えいせいコラム

−ここは食品衛生に関するコラムです−

No.9 批判本のパターン
(2003.3.2)

 食品添加物等の批判(いちゃもん)本「買って○いけ○い」がベストセラーになったのが1999年。2002年は色々な問題が起こったせいか、またもやその手の本が売れているようです。先に挙げた本はpart2がでてましたし、NGOの日本○孫○金からも本が出版されました。これを読んでみると、食品添加物や農薬に関しては1999年、いやそれ以前から出ている批判本と何ら変わってなく、はっきりいってデタラメな記述でうんざりします。(日本○孫○金の本は、原材料表示については真っ当なことを書いてるとは思います)

 いくつか例をあげてみますが、昔からあまりにも変わってないので、この手の内容が書かれていたらその本はインチキ・オカルト本と認定できるでしょう(^^;

○○○は発ガン性がある。または、疑いがある。(米国では認められてないなどの言葉がつくこともある)
→予備知識が全くない人は、これでもう信じ込んでいまうのだと思います。しかし、ちょっと考えてもらえばわかるのですが、本当にそれらの添加物に、はっきりした発ガン性があったら、いくら対応の鈍い(といわれる)日本でも使われないです。

 というわけで、この言葉があったら、それはだと解釈してください。

催奇形性、変異原性、アレルギー性…等がある。または、疑いがある(米国では認められてないなどの言葉がつくことも)
→これも多い脅し文句ですが、パターンとして、@論文にはたしかに書かれているが、最後の結論の部分をすっ飛ばしている。(現実的には危害が起こる可能性はきわめて低いと推測されるって感じのまとめ文のこと)実際に食べる量を全く考慮していない。A最新の実験結果では危険はないことが証明されたのに、昔の誤った結果の論文をいまだに引用しているB根拠無しにだれかが危険だと執筆して、それをみんなが引用しまくるC自作自演する(さすがにこれはめったにみませんが)

 これは100%嘘とまでは言いませんが、針小棒大の極端なものでしょう。

添加物の相加相乗作用を危惧する文章を書く
→本によっては10〜100倍毒性が上がるといった表現がされています。たしかに添加物同士の相乗作用などを調査した例はききません。(約1000前後もある添加物の相乗作用を調査するのは現実的には不可能です)その意味では安全性は確認されていませんが…この調査を万が一にも行うとしたら、添加物より先にやる必要があります。それは・・・米と魚のように、食品同士の相加相乗作用です。え、そんなの必要ないって?これら食品同士は、科学的に安全って証明はされてないんですよ。(実際、問題があるとは思っていませんけどね)食品をやらないなら、それよりはるかに摂取量の少ない添加物はなおさら必要がないでしょう!?

化学物質と、とにかく強調する。
→とにかく化学物質だから悪いという、いままでの中で一番くだらない理由でして…この世のすべてのものは化学物質からできているってことを本気で知らないらしい…。こんな別次元の人たちを説得できるのだろうか(^^;

 とりあえず、大括りでパターンあげてみました。これら批判本に共通しているのは、リスクアナリシスの概念がカケラもみられないことです。添加物のことを知りたくて本を買うなら、上記のような記述ばかりのものはさけるべきです。

おまけ:批判本について、記事を一つずつ叩いていく方法もありますが…キリがないんでやめました。(笑)

No.8 アクリルアミドのリスク評価
(2002.7.20)

 掲示板にも書きましたが、まずはこれ.
http://www.kenji.ne.jp/food/review/review130.html

5/5のメールマガジンですが,炭水化物を多く含む食品を焼いたり炒めたりすると,アクリルアミドが生成される,って話です.(スウェーデンより)この時点では,正直いって半信半疑でした.アクリルアミドって,毒劇法では劇物にあたりますから,そんなのが食品に?って感じでした.

しかし,
http://homepage3.nifty.com/junko-nakanishi/zak176_180.html#zakkan179


にも掲載され,イギリスの追試も同様の結果だったとの報告があり,どうやら本当らしいです.(横浜国大,中西教授のページです.)

