| レザボア・ドッグス 1991・米 |
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![]() 製作:ローレンス・ベンダー 監督:クエンティン・タランティーノ 脚本:クエンティン・タランティーノ 撮影:アンジェイ・セクラ 出演:ハーベイ・カイテル ティム・ロス マイケル・マドセン クリストファー・ペン スティブ・ブシェーミ ローレンス・ティアニー エディ・バンカー クエンティン・タランティーノ ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
物語 「クソ!やられた、警察の野郎!ぶっ殺してやる!車を戻してくれ!」 走る車の後部座席で悶え苦しみながら叫ぶのはオレンジ(ティム・ロス)。腹に銃弾を受け血まみれになっている。 車を運転しながらオレンジをなだめるのはホワイト(ハーベイ・カイテル)だ。「少し黙ってろ、確かに傷はひどいが死にはしない」 倉庫に着き、ホワイトは血まみれのオレンジを床に寝かせる。 「ジョーを待とう、お前は助かる、ジョーが何とかしてくれる」 ホワイトはオレンジを励ますが、「病院の前に連れて行け、そこで捨てろ・・・警察に逮捕されても何もしゃべらない・・・」 オレンジは言い張った。 「サツが罠を張ってやがった」 倉庫へピンク(スティブ・ブシェーミ)がたどり着いた。オレンジの怪我に気づき、「撃たれたのか?」 「腹だ」 ホワイトが答える。 「誰かがサツの犬だ!」 ピンクが怒りをぶちまける。「おとり捜査だと?」 とホワイト。「店について1分で武装した制服が17人も訳知り顔で立ってた。あれが罠ならここもばれてる、すぐにもポリ公がやって来るぜ」 ピンクはすぐにでも倉庫を離れたいのだ。
「病院に見せないとオレンジは朝までに死ぬ。ジョーなら奴を医者に見せてやれる筈だ」 ホワイトが言う。ピンクは反対した。素性をオレンジに知られていないか、それが心配なのだ。 だが、ホワイトは車で逃げる途中、オレンジに田舎と本名を教えてしまっていた。ピンクはホワイトをなじる。 「オレンジが死ぬと思ったからだ。死ぬ奴に聞かれて嘘が言えるか?え?」 「お前の過去から足が着く。俺たちも芋ずる式だ。医者には連れて行けない」 ホワイトはピンクを殴り倒す。ピンクが床に倒れてピストルを抜いた。すかさずホワイトもピンクにピストルを向けた。一触即発の緊張が走る。 「泣かせる場面だな、涙が出るぜ」 いつの間にかブロンド(マイケル・マドセン)が来ていた。ピンクが起き上がり、「無事だったか。ブラウンが死に、オレンジが重態・・・」 ホワイトがさえぎる。「もういい!お前の話を聞かせてくれ、ヤクが効くようにすっきりさせてくれ」 「よし、話し合おう」 ブロンドが答える。 「俺たちは頭にきてる、サツの犬がいるんだ」 ホワイトが言うと、「俺が保証する」 ピンクも追従した。 「確かか?」 とブロンドが言う。「ここはやばい、ずらかろうぜ」 と、ピンク。 「外に土産がある」 ブロンドが得意げに言った。倉庫の外にブロンドの車がある。そのトランクに警官が一人入っていた。「この坊やが教えてくれるよ。犬の名前とかね・・・」 ブロンドがサディスティックな笑みを浮かべて言う。
警官を倉庫に放り込み3人が殴る蹴るを繰り返す。 そこへジョーの息子のエディが来た。「誰が石(宝石)を持ってる?」 「俺が持ってる」 ピンクが答える。「安全な場所に隠した」 「わかった、取りに行こう。その前に車の始末をする」 ホワイトは最初からブロンドとそりが合わず一緒にこの仕事を組まされたことを後悔している。 「このサイコ野郎、お前のおかげで死ぬところだったんだぞ!」 ブロンドを残しエディ、ピンク、ホワイトの3人は倉庫を出て行った。 倉庫では警官が椅子に縛り付けられている。散々殴られ失神寸前だ。警官はブロンドを見て言う。「犬なんて知らない。署に配属されてまだ8ヶ月なんだ。・・・拷問したって何も出ないぜ」 「・・・拷問か・・・いいアイデアだ。気に入ったぜ」 警官に戦慄が走る。この男はどこかサディスティックな感じがする。 ブロンドは警官の口をガムテープで塞いだ。ブロンドはナイフを取り出しラジオの音楽に合わせてステップを踏む。やおら警官の右耳をそぎ落とした。警官は声にならない悲鳴を上げる。 一旦外に出たブロンドがガソリンの缶を持って来た。警官の口からテープを剥ぎ警官にガソリンを浴びせる。 「止めてくれ!!話せば分かる、焼かないでくれ!本当に俺は何も知らないんだ!」 ブロンドは警官の訴えなど聞いてはいない。警官の場所から床にガソリンを垂らして導火線にすると、ライターに点火した。 次の瞬間、ブロンドの胸を続けざまに銃弾が貫いた。オレンジが血の海の中で半身を起こし銃口を向けていたのだ。 オレンジが薄れ行く意識の中で声を振り絞る。「・・・お前、名前は?・・・」 「・・・マーヴィン・ナッシュ」 警官が答える。「マーヴィン、俺は刑事だ」 「ああ、知ってる」 「知ってる?」 「あんたの名前は、確か・・・フレディ・・・」 「フレディ・ニューエンダイクだ」 「・・・俺の顔はどうなった?」 警官が聞く。「・・・なんとも言えん・・・」 「クソ!あのビョーキ野郎!」 「マーヴィン、もう少し頑張れ・・・近くで仲間が待機してる」 「何を待機してるんだ!死ぬほど殴られ、耳まで切られたんだぞ!」 オレンジが怒声を浴びせる。「馬鹿野郎、俺は死に掛けてるんだ!ジョーが来るまで仲間は動かん・・・俺の任務は奴を挙げることだ」
