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時間と空間の対称性ローレンツ変換の式は次のように書けるのだった。
これだけを見ると美しいなぁ、とは感じないかも知れない。 二つの式の対称性が分かりにくくなっているからである。 しかし、ちょっとした変形をしてやるだけでこの二つの式は非常に似た形になる。 相対論で時間と空間を同じものとして扱うのはこの二つの式が非常に似た形になるという理由からである。
そもそも、時間を秒で表すのは人間が勝手に決めたことであって、
物理的にはあまり意味がない。
光の速度を基準にして時間の単位を決めてやればこの式はもっと綺麗な形になるのではないだろうか。
そこで、 こうすれば時間も空間も、同じ「長さの単位」で論じることが出来るようになる。 SF的な話をするならば、もし人が時間軸の方向へ旅が出来るようになったとして、 ・・・つまりタイムトラベルが可能になったとしてということだが・・・、 1 秒だけ過去へ遡ろうとすれば時間軸の方向へ 30 万キロの道のりを進まなければならない、ということだ。 逆にいえば、我々は常に 1 秒につき、時間軸の方向へ 30 万キロの道のりを進んでいることになる。 なんという凄まじい速さ! 我々は時間軸の方向へ光速で旅をしているのだ! しかし、この例えは視覚的に理解しやすいので面白いだけであって、 実際に 4 次元空間が存在すると思い込んではいけない。 少なくとも私はこのような時間軸の方向などというものが現実にあるとは信じていない。 これはただの概念である。
さて、この変形
これではまだ分数だらけで分かりにくいかも知れない。
そこで、
と置いてやることにすれば、 もっとすっきりするであろう。
見よ、この対称性!
美しいとは思わんかね?
時間と空間が、同じような形式で互いに入り混じるのである。
これは座標を回転させた時の変換式に非常に良く似ている。
3 次元の座標を
どこがどの程度似ているかは自分でじっくり考えて欲しい。
このようなわけで、ローレンツ変換は時空間の中での一種の回転だと考えることが出来る。
光速に近い運動をしている人の座標系と、自分のいる座標系とを比べると、
両者の時空間は回転的なずれを生じているというわけである。
この4次元の回転的なずれは光速に近ければ近いほど大きくなる。
何度も繰り返すが、これは数学的表現の物理的な焼き直しであって、
実際に世界がそのようになっていると考えるべきではない。
いや、人がどのように考えようと、どのように解釈しようとそれは認識の方法なので個人の勝手だが、
少なくとも私は、これは理解を助けるためだけの概念的なものだと信じている。
さすがに形式的には通常の回転の場合と非常に良く似ている。
しかしこれを見ると、時間だけにマイナスがついており、やはり時間と空間は完全に同等というわけではなさそうだ。
3次元での通常の回転とはちょっと違う。
このような性質を持つ空間については数学的に良く調べられており、
「ミンコフスキー空間」と呼ばれている。
この関係式を導くのはとても簡単だ。
ローレンツ変換の式を全て 2 乗して見比べてやれば思いつくだろう。
複雑な理論から導かれたものではないので安心して欲しい。
さて、この時間についてくるマイナスがどうしても気になって仕方がないという人はどうしたら良いだろう。
このマイナスさえなければローレンツ変換を通常の回転のように扱うことが出来て
理論を展開するのに非常に楽になるのだ。
そのための処方が一つだけある。
私はこういう物理的イメージが伴わない数学的トリックが非常に嫌いなのだが、
時間を虚数で表せばいいのである。
そうすれば 2 乗した時に打ち消しあってマイナスが取れる。
これが、物理の素人を神秘の世界に陥れたホーキングの著書に出てくる「虚数時間」の正体である。
皆の者、悩まないが良い。
そんなものが現実にあってたまるか!ってのだ。
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