この件については,上記の中西教授のページが詳しいので,参照してください。

さて、この事実をどう評価するか?エビは、次のように考えます。

@アクリルアミドは、食品中なら、あるいは報告された摂取量(35〜40μg/日)ならば、発ガン性などの有害性はない。

A報告によれば、高温での加熱調理(焼く、炒める、揚げる等)で作られるそうなので、普通に炊いたご飯(焦げた部分除く)や茹でて作るうどん、そば、ラーメンではアクリルアミドは作られないと思われる。よって、日本食ではアクリルアミドの危険性は考慮する必要がないくらい低い。

Bただし、これは推論なので、調査はする必要がある。

中西教授のページをみればわかるのですが、パンには含まれているので、アクリルアミドのリスクをさけてパンを食べない…てのは現実的ではないと思いますけどね。エビは、このニュースを知ってからも気にせずパンを食べています。(ご飯党なので、もともと回数は少ないですけど。)

 

No.7 食物アレルギー表示についての雑感
(2002.4.28)

 No.1で書いた食物アレルギー表示が,H14年4月1日から施行されました.ところがこれ,勉強していくと…とってもややこしい!取りあえず注意すべき所,気が付いたところ,気になったところ,?なものをつらつら書いていきたいと思います.

1.まつたけ,あわび等高価なものが混じっている→ほんのちょっとしか使ってなくても堂々と表示できてしまうおそれが.ただし,これには但し書きがあって「マツタケエキス」等と書いて,少量だけ使っているってことをわかりやすくして,誤解を招かないようにしよう,っていうことが推奨されています.

2.この法律は,キャリーオーバー加工助剤など,今まで表示が免除されてきた添加物にも適用されるので,かならず表示しなければならない.ごく微量でも発症するアレルギーの対策として評価できます。(メーカーの方は大変でしょうけど)

.現段階では一応,最終食品から検出されなければ表示しなくてもよい.しかし,肝心の検査法がまだ完全じゃない.(どないせいっちゅーねん!

4.その限度は数μg/g以下となっているが,ng/gレベルでもアレルギー症状起こす人はアレルギー患者の中でも少数派だろうけど,いるはず.特にそば&ピーナッツに関してはアナフィラキシーショック起こして生死に関わる報告が多いんだから,原料のどこかで使っていたら残存量にかかわらず表示すべき

5.「入っているかもしれない」っていう可能性を示す表示は禁止されています.あいまい表示を許すと、食べるものなくなっちゃうからね.

6.表示例として、たとえばお弁当の表示の最後に「原材料として牛肉・大豆・豚肉・りんご・ゼラチンを含む」と書いてよい、とされていますが、お弁当の何に使っているのかまでは書かなくてもいいことになっている.これって、アレルギー患者が食べられるものってすごく限られてしまうんだけど.


7.そして…残り19品目も義務表示にすべき


とりあえず資料みないでうろ覚えだけで書いても全然終わらない….
というわけで,食物アレルギーについてはページたちあげちゃお.(完成日は未定)
ほとんど資料集みたいなものになると思いますけどね.


No.6 ELISA試験法について
(2002.1.20)

 今回は、検査方法の一つとして、ELISA法についてちょっと書いてみたいと思います。

 もともとは細菌・ウイルスの検査で用いることの多かった試験法です。免疫の抗原抗体反応を利用して、ごく微量でも測定することが出来ます。この試験法が一般の方々にも名前が知られるようになったのは、そう、BSE(いわゆる狂牛病)の1次試験法として用いられるようになってからです。最近では、フタル酸エステルなどのいわゆる環境ホルモンの検査にも用いられ、環境庁でも公定法として使用するようになりました。

 ただし、このELISA法、測定物質の正しい含有量を求めるのは苦手なんです。免疫学的な話をすると、抗原(プリオンなどの測定物質)と、その抗原に特異的な抗体をくっつけ、そのくっついた量を測定するのですが、この抗体は、実は他の物質とも反応してしまう時があるのです。武田薬品など、各メーカーからいろいろなELISA測定キットが販売されていますが、メーカーが違うと数値がことなることがよくあります。たとえば、17βーエストラジオールだと最大で300倍も異なるときがあります。なぜかというと、メーカーが苦労して抗体を作っている…のですが、メーカーにより他の物質と反応してしまう割合が全然異なるからです。だから、ELISA法での測定では、数値はあてにできない可能性あります。

