| スティング 1973・米 | |||||||
![]() 製作:トニー・ビル マイケル・フィリップス ジュリア・フィリップス 監督:ジョージ・ロイ・ヒル 脚本:デビッド・S・ワード 撮影:ロバート・サーティース 音楽:マービン・ハムリッシュ 出演:ポール・ニューマン ロバート・レッドフォード ロバート・ショー チャールズ・ダーニング ![]() ![]() |
物語 イリノイ州、ジョリエット。1936年、9月。 半人前の詐欺師、ジョン・フッカー(ロバート・レッドフォード)は仲間の黒人ルーサーと組んで、賭場の上がりをシカゴに届ける男を罠にかけ、まんまと1万1000ドルをせしめるのに成功した。 そして、フッカーの育ての親でもあるルーサーはこれを潮時にやばい仕事から引退する決意を固めていた。 ルーサーはフッカーに言う。「シカゴのゴンドーフに仕込んでもらえ。凄腕だ」 金を騙し取られたと連絡を受けたニューヨークのボス、ロネガン(ロバート・ショー)は怒り狂い、「見つけて殺せ」と部下に命じた。 太っちょの悪徳警官スナイダー(チャールズ・ダーニング)は動物的な感でフッカーを捕らえた。「お前が騙し取った金はロネガンの金だ」 フッカーは青くなった。「組織の金は狙わない」 「たとえ偶然でもロネガンは容赦しない、口止め料を出せ」 フッカーが仕方なく財布を取り出すと、スナイダーは札を鷲づかみにして立ち去った。だがそれは偽札だったのだ。 黒人ルーサーがアパートの窓から何者かに突き落とされて死んだ。ロネガンの仕業に違いない。親同様のルーサーを殺され、フッカーは復讐を誓った。
フッカーはシカゴのヘンリー・ゴンドーフ(ポール・ニューマン)を探し出した。コンドーフは泥酔していたが氷水で頭を冷やし、少しずつシャキッとしてきた。 「俺を仕込んでくれ、ロネガンをはめる」 ロネガンと聞いて、「本当か」 「俺には殺しは無理だ」 「・・・大勢の仲間と金がいる。・・・だが、ルーサーのためなら集まるさ」 ゴンドーフはすでにその気になっていた。 ゴンドーフとフッカーは整髪し、身なりを整える。紳士然とした仲間が集まってくる。 ロネガンの情報が集められる。彼は平気で人を殺しのし上がってきたボスで、いかさまポーカーが得意なのだ。
ゴンドーフの配下たちが、それらしい場所に部屋を借り、『つり店』を作り始めた。架空の馬券売り場だ。人手を30人ほどかき集める。 列車の中。ゴンドーフの情婦がすれ違いざまロネガンの財布を掏り取る。 列車のポーカー室。酒の瓶を片手にゴンドーフがふらりと入ってくる。ロネガン、カモが来たとばかりにゴンドーフを見る。 ポーカーが始まる。何勝負かゴンドーフが勝った。イカサマではゴンドーフがロネガンの上をいっており、ロネガンは歯軋りしながら胸のポケットへ手を・・・!? 「財布がない」 「ふざけるな!金も持たずに勝負したとシカゴ中に言いふらすぞ、5分後に使いをやるから渡せ」 とゴンドーフ。 フッカーがロネガンの客室へやって来る。 「お前のボスはいい腕だな」ロネガンが言うと、「あれはイカサマだ」とフッカーがロネガンの財布を出した。ロネガンに殴りつけられるが、「俺は奴の店を乗っ取りたいんだ」 ロネガンが疑わしい眼差しでフッカーを見つめた。
フッカー「電話で勝ち馬の名を教える。その馬に2000ドル賭けろ」 ロネガン「たった2000か」 「これは試しだ。俺の全財産だぞ」 「私の金は」 「返す、レースの後だ」 『つり店』の向かいに部屋を取ったロネガンに電話が入る。「第4レース、ブルーノート」 『つり店』に用心棒を従えてロネガンが入ってきた。 ゴンドーフが近づきながら、「まだ懲りないか」 ロネガン、窓口に、「第4レース、ブルーノートに2000」 「現金でもらえ、文無しでも賭ける奴だ」とゴンドーフ。ロネガン、怒りを堪えている。 第4レースがスタート。鼻の差でブルーノートが来た。馬券を破り捨てる客たち。 ロネガン、フッカーと目を合わせ、ニンマリして店を出て行く。 「お疲れさん」とゴンドーフが言うと、全員ほっとする。『つり店』にいる全員がグルの仲間なのである。すぐ隣の部屋には競馬中継の実況放送よろしく、過去のデータをそれらしく読んでいる男がいるのだ。 再び、ロネガンの元をフッカーが訪れた。 「俺の相棒が電信会社の局長をしてる。全米のレース結果が入ってくる。それを数分押さえ、俺たちに連絡し、勝ち馬に賭けた後で馬券屋に流す。負ける訳ない」
フッカーが電信会社の局長になりすました仲間をロネガンに会わせる。無理やり情報を流すよう強要するロネガン。 一方、FBIのポークのアジト。 太っちょ警官スナイダーは、ポークに言い渡された。「ゴンドーフを現行犯で逮捕するためにフッカーをエサにする」
