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ジャッカル

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 原作は、「ジャッカルの日」である。有名。名作。巨匠フォーサイス。読み出すと止まらなくなることはわかっているので、特に予定のないまとまった時間が手に入る時に、手に取るように心掛けている。だから、2回しか読んだことがない。まあ、すごく面白いという印象以外は、細かいところはかなり忘れているということで、そういう状態でこの映画を観た。確か、どこかの映画会社の何周年かの記念のすごい映画っていう触れ込みだった、はず。ブルース・ウイリスが悪役やってて、リチャード・ギアも出ている、と。
 全然面白くなかったので、がっかりした。
 原作は、スピード感があって密度の濃い印象なのだが、この映画は、観終わった後の妻の感想が全てをあらわしている。
「2時間くらいにコンパクトにまとめたらもっと面白かったかも知れないのに」
 2時間の映画なんである。あははー。そんなこと言っちゃマズイでしょー。
 そして、つい最近、持て余すはずのまとまった時間が手に入ったので、今こそ、ということで「ジャッカルの日」を手に取った。持て余すはずの時間はあっという間に過ぎていき、すっかり満ち足りた気分になった。  それはそれとして、あの全然面白くなくてがっかりした映画のシーンがチラッチラッと頭の中にフラッシュするのである。いや、別に本を読むのに邪魔なほどじゃないので、面白くない映画が面白かった本を面白くなくす、ということではないですよ。
 私は、あの「ジャッカル」という、大勢の人に記憶に残っていないであろう映画を観た時から、ずっと疑問に思っていたのだった。
「この映画の、どこが "The days of Jackal" なのだろう」
と。そして、原作を読むことで、疑問がいくつか解消したのである。このシーンは映画のあのシーンに似ている、とか。このシーンは映画のあのシーンに相当するに違いない、とか。
 原作のある映画は、必ず原作と比較されて、ファンの皆様にボロクソに言われるのが常だろう。そういう意味では原作を読まずに映画を観た方が幸せと思うときもある。映画が面白かったから原作を読んでみたらやっぱり面白かった、ということはあっても、後で原作を読んだら映画がつまらなく思えた、なんてことはないからね。でも、原作を読まずに「ジャッカル」を観た人は、きっと「ジャッカルの日」を読もうとは思わないだろう。もし、読もうと思った人がいたら、
「わりと有名は「ジャッカルの日」という小説は、本当にこんなに面白くないのだろうか」
という興味を持ったということだろう。
 だいたい、この映画の原作が「ジャッカルの日」だ、と言ってしまって、巨匠フレデリック・フォーサイス様に怒られなかったのだろうか。

(2001/07/02)


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