 とはいっても、この試験法が信用できない、ということではありません。BSEの異常プリオンなど、抗原が存在していれば確実に反応するので、測定物質を見逃すということはありません。そのため、クロを確実に発見するためのスクリーニング的な方法に向いています。また、数値に多少のずれがあったとしても大体の傾向はつかめるため、河川の環境ホルモンなどの計時的変化をみるのにも向いています。最大の長所はなんといっても、1試料当たりの試験にかかる費用は安いってことです。

 今回は、検査をしている人は十分承知している内容ですし、専門でない方にはわかりにくい内容です。且つ、エビが端折って書いているので、わからない部分もあるかもしれません。(^^; その辺はご容赦を。

 

No.5 狂牛病と遺伝子組み替えと添加物と
(2001.9.24)

 本来ならこの内容はあでてぃぶコラムの方に書くものかもしれませんが、他のいろんなことが絡んでいるのでこちらにしました。 

 平成13年2月15日、厚生労働省は狂牛病対策のため、牛肉、牛臓器およびこれらを原材料とする食肉製品について、EU諸国からの輸入禁止の法的措置をとりました。食品添加物のレンネットも、牛臓器からつくる製品があるので、同様の輸入禁止措置がとられました。レンネットは、チーズを作るのに必須の添加物ですが、今までは大半をEUから輸入していました。そのため、急遽国内チーズメーカーはレンネットの切り替えをすすめ、現在は安全とされているオーストラリア産の牛胃由来レンネットと微生物レンネットに二分した状態になっています。 
 本当は遺伝子組み替え技術を使った発酵キモシンの方が最も効率が良いのですが、日本では遺伝子組み替え品は拒否反応が強いため国内メーカーでは採用を見合わせています。雑感にも書きましたが、異常な拒否反応のため問題のない製品が使えない、という現状はいかがなものかと。

 ただし、世界的には牛由来レンネットを狂牛病対策の対象とはみなしていません。詳しい話は省きますが、エビもこの件についてはちょっと過剰反応ぎみのところがあると思います。まあ、ここまでの対策をとればより安全ですし、厚生労働省の早めの対応はむしろ好ましいものです。(農林水産省とはずいぶん違うなぁ)

 狂牛病による影響は、実は表面にみえないところでも起こっていた、という事例です。他にも知らないところで影響が起きていると思います。

 

No.4 遺伝子組み替え食品の雑感
(2001.7.21)

 最近、スナック菓子から遺伝子組み替え食品が検出・回収と大騒ぎになっています。使用していない、という合衆国の認定書をもらっていたのに検出されるなんて、正直言ってメーカーも困っていると思います。

 未承認の作物を使用していたのはもちろん問題なのです。しかし、遺伝子組み替え食品ってそんなに危ないものでしたっけ?エビは、遺伝子や遺伝子組み替え食品については専門家ではありませんが、マスコミの対応は添加物バッシングと通じる所があると思うので、以下、エビの私見を書いてみたいと思います。

 まず、最初に遺伝子組み替え食品を知ったときの感想。「品種改良の過程を省いたものだな」・・・これだけです。


 はっきりいって、存在を知った当初から現在まで、エビは、それほど危険な物ではないと考えています。
 理由は、
:遺伝子組み替え食品といっても、作物としてはほとんど同じもの。米の品種のコシヒカリ・ササニシキ・ヒトメボレぐらいの差くらいと思っています。
:遺伝子が残っていても消化されて、人間にその遺伝子が組み込まれるなんてことはありえない
:周辺の作物に、遺伝子組み替え食品の遺伝子が移ってしまうといっている人もいますが、たしか毎年企業から種を買わなくてはならない、と記憶しています。つまり、周辺の植物に受粉させる能力などない。(農業の企業独占化や経済的影響についてはこの限りではないですが。)