ロネガンに電話が入る。「ベルモント第6レース、クルーが一番に入った」 一人で店に入ってきたロネガン。馬券を買おうとするが窓口に人が並んでいて買えない。ロネガンの番になった時、レースがスタートしてしまう。 「レースが始まったら締め切りなんです」と窓口。 クルーが一番に入る放送を聞きながら、ロネガンは地団駄を踏む。 ロネガン、外に出たフッカーに、「明日、50万持って来る。4倍の馬に賭ける。間に合うようにしろ」 「どうやって?」 「お前が考えろ」 太っちょ警官スナイダーは執拗だった。とうとうフッカーを見つけFBIのアジトへ連行した。 「FBIのポークだ。ゴンドーフと大仕事をやるそうだな。日時を教えろ。お前の罪は問わない」
フッカーが前夜ベッドを共にした女が前方から歩いてくる。フッカーの後ろにいた男、サイレンサーで女を一発で仕留めた。女は手にサイレンサーを握っていた。驚くフッカー。 男、「ロネガンに雇われた殺し屋だ」 「あんたは?」 「ゴンドーフに雇われた」 ロネガンに電話が入る。「リバーサイド第3レース、ラッキーダン・・・」 店に入るロネガン、すかさず窓口へ行き、「第3レース。ラッキーダンに50万ドル」 額の大きさに驚く窓口はゴンドーフのところへ行く。 ゴンドーフがやって来て、「受けられん。負けたら店が破産だ」 ロネガン「貴様は度胸のないイカサマ師だ」 ゴンドーフ、やむなく「・・・受けろ」 レースが始まった。ロネガンの横に電信会社の偽局長が座る。「待ちきれなくてな」 「単勝に50万賭けた」とロネガン。それを聞いて偽局長、「単勝?複勝と言ったのに!ラッキーダンは2着だ」 ロネガンの顔色が変わった。窓口へすっ飛んでいき、「間違いだ、金を戻せ」窓口でもめる。 その時、ドアがけたたましく開いた。「FBIだ。全員手を上げろ」FBIのポークだ。太っちょ警官のスナイダーもいる。スナイダーはロネガンに寄り添った。 ポーク、手を上げるゴンドーフとフッカーのそばへ行き、フッカーに言った。「お前は行って良い」 それを聞いたゴンドーフの顔色が変わり、腰のピストルを抜くとフッカーに向け放った。口から血を吹いて倒れるフッカー。すかさずポークのピストルがゴンドーフを撃つ。もんどりうってゴンドーフが倒れた。 余りに急な展開にあっけにとられるロネガン。 ポークはスナイダーに怒鳴った。「連れ出せ!」 スナイダーはロネガンを外へ引っ張っていく。「だが、金が・・・」と、ロネガン。「あそこにいたらヤバイゾ」とスナイダー。 ドアの外を見ていた仲間が合図。「行ったぞ」FBIのポークが言うと、フッカーが起き上がった。ゴンドーフも起き上がる。 「スナイダーのアホが騙されてくれて楽勝さ」とポーク。 全員グルの店はロネガンを完璧に打ちのめした。ルーサーの仇は取ったのだ。 去ろうとするフッカーにゴンドーフが言った。「分け前、いらないのか」 フッカー「どうせ、すっちまうさ」 ![]() |
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| 映画館主から 69年に「明日に向かって撃て!」で従来の西部劇に新機軸を打ち出したジョージ・ロイ・ヒル監督が再び、ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードのコンビで我々をあっと驚かす詐欺師映画の傑作を放ちました。 1930年代のファッションや街の再現、画調をセピア色に押さえてノスタルジックな雰囲気を醸し出しました。 全体を7章に分け、章ごとに本の扉のようなタイトルを挿入した洒落た構成。 二転三転するドラマ展開。あっと驚くのはラストのどんでん返しです。 この脚本を書いたのは当時弱冠27歳のデビッド・S・ワードです。最初は監督も兼ねることになっていたのが、出演依頼を受けたレッドフォードの難色で、ジョージ・ロイ・ヒルに変更されたのだとか。 さらにポール・ニューマンがこれを聞きつけ、「僕の役はないのかい」と言い出したため、結局、「明日に向かって撃て!」のトリオ再現になったのだそうです。 最初の脚本では詐欺師ゴンドーフは粗野で屈強な男という設定でしたが、ニューマンの個性に合わせて腕力よりも知力の洒落た男に書き直したのだとか。 物の見事に騙される哀れなボスに「ジョーズ」のロバート・ショーが好演しています。 太っちょの悪徳警官役のチャールズ・ダーニングも彼らしいキャラクターで印象に残ります。 マービン・ハムリッシュの軽快なピアノ曲もノスタルジーを誘い、映画とマッチしていました。 ラストのどんでん返しで本作に引けを取らないほど傑作なのは「テキサスの五人の仲間」(’66年)です。ビデオを見てからお読みください。 アカデミー作品、監督、オリジナル脚本、編曲、美術、編集、衣裳の7部門に輝いています。 参考文献:「THE MOVIE」 デアゴスティーニ |
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