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ミラーズ・クロッシング
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この映画は、監督が 「風に乗って林の中を流れていく帽子」 の映像を撮りたかったから作った、という話を聞いたことがある。ちなみに監督はコーエン兄弟で、コーエン兄弟って「未来は今」っていう映画も作ってて、そういえば「未来は今」は、ビルからまっ逆さまに落ちていく人の映像が撮りたかったから作った、という話を聞いたことがあるのを今思い出した。あ、「ミラーズ・クロッシング」が帽子の映像を撮りたいから作った、という話に自信がなくなってきたぞ。 そういうわけで、私の映画に関する記憶はあやふやであり何の参考にもなりません。これから不定期にある映画についていろんなことを書いてみるつもりですが、信用してはなりません。 さて、問題の「風に乗って林の中を流れていく帽子」の映像は、確か映画の初めの方に出てきたと思う。ストーリーに対して、その映像が何か含みを持っているのか、というと、私にはそうは見えなかった。芸術的観点から行くと、この映画のなんらかの側面を暗示しているのかも知れないが、そういうわかりにくいことわからないままにしておく方が楽しそうじゃないですか。 重要なのは、「風に乗って林の中を流れていく帽子」の映像が非常に美しい、という点である。静かで絵画的で、何回も繰り返して観たいようなそんな映像である。そして、私にとってもっと重要なのは、帽子の流れ具合が見事すぎる点である。この映画はちょっと変わったギャング映画で、帽子というのはギャング映画で誰もが皆かぶっているソフト帽っていうんですか?アレである。その帽子がとても軽やかに、まさしく舞うように、ピッタリと動かないフレームの中の落ち葉の厚く積もった林の木々の間を抜けて流れていく。不思議なくらいに帽子が軽く動くのである。本当に風に流されているのかどうか、というのが気になってしまう。 あ、もう一度断っておきますが、このシーン、私の記憶が正しければ、の話です。ひょっとするとだいぶ違うかも知れない。 そして、帽子が飛ぶ、という意味では、この映画の中にもう一つ帽子の飛ぶシーンがある。主役の人が椅子に縛り付けられて拷問を受ける、というシーンで、拷問役のオジサンが、倉庫みたいな部屋の扉をバーンと開け放って、ツカツカと主役の人に歩み寄りながら帽子を脱いで無造作に横に投げるのである。このとき、オジサンの帽子は一直線に画面の外に向かって飛んでいく。速度、角度、飛距離、共に申し分ない。帽子を脱いでから投げるまでのオジサンの動きもスムーズで見事である。ソフト帽(でいいのか?私が言おうとしている帽子の名前は)ってあんなに飛ぶのか、という驚きと共に、俺もやってみたい、と思ってしまった。 そう、どっちかというと、こっちの帽子が飛ぶシーンの方が私にとっては印象的なのでした。 (2001/07/02) |