 もちろん、従来の作物より安全性が高い(有害な物質を生み出さない、アレルゲンが従来品と同じくらいか少ない)ことが確認されているのが条件です。

 なお、この文章は資料確認を特にせず、エビの記憶のみで作成したので、間違いがあったら指摘して下さい。

 

No.3 日本食品衛生学会にて
〜食品中の異物〜
(2001.6.6)

 2001年5月16日、シンポジウムとして、食品中の異物について色々な話がありました。2000年は、例の牛乳の事件の影響か、例年よりとても多くの苦情品が保健所に届けられたそうです。

 聴講してエビが感じたことですが、

  1. 消費者側は、何かがあるとマスコミの方へ連絡して、マスコミがそれを取り上げるため大騒ぎになってしまう。

  2. 生産者側は、十分に防げるはずの異物混入が、管理が甘いため、結果として混入してしまうことも多い。

  3. 保健所できちんと説明すれば解決できることもよくある。


 以上の3つです。消費者・生産者・行政すべてがレベルアップする必要があるんでしょうね。(エビも頑張らないと)

最後に、聴いていて興味深かったものをいくつか。

  • まわり一面がカビていたパン
    −食べてしまってから持ちこんだとか(-_-;) −

  • 健康食品的なお菓子に針金が混入
    -消費者の口に入る前に回収したそうです-

  • コンビニのパンの袋の中に芋虫が(*_*)
    -手に取った時に気づいてほしかった-

No.2 食物アレルギーと食物不耐症
(2001.4.28)

 引き続きアレルギー関係。食物アレルギーは、珍しい食品よりもありふれた食品で起こりやすいです。日本ではそばのアレルギーが重症になるのは有名だと思います。(そばがらを使ったまくらで寝てもなる人もいる)欧米でも、ピーナッツが原因で亡くなった人がいるそうです。(なんと、ピーナッツそのものではなく、ピーナッツ油入りのカレーソースを使用したポテトチップスで!)アレルギーの特徴として、ごく少量でもアレルゲン(アレルギーの原因物質)があると起こります。

 一方、アレルギーと間違えられやすい症状に、食物不耐症というものがあります。アレルギーと違うのは、食べた量と反応の度合が比例することにあります。つまり、少量ならばなんにも起こらないということです。あと、これは個人差が大きいということもあげられます。食品中のある成分を分解する酵素の力が弱いと、通常の人ならなんでもない量でも、症状がでてしまいます。これをアレルギーと勘違いすることもよくあります。

 有名なのがヒスタミン。魚介類の加工品等に多く、過去に「さばのみりん干し」、「マグロの照焼き」等で中毒が報告されています。他にもチーズに多いチラミン、ハーブや紅茶に多いサリチル酸などがあります。

 もっと有名なのが、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロという、乳糖不耐症です。アジア系の人に多いです。

 この食物不耐症はアレルギー程は怖くないです。が、不耐症の人にとっては、原因となるものがわかれば当然避けたいもの。やっぱり使用した食材はすべて表示を義務化すべきでしょう。
(・・・No.1と同じ結論になってしまった(^^;)
(2001.5.5加筆)

 

No.1 アレルギー素材の表示義務
(2001.4.25)


2001年4月より,アレルギー素材の表示が義務化されました.(1年の猶予期間があるけどね) いままでは特別なかったので,食物アレルギーを持っている方々には朗報です.(っていうか遅すぎ)

 しかし,エビからみればまだ不完全です.もちろん重篤度が高く症例数が多い卵・乳・小麦・そば・落花生の5つは表示義務があります.
 が,その他の19品目(
あわびいかいくらえび・オレンジかにキウイフルーツ牛肉くるみさけさば大豆鶏肉豚肉まつたけももやまいもりんごゼラチン)は表示を奨励するもの,となっています.つまり,これら19品目が表示されているかどうかはメーカーに任せられています.
 アレルギーに苦しむ人たちのことを考えれば,これらもきちんと表示を義務化すべきです.っていうかしろ!

 

 

HOME BACK