| ジュラシック・パーク前編 1993・米 |
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![]() 製作:キャスリーン・ケネディ ジェラルド・R・モーレン 監督:スティーブン・スピルバーグ 原作:マイケル・クライトン 脚本:マイケル・クライトン デビッド・コープ 撮影:ディーン・カンディ 音楽:ジョン・ウイリアムズ 出演:サム・ニール ローラ・ダーン ジェフ・ゴールドブラム リチャード・アッテンボロー ボブ・ペック マーティン・フェレロ ジョゼフ・マゼロ アリアナ・リチャーズ サミュエル・ジャクソン ウェイン・ナイト ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
物語 モンタナ州スネークウォーターの近くにあるパットランド。 古生物学者アラン・グラント(サム・ニール)と同僚の女性学者エリー・サトラー(ローラ・ダーン)は恐竜の化石の発掘に余念がなかった。 「恐竜は爬虫類より鳥類に近い生き物だった」 グラントは見物人に話す。「鳥のように恥骨は後ろに曲がり、脊椎には気嚢や空洞がたくさんある」 一人の少年に、「恐竜を甘く見るなよ」 と威嚇する。グラントの子供嫌いを知っているサトラーは苦笑している。「子供はやかましい、それに手間がかかる」と、グラントは呟いた。 そんな二人をヘリに乗って訪ねて来た富豪ジョン・ハモンド(リチャード・アッテンボロー)。彼は二人の研究に毎年、資金を寄付してきたのだ。 「私は一つの島を所有している」 ハモンドは切り出した。「ある動物園を建設したのだ、ケニアの自然動物園など比べ物にならん、世界中の子供がアッと驚く施設だ。君たちに見に来て欲しいのだ」 実はこの動物園建設の際、作業員が《動物》に殺される事件があり、ハモンドは開園の前に投資家の手前、外部の権威のお墨付きが欲しかったのである。 「私たちはここで恐竜の化石の発掘がありまして・・・」 グラントは渋った。だが、ハモンドから3年間の研究資金の提供を約束されると断る理由はなかった。 洋上を飛ぶヘリコプター。向かうはコスタリカの西約200キロのイスラ・ヌブラル島。 ヘリにはハモンドとグラント、サトラーそして、数学者マルコム(ジェフ・ゴールドブラム)、ハモンドの顧問弁護士ジェナーロ(マーティン・フェレロ)が乗っている。 「島が見えてきた!」 洋上に浮かぶ孤島。雄大な滝が落ちる麓のヘリポートにヘリが着陸した。一行はジープで島の中に入って行く。 【危険!高圧電線1万ボルト】 表示されたゲートをくぐる。島の周囲80キロに高圧電線が張り巡らされているのだ。島にはそれに堀と追跡センサー・システムが配備されている。 やがてジープは平野に差し掛かった。ハモンドがそこで一旦、車を止めた。 グラントが口をあんぐりと開けサングラスを外す。 目の前に巨大な生き物が高い木の葉を食べている。サトラーもマルコムも目を見張った。恐竜が動いているではないか!体長23メートルの草食恐竜ブラキオサウルスだ。 「ジュラシックパークへようこそ!」 ハモンドが満面に笑みをたたえて、声を失っている学者たちに言った。彼方の湖の辺には恐竜の群れが優雅に動いていた。それはグラントの目に幻想的な風景に映った。『俺は今まで恐竜の化石の発掘に精力を注いできた、それが、今、生きている恐竜を目の前に見ているんだ!』 巨大な恐竜の骨の模型が天井から吊り下げられたビジター・センターの内部。 アニメで分かり易くされたスクリーンによるハモンドの説明が始まる。 『何億年も前の世界にも蚊は存在していた。恐竜の血を吸う蚊。木に止まった蚊が樹液に飲み込まれる。化石となった樹液(琥珀)から恐竜のDNAを入手する。スーパーコンピュータでDNAの塩基配列を解析。欠落した部分はカエルのDNAで補う。未受精の駱駝の卵にDNAを入れる・・・』 その卵の一つが今、孵ろうとしていた。卵が割れ小さな恐竜の顔が現れた。 「頑張れ!もう一息だ!」 ハモンドは我が子の誕生を迎えるように喜悦の表情を崩さない。 「ここで孵ったチビは全部私が取り上げた」 「・・・野外で生まれる子供は?」 数学者マルコムが質問すると、 「研究室の外で生まれることは絶対にありません」 研究員が答える。 「絶対にない?」 「恐竜はすべて雌なのです、人工的な操作でね、染色体を操作したのです」 マルコムは怪訝な顔だ。「100%の確率を保つことは不可能だ、生命は繁殖する道を探すと言ってるのさ」 グラントは卵から孵ったヴェラキラプトルを手にして感動した。 「君たちには基本的なツアー・コースを見てもらう」 ハモンドは言った。「他のコースが完成するのは1年後、金に糸目はつけない」 顧問弁護士ジェナーロはほくそ笑んで密かに呟いた。