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「飛べ!フェニックス」予告編 |
| 飛べ!フェニックス 1965・米 |
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![]() 製作:監督: ロバート・アルドリッチ 原作:エレストン・トレヴァー 脚本:ルーカス・ヘラー 撮影:ジョゼフ・バイロック 音楽:フランク・デヴォール 出演:ジェームズ・スチュアート リチャード・アッテンボロー ピーター・フィンチ ハーディ・クリューガー アーネスト・ボーグナイン ジョージ・ケネディ ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
物語 サハラ砂漠の上空を飛ぶ双発双胴輸送機が突如激しい砂嵐に巻き込まれた。 間もなく右側のエンジンが停止し、左側も止まった。 初老のパイロット、タウンズ(ジェームズ・スチュアート)の懸命の努力も虚しく、双発機は砂漠に不時着した。 その時の凄まじい衝撃で積荷が崩れ、二人が死亡、ガブリエルは足を潰され動けなくなった。 タウンズの他にその助手モラン(リチャード・アッテンボロー)、イギリス陸軍大尉ハリス(ピーター・フィンチ)、その部下ワトソン、石油会社従業員ベラミー(ジョージ・ケネディ)、同じくコップ(アーネスト・ボーグナイン)、クロウ、カルロス、ガブリエル、スタンディッシュ、フランス人医師ルノー、それにドイツ人の青年ドーフマン(ハーディ・クリューガー)の12人が生き残った。 残った12人に水の予備は10日分しかない。双発機は大きく損傷している。そのうちに捜索機が来てくれるものと皆は信じた。しかし、砂嵐のために飛行ルートが大きくずれているから、それも果たしてどうなることやら。 事故から5日目。はるか上空を飛ぶ飛行機を発見した。皆は煙をたき手を振った。しかし、35000フィートも上空を飛ぶ飛行機からは見える筈がない。 ハリス大尉が水場のあるところまで歩いて行くと言い始めた。 一番近くの水場でも106マイルもある。行っても汚い池とヤシの木しかない。おまけに昼は日陰でも49度もあるのだ。 「磁石がある」 ハリスは言った。 「磁気を帯びた岩山だから役に立たない筈だ」 タウンズ機長が言う。 「星がある」 ハリスは言い張った。 「106マイルもあるんですよ!計算が1パーセント狂ったらエッフェル塔でも見落としますよ」 モランは言ったが、ハリスは聞く耳を持たなかった。 タウンズ機長が渋々認めるとハリス大尉は猿を担いだカルロスを伴い砂漠に向かい出発した。 「方位を確かめるため、3日間、正午に煙を上げてくれないか」 ハリスが言った。 「3日間?」 タウンズ機長が問うと、「それ以上は必要ない」 つまり、3日の内にはオアシスに到着している筈だということだろう。さもなければ方向を誤ってのたれ死んでいるだろう。 しばらくしてコップの姿が見えないのに気付いた。精神薄弱のコップはハリスに同行を断られていたのだが、隙を見てハリスの後を追ったに違いない。 タウンズ機長が様子を見に出かけた。空に禿げたかが舞う。その下にコップは力尽き倒れていた。 タウンズがガックリ肩を落として帰ると、ドイツ人のドーフマンが皆を集めて語り始めた。ドーフマンは航空機デザイナーである。 「機を調査しました。改造すれば飛び立てますよ」 「からかうのはよせ」 タウンズ機長は一蹴した。ドーフマンは尚も続けた。 「まず、胴体だが、損傷のない左側のを使う。右の主翼をこの胴体に取り付け尾翼も同様にすれば航空力学的にも頑丈な新しい機が出来上がる・・・」 彼によれば、脚は不時着の時にすべて破損してしまったため、スキッドというスキーのような滑走部を作る。 「ただし、機体の重心をとるため、全員翼に分乗して欲しい」 というのだ。 「ジャガイモの袋みたいに翼にぶら下れというのか、怪我人もいるのだぞ、移動も禁じられているのにそんなロデオみたいなことを・・・」 タウンズは反論した。 ドーフマン 「機体の改造に少なくとも12日かかる。怪我人はあと何日生きます?6日?」 フランス人医師のルノーが言った。「・・・もっと、短い・・・」 「じゃ、その問題は自然に解決する訳だ」 とドーフマンが言ったのでタウンズの怒りが爆発した。 「この冷血漢め!しかもあのエンジンは2000馬力だぞ、うかつにスタートさせてみろ、機体はバラバラ、乗ってる人はプロペラで挽き肉にされちまう」 タウンズ機長は理論家で口の立つドーフマンにカリカリきていた。 タウンズの助手モランはそんな時、いつも冷静に仲をとりもつ中和剤だった。 「しかし機長、千に一つも成功するかも知れないなら、死を待つよりいいですよ」 その夜からドーフマンの指示で機体の改造にかかった。ウインチを使い左の胴体を移動させ、右主翼をその胴体の所定の位置に移動した。 そんな最中、ハリス大尉が戻った。体力を消耗し、行倒れ寸前の状態だった。彼は結局、水場にたどり着けずに戻ったのだ。 足を負傷して寝たきりのガブリエルが手首を切って自殺していた。助かりそうもない将来を悲観したものか、自分が皆の足手まといになるのを感じたためであろうか。そのままでもそう長い命ではなかったというのに。 残り少ない水の量が変だ。タウンズ機長が気付き怒鳴った。 「水を盗んでいる奴がいる、今度見つけたら殺すぞ!」 「俺だ・・・」 ドーフマンだった。 「俺は皆が寝ている時も休んでいる時も働いてる。その分、水ももらった。だが、これからは平等だ。時間がない。