| テキサスの五人の仲間 1966・米 |
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![]() 監督:フィルダー・クック 撮影:リー・ガームス 脚本:シドニーキャロル 音楽:デビッド・ラクシン 出演:ヘンリー・フォンダ ジョアン・ウッドワード ジェイソン・ロバーズ チャールズ・ビッグフォード ケヴィン・マッカーシー ジョン・カレン ![]() |
物語 ダッジ・シティで、今しも年に一度の大博打大会が開かれようとしていた。テキサスきっての金持ちたちが、1年の稼ぎの全てを投げ出し、ポーカーに興ずるのだ。 顔ぶれは、葬儀屋トロップ(チャールズ・ビッグフォード)、弁護士オットー(ケヴィン・マッカーシー)、ヘンリー(ジェイソン・ロバーズ)、牛買いのジェス(ジョン・カレン)、デニスの5人。皆、毎年の常連だった。 弁護士は牛泥棒の裁判の途中を抜け出してきた。ヘンリーは娘の結婚式をほったらかしてポーカーの会場へ馳せ参じた。それほど男達は、この日を楽しみにしていたのだ。 ギャンブル大会が奥の部屋で始まると、酒場では誰が勝つかと、男達は気をもんだ。 町に新天地を求めて馬車でやって来た親子連れ。「部屋は空いていますか?」 メレディス(ヘンリー・フォンダ)、妻のメアリー(ジョアン・ウッドワード)、それに息子のジャッキーの3人だ。 メレディスは部屋へ行こうとしたが、奥の部屋でポーカーをやっているのに気付き、目を輝かせた。「ポーカーをやってるのか?」マスターは頷いた。メレディスの血が騒いだ。「あなた!」妻のメアリーは不安になる。メレディス「見るだけだ」 どうやら、この男、過去にギャンブルで失敗したことがあるらしい。メアリーは、見るだけならと、妥協し、馬車の金具を直す為、鍛冶屋へ出かけた。「ジャッキー、パパを見張っていてね・・・」 5人のギャンブル現場をしばらく見物していたメレディスは、とうとう我慢できず、「参加させてくれないか・・・」と言い出した。「パパ!」ジャッキーが叫んだ。「・・・大丈夫、少しだけだ・・・」 「金が最低1000ドルなきゃ参加資格がないぞ」 と5人。「金ならある・・・」メレディスは部屋へ行き、1000ドル持ってきた。「パパ!その金は・・・」不安なジャッキー。 メレディスを加えて,6人のポーカーが再開した。そして、やはり、メレディスは、瞬く間に1000ドルを失い、また3000ドルを部屋のカバンから持ち出してきた。・・・そして、その3000ドルも底がつき始めた。その時、配られたカードを見てメレディスの表情が変わる。 皆、1枚とか2枚とかカードを替えた。それぞれ手が良さそうだ。メレディスは「私は替えなくていいよ・・・」と言った。 200ドル、500ドルとチップが積まれていく。「金がもうない・・・」と、メレディスが言った。「金が無くなったら、退場してもらう。それがルールなんだ」 「そんな、不公平だ!・・・」とメレディス。 そんな時、鍛冶屋からメアリーが戻り、夫がギャンブルの部屋で4000ドルを失ったのを知り、驚愕する。「あなた!何と言うことを・・・」 「メアリー、聞いてくれ!この手は、一生に一度、あるかないかの手なんだ!」「今までも何度もその言葉で泣いてきたか・・・残ったのは、馬と馬車だけよ・・・」 「!!そうだ、馬と馬車で500ドル貸してくれ!」 メレディスは必死だった。「誰も、そんな物はいらんよ・・・」男達は無視した。 その時だ。メレディスはカードを握ったまま苦しみ出した。「あなた!」メアリーとジャッキーが駆け寄る。メレディスは心臓に持病を持っていたのだ。 ドク(バージェス・メレディス)が呼ばれ、診察した。「危険な状態だ」ドクは言った。その時、メレディスは苦しみながら妻に言った。「お前が続けろ・・・」「・・・私が・・・」メアリーは困惑した。「やり方が解らない・・・」 メレディスはドクの家へ運ばれて行った。 「私が主人の代わりに続けます」男達は驚いた。「何だって!?」「女なんて追い出せ!」 メアリーは気丈な女だ。