| 俺たちに明日はない 1967・米 | |
![]() 製作:ウォーレン・ベイテイ 監督:アーサー・ペン 脚本:デビッド・ニューマン ロバート・ベントン 撮影:バーネット・ガフィ 音楽:チャールズ・ストラウス 出演:ウォーレン・ベイテイ フェイ・ダナウェイ ジーン・ハックマン エステル・パーソンズ マイケル・J・ポラード ![]() ![]() |
物語 1930年代のアメリカ南部。世間は大恐慌の最中であった。 クライド・バロー(ウォーレン・ベイテイ)は、強盗の罪で2年間の服役を終えてシャバに出てきた。 退屈な日常にうんざりしていたボニー・パーカー(フェイ・ダナウェイ)は、家の前で車を見ていたクライドに声をかけ、共に町へ繰り出した。 「どんな感じ?」「ムショか」「強盗よ」「なんとも言えん」「本当はやったことないんでしょ」 クライドは胸のポケットからピストルを覗かせた。「めん玉開いて良く見てろ」 クライドは近くの店に侵入すると札束を手に戻った。車を盗み二人で逃げる。 「君はテキサスで一番の女だ。ドレスを着て一流のホテルへ行きたくないか?」 クライドが言い、ボニーはこんな刺激に有頂天になっていた。 それからの二人は、店を襲い、銀行を襲った。ことごとく成功したことが二人の気持をますます駆り立てる。 車の修理工場でうだつの上がらない若者C・W・モス(マイケル・J・ポラード)を仲間に引き入れた。 ボニーとクライドが銀行を襲う。モスは外の車で待機している。逃げる時、銀行員が車に飛びついてきた。クライドは銃で顔を撃った。 「俺は人を殺した。今のうちにママの所へ帰れ、巻き添えにしたくない」クライドがボニーに言った。 「帰らないわ」 ボニーの気持ちは変わらない。二人は抱き合った。しかし、そこまでで、肉体の関係になるわけではない。「・・・女は苦手なんだ」クライドはボソリと言った。 そんな時、クライドの兄バック(ジーン・ハックマン)とその妻ブランチ(エステル・パーソンズ)が逢いにきた。バックも服役を終えてきたのだ。お互いに紹介し、今後のことを話し合う。 家を借り、5人の奇妙な共同生活が始まった。ブランチはヒステリックな性格で、何かと叫びまくる。ボニーはそんなブランチにいらいらしていた。それをクライドがなだめた。 夜、何時の間にか、家の周りを警官が取り囲んでいた。それを知ったブランチが叫びまくった。 銃撃戦の中、車で逃げ出した。 5人組の銀行強盗が出没して行く。 「ボニーとクライド」は新聞の紙面を賑わせ始めた。それを読んで悦に入る二人。 池の傍で休んでいると保安官が見回りに来た。クライドが保安官を捕らえ、記念写真を撮る。ボニーとクライドは英雄気取りだ。 ボニーが母親とつかの間の再会を果たした後、アイオワ州のモテルで泊まる。ブランチとモスが買い物に行った時、店でモスの腰のピストルを見た男が保安官に通報した。 夜、モテルは警官隊に囲まれていた。再び激しい銃撃戦が始まる。 バックは頭を撃たれ重傷を負った。命からがら車で逃げる。 翌朝、郊外の田園で休んでいると、追っ手が迫って来た。クライドとボニーは腕を撃たれたがモスと共に逃げ去った。しかし、バックは瀕死の状態だ。ブランチが叫ぶ。「死なないで!」 バックは警官隊に囲まれて変な姿勢で倒れたまま動かなくなった。その後、眼を負傷していたブランチは取調室でC・W・モスの名前をしゃべってしまう。 モスはボニーとクライドを自分の父親の自動車修理工場へ連れて行く。父親は驚くが二人を表面上歓待した。「いつまでもいてくれていいぞ」 しかし、息子と二人になるとモスを怒鳴り散らした。「あいつ等はガキだ。解らんのか」 「クライドとボニーだぜ」モスは今や有名人が誇らしげなのだ。 「ボニーとクライドの詩」 ボニーが新聞社に投稿すると掲載された。 「俺の名前を残すのが夢だったんだ」クライドは狂喜しボニーを抱いた。二人は初めて男と女になった。 「帰りの車には乗るな」 保安官と密会した父親はモスに言い聞かせた。「町で捕まえるつもりか。クライドは勘がいいんだぜ」と、モス。 買い物に出た。パトカーを見てクライドがボニーを車に乗せ車を出した。モスは隠れて様子を見ている。 道の途中、モスの父親が車の修理をしていた。クライドが車を降りていくと、「パンクしちまってな」と言いながら父親は車の下へ潜り込む。 その時だ。周辺の茂みの中から一斉に夥しい銃弾が飛んで来た。 ボニーとクライドは蜂の巣になっていった。 |
| 映画館主から 「奇跡の人」’62年のアーサー・ペン監督が大恐慌時代に実在したアベック銀行強盗を題材に、アメリカン・ニューシネマの先駆けとして大ヒットを取った作品。 フランスのヌーベルバーグ(ゴダール、トリュフォー、マル等)に影響されたロバート・ベントン、デビッド・ニューマンの脚本を読み、製作を買って出たウォーレン・ベイテイが監督にアーサー・ペンを指名。 最初はゴダールを監督に希望したのが、まとまらずペンに決定したのだとか。 ペンにとっては代表作になりました。 ニュー・シネマの流れは、「イージー・ライダー」’69年、「明日に向かって撃て!」’69年、「真夜中のカーボーイ」’69年、「タクシー・ドライバー」’76年・・・と連なります。 ラストでボニーとクライドが銃弾を全身に浴びて倒れるスローモーションのシーンは、公開当時、アメリカでは暴力描写過多と難色を示したとか。逆にパリやロンドンで大反響を呼び、アメリカに逆輸入されたのだそうです。 しかし、このスローモーションシーンは、「死のダンス」と称されるほど衝撃的でかつ美しいものでした。後に、サム・ペキンパー監督が「ワイルドバンチ」’69年で、銃撃戦の場面でスローモーションを多用していましたが、その原型は黒澤の「七人の侍」に既にあります。志村喬が盗賊を退治した時、東野英治郎の盗賊が倒れる場面がそうです。また、宮口精二の決闘場面でも効果的に使用されていました。 大不況の世情の中で刹那的に生きる若者像を演じたベイテイとダナウェイは共にアカデミー主演賞にノミネートされましたが果たさず、兄嫁を演じたエステル・パーソンズが助演女優賞を、撮影賞をバーネット・ガフィが獲得しています。 参考文献:「THE MOVIE] デアゴスティーニ |