●過去と未来時空の2点間の固有時間とは、片方から他方へ時計が動いたときの、時計の針の進んだ時間のことであった。
しかし、時空上に勝手に2点AとBを決めたとき、固有時間が求まるとは限らない。
たとえば、AとBが、ある基準で同時刻だったとしよう。すると、時間の差がないので、ミンコフスキーの定理から計算した固有時間の2乗は、以下の通りマイナスになってしまう。固有時間は求まらない。(AB間の固有時間)2=(AB間の時間の差)2−(AB間の位置の差/c)2
(AB間の固有時間)2<0もちろん、同時刻のAからBへの、時計が瞬間的に移動することはありえないのだから、固有時間が求まらないのも当然だ。しかし、AとBが同時刻でなくとも同じことが起きる。
たとえば、AとBの位置の差が(cという大きな数で割ったあとでさえも)時間の差より大きかったら、同時刻でなくても固有時間の2乗はマイナスになり、固有時間は求まらない。
これも当然だ。位置の差をcで割ったよりも時間の差のほうが小さいのなら、この2点間を移動する速度はcより速く動かなければならないが、光よりも速く移動することなど不可能である。
固有時間がプラスの場合、時計は片方から他方へと移動できるから、どちらが過去か未来かはっきりしている。時空上の2点間で物体や何らかの信号が伝わるのは、固有時間の2乗がプラスの場合に限る。その限界が、固有時間がゼロの場合で、そのときは信号(光)は、光速度cで伝わっていることになる。(図解雑学 時空図で理解する相対性理論 ナツメ社より)
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