倉庫へ3人が帰ってきた。入り口で死んでいるブロンドを見て異変を感じた。「何があった?」 ホワイトがオレンジに聞く。 「・・・ブロンドがポリ公の耳を切り焼き殺そうとした・・・」 「ポリ公?こいつか」 エディが椅子に縛られた警官をいきなりピストルで射殺した。 オレンジに戦慄が走る。「・・・俺も殺すつもりだった・・・あんたらも殺してダイヤを独り占めにする腹だ・・・」 エディは言う。「ブロンドはうちの倉庫で捕まった。親父の名を言えばすぐ出られた筈だ。だが、奴は黙りとおして4年食らった。それほど信義に厚い親友を、お前は何だと?親父の罪を被ってどんなにおいしい取り引きにも黙秘を通した。」 オレンジは息も絶え絶えになりエディの声を聞く。 「ようやく釈放されて、恩義に報いるために仲間に誘ったんだ!突然、奴が俺たちを裏切っただと!」 「何の騒ぎだ?」 ジョーが倉庫に入ってきた。「また死体か?」 ジョーはあたりの惨状を見て言った。「そいつが犬だ」 オレンジのことだ。「何の話だ?」 とホワイト。「そいつはロス警察の刑事だ」 ホワイトが反論する。「ジョー、あんたは間違ってる。そんな奴じゃない」 「そいつのおかげでブラウンとブルーが死んだ」 「何故奴だと?」 「そいつは何か匂った。もっと裏を調べるべきだった」 「それだけか!」 「俺の嗅覚は信用できる、もうだまされないぞ」 ジョーがオレンジにピストルを向けた。とっさにホワイトがジョーに、エディもホワイトに銃口を向けた。 3人の銃口はそれぞれ三つ巴に銃を構えたのだ。「気でも狂ったか!」 ピンクが叫ぶ。ホワイトはジョーに銃口を向けながら、「あんたは間違ってる」 「やめろ!どうかしてるぜ、俺たちプロだろ?」 とピンク。 エディはホワイトに銃を向けながら、「長い付き合いじゃないか、一緒に銃を降ろそう。この馬鹿話に片をつけようぜ」 だがホワイトはジョーを狙ったまま動じない。「こいつを撃てばお前は死ぬ」 「親父に銃を向けるな!」 エディが叫んだ瞬間、ジョーの銃からオレンジに向け弾丸が発射し、すかさずホワイトがジョーをエディを撃つ。エディがホワイトを撃つ。 全員が倒れた。陰から抜け出したピンクがバッグを持ち倉庫を出て行った。 オレンジはまだ死んではいない。撃たれたホワイトも瀕死だが息がある。ホワイトがオレンジに近づく。愛おしむようにオレンジの頭をなでる。どこかでパトカーのサイレンが鳴っている。 「すまない・・・どうやら俺たち、一巻の終わりか・・・俺は・・・刑事だ・・・悪かった、すまない・・・俺は、刑事だ・・・」 オレンジが力なく言った。ホワイトは呻き苦しみ、オレンジの顔に銃口を押し付ける。 その時、倉庫の入り口から、「動くな!銃を捨てろ!」 ホワイトが苦渋の表情で声の方を見た。数発の銃声がホワイトを襲った。 |
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| 映画館主から 深作欣二監督の「仁義なき戦い」を50回も見たというクエンティン・タランティーノの処女作。 ほとんどが宝石強奪をしてきたメンバーが示し合わせた集合場所、倉庫での出来事ですが、そこに回想場面をちりばめ登場人物の人間関係を浮かび上がらせるのです。そこに脚本も兼ねたクエンティン・タランティーノの才気を感じさせます。 監督2作目の「パルプ・フィクション」(’94年)でカンヌ映画祭グランプリという快挙を成し遂げますが、その萌芽は本作にあります。 友情、裏切り、仲間割れ、激しいバイオレンスが意表を突く展開となり見るものを驚かせます。緩急のテンポも新鮮です。 ハーベイ・カイテルは地味ながら元々アクターズ・スタジオ出身の演技派。マーティン・スコセッシ監督との出会いで主役を演じたこともありましたが、「タクシー・ドライバー」(’76年)での女衒役が印象深いです。 後年、クエンティン・タランティーノの本作に主演したところから彼の本来の渋さが発揮されてきたといえるでしょう。「パルプ・フィクション」の始末屋など中年の渋さの極みではないでしょうか。 ティム・ロスもタランティーノのお気に入りの一人。一見ひ弱な印象ながらいつ爆発するか知れない狂気を秘めた眼差し。「パルプ・フィクション」でのチンピラ役などはコメディセンスも感じられました。 監督のタランティーノは俳優出身で、本作でもワル仲間の一人に扮して出演しています。 ちなみに「レザボア・ドックス」とは「掃き溜めの犬」という意味だそうな。 本作は、本作の大ファンであり、またハーベイ・カイテルの大ファンの私の息子から勧められて見た作品です。 |
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