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ガンダム

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 ガンダムが流行っていた頃、私は小学生の高学年だった。周りがやけに熱中しているので一緒になって熱中していた。どれだけ細かくストーリーを知っているかとか、モビルスーツの名前を覚えたりとか、ガンプラとか、そういうことに夢中になっていたものである。映画も当然見に行った。テレビの方は見ていなかった。
 今正直に白状すると、あの頃はガンダムというロボットが他のロボットアニメと違って、レバーとかを用いてきちんと操縦し、ビームライフルは弾切れを起こし、ザクがたくさん出てくる、という本物っぽい雰囲気が好きだっただけで、話の方はよくわからなかったと言えよう。
 話の方をきちんと理解したのがいつだったか、というのはハッキリと思い出せない。一時期のブームが過ぎて、何回かテレビで再放送していたのを見ていたときだと思う。改めて感心したのである。話がきちんとしているのである。ブームのピーク時には新聞記事になるくらいに大騒ぎになっただけあって、大人の鑑賞にもしっかりと耐えられるのであった。
 大学院生の時、火曜日の夜中に昔のアニメを再放送するという番組があって、妖怪人間ベムとかキャシャーンとかやっていたのだが、そのうち「ガンダム」のテレビ版が再放送されはじめた。私は理系のみの大学に通っていたのだが、ガンダムは大学内で静かに激しくブームとなった。大学内での視聴率は相当なものだったに違いない。同世代の理系の人間でガンダムを知らない男の子はいないに等しかったのである。そのブームはある意味小学生高学年の時よりも熱かった。みんな水曜日の朝になると「ガンダム」の話ばっかしだったんである。テレビ版ではGファイターが出てくるが映画ではコアブースターになっている、と言うようなことは周知の事実であった。
 みんなして、ガウで特攻するガルマに、グフのコクピットを切り裂くガンダムに、ジムの腹を突き破って片膝を着くシャア専用ズゴックに、ビグザムに突っ込んでいくGファイターに、シャアをかばうララアに、足がないので80%の完成度のジオングに、頭と片腕と片足を失ってうずくまるガンダムに、コアファイターで脱出するアムロに、その全てを懐かしく思い、体震わせたのである。
 もちろん、私も大ハシャギした。友達とガンプラどっちが上手にできるか勝負をしたりした。二人ともなぜかガンキヤノンを素材に選んでいたのだった。ドムが売ってなかったから、という理由も同じなのだった。
 いまだに、おもちゃ屋のプラモデル売り場に行くと、ガンプラを手にとってしまうのである。最近のガンプラはすごいのである。あまりにすごいのでこないだ1/144ガンキヤノンを買ってしまった。組み立てて見たらとても立派な物が出来上がってしまって、今は机の上に飾ってある。
 手塚治虫も確かにすごいかもしれないが、日本にアニメを文化として根付かせたのは「ガンダム」だと思っている。

 こないだ、また、ガンダムの再放送があった。映画版のパート1である。マキはガンダムを見たことがない、というので一緒に見た。
「いくら三部作だからとはいえ、こんな中途半端に終わる映画ははじめて見た。何にも解決してないやん」
というのがマキの感想だった。言われてみればその通りである。今、こんなふうにパート1が終わる映画に客が来るかは相当疑問である。やっぱりガンダムはすごいのだ。

 ちなみに、再放送があったのはパート1だけだった。

(2001/07/02)


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