「10年かけて貯めたお金です。家を建てるのと、息子の教育資金なんです。絶対に守ります!」 「しかし、我々は3500ドルを賭けてきた。ご主人は3000しか賭けてない。あと500賭けないと退場ということになる・・・」「500じゃ足りん!まだまだつり上がるぞ」 メアリーは思案した。「借用書を書きます」「・・・?・・・金を借りるには担保が必要だ・・・」 男達はあきれた。 「銀行へ行きます・・・」と、メアリー。「待て!カードは持出し出来ないのだ」 「貴方達にはお遊びのカードでしょうが、私達には人生が懸かっています。主人からあずかったカードは私が守らねばなりません」 かくして、メアリーに男達が同行して、銀行へ・・・ メアリーは頭取バリンジャー(ポール・フォード)に面会した。「ポーカーを主人から引継ぎ、賭けるお金が無くなってしまいました。・・・絶対に降りるわけには参りません」と、メアリーは訴えた。「・・・それで?」「お金を貸してください」「金は貸しても良いが・・・担保は?」 メアリーは頭取の目の前にカードを差し出して見せた。「これです!」 バリンジャーは目の前のカードを見つめていたが、やがて、「しまいなさい!」と怒り出した。「悪ふざけはやめろ!私は忙しい身だ。全員帰ってもらおう!」 ギャンブル会場へ戻った面々。メアリーは万策尽きた。「それにしても、カードを担保にしたのには驚いたな」男達は大声で笑い出した。 その時、頭取バリンジャーが入ってきた。「悪ふざけじゃなかったんだな。・・・もう一度カードを拝見する」と、メアリーの横へ座る。「・・・46年間、慎重に担保を取って金を貸してきたが、これほど確実な担保は見たことが無い」 メアリーの顔が輝いた。男達は、「・・・・・?!」と、無言でお互いの顔を見つめ合った。「チップをたんまり用意してくれ!」と、バリンジャーが言った。さて、勝負は再開されたが、銀行が絶対の確信を持った手に勝てる筈がないではないか。男達は全員、降りた。メアリーが勝った。「利子は頂きますぞ」と、バリンジャーはメアリーに言った。負けた男達は、余韻を引きずっていた。「・・・素晴らしい女性だ・・・」負けたくやしさより、夫の意思を最後まで守ったメアリーに理想の女を見る感動の思いは、皆同じだったのだ。 さて、別の町のホテルのある部屋の中。メアリー、ドク、頭取のバリンジャー、心臓発作の筈のメレディス、そして少年ジャッキーが札束を数え、分配している!!?! 彼等は、全員グルだった!しかも、親子は赤の他人。「もう、あの町には近づくな。イカサマがばれると何をされるか解らんぞ」と、バリンジャー。「イカサマじゃないわ。ハッタリよ。ハッタリも勝負のうちよ!」メアリーはプロのギャンブラーであった。 |
| 映画館主から 大どんでん返しの異色西部劇の傑作です。観客は最後までドラマの落ちに気がつきません。ラストでこの不敵な仲間達がせしめた金を分配しているので、「騙された!!」と、納得するのです。 しかし、我々観客が解るだけで、テキサスの大富豪達はポーカーに負けたとしか思わず、それぞれに散っていきます。「素晴らしい女がいるものだ」という、感慨を胸に。 どんでん返しの面白さでは、「スティング」以上かも知れません。ポーカーの手は、いっさい観客に見せません。大勝負の彼等は、全員が自信のある手だったのでしょう。ヘンリー・フォンダの手を除き。 昔、ポーカーに凝っていた頃、テレビ放映でこの映画を見て、大喝采してしまいました。 脇役にも、芸達者を揃えています。ドクのバージェス・メレディスなんか嬉しい配役です。後に「ロッキー」のトレーナー役で活躍、渋いです。「大いなる西部」のチャールズ・ビッグフォードは葬儀屋役でした。最後に感動の礼をメアリーに言うと、手に口づけをして去りました。 ジェイソン・ロバーズなどは、家に駈け戻り、娘の結婚相手に「もっと世間を見ろ。最高の女性に巡り会える筈だ」と、娘との結婚を止めさせてしまいます。 「テキサスの五人の仲間」のタイトルはラストのグルの五人のことでした。シナリオの良く練れた作品でした。 |