「入場料が2000ドルでも1万ドルでも客は来る」 数学者マルコムはあくまで懐疑的だ。「自然の力を甘く見て思い上がると怖いぞ、あなた方は生命をもてあそんでいる。オモチャではないんだぞ、天才が考えたことをチャッカリ頂いて手早くパッケージにして売り出すことしか考えていない」 そこでハモンドが反論した。「お言葉だが・・・うちの科学者チームは新分野を開拓したよ、絶滅に瀕しているコンドルを作ったとしたら?・・・コンドルなら君だって反対しないだろ・・・」 「恐竜は地球上での棲息期間を全うして自然淘汰された生物だ」 マルコムも引かない。 さらにサトラーが言った。「太古の生態系が分からないのに、どうやって環境の管理を?」 ハモンドの頼みの綱であるグラントも追い討ちをかける。「6500万年の進化で隔てられた恐竜と人間が突然同じ世界で共存する・・・何が起こるか予測できる者はいません」 ハモンドの孫たちがパークに到着した。おてんば娘レックス(アリアナ・リチャーズ)と腕白坊主ティム(ジョゼフ・マゼロ)だった。「子供たちの意見も大事だからね」 ハモンドは手放しの喜びようだ。嫌いなうっとうしい子供の出現にグラントは辟易する思いだ。 ツアー・カーが2台用意された。線路を走る無人の電気自動車だ。 「コースや方角が分かるディスプレイ付きよ」 レックスがはしゃぐ。 巨大な門が開きツアー・カーが進入して行く。いよいよ『ジュラシック・パーク』のツアーが開始されたのだ。 「キング・コング」が出るのか?」マルコムがおどけた。 『右手はディロフォサウルスの群れです』 ツアー・カーのスピーカーがアナウンスする。「本当か?」 グラントは右手の密林を見るが何も見えない。『ディロフォサウルスは肉食で毒を持っています』 アナウンスは続ける.『毒液を吹き付けて相手の目を潰し、全身に毒が回るのを待ちます・・・』 その頃、コンピュータ制御室では、『西120キロの位置に暴風雨が発生しています』との情報をキャッチしていた。 プログラマーのネドリー(ウェイン・ナイト)とハモンドの間で待遇面での諍いがあった。太っちょのネドリーは日頃から給料に不満がある。だから昨日、闇のブローカーに金を貰い、これから部外者立ち入り厳禁の【胚保存室】から恐竜の胚を盗むつもりなのだ。 「恐竜ツアーなんだろ?恐竜は見られるんだろうね」 マルコムがツアー・カーのカメラに喰い付くように言っている。ハモンドはテレビ画像を見て呟く。「クソッ頭に来る男だ」 「恐竜は人間の考えたパターンには従わない、そこでカオスが生まれる」 マルコムの説に、「カオスって?」 サトラーが問う。「複雑なシステムに生ずる予測不可能性のことだ・・・別名“バタフライ効果”・・・北京で蝶がはばたくとニューヨークの天気が変る」 グラントがツアー・カーを降りた。サトラーとマルコムもそれに続いた。 病気になったトリケラトプスが巨大な体を横たえていた。獣医が麻酔銃で眠らせているのだった。グラントは草食恐竜の代表格トリケラトプスに触り夢見るような表情になる。頭の真中から大きな角が生えている。 「僕が子供の頃から一番好きだった恐竜だ・・・」 「有毒なものを食べたのよ、毒草か何かを・・・」 サトラーは近くにあった小山のような糞を調べ始めた。マルコムそれを見て、「クソもどでかい!」 腕まくりした手を糞の中に突っ込んで調べるサトラー。「ライラックの実はないわ・・・でも毒物で中毒を起こしてる、変だわ」 マルコムがグラントに言った。「ねばる・・・たちらしい」 グラント「筋金入りだ」 「食事の前に手を洗えよ!」 マルコムがサトラーに叫んだ。 雷が鳴った。嵐が来るらしい。サトラーはもう少し獣医とそこに残ると言い、グラントたちはツアー・カーに戻った。 制御室では、プログラマーのネドリーが自動販売機までソーダを買いに行くと言い、持ち場を離れた。「電話はちゃんとプログラムし直したよ、システムが情報を整理するのに18分から20分かかる。調子が悪くなるかも知れんがすぐに直る」 ネドリーは急ぎ足で【胚保存室】に入る。仕掛けを施したスプレー缶の中に恐竜の胚を手早く入れていく。そのままネドリーは車を走らせた。外は嵐だった。警備システムをオフにして解除し、門を走り抜けた。 「変だ、システムが解除されている・・・」 制御装置を管理するアーノルド(サミュエル・ジャクソン)が叫んだ。「ネドリーを探して来い!」 ハモンドもいきり立った。 ツアー・カー2台は、ティラノサウルス区で止まっていた。ジェナーロ弁護士のツアー・カーではティムが暗視ゴーグルで外を見ている。レックスも不安な面持ちで外を眺める。外は嵐が吹き荒れていた。 「・・・ヤギが居なくなってる」 ゴーグルを見てティムが言った。先ほどティラノサウルス区の中にヤギが見えたのが今はいない。 