|
ストークスの定理とはストークスの定理はベクトルが定義されている空間内での 線積分を面積分に変換する便利な公式である。 考え方はガウスの定理に似ているが、 完全に納得するためにはガウスの定理より少々の根気が必要かもしれない。 しかし一度イメージが出来てしまえばとても理解しやすい公式である。 ストークスの定理は次のような式として表される。
この中に出てくる
これはベクトルの回転を表す量なので「rotation」を略して
式の意味上に書いたストークスの定理の左辺は線積分になっている。 線積分をするためにはコースを決めなくてはならない。 この定理の場合どんなコースを選んでもいいのだが、 ただ一つの条件として空間内をぐるっと一周した後で元の位置に戻ってきて輪を作るような ものでなければならない。 そしてその輪の上の微小な長さの線分を考えて、その点でのベクトル との内積を取る。
内積を取るということは、微小線分と同じ向きのベクトル成分だけを
取り出して微小線分の長さと掛け合わせるということである。
もし考えているコース上のベクトルの中に、このコースと同じ向きの成分が
多く含まれていれば左辺の値は全体としてプラスになる。
つまり左辺がプラスになる場合、
このベクトルはこのコースに沿って渦を巻いていると言えなくもない。
丸い渦ではないかも知れないし、部分的に逆流しているかも知れないが、
全体として輪を描く成分が多く含まれているということである。
次に右辺についてだが、こちらは面積分になっている。
この時に積分する面としてどのような範囲を考えれば良いかと言えば、
先ほどの左辺の線積分で選んだコースで囲まれた面である。
このために先ほどの線積分のコースはぐるっと輪になっていなくてはならなかったのである。
そうでなければ有限の範囲の面が定まらない。
面の形については線で囲まれていればどんな形の面を考えてもよい。
膨らんでいてもでこぼこしていても構わないということだ。
この面の上に網戸のような細かい網が張られていると考えてみよう。
その小さな四角形一つの面積を 右辺の計算に一体どんな意味があって左辺と同じになるというのだろうか?
ガウスの定理を説明したときと同じパターンでいってみよう。
とりあえず一つのことを認めてもらえばこれをイメージするのはそれほど難しいことではない。
それは、右辺の中の 微小な四角形のうちのある一つに注目し、さらにその一辺に注目しよう。 どの四角形の周りでも右回りに線積分をしているとすると、 この一辺に沿った線積分は、その隣の四角形ではその辺を逆向きに たどって計算を行っているはずである。 つまり、一つの微小な四角形の一辺で計算された量は、 同じ辺を共有するすぐ隣の四角形の計算で打ち消されてしまうのである。
それで全体を積分した時にはほとんど全ての辺についての計算が打ち消されてしまうことになる。 例外的に打ち消されずに残るのは面の縁に沿った辺だけだということになり、 それは左辺で計算したのと全く同じ部分である。
こう考えれば、両辺が等式で結ばれることは当然納得がいく。
残る問題は、本当に
なぜ rotE が回転を意味するのかここからが一番説明の面倒なところだ。 がベクトル量なので 3 つの方向について説明しなくてはならない。
とりあえず、微小な四角形の面が 方向を向いていた場合を考えよう。
すると微小な面積 は、 で表すことが出来る。
また 面に垂直な単位ベクトルも 方向を向いているので との内積を
とると の 成分だけが残る。
よって、 は次のように簡単に表現できる。
これで二つの項が出来上がったわけだが、 これらが微小四角形の周りの線積分を表していることが分かるようにここから変形するのは 多少強引だと思うので、逆に線積分を計算してみてこれと同じになることを示すことにしよう。
微小四角形の周りの線積分をするために次のコースを選ぶ。
まず
一見、左回りをしているようだが、これは この時の線積分を計算すれば
となる。
これについて少し解説を加えておこう。
まず、
よく見るとこの中にごまかしがあるのに気付くだろう。
なぜ
話を進める前にこの疑問に答えておくことにしよう。
まず、
なぜこうなるかという説明は必要だろうか?
私の学生時代のことを考えると念のため説明しておいた方がよいだろうな。
初めのベクトルの これで計算上の疑問が解決したので先に進むことにしよう。 先の線積分の結果を変形してやれば
となる。
これでようやく微小な四角形が
|