数とでもなるはずですが、ファイル交換サービスを用いた場合、侵害した著作物の価格×ダウンロード回数(見込み)となります。
アプリケーションソフトを共有し、高速回線に接続していた場合、あっという間に数千万から数億規模の賠償額を請求されることになるでしょう。
恐ろしいものです。一度で破滅ができます。
WinMXで今回逮捕された人間に対する損害賠償額の請求ってどのくらいになるのでしょう。ADSLクラスの速度を持っていたのなら、数千万から数億に達する可能性があるんですが・・・。彼らは数ヶ月の間やっていたようですし、大量のアプリケーションソフトを共有していたみたいですから。