●重力と時空の歪み

 地上で重力を受けて落下する運動は、時空上では、どのような線で表されるか考えてみよう。落下する物体は、重力によって加速され速度が増す。つまり、時空図では直線ではなく曲線になる。
 具体的に示そう。

 Eを地表の位置とする。地表基準(地表が動かない基準)で考えれば、地表の動きはEを通る垂直な線になる。
 また物体は、最初はA点にあったとしよう。物体はしだいに地表に向けて動いていく。しかも、しだいに速度が増すので、動きを表す線は、どんどん傾いていく。
 重力以外の力が働いてない場合、重力もなければ、物体の運動は直線で表されるが(等速運動)もし、重力があれば曲線になる。
 そこで、アインシュタインは、次のように考えた。重力以外の力が働いていない場合、「物体の運動は測地線になる」のではないか。そして、地表上で物体が加速されるのは、「地球の影響によって時空が歪む」ので測地線が曲線になるからではないか。
 地球がなければ、時空は歪まないので、測地線は直線になる。つまり、物体は等速運動である。また、地球の影響で時空が歪めば、測地線は曲線になる。つまり線の傾きが変わるので、物体の速度は変化することになる。測地線は時空の歪みが決まれば決まるので、物体によって重力の効果が変わらない(等価原理)のも、当たり前である。
 アインシュタイン方程式を解いてみると、地球の周辺での固有時間を表す公式は、

(AB間の固有時間)2=a(AB間の時間の差)2−b(AB間の位置の差/c)2

という形になることがわかる。ここでaやbは地表の距離によって変わる変数である。
 地表から遠く離れれば、aもbも1になって、この式はミンコフスキーの定理になる。つまり時空は歪んでいない(無重力)。また、地表に近づくほど、aは小さくなりbは大きくなり測地線は曲線を描く。これが、われわれが重力と呼んでいる効果の正体なのである。(図解雑学 時空図で理解する相対性理論 ナツメ社より)
 

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