| 捜索者 1956・米 | |
![]() 製作:メリアン・C・クーパー 監督:ジョン・フォード 脚本:F・S・ヌージェント 撮影:ウィントン・C・ホック 音楽:マックス・スタイナー 出演:ジョン・ウェイン ジェフリー・ハンター ナタリー・ウッド ワード・ボンド ヴェラ・マイルズ ![]() ![]() ![]() ![]() |
物語 1868年、テキサス。 南北戦争が終わって3年、イーサン・エドワーズ(ジョン・ウェイン)は、放浪の末、兄一家の家を訪れた。久しぶりの再会に一家は歓待した。 だが、かってイーサンが行きがかり上助けたマーティン・ポーリー(ジェフリー・ハンター)が一家に加わっているのを見て顔を曇らせた。マーティンはインディアンとの混血なのだ。そして、イーサンはインディアンに対して根強い偏見を抱く人間だった。 兄には年頃のルーシーと幼いデビーという娘がおり、イーサンはかってルーシーにしたようにデビーの首にロケットをかけてやった。 そんなある日、クレイトン牧師(ワード・ボンド)の一行がやって来た。コマンチに牛を大量に盗まれたという。 イーサンとマーティンも加わり、牛泥棒を追った。しかしそれはコマンチ族の罠で、イーサンたちが帰ると兄の家は焼き払われ、兄夫婦は殺されていた。 そしてルーシーとデビーの姿がない。コマンチ族に連れ去られたのだ。 一行は休む間も無く、コマンチを追った。荒野でコマンチに両側を挟まれ襲撃を受けるが、川向こうに逃げ反撃する。数十騎のコマンチは退散し、牧師たちも帰っていく。 イーサンは一人でも追うといい、マーティンも行くという。それにルーシーの恋人ブラッドも加わり、3人の追跡が開始された。 イーサンは峡谷でルーシーの無惨な死体を発見した。それを知ったブラッドはコマンチの陣地に狂ったように暴れこみ銃撃される。 イーサンとマーティン、二人だけの追跡が続く。まだデビーが残っている。 やがて冬が来て雪の中の追跡。各地を回ったが行方はわからなかった。 いったんブラッドの家に引き返した。ブラッドの妹ローリー(ヴェラ・マイルズ)は、マーティンに首っ丈だった。 ローリーの止めるのを振り切って、マーティンはイーサンと再度、デビー探しの旅に出た。 途中、インディアン部族に対して行商などをして旅を続けるうちに、インディアンの女がマーティンを追ってついて来た。イーサンは笑った。「お前はあの女を妻として買ってしまったんだ」 その夜、マーティンの横に添い寝する女に白人の少女を知らないか、と訊ねると、女は頭を振った。だが、夜の内に女は姿を消していた。小石を並べて矢印が残されていた。 二人は翌朝、矢印の方角へ進むと、騎兵隊の一団とすれ違う。その向うにインディアンの野営地があり、騎兵隊の襲撃の後だった。女はそこで死んでいた。 立ち寄った酒場でメキシコ人から情報がもたらされた。コマンチの大酋長スカーの居場所を教えるという。 二人はメキシコ人を間に立て、コマンチの部落へたどり着いた。 大酋長スカーは言った。 「息子が二人、白人に殺された。かわりに多くの皮を取る、白人の頭の皮をな」 その時、槍にぶら下がった幾つもの頭の皮が二人の目の前に差し出された。イーサンとマーティンは目を見張った。その槍を持っていたのは、何とインディアンの装束をまとったデビー(ナタリー・ウッド)だったのだ。何年か経っているがデビーに間違いない。二人は、この場は何食わぬ顔でやりすごした。 二人は部落を離れ川辺で休んでいると、走ってくる者がいる。デビーだった。 マーティンは叫ぶ。「兄のマーティンだ、覚えていないのか」 デビー 「覚えてる。でも助けに来てくれなかった」 「でも、こうして来ただろ」 「今は私は一族なの、帰って!