ズン・・・ズン・・・ズン・・・。何か地面が響くような沈んだ音が聞こえる。ツアー・カーに置かれたコップの水が音に合わせて波紋を描く。ジェナーロが居眠りから醒めた。 その時だ!ツアー・カーの透明な天窓にドサリと落ちてきた物、それはヤギの食い千切られた足だった。ヒャー!子供たちが叫ぶ。直後、高圧電線を押し破って現れた恐竜、それは体長12メートルもある肉食恐竜ティラノサウルスだった。 ジェナーロはドアを開け一目散で小屋のトイレに走った。 「あいつ、何してる?」 後ろのツアー・カーから見たグラントが言った。マルコム「漏れそうなんだろ」 だが、ティラノサウルスの姿を見たグラントとマルコムも事態を悟った。 「言わんこっちゃない」 マルコムは目を剥いた。 「動くな!奴には動くものしか見えない」 グラントが制した。 レックスはライトをティラノサウルスに向けて慌てふためく。ツアー・カーが恐竜にひっくり返される。 グラントは発煙筒を付けて外に出た。恐竜の気をそらす。こちらに向かって来る。発煙筒を投げるとそちらを見た。マルコムも発煙筒を持って外に出た。恐竜はマルコム目掛けて突進して来た。逃げるマルコムは跳ね飛ばされ気を失った。そのまま恐竜は小屋を粉砕し、トイレで震えているジェナーロを見るや襲い掛かった。 その隙にグラントは子供たちを救助しようとした。レックスは外へ出したがティムはまだ車の中だ。恐竜は再び襲ってきた。車が押されティムを乗せたままティラノサウルス区の密林の下へ落ちて行く。が、運良く木の枝で止まる。危うくケーブルにつかまり難を逃れたグラントとレックスは下へ降りていった。 一方、制御室では、アーノルドがコンピュータと睨みあっていた。「ネドリーは警備システムを解除してます、回復するためにはシステムの全コードを洗わねば・・・」 そこに戻っていたサトラーが聞いた。「いくつあるの?」 「200万」 アーノルドが答えた。それは絶望的な数字だった。 ハモンドが言った。「済まんがジープで孫たちを連れ戻してくれ」 「私も行く」 サトラーは警備員のマルドゥーン(ボブ・ペック)と共に制御室を出た。 ネドリーの車は降りしきる雨の中を走る。「・・・道に迷った」 ネドリーは焦っていた。ぬかるみに突っ込む。車を降りワイヤを木に結び引っ張ろうとしている、その時、鳥のような鳴き声。現れたのはディロフォサウルスだった。ネドリーは体の小さなその恐竜を甘く見た。ディロフォサウルスは頭の両側の襞を広げて獰猛な顔つきに変貌した。ネドリーの顔に黒い毒液を吹きかけた。スプレー缶が落ち流れる。ネドリーは車の中で恐竜の餌食になった。 下に降りたグラントとレックス。見上げると木の途中にツアー・カーが止まっている。グラントは木を登って行く。車の中にティムがいた。 「・・・吐いた」 ティムが元気なく言った。「誰にも言わないよ」 グラントは注意深くティムを車から引き出した。車が枝を折り下降し始めた。グラントとティムは急ぎ木の枝を伝い下に降りる。車が追って来る。地面に伏せた上に車が落ちてきたが、彼らは木の根元の窪みへ逃れて下敷きになるのを辛うじて避けたのだった。 サトラーと警備員マルドゥーンはツアー・カーが襲われたところへ来ていた。車は1台しかなく、もう1台は下に落ちていた。とてつもなく大変なことが起きている。弁護士ジェナーロの無惨な死体があった。近くにマルコムが負傷して横たわっていた。 「素晴らしい週末旅行だ」 マルコムが皮肉を言った時、唸り声が響いた。 ズン・・・ズン・・・ズン・・・「でかいものがこちらに・・・」 水溜りに波紋が! 「急げ!」 マルコムを乗せてジープが走り出した。密林の茂みの中から巨大なティラノサウルスが姿を現した。逃げるジープを猛スピードで追いかけてくる恐竜。命からがらジープは逃げ切った。 グラントたちは密林のなかを歩いていた。そして枝が無数に横枝を張っている巨木を見つけ途中の広い場所まで攀じ登った。夜空を背景にに草食恐竜ブラキオサウルスの長い首が何本も動いていた。それはつかの間の幻想的な風景だった。 「ヴォー〜〜」 グラントが鳴き声を真似ると一頭の恐竜が近づいて来た。「モンスターを呼ぶの?」 レックスは怯える。「モンスターじゃない、草食動物だ」 グラントが言うと、「ベジタリアン同士だろ、話が合うよ」 とティムも生意気なことを言った。 グラントは二人の子供を両脇に抱き、しばし休息した。・・・ 朝が来た。目覚めるとすぐ近くの木の枝の葉を食べるブラキオサウルスがいた。近づいてくる。風邪を引いているのか、ブラキオサウルスがブシューとくしゃみをすると、レックスは顔中に飛沫を受けた。 |
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