movie
裸のランチ

top page


 やっと、こないだ原作を読み終えたのである。長かった。原作が、じゃなくて、映画を見てから原作を読み終えるまでが。30歳を超えるとバロウズはきついものがある。とにかく読んでて眠くってしょうがないのである。グジャグジャのドロドロでワケがわからないのは覚悟の上で、ずっと読まずにいた「裸のランチ」を手に取ったのだが、いやー、予想以上に眠かった。一日一章読むのが精一杯です。まあ、布団に入って読んでいた、という姿勢にも問題があるのかも知れませんが。
 映画「裸のランチ」はレンタルビデオで見ました。ちなみに、ツタヤのジャンル分けの基準からいうと、「裸のランチ」はホラー/スプラッターになるらしいです。
 そのころ、私は大学の高学年で、まあギャーギャー騒いで遊ぶのにも一段落ついて、ちょっと小難しいことに興味を示し出す年頃ですな。彼女のいない理系単科大学の大学生なんて、バイトしたらしただけ金が貯まっていくようなものだから、今みたいに本屋でいろんな本を真剣に見ながら一発必中を狙って結局買わない、なんてセコイことはしなくて、ちょっと興味のある本があったらとりあえず買って読んでみる、ということを頻繁にしてました。彼女のいない理系単科大学の大学生なんて、時間の自由度は無限大に近いので、面白そうな本は徹夜で読んだりしてました。ああ、あの頃の全てが良かったとは思わないが、こういったところは良かったなあ。
 ウイリアム・バロウズは、確か中島らもの本で知ったと記憶しています。私がバロウズを知った時とバロウズのブームが来たのがちょうど同じ頃で、ちょっと大きい本屋に行くとバロウズの本が置いてありました。今から思えば、何も考えずに「裸のランチ」だけ手にとってれば良かったものを、その横にある「CITIES OF THE RED NIGHT」「THE PLACE OF DEAD ROADS」「THE WESTERN LANDS」が三部作と知って妙に燃えてしまったのでした。1冊2500円。3冊まとめて買ったものの、さすがにこの値段は無視するわけにもいかなくて、意地で三部作を全部読んだ。おかげで「裸のランチ」までは手が回らなかった。でも、あの頃はバロウズの本を読んでいると頭がだんだん煮えてきて先に進めなくなっていたのに、今ではバロウズを読むと寝てしまうのです。歳をとるってのは、そういうことでもあるのだなあ、と若かりし頃を振り返ってしまいました。
 映画「裸のランチ」を観たのは、その三部作を読む前だったか後だったか忘れました。クローネンバーグは「ザ・フライ」でブイブイ言わせていたので知ってましたが。でも、「ビデオ・ドローム」と「スキャナーズ」を見たのは「裸のランチ」より前だったか後だったか忘れました。なんか、この辺のワケわかんない映画とか本って、読んだ時期が現実とシンクロしていないので、記憶の中で時系列に並んでないですね。頭の中の、ワケわかんない棚という記憶をしまっておく棚の中で一括りになってる。
 「裸のランチ」は原作があんななので、そのまま映画化するのは非常に困難なわけですが、クローネンバーグの撮った「裸のランチ」の原作はやっぱり「裸のランチ」だ、ってわかるだけでもすごいと思う。それがわかる、というのはすごいことですよ。そういう意味では映画の「裸のランチ」は「裸のランチ 入門編」ってことになるのかなあ。原作を読んだ今、もう一度映画を見たら、若かった頃とは違う印象を受けるのでしょうか。それとも眠ってしまうのでしょうか。

 ところで、映画の中でもっとも印象的なキャラクター、マグアンプ君ですが、原作の中では「大立て者」と翻訳されています。どういう意味なんでしょう。
 マグアンプといえば、園芸で使う植物用カンフル剤にマグアンプというのがあるのですが、それとは何か関係あるのでしょうか。私は妻が読んでいる園芸の本を見て、マグアンプの広告を目にするたびに彼の姿がちらついてしまいます。

(2001/07/02)


MOVIE MENU