「許されざる者」予告編
許されざる者 1959・米


製作:ジェームズ・ヒル
監督:ジョン・ヒューストン
原作:アラン・ルメイ
脚本:ベン・マドー
撮影:フランソワ・プラナー
音楽:ディミトリ・ティオムキン

出演:バート・ランカスター
    オードリー・ヘプバーン
    オーディ・マーフィ
    リリアン・ギッシュ
    ジョン・サクソン




物語

「この場所でウィリアム・ザカリー殺される」という立て札が立つ。近くにある一軒屋。そこでレーチェル(オードリー・ヘプバーン)は育ち、女盛りになった。ある日、愛馬に乗って平原を走っていると、腰から軍刀を下げた老人に出会う。
「お前はザカリー家の娘では無い」と言う。「それは違うわ!」とレーチェル。「わしは神の剣、復讐を行う者だ。悪を倒し、真実を語るのだ!」と、奇妙な叫びを上げる老人。

家に帰って、レーチェルが母親に老人の話をすると、母親は否定したが、動揺は隠せない。老人が馬に乗り、家の前にいた。銃を構え、母親が外へ出た。「やっと突き止めた。7年かかった。私を殺せるものか、天罰が下るぞ!」 老人は立ち去った。

牛の商いでウイチタへ行っていた兄のベン(バート・ランカスター)が仲間を引き連れ帰って来た。弟のキャッシュ、アンディと共にベンを迎えるレーチェルは兄のベンが大好きだった。
ベンは町からピアノを買ってきた。母はピアノが弾けるのだ。
牛商いの仲間、ローリンズ家の家族とのパーティー。ローリンズの長男チャーリーはレーチェルに首っ丈だ。
そんな時、ベンは母親から老人がやって来た話を聞く。老人はケルシーという名前だ。夜、ベンとキャッシュは馬に乗って偵察に行く。砂嵐の中に軍刀をかざしたケルシーが叫んでいた。「天罰が下る。ザカリーは終わりだ!」 しかし、二人は砂嵐の中でケルシーを見失ってしまった。

あくる日、家の前に馬に乗ったインディアンが3人やって来た。ベンは一人、表へ出て行くと、インディアンは言う。「馬を進呈したい。替わりにカイオワの女、欲しい。あの女、私の妹。」 ベン「誰が言った」 インディアン「長いナイフ持った老人だ」 ベン「彼は普通じゃない!うちにいる女は白人だ!父も母も、父は殺された、カイオワに!」  インディアンは去って行った。

ローリンズ家のチャーリーが花束を持ってレーチェルに求婚に来た。ベンはしぶしぶ承諾した。しかし、チャーリーは帰路、カイオワに矢に射られ死ぬ。
チャーリーの葬式にザカリー一家が弔いに行くと、皆の視線が冷たい。チャーリーの母はレーチェルを見て、叫んだ。「この汚いインディアン女!お前が息子を殺したんだ!」 驚くレーチェル。
家長ゼブはベンに言った。「軍刀の老人から聞いたが、レーチェルの話はどういうことだ」 ベン「あの男を捜して、吊るす前に嘘と言わせる」

捜索隊が結成された。やがて、ケルシーは捕らえられ皆の前に引き出された。首にロープが巻かれた。 ゼブ「レーチェルのことを知りたい」 ケルシー「正真正銘のインディアンだ。昔、ザカリーとカイオワの征伐に行った時のことだ。殺しまくって帰ろうとした時、赤ん坊を見つけた。わしが殺そうとすると、ザカリーは止めた。彼はそのまま家に連れ帰った。それがレーチェルだ。死ぬ前に嘘は言わん」 ベン「親父は移住者の馬車でレーチェルを見つけたんだ!」 
ケルシー「カイオワの肌は汚れている、洗っても落ちん」 その時、ベンの母はケルシーの馬の尻に鞭を打った。ケルシーは吊るされて死んだ。
ゼブはベンに言うのだった。「レーチェルをカイオワに返さなければ、相棒は解消する」

ベンたちが家に帰ると、床の上に何やら置かれていた。カイオワの聖典の一部だ。ベンは読んだ。「流星の出た夜、女の赤ん坊が盗まれた。銃を持つ白人に・・・・」 キャッシュは母親に迫った。「これは本当か?」 ベンも言った。「答えなさい、母さん」 母は答えた。「・・・事実よ・・・」驚くレーチェル。
妹がインディアン??皆、愕然とする。「インディアンと一緒に暮らせるか!追い出せ!」と迫るキャッシュにベンは言う。「一緒に暮らす。全員でだ。」
キャッシュは自棄酒を飲み、ローリンズ家へ向かった。「もう、あんな家にいられるもんか」

インディアンが家の前に3人。河の対岸に40人。レーチェルは出て行こうとした。「出て行くわ。戦うことない・・・」 ベンは弟のアンディに言った。「一人殺せ!」 レーチェル「そんなことしたら、もう引かないわ、家族皆殺しよ!」ベンはレーチェルを抱きしめた。「・・・俺のインディアン」

アンディが一人を撃ち殺し、戦いが始まった。次々にやって来るカイオワを家の中から撃つ、ベン、アンディ、母、それにレーチェル。インディアンの数が多い。弾が尽きてきた。母が撃たれた。
絶体絶命だった。ベンはアンディとレーチェルを抱きしめた。「ウイチタへ行って、ドレスを作ろう、白のベール付きの・・・式服は皆そうだ」 レーチェルの顔が輝いた。「結婚するの?」「楽団も雇い、いい式にしよう」 ベンは、妹でなく、女としてレーチェルを愛していたのだ。
その時、外で異変が!「6連発だ!」 キャッシュが戻ってきた!ベンたちも外へ出てインディアンを迎え撃つ。しかし、家の中のレーチェルの前にインディアンが入って来た。レーチェルの兄だった。「私の妹よ・・・」 レーチェルは兄に銃を向け、そして撃った。ベンが来た。レーチェルの足元にインディアンが倒れていた。

かくして、インディアンは全滅した。母は死に、皆も傷ついたが、何故か晴れやかな空が広がっていた。雁の群れが飛んで行った。
映画館主から

ジョン・ヒューストン監督の異色西部劇。インディアンの赤ん坊を育てたザカリー家は、奪還しようと攻めて来るインディアンと壮絶に戦います。
ジョン・フォードを思わせる詩情豊かなスケールで描かれたこの映画は意外に話題になりません。単なるインディアン対白人の戦いにとどまらず、家族の中にインディアンがいることへの、それぞれの複雑な感情を見事に描いています。
オードリー・ヘプバーンの唯一の西部劇出演でもあります。彼女はこのような西部劇でも天使のような輝きを見せてくれました。
バート・ランカスターの独特の憂いに満ちた演技も適役でした。
他にオーディ・マーフィがランカスターの弟役、そして往年の名女優、リリアン・ギッシュが母役で固めています。

ジョン・ヒューストンには「黄金」’48という傑作西部劇があります。他に、「マルタの鷹」’41や、「キー・ラーゴ」’48などのハードボイルドもの、「白鯨」’56、「アフリカの女王」’51、「赤い風車」’52、「天地創造」’66も忘れがたい作品でした。

近年のクリント・イーストウッド監督/主演の「許されざる者」はまったく別のお話です。

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