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糸ようじのこと
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二年ほど前から思うところあって糸ようじで歯を磨いている。なんだかちょっとジジ臭い感じもしなくもないが、習慣づけてみるとなかなかすがすがしいものである。 歯の間を糸ようじで磨くと、初めのうちは歯茎からびっくりするくらい血が出る。まあ、人によるのかも知れないが、私の場合はすべての歯のすきまから血が出た。これがなかなか止まらなくて、触ってはいけない所を触ってしまったような気がしてちょっと焦るが、何回かうがいをしているとぴたっと止まる。 それからなんだかちょっと口の中が臭くなった感じがする。というか、歯の隙間に潜んできた食べかすがいっぺんにいっぱい出てくるので、それが臭い。 二週間くらい続けていると血が出なくなって臭いもしなくなる。慣れれば時間もそんなにかからないので、みなさんもぜひやってみるべきである。 と、ついさっきまで思っていたのである。が、非常事態が発生し皆様に手放しで糸ようじをお勧めするわけにはいかなくなった。 歯の間で糸ようじが切れて、それが歯の間に挟まってしまった。いや、糸ようじが歯の間で切れるというのは当たり前の話で、今まで歯の間で糸ようじが切れたことがなかったのかというと、それは何度もあるのだが、過去のパターンでは新しい糸ようじが救出に向かうと、歯の間で遭難してしまった糸は簡単に出てきたのである。ところが、今回は救出に向かった糸ようじも切れてしまった。二次災害発生である。救出部隊は慎重に行動していたのだが、今回のケースは予想以上に手強かった。このままでは救出チームの命も危ない。というか、歯の間が相当気持ち悪い。なんせ奥歯の間に糸が二本も挟まっている。当局は即座に次のチームを派遣したが、情報が混乱していたため、間違って隣の歯の隙間に向かっていった。先に隣の隙間に2本の糸が遭難しているせいか、間違って糸ようじをねじ込んだ所はいつもよりも隙間が狭くなっていたようである。おかげで、第二次救出部隊は突入したものの動けなくなってしまった。人間焦るとろくなことはないのである。だいたい、歯の間に糸が挟まったくらいで焦っている私の人間としての器の小ささは何だ。自らの危険を顧みず救出に向かったさっきの糸ようじに対して恥ずかしくないのか!と思いつつも、抜き差しならなくなった糸ようじをくわえてよだれをたらす私である。結局、間違って救出に向かった糸ようじもさらに遭難するということになってしまった。糸ようじも安くはないのだ。これ以上の犠牲は出せない。私は救出を断念した。 はっきりいって、口の中が相当気持ち悪い。糸ようじを侮ってはいけないのである。 (2002/01/21) |