JATAN現地調査報告会
「インドネシアの紙パルプ用伐採の現状」に参加して
主催 JATAN 相模大野 大野南公民館にて
2007年7月7日
(1)コピー用紙が地球温暖化をひきおこす?
まるで、「風が吹けば桶屋がもうかる」みたいな話だと思った。コピー用紙を使えば膨大な二酸化炭素を出すことに荷担する…。こんなことを自覚してコピーしている人がいるのだろうか?
以前からJATAN(熱帯林行動ネットワーク)の購読会員で、会報は読んでいたのでおおよそのことは知っていたし、インドネシア製のコピー用紙が量販店や小売店を席捲しているのも目の当たりにしてわかっていた。でもそれは、私の中では「コピー用紙にするため熱帯林が大量に伐られ、その後単一樹主が植林されているので、現地の生態系を破壊しているらしい」「インドネシアの製紙会社は汚水を処理せず排水しているので、川で身体を洗ったりする住民に皮膚病や眼病がでているらしい」「パームオイルを取るために熱帯林が破壊されているらしい」といった上っ面の、あくまでも伝聞による自分とは関係のない「知識」でしかなかった。
この報告会に参加して一番ショックだったのは、泥炭地から大量のCO2が出ていて、そのCO2は京都議定書の「対象外」のためカウントされていないこと、そして泥炭地から排出しているCO2は私たちの消費行動と密接な関係にあることだった。
このことを知った以上、今後私はインドネシア製のコピー用紙もパームオイルも熱帯材も極力使わない、周りの人にもそう話すと決めた。でも問題は、どれがそうなのかわかりにくいことである。
(2)どうやって見分ければいいの?
私たちは古紙入りの紙を使うことで、インドネシア製のコピー用紙を使うことは避けられる。インドネシア製のコピー用紙はバージンパルプ100%だから。でも一般の人が気軽に買えるところには、再生紙のコピー用紙は売られていないのが現状だ。何とかしなければ。
ではパームオイルは?以前、サラワクキャンペーン委員会の人が、パームオイルを生活から排除することは本当に難しいといっていた。「市販の総菜やアイスクリーム、お菓子、マーガリン、マヨネーズ、チョコレート、石鹸など、あらゆるものに入っているから。でもパームオイルはマレーシアの熱帯林を破壊して作ったプランテーションで作られているので、努力して少しでも消費を減らしていく」と話されていたのを思い出す。そうか、パームオイルはインドネシア製であっても他国製であってもどれも使わない方がいいのだから、市販のものは原料を確認できるもの以外はできるだけ控えようと思った。
原料の確認で一番簡単なのは「植物性油脂」と書いてあるものを避けること。植物性油脂表示の大半はパームオイルだから。もちろん「パーム油」「オイルパーム」表示も避ける。買ってよいのは「ヤシ油」。これはココヤシのことだからだ。プランテーションで栽培されるため問題があるのはあくまでもアブラヤシである。
実は15年以上も前になるが、パームオイルがマレーシアの熱帯林を破壊していることを聞き、しばらくはかなり注意して避けていた。しかし、時が流れ、食品での排除が難しいことを理由に、今では石鹸類に含まれるパームオイルだけを避けるだけで満足していた。反省…。なぜもっとまじめに取り組まなかったのだろう?この15年の間に「植物性」はまるで環境良品のようにいわれて増え続けてしまったではないか。私一人の取り組みで流れが変わったとは思えないが、それでもこの後味の悪さを二度と味わいたくないと思う。
では熱帯材はどうか?国産材を利用し、熱帯林を避けてはいた。でも本当に避けきれていたのだろうか?100円ショップの木製品は買わないようにしていたし、合板の家具も買わなかった。棚板は国産のスギを選んだ。でも…、絶対に買わなかったとはいいきれないくらい気持ちがゆるんでいた。
これを機にもっと気をつけようと思う。私たちがインドネシア製コピー用紙やパームオイル、熱帯材を買うことによって、熱帯林がなくなるだけでなく、泥炭湿地から大量の二酸化炭素が排出されるのだから。
(3)なぜ湿地帯からCO2が出る?
以下が、昨年JATANによって<forest>メーリングリストに配信された国際湿地保全連合のプレスリリースである。これだけでもかなりのことがわかったのに、それでも私の頭はまだ「理解」を拒否していたのだ。
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インドネシアの湿地帯の破壊が気候変動に悪影響を及ぼす
国際湿地保全連合は11月6日、インドネシアで泥炭湿地が広範囲にわたって乾燥化し、伐採され、焼かれるために、大量の二酸化炭素を排出していることを明らかにした。
泥炭地は、植物が完全に分解されずに数千年もの間堆積したもので、現在全世界で消費されている化石燃料の100年分に相当する炭素を蓄積している。
木材や紙、パーム油の国際的な需要が増加していることが、破壊の主な原因である。湿地帯の熱帯雨林は伐採のために水が抜かれ、伐採後は水位が70cm以上も低下する。
泥炭層は乾燥化によって分解が進み、二酸化炭素を放出する。これは、火災が起こると加速することになる。毎年20億トンの二酸化炭素が大気中に放出されていると報告している。
産業排出量では世界で21番目のインドネシアは、泥炭地からの排出量を含めると、インドやロシアを抜いて世界第3位の二酸化炭素排出国になる。これは、京都議定書において西側諸国が約束した排出削減量の合計よりも多い。
現在の京都議定書では泥炭地からの排出は対象外となっていることから、それを削減しようとする取り組みはほとんど行なわれていない。
(Wetlands Internationalプレスリリース、2006/11/06)
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この報告会で見せられた映像と話のおかげで、私はようやく木材を運搬するため湿地帯に何本も張りめぐらされる運河と、その運河のせいで長い年月かけて堆積した未分解の植物が分解されCO2を排出、地盤沈下がおこり、湿地帯が乾燥し、そして火災によって一層CO2が排出されるという図式を頭にたたきこむことができた。
新聞で時々見かける何ヶ月も鎮火しない森林火災の報道も納得できた。この乾燥した泥炭層に火が入ってしまったら雨期に入っても簡単には鎮火するはずがない。
(4)自分にできることをしよう
私の断片的な知識がようやくつながり、しなければならない行動も見えてきた気がする。まず市内の量販店や100円ショップのコピー用紙を調査し、この報告会でもらったハガキを参考にして手紙を書いて送ろうと思う。資料や返信用封筒を同封するのも有効かもしれない。その後、電話や訪問を続けていけばきっと再生紙のコピー用紙を置いてくれる店もあらわれるはずだ。
長文を最後までお読みいただき、ありがとうございました。いずれ途中経過もお知らせします。