これからは皆に平等に働いてもらう」 右翼を単発胴体に溶接すると、見た目は飛行機らしくなってきた。胴体に『THE PHOENIX』と描かれた。フェニックス、不死鳥という皆の希望を文字に込めた。 ハリス大尉が快復してあたりを見回りしていた時、丘の向う側にアラブ人の集団を発見した。ルートからそれた戦闘部隊だ。12人がラクダに乗っていた。どうやらそこで野営するらしい。 ハリスがワトソン軍曹を連れ偵察に行こうとすると、 「行きません」とワトソンは拒否した。「・・・なんだと?これは命令だぞ。水はあと3日分しかない、アラブに助力を頼むだけだ、怖がることはない」 しかし、前からハリスに反抗的なワトソンが拒否したため、アラブ語が堪能な医師ルノーがハリスに同行することになった。 翌朝、アラブ人たちは立ち去り、そこにハリスとルノーが首を切られて死んでいた。 タウンズ機長は乗客の命を預かる責任を感じて自分を責めながら帰ると、ワトソン軍曹はにやりとして、「・・・死んでたろ」 と言った。タウンズはワトソンを殴りつけた。 タウンズ機長はドーフマンにエンジンのテストをしたい、と言うと、ドーフマンが拒否した。スタート用の弾薬は7個しかない。それがないと永久にこの砂漠から脱出不可能になる。 二人はまたもや対立した。 「・・・いい年をして、若造に顎で使われるのがシャクだった。でも、彼の言うことがいつも正しい、これが面白くないのだ・・・」 タウンズは助手モランにもらした。モランは機長の心情も良く分かる。 「全員集まってくれ!・・・ここのリーダーは誰だ!」 ドーフマンが言った。 モランは機長の顔をチラと見た。 「・・・君さ」 タウンズはドーフマンに言った。モランはホッとした。 作業が再開された。タウンズが着く操縦席、翼の上に残りの6人がへばりつく場所、スキーのような滑走部が出来ていく。 休憩時間。タウンズがドーフマンの持っていたカタログを見ている。 「これは君の会社のか?」 「モデル機の製造が専門だよ」 と、ドーフマンは胸を張った。 「普通の飛行機を設計したことは一度もないのか?」 モランも聞き返した。 「あるものか、だが原理は同じだ」 ドーフマンは場所を離れた。 タウンズはいやな予感がして、「・・・正気じゃない、奴はオモチャの設計屋だ・・・他の奴等に何と言う」 「・・・何も言わない方がいいでしょう・・・」 モランも不安が隠し切れない。 「水もない・・・ここで死ぬか、オモチャの飛行機で死ぬか・・・どちらかじゃないですか・・・ハハハハ、ウウウウハハ・・・」 終いに泣き笑いになる。 ドーフマンに近づいたタウンズが言った。「ところで、ドーフマン、オモチャの設計者だということは皆には伏せておこう」 ドーフマンの顔色が変る。「・・・オモチャ?・・・」 「皆が動揺するからだ」 「オモチャの飛行機とは、手で投げて飛ばすだけのものだ。モデル機とはまったく違う!初めて空を飛んだのもライト兄弟より50年も昔のことだ。・・・オモチャじゃない!現代の航空機の設計理念はモデル機が産んだものだ」 ドーフマンはトウトウと述べまくった。 準備が整い、いよいよタウンズ機長が操縦席に着いた。エンジン始動用弾薬は7個。一発、二発・・・皆が固唾を飲み見守る中、六発目にエンジンがかかった。勢い良くプロペラが回転する。全員が歓声を上げ小躍りした。 6人がロープで引っ張り位置を整え、次々と翼に乗り込んだ。 果たして『フェニックス』は飛ぶのか。タウンズがエンジン全開にすると少しづつ、頼りなくも『フェニックス』は砂漠を滑り出し、とうとう舞い上がったのである。 砂漠を見下ろし、不時着機の残骸を後に『フェニックス』は7人を乗せ飛んでいく。 「あれは何だ」 妙な飛行物体を見上げた石油採掘現場の男たちがあっけにとられる。『フェニックス』はその近くに着陸した。 7人の男たちは死のサバイバルから脱出した。満々と豊な池の水の中に飛び込む彼らにはこれまでの葛藤や対立が嘘のようであった。 |
| 映画館主から サハラ砂漠に不時着した双発機が奇想天外な脱出を図るロバート・アルドリッチ監督の異色作。男くさい映画で女性は一人も登場しません。 砂漠の真中で誰も助けに来ない。損傷激しい双発機を改造して果たして砂漠から無事に飛び立てるのか、というのが主題で、そこに男対男の葛藤が繰り広げられます。 キャストが豪華で、ジェームズ・スチュアートをはじめ、リチャード・アッテンボロー、ピーター・フィンチ、ハーディ・クリューガー、アーネスト・ボーグナイン、ジョージ・ケネディと曲者個性派が並べばひと悶着起きないほうが不思議です。 サバイバルの中を懸命に生き、機体を改造していく男達の顔の皮が剥け髭は伸び放題になります。中でもリチャード・アッテンボローとハーディ・クリューガーが圧倒的に存在感抜群。 「ジュラシック・パーク」(’93年、監督:スティーブン・スピルバーグ)の博士役で知られるアッテンボローは、’69年の「素晴らしき戦争」を手始めに監督業でも活躍し、’82年の「ガンジー」では監督賞、作品賞を含むアカデミー賞8部門を独占するという快挙を成し遂げています。 「シベールの日曜日」(’62年)が有名なハーディ・クリューガーは生粋のドイツ人。インテリでしかも頑固な天才技師を演じ、これまた頑固な機長ジェームズ・スチュアートと真っ向から対立します。その二人の中に入って取り持つのがアッテンボローです。 様々な事件、葛藤、対立がある分、ラストの『フェニックス』の飛び立ちが感動的です。 |
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