お願い!」 デビーのその言葉を聞き、イーサンの顔が変った。デビーに銃を向けるイーサン。マーティンはデビーの前に立ちふさがった。「いけない、やめてくれイーサン!」 すでに丘の上にインディアンが来ていて、矢を放った。イーサンの腕をかすめた。コマンチが襲ってきた。二人は一目散に巨岩の割れ目に逃げ込み応戦した。 コマンチが去った後、マーティンがイーサンに食って掛かる。 「デビーを撃とうとしたことは忘れない」 「あの子はもう、白人じゃない」 「あんたなんか、死ねばいいんだ」 ローリーの家では、これからローリーの結婚式が始まろうとしていた。マーティンが旅立ってから5年の歳月が流れ、ローリーも待ちきれずにギター弾きの男と結婚することになったのだ。 そこへイーサンとマーティンが帰ってきたから、話は穏やかにはすまない。 マーティンとギター弾きが派手な殴り合いを始め、結婚式はご破算になった。 若き騎兵隊員グリーヒル中尉(パット・ウェイン)が大酋長スカーの情報を知らせに来た。捕虜が脱走してきて“スカーはマラバイ河支流の『七本指』にいる”と、証言したのだ。 イーサン、マーティンにクレイトン牧師らも加わり、コマンチ征伐に旅立った。 そして、『七本指』で敵陣を発見した。マーティンは襲撃前にデビーを救出したいと申し出た。「もうあの子はコマンチの仲間だ」と、イーサンは言ったが、クレイトン牧師はマーティンの申し出を認めた。 夜明け前、一人コマンチの集落に忍び込むマーティン。そして寝ているデビーを見つけた。「デビー、助けに来たぞ」喜ぶデビーはテントの入口に銃を構えたスカーを見た。振り返りマーティンがスカーを撃った。 その銃声をきっかけにイーサンたちはコマンチ部落に躍り込んだ。凄まじい銃撃戦が闇を裂いた。 隙を見て逃げるデビーをイーサンが追いかける。殺される!マーティンが止めたが振り切られた。デビーを追い詰めたイーサン、馬を降りデビーを抱き上げた。そして優しく言うのだった。「家へ帰ろう、デビー」 ローリーの家に着いた。いずれは結婚するであろうマーティンとローリーにデビーを託し、何処ともなく去っていくイーサンの後姿が逆光に消えていく。 |
| 映画館主から インディアンへの偏見を根強く持つ男を描いたジョン・フォード監督の異色西部劇。 インディアンと白人の対決が随所に盛り込まれ、さらわれた少女を捜索する過程を詩情豊に描いています。 ジョン・フォードの西部劇に多く出演したジョン・ウェインの演技もここに極まれリとの感があります。インディアンを憎悪するイーサンも最後には優しい一面を見せますが。 インディアンとの混血青年を演じたジェフリー・ハンターは、ジョン・フォードの「バファロー大隊」(’60年)では、主演を演じており、「キング・オブ・キングス」(’61年、ニコラス・レイ監督)では、イエス・キリスト役でした。青い目が印象的でしたが、その後はあまりぱっとしなかったようです。 コマンチ族にさらわれる少女を演じたのは、ナタリー・ウッドです。ジェームス・ディーンの「理由なき反抗」(’55年、ニコラス・レイ監督)で子役からの脱皮を図っていた頃です。 クレイトン牧師のワード・ボンドもジョン・フォード一家の常連。テレビの「幌馬車隊」隊長役で知られます。味のある風格でした。 ついでに、若き騎兵隊員グリーヒル中尉を演じたパット・ウェインはジョン・ウェインの息子です。大スターの跡取は難しいらしく、何本かの映画に出演して映画界を去ったようです。 本作は、’87年、ハリウッド100年を記念して選ばれたアメリカ映画の中で、西部劇部門のベストワンになっています。 |
|
|