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6ーd
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人間の記憶を目から読み取ってデータとして保存する、というシーンがよく出てくる。この映画はわりとよくできていて、シュワルツェネッガーが出る映画は最近どれもこれもとても見られたもんじゃないがSFだけはそんなことないなあ、と思っていたのだが(それだけシュワルツェネッガーの存在感と演技力が現実味がないということですかね)、この目から記憶を吸い出すシーンだけがちょっとひっかかっていたのである。なんというか、安直というか、考えが浅いというか、なんで目から、というか。 人間が得る情報のうちのほとんどは視覚に頼っているという話もあるし、その辺あたりが根拠になっているのかなあ、と漠然と思っていたりしたのだが、こないだ理由がわかった。 その日はたまたま家に誰もいなくて、私が家を出る時には、私が自分で家の窓を全部閉めてカギをかけなければならなかったのだが、家を出て三十歩くらい歩いて、ふと思ったのである。 「あれ、玄関のカギかけたっけ」 それを確認するために、私は立ち止まって、家を出る少し前の状態からの記憶をたどってみた。あの窓を閉めて、カギをかけて、あの窓を閉める時にカーテンがひっかかって、玄関で靴履いて、カギを持って、扉を開けて、カギをかけて、あ、カギかけた。 文章にすると伝わりにくいかも知れないが、これらのプロセスを振り返るために、私はそれぞれのシーンを頭の中に映していたわけで、自分の右手が持っているカギがカギ穴に入ってカチャッと回る様子を見ていたことを思い出して、自分がさっきカギをかけたことを確認したわけである。 目から記憶を吸い取る、というのは、ひょっとするとこういうことが下敷きなんじゃないのかなー、とそのときになって初めて気がついたわけですが、全くSFの人はふだんからこんなことばっかし考えているのでしょうか。 (2001/07/02) |