タスマニア森林問題報告記

2006.11.8 大阪セミナー「タスマニア森林破壊と野生動物〜日本の紙原料供給地の現状」 

主催/RAN日本代表部、AMネット 講師/川上豊幸氏

 もう7〜8年も前でしょうか。JATAN(熱帯林行動ネットワーク)などの呼びかけに応じて、オーストラリアの原生林を守る2つのNGOの代表が来日し、大阪や静岡、東京でシンポジウムを開催しました。

 静岡では、松谷きよし議員らがこのNGO代表2人を連れて大昭和製紙へ行き「オーストラリアの原生林を伐採するのはやめて、代わりにオーストラリアで既に育っている人工林を製紙原料にして」という申し入れを行いました。大昭和製紙からは解答を得られなかったものの、シンポジウムには多数の市民やマスコミが参加し、盛り上がりを見せました。私は彼らの話の中で、オーストラリアでは港に積まれたチップの山を「マウント フジ」と言っているということを聞き、ショックを受けたものです。

 その後、オーストラリアの森はどうなったの?タスマニア原生林は?など問い合わせを時々いただきましたが、私自身勉強不足でわからなかったため、今回上記のセミナーに参加することにしました。

(1)一日あたりサッカー場40個分のタスマニア森林が消失。毒入り人参で殺される動物たち

 タスマニアは北海道の8割程度の大きさのオーストラリアの島です。巨木や天然ユーカリの老木の多い貴重なタスマニアの森は、現在年間平均1万5千ha(一日あたりサッカー場40個分)も皆伐されているとのこと。伐採後は火炎瓶で焼き払われ、その後で植林されます。植林した苗木の芽を動物が食べてしまうことを防止するため、猛毒「1080」を混入したニンジンを森にまくそうです。1080を食べた動物は死に、さらにその死骸を食べた動物も死にます。さすがに1080は、2005年末に州有林での使用が禁止されましたが、現在でも私有林では使われているそうです。

 また以前と比べ、現在は「85m以上の木は伐らない」などの規制ができて、多少はマシになったようですが、せめて70m以上にしないと効果が薄い、本当に伐られていないのか、など問題はまだまだ山積しているそうです。

(2)伐採された天然林は日本に来て紙に!

 タスマニアで伐採された木の90%が木材チップになり、そのうちの80%が王子製紙や日本製紙によって日本に輸出されているとのこと。コピー用紙やティッシュペーパーになるのでしょう。大王製紙や三菱製紙は天然林からのはやめて、人工林からのチップに転換したそうです。王子製紙や日本製紙も早急に転換してほしいものです。

 天然林からのチップと人工林からのチップはどこが違うかというと価格が違うのだそうです。人工林からのは品質が均一なので、天然林チップと比べ10〜15%高いとのこと。天然林には人工林にない生物多様性などの大きな価値があります。にも関わらず天然林チップの方が安いというのは自然が軽視されているからに他ならないでしょう。

 そこまでして作っているコピー用紙ですが、使い終わったコピー用紙は現在あまりリサイクルされていません。今後もっと回収をすすめ、古紙配合率の高いコピー用紙を増やし消費者がそれらを選ぶようにすることが大切ではないかと思いました。もちろん、紙を無駄に使わない、紙の原料には持続可能な経営をされた人工林からのものを選ぶ、などは言うまでもありません。

 詳しくはRANのHP(下記)をご覧下さい。火炎瓶を投下され焼き尽くされた森林の写真を見ることができます。

http://treesnotgunns.org/jp/

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