【エッセイ】荒川静香・金メダルへの道 2006/2/26


 日本中をわかせた女子フィギュアスケートの荒川静香の金メダル。
我が家でもテレビのニュース番組で、金メダルを取った華麗な演技
をはじめてじっくりと見た。得点とは関係のない上体を反らせて銀
盤を横断するイナバウアーの優雅さには感動した。
 
 2/25(土)夜の9時からNHKスペシャル「荒川静香・金メダルへ
の道」トリノまでの半年間密着取材を見た。テレビはあまり見るこ
とはないのであるが、今回は是非みたいと思った。番組を見て、金
メダルへの道は、技術だけではなく“こだわり”というか、意地と
いう人間性を強さを感じた。やはり映像は、このような共感を提供
できるものであることも再認識した。
 
 当初は2年前に引退するつもりだったが、04年の世界選手権(ド
ルトムント)で優勝を飾ったことで、周囲の風向きが変わったとい
う。しかし、ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ昨年3
月の世界選手権(モスクワ)では、新しい採点方法(不正があった
ために、曖昧な美しさより明確な基準になった)になり9位に終っ
た。そこで、「このままでは終われない。トリノを目指してもう1
回頑張ってみます」と、完全燃焼するために1年間の現役続行を決
意したとのことである。
 
 番組では、金メダリストを育ててきたタチアナ・タラソワコーチ
(ロシアの太ったおばさん)と荒川さんとの間で、新しい採点方法
に対する演技の仕方について意見の対立があったこと、その結果昨
年の12月に、実際に滑ってお教えてくれるニコライ・タラソワコー
チ(ハンサムな若い男性)に自分の強い意志で変えたことを映像で
示してくれた。これが今回のミスのない優雅な演技につながったと
感じた。
 
 さらに、新しい採点方法では、齢制限で五輪に出場できなかった
15歳の浅田真央がジャンプ等の得意技で断然有利であり、一緒にや
りたくないという思いも述べていた。この話では、美しさのない単
に技術点だけは、価値がないという思いが強く伝わってきた。トリ
ノでは、荒川さんは自分の意志を通し、滑る前にはヘッドフォン付
けて何も聞かず、何も見ず、対立候補の演技に一切煩わされなかっ
た。
 
 結果として、対立候補はミスをしたために金メダルを取れなかっ
た。荒川さんはこだわりのイナバウアーなどの美しい演技に、レベ
ル4の技を取り入れ、見ている人に感動を与えたミスがない演技を
した。
 
 美しくなければ意味がない。ある一面の点数が良くても、美しく
なければ意味がない。