私は自分が「アダルト・チャイルド(AC)」であることを認識しました。「AC」とは「アル中やギャンブラーなどの親」から精神的虐待を受けたの「子どもたち」のことをいいます。私の場合「アル中」と「AC」の二重苦に、さいなまれているようです。
 私が入院中に、講話があって、いわゆる「依存」とは、「胎児が羊水の中にいるような状態である」と聞きました。私もアルコールに依存することによって、胎児の状態に戻ろうとしているのかも知れません。38才にもなって独身で、一人立ちできない私は、ACです。そして、その原因は「父親」です。私は子供の頃、父親に抱かれた記憶もなく、思春期から現在にいたるまで父親とは、まともに会話もしていません。また(母からきいたところによると)私が幼少の頃、父は毎日酒を飲んで、子ども(すなわち私と弟)の前で怒鳴り散らしていたそうです(私の記憶には残っていませんが)。
 私がアル中になったことについても、職を辞めることについても、私は父親に全く相談しませんでした。将来のことについても、相談したくもありませんし、また、相談できる相手でもないのです。 私は、はっきり言って、父親が嫌いです。父親には憎悪の感情さえ抱いています。つまり、私と父親は正常な親子の関係ではないのです。そのことが、私の感情的発達を阻害したのでしょう。かかりつけの医者にも、そのことを指摘されました。「君はACであるようだ、君の父親を見てそう思った」と言われました。また、「この親にしてこの子ありと感じた」とも言われました。つまり、その医者は私の父親の態度を見て私がACであることを見抜いたのでしょう。そして、私の父親もまた、ある種の『AC』なのです。 しかし、今、自分の病を父親のせいにする事はできません。
 「大人」になりきれず、しかも「アル中」という病気にかかってしまった私は、今そのことを認識して、これから一人で自立していく道を歩いていかなければなりません。その道は決して平坦ではないでしょうが。

(1998/09/01)

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